2016/06/16(木) - 22:28
宇都宮ブリッツェンの快進撃がUCIレースでも続いた。ツール・ド・熊野のプロローグで阿部嵩之と大久保陣がワン・ツーを達成。阿部は自身初のUCIレースでのリーダージャージを着用し第1ステージに臨む。
和歌山県と三重県にまたがる熊野地方で行われるツール・ド・熊野(UCI2.2)。6月16日(木)、プロローグが行われた。今年のレースは例年通りのコースと距離で、日程だけが三重県でのサミット開催のためずらして行われた。
海外コンチネンタルチーム5チーム、国内コンチネンタルチーム9チーム、国内クラブ・選抜チーム6チームの合計20チーム・114名が出走。昨年の覇者で今年はチーム右京で出場するベンジャミ・プラデス、10日前のツアー・オブ・ジャパンで個人総合優勝のオスカル・プジョルなど、日本チームに強豪選手が目立つのが今年のツール・ド・熊野だ。なお出場選手リストやステージ概要は記事下部で紹介する。
プロローグは和歌山県新宮市の熊野川河口部に近い市田川沿いの0.7kmで細いコの字型のコース。コーナーがタイトで、加えて朝から降り続く大雨で完全ウェットな状態。この部分の攻め方で差がつく結果に。
コースレコードは2013年にマッティア・ポッツォが出した50秒26。歴代2位は昨年のニール・ヴァンデルプローグの50秒70で、いずれもドライ路面での記録。序盤スタートの吉田隼人(マトリックスパワータグ)が52秒91を出し、これが目安のタイムに。
後半で阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がその吉田のタイムを一気に2秒近く縮める51秒00を出すと、これを超える選手は出ず、阿部の優勝が決まった。歴代4位のこのタイムは、大雨の中という条件を考慮すると驚異的な記録と言えるだろう。
「試走がすべてです。特に今日は雨で試走する選手が少なかった。ならば、とより念入りに(大久保)陣と2人で相談しながら試走しました」と優勝の阿部は語る。試走時間帯には、誰よりも熱心に何度も繰り返し走る阿部と大久保の姿があった。阿部はキャリアで初のUCIレースでの優勝で、同時に初のリーダージャージ着用。2位の大久保が繰り上がりでポイントリーダージャージを翌第1ステージで着用する。宇都宮ブリッツェンの快進撃が止まらない。
結果
プロローグ市田川 0.7km
1位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)51秒00
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)+0秒14
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)+0秒17
4位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)+0秒90
5位 ポール・ヴァンデルプローグ(ステイトオブマター/マープ)+01秒73
6位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)+01秒91
7位 大塚航(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)+02秒05
8位 下島将輝(那須ブラーゼン)+02秒32
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+02秒43
10位 シュー・シャンピン(アクションサイクリングチーム)+02秒50
個人総合時間賞 プロローグ終了時点
1位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)0分51秒
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)
4位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)
5位 ポール・ヴァンデルプローグ(ステイトオブマター/マープ)+01秒
6位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
7位 大塚航(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)+02秒
8位 下島将輝(那須ブラーゼン)
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
10位 シュー・シャンピン(アクションサイクリングチーム)
個人総合ポイント賞 プロローグ終了時点
1位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)10点
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)9点
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)8点
個人総合U23賞 プロローグ終了時点
1位 シュー・シャンピン(アクションサイクリングチーム) 0分53秒
チーム総合 プロローグ終了時点
1位 宇都宮ブリッツェン 2分36秒
2位 チーム右京 +02秒
3位 ステイトオブマター/マープ +03秒
ツール・ド・熊野2016概要
UCIアジアツアー クラス2.2
6月16日(木)
プロローグ 0.7km
和歌山県新宮市市田川沿い
第1走者スタート15時35分
オープニングセレモニー 18時から
6月17日(金)
第1ステージ 赤木川清流コース 114.1km
和歌山県新宮市熊野川町
新宮駅前セレモニースタート10時55分
正式スタート11時55分
16.3km×7周、ホットスポット1回、山岳賞2回
6月18日(土)
第2ステージ 熊野山岳コース 109.3km
三重県熊野市、御浜町
熊野倶楽部パレードスタート10時00分
正式スタート10時30分
ラインレース、ホットスポット1回、山岳賞3回
6月19日(日)
第3ステージ 太地半島周回コース 100.0km
和歌山県太地町
スタート11時10分
10.0km×10周、ホットスポット2回、山岳賞2回
ボーナスタイムはホットスポット各3秒2秒1秒、第1~3ステージフィニッシュ10秒6秒4秒
参加チーム 合計20チーム、各6名
海外コンチネンタルチーム 5チーム
国内コンチネンタルチーム 9チーム
国内クラブ・選抜チーム 6チーム
RTSサンティックレーシングチーム(台湾、コンチネンタルチーム)
ホセイン・アリザデ、ハリル・ホルシード、チノ・テメル、マックス・ヴァルスレーベン、ユウ・チェンシェン
NSCマイクロン(マレーシア、コンチネンタルチーム)
ムハマド・ザワフィ・アズマン、アフィク・ハズニ・オスマン、ソフィアン・ナビル・モハド・バクリ、アハマド・ムアザム・イマン・ムスタファカマル、アイマン・フィルダウス・ムハマド・ザムリ、ムハマド・ナズリ・モハメド
セントジョージメリダサイクリングチーム(オーストラリア、コンチネンタルチーム)
ジェイ・ダットン、ハリソン・カーター、パトリック・シャープ、ニコラス・ウッズ、ハリソン・ワイルス、ブロディ・タルボット
アクションサイクリングチーム(台湾、コンチネンタルチーム)
ペン・ヤンタン、ウー・チーハオ、シュー・シャンピン、チェン・チェンチョウ
ステイトオブマター・マープ(オーストラリア、コンチネンタルチーム)
ライアン・キャバナー、ジェセ・ケリソン、アレックス・ウォーラー、アレクサンダー・スミス、マイケル・カミング、ポール・ヴァンデル・プローグ
キナンサイクリングチーム(コンチネンタルチーム)
ジャイ・クロフォード、リカルド・ガルシア、ウェズリー・サルツバーガー、マルコス・ガルシア、伊丹健治、野中竜馬
ブリヂストンアンカーサイクリングチーム(コンチネンタルチーム)
トマ・ルバ、ダミアン・モニエ、初山翔、内間康平、椿大志、鈴木龍
チーム右京(コンチネンタルチーム)
中井路雅、住吉宏太、オスカル・プジョル、ベンジャミ・プラデス、ジョン・アベラストゥリ、サルバドール・グアルディオラ
愛三工業レーシングチーム(コンチネンタルチーム)
福田真平、伊藤雅和、小森亮平、平塚吉光、中根英登、原田裕成
マトリックスパワータグ(コンチネンタルチーム)
ホセビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス、佐野淳哉、土井雪広、吉田隼人、安原大貴
宇都宮ブリッツェン(コンチネンタルチーム)
阿部嵩之、大久保陣、飯野智行、堀孝明、雨澤毅明、小野寺玲
シマノレーシング(コンチネンタルチーム)
入部正太朗、木村圭佑、秋田拓磨、西村大輝、水谷翔、小山貴大
群馬グリフィン・レーシングチーム(コンチネンタルチーム)
狩野智也、宇田川陽平、倉林巧和、渡邉雄太、杉野元基、村田雄耶
那須ブラーゼン(コンチネンタルチーム)
吉岡直哉、水野恭兵、下島将輝、高木三千成、西尾勇人、新城銀二
イナーメ信濃山形
ポール・ソールズベリー、北野普識、岩月伸夫、井上政貴、豊田勝徳
シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム
山下貴宏、雨乞竜己、大塚航、岸崇仁、山本雅道、齋藤翼
なるしまフレンドレーシングチーム
小畑郁、渡邊聡、桜井一輝、伊藤卓馬
東京ヴェントス
早川祐司、平野真一、米内蒼馬、佐々木貴則、北見涼、柳沼龍佑
西日本学生京都選抜
樋口峻明、岡本裕太郎、牧直利、中西健児、北野龍人、柴田雅之
西日本学生AACA選抜
森田和也、池邉聖、小玉凌、佐藤大樹、西原祐太、関谷聡
photo&text:Hideaki TAKAGI
和歌山県と三重県にまたがる熊野地方で行われるツール・ド・熊野(UCI2.2)。6月16日(木)、プロローグが行われた。今年のレースは例年通りのコースと距離で、日程だけが三重県でのサミット開催のためずらして行われた。
海外コンチネンタルチーム5チーム、国内コンチネンタルチーム9チーム、国内クラブ・選抜チーム6チームの合計20チーム・114名が出走。昨年の覇者で今年はチーム右京で出場するベンジャミ・プラデス、10日前のツアー・オブ・ジャパンで個人総合優勝のオスカル・プジョルなど、日本チームに強豪選手が目立つのが今年のツール・ド・熊野だ。なお出場選手リストやステージ概要は記事下部で紹介する。
プロローグは和歌山県新宮市の熊野川河口部に近い市田川沿いの0.7kmで細いコの字型のコース。コーナーがタイトで、加えて朝から降り続く大雨で完全ウェットな状態。この部分の攻め方で差がつく結果に。
コースレコードは2013年にマッティア・ポッツォが出した50秒26。歴代2位は昨年のニール・ヴァンデルプローグの50秒70で、いずれもドライ路面での記録。序盤スタートの吉田隼人(マトリックスパワータグ)が52秒91を出し、これが目安のタイムに。
後半で阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がその吉田のタイムを一気に2秒近く縮める51秒00を出すと、これを超える選手は出ず、阿部の優勝が決まった。歴代4位のこのタイムは、大雨の中という条件を考慮すると驚異的な記録と言えるだろう。
「試走がすべてです。特に今日は雨で試走する選手が少なかった。ならば、とより念入りに(大久保)陣と2人で相談しながら試走しました」と優勝の阿部は語る。試走時間帯には、誰よりも熱心に何度も繰り返し走る阿部と大久保の姿があった。阿部はキャリアで初のUCIレースでの優勝で、同時に初のリーダージャージ着用。2位の大久保が繰り上がりでポイントリーダージャージを翌第1ステージで着用する。宇都宮ブリッツェンの快進撃が止まらない。
結果
プロローグ市田川 0.7km
1位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)51秒00
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)+0秒14
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)+0秒17
4位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)+0秒90
5位 ポール・ヴァンデルプローグ(ステイトオブマター/マープ)+01秒73
6位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)+01秒91
7位 大塚航(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)+02秒05
8位 下島将輝(那須ブラーゼン)+02秒32
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)+02秒43
10位 シュー・シャンピン(アクションサイクリングチーム)+02秒50
個人総合時間賞 プロローグ終了時点
1位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)0分51秒
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)
4位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)
5位 ポール・ヴァンデルプローグ(ステイトオブマター/マープ)+01秒
6位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
7位 大塚航(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)+02秒
8位 下島将輝(那須ブラーゼン)
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
10位 シュー・シャンピン(アクションサイクリングチーム)
個人総合ポイント賞 プロローグ終了時点
1位 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)10点
2位 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)9点
3位 ジョン・アベラストゥリ(チーム右京)8点
個人総合U23賞 プロローグ終了時点
1位 シュー・シャンピン(アクションサイクリングチーム) 0分53秒
チーム総合 プロローグ終了時点
1位 宇都宮ブリッツェン 2分36秒
2位 チーム右京 +02秒
3位 ステイトオブマター/マープ +03秒
ツール・ド・熊野2016概要
UCIアジアツアー クラス2.2
6月16日(木)
プロローグ 0.7km
和歌山県新宮市市田川沿い
第1走者スタート15時35分
オープニングセレモニー 18時から
6月17日(金)
第1ステージ 赤木川清流コース 114.1km
和歌山県新宮市熊野川町
新宮駅前セレモニースタート10時55分
正式スタート11時55分
16.3km×7周、ホットスポット1回、山岳賞2回
6月18日(土)
第2ステージ 熊野山岳コース 109.3km
三重県熊野市、御浜町
熊野倶楽部パレードスタート10時00分
正式スタート10時30分
ラインレース、ホットスポット1回、山岳賞3回
6月19日(日)
第3ステージ 太地半島周回コース 100.0km
和歌山県太地町
スタート11時10分
10.0km×10周、ホットスポット2回、山岳賞2回
ボーナスタイムはホットスポット各3秒2秒1秒、第1~3ステージフィニッシュ10秒6秒4秒
参加チーム 合計20チーム、各6名
海外コンチネンタルチーム 5チーム
国内コンチネンタルチーム 9チーム
国内クラブ・選抜チーム 6チーム
RTSサンティックレーシングチーム(台湾、コンチネンタルチーム)
ホセイン・アリザデ、ハリル・ホルシード、チノ・テメル、マックス・ヴァルスレーベン、ユウ・チェンシェン
NSCマイクロン(マレーシア、コンチネンタルチーム)
ムハマド・ザワフィ・アズマン、アフィク・ハズニ・オスマン、ソフィアン・ナビル・モハド・バクリ、アハマド・ムアザム・イマン・ムスタファカマル、アイマン・フィルダウス・ムハマド・ザムリ、ムハマド・ナズリ・モハメド
セントジョージメリダサイクリングチーム(オーストラリア、コンチネンタルチーム)
ジェイ・ダットン、ハリソン・カーター、パトリック・シャープ、ニコラス・ウッズ、ハリソン・ワイルス、ブロディ・タルボット
アクションサイクリングチーム(台湾、コンチネンタルチーム)
ペン・ヤンタン、ウー・チーハオ、シュー・シャンピン、チェン・チェンチョウ
ステイトオブマター・マープ(オーストラリア、コンチネンタルチーム)
ライアン・キャバナー、ジェセ・ケリソン、アレックス・ウォーラー、アレクサンダー・スミス、マイケル・カミング、ポール・ヴァンデル・プローグ
キナンサイクリングチーム(コンチネンタルチーム)
ジャイ・クロフォード、リカルド・ガルシア、ウェズリー・サルツバーガー、マルコス・ガルシア、伊丹健治、野中竜馬
ブリヂストンアンカーサイクリングチーム(コンチネンタルチーム)
トマ・ルバ、ダミアン・モニエ、初山翔、内間康平、椿大志、鈴木龍
チーム右京(コンチネンタルチーム)
中井路雅、住吉宏太、オスカル・プジョル、ベンジャミ・プラデス、ジョン・アベラストゥリ、サルバドール・グアルディオラ
愛三工業レーシングチーム(コンチネンタルチーム)
福田真平、伊藤雅和、小森亮平、平塚吉光、中根英登、原田裕成
マトリックスパワータグ(コンチネンタルチーム)
ホセビセンテ・トリビオ、アイラン・フェルナンデス、佐野淳哉、土井雪広、吉田隼人、安原大貴
宇都宮ブリッツェン(コンチネンタルチーム)
阿部嵩之、大久保陣、飯野智行、堀孝明、雨澤毅明、小野寺玲
シマノレーシング(コンチネンタルチーム)
入部正太朗、木村圭佑、秋田拓磨、西村大輝、水谷翔、小山貴大
群馬グリフィン・レーシングチーム(コンチネンタルチーム)
狩野智也、宇田川陽平、倉林巧和、渡邉雄太、杉野元基、村田雄耶
那須ブラーゼン(コンチネンタルチーム)
吉岡直哉、水野恭兵、下島将輝、高木三千成、西尾勇人、新城銀二
イナーメ信濃山形
ポール・ソールズベリー、北野普識、岩月伸夫、井上政貴、豊田勝徳
シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム
山下貴宏、雨乞竜己、大塚航、岸崇仁、山本雅道、齋藤翼
なるしまフレンドレーシングチーム
小畑郁、渡邊聡、桜井一輝、伊藤卓馬
東京ヴェントス
早川祐司、平野真一、米内蒼馬、佐々木貴則、北見涼、柳沼龍佑
西日本学生京都選抜
樋口峻明、岡本裕太郎、牧直利、中西健児、北野龍人、柴田雅之
西日本学生AACA選抜
森田和也、池邉聖、小玉凌、佐藤大樹、西原祐太、関谷聡
photo&text:Hideaki TAKAGI
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