スイス・レンツァーハイデで開催されたMTBワールドカップ第4戦。前週の世界選手権で勝利したニノ・シューターが圧巻の走りで優勝し、全日本選手権を控える山本幸平は37位で完走している。



ジャンプでギャラリーを沸かせるニノ・シューター(スイス、スコット・ODLO)ジャンプでギャラリーを沸かせるニノ・シューター(スイス、スコット・ODLO) photo:UCI


男子エリートスタート。ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC)が好発進男子エリートスタート。ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC)が好発進 photo:UCIスイスの大観衆に迎えられてフィニッシュするニノ・シューター(スイス、スコット・ODLO)スイスの大観衆に迎えられてフィニッシュするニノ・シューター(スイス、スコット・ODLO) photo:UCIMTB世界選手権から1週間を開けて開催されたUCIワールドカップ第4戦。舞台となったのは山岳リゾート地として有名なスイス、レンツァーハイデのクロスカントリーコースで、現在のトレンドを反映したダイナミックなアップダウンを擁すもの。

先週2年連続5度目のタイトルを獲得したニノ・シューター(スイス、スコット・ODLO)を始めとするトップ選手はもちろん、山本幸平(トレックファクトリーレーシング)も参戦した。

号砲一発飛び出したのはジュリアン・アブサロン(フランス、BMCレーシング)やファビアン・ガイガー(スイス、クロスレーシング)。自国スイスの声援を一手に引き受けるシューターはペダルキャッチにミスし出遅れたものの、2周目突入を待たずして先頭争いに復帰。2周目にはヤロスラフ・クルハヴィー(チェコ、スペシャライズド)、シューター、アブサロンという最強メンバーが出揃った。

するとレースの消化を待たずしてシューターが独走態勢を築き始め、遅れたアブサロンとクルハヴィーは後続のマキシム・マロットとヴィクトール・コレツキー(共にフランス、BH・SRサンツアー)にも交わされてしまう。

力強い走りで圧巻のペースを刻むシューター。スコットの新型スパークRC900を駆る現役最強王者に食らいつく選手は現れず、そのまま残りを逃げ切って独走勝利。「序盤からゴールまで全てがパーフェクトに運んだ。コースも自分向きだったし、新しい機材も良かった」とレースを振り返っている。後続ではペースを取り戻したアブサロンが2位、マロットが3位、クルハヴィーは4位に入った。

また、山本幸平はシューターから6分41秒遅れの37位でフィニッシュ。「リオを考えて、スタートから前に行けるだけ行こうとイメージしてスタートしたが、前で展開をする位置取りをすることができずに、レースが進みました。中盤、後輪をパンクさせて半周をパンク状態で走り、ホイールを変えて、走り切りました。」と振り返る。

加えて山本は「高い強度での維持が少し足りないと感じる。心技体のバランスは、上がって来ていると感じるので、加速して維持していきます。」とコメントしている。山本はレース終了後に、今週末に富士見パノラマで行われる全日本選手権のためにヨーロッパを後にしている。



MTBワールドカップ2016第4戦 レンツァーハイデ結果
1位 ニノ・シューター(スイス、スコット・ODLO)
2位 ジュリアン・アブサロン(フランス、BMC)
3位 マキシム・マロット(フランス、BH・SRサンツアー)
4位 ヤロスラフ・クルハヴィー(チェコ、スペシャライズド)
5位 ダヴィド・バレロ(スペイン、MMRファクトリーレーシング)
37位 山本幸平(トレックファクトリーレーシング)
1h27’26”
+27”
+45”
+1’16”
+2’13”
+6’41”


text:So.Isobe
photo:UCI