2009/10/26(月) - 16:39
ファットアルミフレームと言えば、必ず名前が挙げられたキャノンデール。今では当たり前のオーバーサイズという概念をいち早く取り入れたメーカーだ。そしてフレーム製作を始めたときからアルミの可能性を積極的に開発してきたメーカーでもある。
「キャノンデール・アドバンスド・アルミニウム・デザイン」略してCAADシリーズは、かつてキャノンデールのロードバイクラインナップにおけるフラッグシップモデルだった時代もあるほど同社のテクノロジーが遺憾なく注がれたフレームだ。モデルチェンジを行うごとに、形状から素材まで見直しが行われ、常に進化してきた。
カーボンの時代になり、その座を譲ったとは言え高性能であることに変わりはない。それどころか更に進化したCAAD9まで開発した。これはキャノンデールのアルミに対する並々ならぬ情熱があればこそであろう。それがCAADシリーズが究極のアルミフレームと呼ばれる所以だ。
ダミアーノ・クネゴが2004年にジロ・デ・イタリアを制した時、キャノンデールはチームのエースであったジルベルト・シモーニのためにカーボンとアルミのハイブリッドフレーム、シックスサーティーンを用意した。しかしクネゴはかたくなにフルアルミモデルをチョイスした。アルミがクネゴの脚質に合っていたためだろうが、このフレームの潜在能力の高さを示すエピソードの一つだ。
このフレームを語る上で欠かせないのが『アワーグラス・シートステー』だ。カーボンバックフレームが開発されるまで、アルミフレームは硬いというのがレーサー達の常識だった。ほとんどのメーカーがカーボンバックモデルを採用したバイク造りに傾く中、キャノンデールはフルアルミで対等なバイクを作り上げた。細く砂時計状のラインを描くシートステーは、今までになかったアルミの乗り味を実現した。
2010年の高級ロードバイクのトレンド、BB30(ビービーサーティ)もキャノンデールが2000年から提唱しているものだ。ボトムブラケットシェルを大型化して、カートリッジベアリングを圧入し、BBシャフトを直径30mmにすることが名前の由来だ。もちろんこのCAAD9にも搭載されている。基本的にイングリッシュとイタリアンしかなかった近代ロードバイクに、新しい規格を追加したのだ。これはシマノでもカンパニョーロでも出来なかったこと。この規格の優秀さはスペシャライズド、ジェイミス、タイム、オルベアなど名だたる一流メーカーが採用していることからも伺える。
さらにバイク乗りの心をくすぐるのは『MADE IN USA』の文字だろう。アジアメイドのフレームが悪いわけではないが、生まれた国でこだわりを持って作られるフレームはそれだけで所有欲を満たしてくれる。今年はアルミフレームでデュラエースモデルをラインナップするなど、ひと味違った商品構成だ。
今、アルミを再び評価してみようという流れがある。カーボンバックではなく、フルアルミのバイクのラインナップが各社の10速レンジに戻ってきている。それをコストカットの結果と捉えるか、新たな一歩と捉えるのか。このインプレッションを読めば、自ずと分かるはずだ。
― インプレッション
「初心者向きの価格だが、ベテランがレースでも勝てる優秀機」 鈴木祐一(Rise Ride)
キャノンデールのロードバイクはすごく「直球ストライク」、ど真ん中で勝負していると思う。特別どこかが優れているという訳ではないが、逆に「悪いところがあるか?」と言えば、全く見あたらない。そういう意味では、剛性感にしても、ハンドリング特性にしてもそつがない。
一番評価したいと思ったところは、振動吸収性の良さ。”コンフォートバイク的な振動吸収性の良さ”と言うわけではないが、ロードバイクとして十分な快適性をもっている。
今は皆、「アルミフレーム=硬い」というイメージを持っていると思う。そうではなく、振動吸収性に優れたバイクもあるということを声を大にして言いたい。このCAAD9のフレームは、アルミ=硬いという方程式をいい意味で覆してくれる。
「その理由は?」と考えると、キャノンデールの技術力とか、長くアルミフレームの開発に携わってきた歴史がバックボーンとしてあるのだろう。
今回のフレームもダミアーノ・クネゴが乗っていたとか、ジロ・デ・イタリアやメジャークラシックレースで勝つなど、数々の輝かしい実績を持つ。数年前までトップクラスで活躍していたフレームが、BB30などの新技術のフィードバックなども含めて、比較的安い価格で手に入るようになった。自転車をこれから始めるという人にとって、素晴らしくいい自転車。多くの人にお勧めできる。
ただ、ブレーキング性能に関しては不満が残る。フレーム自体の問題ではなく、採用されているテクトロ製のキャリパーの性能がフレームに釣り合っていない。完成車のパッケージとして見た場合、どうしても気になるところだ。購入したらまずグレードアップしても良いところだろう。
「このバイクを買っておけば損はない」と言えるのは、ひとえに優れたフレームがあるから。付いているパーツに満足出来る人はそれでいいのではないか。(私見ではブレーキに関しては安全面から換えた方がいいと思う)。例えばホイールを換える、タイヤを替えるなどパーツをグレードアップしていく時に、ついてきてくれるフレームだ。伸びシロが大きいと言えばいいのだろうか? 発展性がある自転車だと思う。
ハンドル形状は今流行りのコンパクトタイプとまではいかないが、落差が比較的少ないタイプを採用している。完成車として、初心者もハンドルのドロップ部を握りやすい。スペックに表れにくいが評価できるポイントだ。
販売店側としても、このバイクをセッティングしてお客様に引き渡すときに、ある程度の範囲内でいいポジションを出せるし、ユーザーも下ハンドルを握って走る練習も出来る。
最近は落差が大きすぎて初心者が下ハンドルを持てないモデルが多い気がするが、CAAD9はキャノンデールがユーザー目線に立ってバイク作りをしており、乗り手のことを考えたパーツチョイスをしていると感じた。クランクもシマノをチョイスしてあって良かった。
BB30については気になるポイントではあるのだが、アルミの場合はもともとノーマルサイズでも十分な剛性が出ているという先入観のせいか、旧モデル(BB30非搭載モデル)と厳密に乗り比べないと差は分からないかもしれない。
CAAD9に乗っても「何か違うのかな?」 というのが正直なところだ。トピックになるが、インプレライダーとしては実走でもっと特徴があって欲しかった。乗り比べればそのメリットが分かったかも知れない。
総合的に見ればCAAD9はすごく優れた自転車だ。エントリーモデルの価格ながら「これでレースを勝て」と言われても、脚があれば十分に勝てるバイク。初心者はここから始めよう。
「フレーム単体の性能高し! 2ランク上も狙える出来ばえ」 浅見和洋(なるしまフレンド)
フレーム単体としての剛性は非常に高い。完成車価格239,000円からすると、かなりハイレベルだ。シマノ・WH-RS10という完組ホイールが付いているが、このホイールが上手い具合に働いている。今はあまり硬いバイクは好まれないと思うが、このバイクはホイールとフレームとの組み合わせの調和が取れ、当たりの柔らかい走りを実現している。
ハンドリング特性は、乗りやすくて良いバランスでまとまっていると思う。
ただ、ブレーキング性能は完成車として判断するとはっきり言って良くない。フレームが原因という訳ではないが、完成車として装備されているブレーキキャリパーのレベルが低いのだ。価格からすると、このバイクは初心者をターゲットとしているはず。個人的な考えとしては『初心者こそ安全部品にいいものを付けた方が良い』という信条があるので、このあたりはちょっと残念だ。
コーナーリング性能は本来良いのだろうが、ここでもブレーキがネックになっている。キャリパーがレベルを落としていると思う。初心者であればこそ、ブレーキ性能に頼る面が多いはず。下りなどでベテランと比べれば、それは顕著だ。そう言った部分で満足の得られるコーナーリング性能が得られていない。
加速感はフレームの持つ乗り味として非常に高いレベルだ。アルミの持ち味が良く生かされている。しかしWH-RS10ホイールが重量があるため、やや鈍さを感じる。もっとも、フレームもホイールも高剛性なものを組み合わせてガチガチにかためてしまうと不快な部分がでてしまうので、肯定的に考えればトータルで穏やかな走りになるこういう組み合わせもアリなのではないだろうか?
初心者には良いパッケージだと思う。
振動吸収性に関しては、フルアルミフレームとしては非常に良いレベルを保っている。このレベルを保つのは高難易度の技。キャノンデールの技術力だからこそ出来るのだろう。さらにWH-RS10のおかげでほどよい快適性がある。
全体の感想としては、フレーム単体としての性能は非常に高いと思う。だからホイール、ブレーキ、タイヤを換えることによって2ランクくらい上のレベルに生まれ変わらせることが可能だ。
今回の完成車はハードな部分とマイルドな部分がうまく調和されていて、非常に乗りやすく仕上がっていると感じた。デザインもキャノンデールならではのアメリカンなデザイン。優等生ではない、ちょっとヤクザっぽい色気をもっているところが好きだ。
デメリットとして触れたブレーキは、予算があれば交換してしまおう。その場合、乗る前から換えてしまうというのはどうだろう。どのみち付属しているパーツなので、付いているパーツをまず実感して欲しい。そうすればその後に新しく交換したパーツ、例えばシマノ・105のパーツなどの良さが実感出来ると思う。そういったステップを踏んで換えていけば、自転車をより深く知ることができるハズだ。
キャノンデールCAAD9 5COMPACT
フレーム CAAD9 BB30
フォーク スライスプレミアムフルカーボン アロイドロップエンド
カラー RED、LIQ、BLU、GRY
サイズ 44、48、50、52、54、56、58、60、63
希望小売価格(税込み) シマノ・105仕様:\219,000
鈴木祐一(Rise Ride)
サイクルショップ・ライズライド代表。バイシクルトライアル、シクロクロス、MTB-XCの3つで世界選手権日本代表となった経歴を持つ。元ブリヂストンMTBクロスカントリーチーム選手としても活躍した。2007年春、神奈川県橋本市にショップをオープン。クラブ員ともにバイクライドを楽しみながらショップを経営中。各種レースにも参戦中。セルフディスカバリー王滝100Km覇者。
サイクルショップ・ライズライド
浅見和洋(なるしまフレンド)
プロショップ「なるしまフレンド原宿店」スタッフ。身長175cm、体重65kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質は厳しい上りがあるコースでの活躍が目立つクライマータイプだ。ダンシングでパワフルに走るのが得意。最近の嗜好は日帰りロングランにあり、例えば東京から伊豆といった、距離にして300kmオーバーをクラブ員らと楽しんでいる。
なるしまフレンド
ウェア協力:パールイズミ
「キャノンデール・アドバンスド・アルミニウム・デザイン」略してCAADシリーズは、かつてキャノンデールのロードバイクラインナップにおけるフラッグシップモデルだった時代もあるほど同社のテクノロジーが遺憾なく注がれたフレームだ。モデルチェンジを行うごとに、形状から素材まで見直しが行われ、常に進化してきた。
カーボンの時代になり、その座を譲ったとは言え高性能であることに変わりはない。それどころか更に進化したCAAD9まで開発した。これはキャノンデールのアルミに対する並々ならぬ情熱があればこそであろう。それがCAADシリーズが究極のアルミフレームと呼ばれる所以だ。
ダミアーノ・クネゴが2004年にジロ・デ・イタリアを制した時、キャノンデールはチームのエースであったジルベルト・シモーニのためにカーボンとアルミのハイブリッドフレーム、シックスサーティーンを用意した。しかしクネゴはかたくなにフルアルミモデルをチョイスした。アルミがクネゴの脚質に合っていたためだろうが、このフレームの潜在能力の高さを示すエピソードの一つだ。
このフレームを語る上で欠かせないのが『アワーグラス・シートステー』だ。カーボンバックフレームが開発されるまで、アルミフレームは硬いというのがレーサー達の常識だった。ほとんどのメーカーがカーボンバックモデルを採用したバイク造りに傾く中、キャノンデールはフルアルミで対等なバイクを作り上げた。細く砂時計状のラインを描くシートステーは、今までになかったアルミの乗り味を実現した。
2010年の高級ロードバイクのトレンド、BB30(ビービーサーティ)もキャノンデールが2000年から提唱しているものだ。ボトムブラケットシェルを大型化して、カートリッジベアリングを圧入し、BBシャフトを直径30mmにすることが名前の由来だ。もちろんこのCAAD9にも搭載されている。基本的にイングリッシュとイタリアンしかなかった近代ロードバイクに、新しい規格を追加したのだ。これはシマノでもカンパニョーロでも出来なかったこと。この規格の優秀さはスペシャライズド、ジェイミス、タイム、オルベアなど名だたる一流メーカーが採用していることからも伺える。
さらにバイク乗りの心をくすぐるのは『MADE IN USA』の文字だろう。アジアメイドのフレームが悪いわけではないが、生まれた国でこだわりを持って作られるフレームはそれだけで所有欲を満たしてくれる。今年はアルミフレームでデュラエースモデルをラインナップするなど、ひと味違った商品構成だ。
今、アルミを再び評価してみようという流れがある。カーボンバックではなく、フルアルミのバイクのラインナップが各社の10速レンジに戻ってきている。それをコストカットの結果と捉えるか、新たな一歩と捉えるのか。このインプレッションを読めば、自ずと分かるはずだ。
― インプレッション
「初心者向きの価格だが、ベテランがレースでも勝てる優秀機」 鈴木祐一(Rise Ride)
キャノンデールのロードバイクはすごく「直球ストライク」、ど真ん中で勝負していると思う。特別どこかが優れているという訳ではないが、逆に「悪いところがあるか?」と言えば、全く見あたらない。そういう意味では、剛性感にしても、ハンドリング特性にしてもそつがない。
一番評価したいと思ったところは、振動吸収性の良さ。”コンフォートバイク的な振動吸収性の良さ”と言うわけではないが、ロードバイクとして十分な快適性をもっている。
今は皆、「アルミフレーム=硬い」というイメージを持っていると思う。そうではなく、振動吸収性に優れたバイクもあるということを声を大にして言いたい。このCAAD9のフレームは、アルミ=硬いという方程式をいい意味で覆してくれる。
「その理由は?」と考えると、キャノンデールの技術力とか、長くアルミフレームの開発に携わってきた歴史がバックボーンとしてあるのだろう。
今回のフレームもダミアーノ・クネゴが乗っていたとか、ジロ・デ・イタリアやメジャークラシックレースで勝つなど、数々の輝かしい実績を持つ。数年前までトップクラスで活躍していたフレームが、BB30などの新技術のフィードバックなども含めて、比較的安い価格で手に入るようになった。自転車をこれから始めるという人にとって、素晴らしくいい自転車。多くの人にお勧めできる。
ただ、ブレーキング性能に関しては不満が残る。フレーム自体の問題ではなく、採用されているテクトロ製のキャリパーの性能がフレームに釣り合っていない。完成車のパッケージとして見た場合、どうしても気になるところだ。購入したらまずグレードアップしても良いところだろう。
「このバイクを買っておけば損はない」と言えるのは、ひとえに優れたフレームがあるから。付いているパーツに満足出来る人はそれでいいのではないか。(私見ではブレーキに関しては安全面から換えた方がいいと思う)。例えばホイールを換える、タイヤを替えるなどパーツをグレードアップしていく時に、ついてきてくれるフレームだ。伸びシロが大きいと言えばいいのだろうか? 発展性がある自転車だと思う。
ハンドル形状は今流行りのコンパクトタイプとまではいかないが、落差が比較的少ないタイプを採用している。完成車として、初心者もハンドルのドロップ部を握りやすい。スペックに表れにくいが評価できるポイントだ。
販売店側としても、このバイクをセッティングしてお客様に引き渡すときに、ある程度の範囲内でいいポジションを出せるし、ユーザーも下ハンドルを握って走る練習も出来る。
最近は落差が大きすぎて初心者が下ハンドルを持てないモデルが多い気がするが、CAAD9はキャノンデールがユーザー目線に立ってバイク作りをしており、乗り手のことを考えたパーツチョイスをしていると感じた。クランクもシマノをチョイスしてあって良かった。
BB30については気になるポイントではあるのだが、アルミの場合はもともとノーマルサイズでも十分な剛性が出ているという先入観のせいか、旧モデル(BB30非搭載モデル)と厳密に乗り比べないと差は分からないかもしれない。
CAAD9に乗っても「何か違うのかな?」 というのが正直なところだ。トピックになるが、インプレライダーとしては実走でもっと特徴があって欲しかった。乗り比べればそのメリットが分かったかも知れない。
総合的に見ればCAAD9はすごく優れた自転車だ。エントリーモデルの価格ながら「これでレースを勝て」と言われても、脚があれば十分に勝てるバイク。初心者はここから始めよう。
「フレーム単体の性能高し! 2ランク上も狙える出来ばえ」 浅見和洋(なるしまフレンド)
フレーム単体としての剛性は非常に高い。完成車価格239,000円からすると、かなりハイレベルだ。シマノ・WH-RS10という完組ホイールが付いているが、このホイールが上手い具合に働いている。今はあまり硬いバイクは好まれないと思うが、このバイクはホイールとフレームとの組み合わせの調和が取れ、当たりの柔らかい走りを実現している。
ハンドリング特性は、乗りやすくて良いバランスでまとまっていると思う。
ただ、ブレーキング性能は完成車として判断するとはっきり言って良くない。フレームが原因という訳ではないが、完成車として装備されているブレーキキャリパーのレベルが低いのだ。価格からすると、このバイクは初心者をターゲットとしているはず。個人的な考えとしては『初心者こそ安全部品にいいものを付けた方が良い』という信条があるので、このあたりはちょっと残念だ。
コーナーリング性能は本来良いのだろうが、ここでもブレーキがネックになっている。キャリパーがレベルを落としていると思う。初心者であればこそ、ブレーキ性能に頼る面が多いはず。下りなどでベテランと比べれば、それは顕著だ。そう言った部分で満足の得られるコーナーリング性能が得られていない。
加速感はフレームの持つ乗り味として非常に高いレベルだ。アルミの持ち味が良く生かされている。しかしWH-RS10ホイールが重量があるため、やや鈍さを感じる。もっとも、フレームもホイールも高剛性なものを組み合わせてガチガチにかためてしまうと不快な部分がでてしまうので、肯定的に考えればトータルで穏やかな走りになるこういう組み合わせもアリなのではないだろうか?
初心者には良いパッケージだと思う。
振動吸収性に関しては、フルアルミフレームとしては非常に良いレベルを保っている。このレベルを保つのは高難易度の技。キャノンデールの技術力だからこそ出来るのだろう。さらにWH-RS10のおかげでほどよい快適性がある。
全体の感想としては、フレーム単体としての性能は非常に高いと思う。だからホイール、ブレーキ、タイヤを換えることによって2ランクくらい上のレベルに生まれ変わらせることが可能だ。
今回の完成車はハードな部分とマイルドな部分がうまく調和されていて、非常に乗りやすく仕上がっていると感じた。デザインもキャノンデールならではのアメリカンなデザイン。優等生ではない、ちょっとヤクザっぽい色気をもっているところが好きだ。
デメリットとして触れたブレーキは、予算があれば交換してしまおう。その場合、乗る前から換えてしまうというのはどうだろう。どのみち付属しているパーツなので、付いているパーツをまず実感して欲しい。そうすればその後に新しく交換したパーツ、例えばシマノ・105のパーツなどの良さが実感出来ると思う。そういったステップを踏んで換えていけば、自転車をより深く知ることができるハズだ。
キャノンデールCAAD9 5COMPACT
フレーム CAAD9 BB30
フォーク スライスプレミアムフルカーボン アロイドロップエンド
カラー RED、LIQ、BLU、GRY
サイズ 44、48、50、52、54、56、58、60、63
希望小売価格(税込み) シマノ・105仕様:\219,000
インプレライダーのプロフィール
鈴木祐一(Rise Ride)
サイクルショップ・ライズライド代表。バイシクルトライアル、シクロクロス、MTB-XCの3つで世界選手権日本代表となった経歴を持つ。元ブリヂストンMTBクロスカントリーチーム選手としても活躍した。2007年春、神奈川県橋本市にショップをオープン。クラブ員ともにバイクライドを楽しみながらショップを経営中。各種レースにも参戦中。セルフディスカバリー王滝100Km覇者。
サイクルショップ・ライズライド
浅見和洋(なるしまフレンド)
プロショップ「なるしまフレンド原宿店」スタッフ。身長175cm、体重65kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質は厳しい上りがあるコースでの活躍が目立つクライマータイプだ。ダンシングでパワフルに走るのが得意。最近の嗜好は日帰りロングランにあり、例えば東京から伊豆といった、距離にして300kmオーバーをクラブ員らと楽しんでいる。
なるしまフレンド
ウェア協力:パールイズミ
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