イタリアンデザインと機能性が融合したアパレルブランド「rh+」。その2015-16秋冬ラインアップより、
高性能フリース生地「Polartec」を採用した5~12℃対応の「Alpha Lite Jacket」と「Beta Bibtight」、 -5℃~5℃という厳寒期用グローブ「Nordic Glove」をテストした。



rh+ Alpha Lite Jacket

rh+ Alpha Lite Jacketrh+ Alpha Lite Jacket
透湿速乾性と保温性を両立したワッフル状の「Alpha」を内地に配置。走行風のあたる前面のみフィルム状の生地としている透湿速乾性と保温性を両立したワッフル状の「Alpha」を内地に配置。走行風のあたる前面のみフィルム状の生地としている アウトドア界では高い評価を得ているPolartecの生地を採用したアウトドア界では高い評価を得ているPolartecの生地を採用した


「Alpha Lite Jacket」は、適応温度が5℃~12°というrh+のハイエンドジャケット。生地には同社のスキー部門では既に協力関係にあり、アウトドアウェア界では定評のある「Polartec」を採用。過度に断熱するのではなく、走行風を適度に取り入れることでオーバーヒートによるパフォーマンスの低下を防止するために、2種類のPolartecを含む3種類の生地を組み合わせている。

外側には、一般的なフリース素材の4倍の防風性を持ちながら、メンブレンフィルムを用いない構造により高い通気性を兼ね備え、更には撥水性、耐久性、軽量性にも優れる「Wind Pro」を採用。そして、内側はアメリカ特殊部隊用に開発されたという最新のインサレーション用化繊生地で、優れた透湿性と速乾性により素早く汗を逃し、高い保温性とあわせて快適な体温を保ってくれるワッフル状の「Alpha」とした。これに、走行風のあたる前面のみフィルム状の生地を配し、防風性と通気性のバランスを最適化した

前後で生地を変えることで、防風と排熱を両立した前後で生地を変えることで、防風と排熱を両立した 襟を高くすることで、衣服内への冷気の侵入を防止襟を高くすることで、衣服内への冷気の侵入を防止

カットオフ仕様の裾口には、背面にシリコングリッパーを配し、ズレ上がりを防止したカットオフ仕様の裾口には、背面にシリコングリッパーを配し、ズレ上がりを防止した 袖口は伸縮性の高いカットオフ素材とした袖口は伸縮性の高いカットオフ素材とした


また、高めの襟、腕にピタッとフィットするカットオフ仕様の伸縮性の高い袖口、防風仕様のフロントジッパーといった、冷気の侵入をシャットアウトするための細部の仕様は優れた保温性に貢献している。カッティングはバタつきの少ないスリムフィットである一方、乗車姿勢を考慮した立体裁断デザインと各部に異なる伸縮性をもたせることで、快適性の高い着心地に仕立てられている。

背面には貴重品の持ち運びに便利なジッパー付きを含む4つのバックポケットや、夜間走行時やトンネル内での被視認性を高めるリフレクターを装備する。サイズはS、M、L、XLの4種類展開。カラー共にシンプルなルックスのブラック/レッド(930)とブラック/ライム(957)という2色がラインアップされる。

ーインプレッション

まずサイズ感は、多くのヨーロッパブランドとほぼ同じといって良いだろう。raphaやアソスではMサイズの筆者の場合、このAlpha Lite JacketもMサイズであった。実測の身幅(脇下)/着丈はMサイズが50/70cm、Lサイズが51/71cmだ。

rh+ Alpha Lite Jacketをインプレッションrh+ Alpha Lite Jacketをインプレッション 実際に着用しての第一印象は、ワッフル状の生地の柔らかさである。伸縮性が極端に高いわけではないものの、しなやかで、身体へ満遍なくフィットしてくれる。そして、スリムフィットとあるが不快な締め付けは一切なく、肩まわりの自由度は高い。サドルやウェアなど、身体に触れるものを作らせたらイタリアンブランドには叶わないなと改めて思わされる。

そして、設計通りに適度な通気性があるいうことも大きな特徴だ。フロントの全面から風を取り込むのではなく、脇から脇腹辺りに限定することで、保温性とのバランスを取っているよう。また、前面のフィルム状の生地はバタつくことなく、冬の強い風でも抵抗になることはない。

ジャケットの下に冬用の薄手のアンダーウェアを1枚着て、気温10℃ほどの晴天の日に走った印象では、テンポをあげるとジッパーを下げて走行風を取り入れたくなるが、それ以外では快適。また、同じレイアリングで気温5℃ほどのナイトライドで試してみても、寒いということはなく、よりアンダーウェアやミッドレイヤーのジャージで調整することで、rh+が言う適応気温よりも寒い日のライドに対応してくれる。

高めの襟は防風性に大きく貢献しており、適度にフィット感があるため、個人的にはネックウォーマーは必要ないと感じた。防風ジッパーや、ずれ上がり防止のシリコンコーティングが施されたカットオフ仕様の袖で隙間風が徹底的に抑えられており、お腹が冷えると言うことは無かった。総じて、通気性、防風性、柔らかな着心地を兼ね備える良質な1着である。

rh+ Alpha Lite Jacket
素 材:Polartec Wind Pro/Alpha
適応温度:5℃~12°
カッティング:スリムフィット
サイズ:S、M、L、XL
カラー:ブラック/レッド(930)、ブラック/ライム(957)
価 格:32,600円(税抜)



rh+ Beta Bibtight

rh+ Beta Bibtightrh+ Beta Bibtight 伸縮性の異なる生地を適材適所に配置し、高いフィット感を実現伸縮性の異なる生地を適材適所に配置し、高いフィット感を実現


「Beta Bibtight」は5℃~12°に対応する、柔らかな履き心地が特徴の1着。メインの生地には、一般的なフリース素材の4倍の防風性を持ちながら、メンブレンフィルムを用いない構造により高い通気性を兼ね備え、更には撥水性、耐久性、軽量性にも優れる「Wind Pro」を採用。パッドは3層構造のサイテック社製ロングライド用モデル「Powerlogic Man」としている。

フィッティングはタイトめとしながらも、ウエスト部を含む全パネルの立体裁断、各部位ごとに異なる伸縮性を持たせたパネリング、ストレッチメッシュ素材のビブ背中部によって、快適性高い着用感を実現。フラットな縫い目は、乾燥しがちでデリケートな冬の肌とのスレを低減してくれる。

シンプルながらも、突っ張りが無くフィット感に優れる腰回りのパネリングシンプルながらも、突っ張りが無くフィット感に優れる腰回りのパネリング 裾には安全性を高めるリフレクターを装備する裾には安全性を高めるリフレクターを装備する

パッドは3層構造のサイテック社製ロングライド用モデルPowerlogic Manパッドは3層構造のサイテック社製ロングライド用モデルPowerlogic Man 2種類の起毛素材を使い分けることで、適度な保温性を実現2種類の起毛素材を使い分けることで、適度な保温性を実現


足首部にはペダリング中のウェアのズレを防止するノンスリップ加工が施されており、脱ぎ着し易いようにジッパーが設けられている。そして、他モデルと同様に、夜間走行時の被視認性を高めるためのリフレクターを装備。サイズはS、M、Lの3種類展開。カラーはブラック/レッド(930)とブラック/ライム(957)の2色で、左大腿部にのみrh+のロゴが入ったシンプルで着回しの利くデサインだ。

ーインプレッション

全体的にオーソドックスな造りの1着である。まず着用する際にビブ紐部が短く、ややキツめと感じたが、いざ乗り始めれば特に気にならず、5時間のライド後でも、肩こりが凝ったりということはない。一方でパッドが常に一定の位置に留まってくれるため、股ずれ等もなく、快適であった。タイトフィットとはあるが、股下については締め付けがキツいということはなく、標準的といって差し支えないだろう。多くの欧州ブランドのタイツでMサイズという筆者の場合はMサイズが最適であった。

rh+ Beta Bibtightをテストrh+ Beta Bibtightをテスト
気温10℃ほどの晴天のデイライドと、気温5℃程度のナイトライドの両条件で試してみたが、パッド周辺が蒸れたり、逆に寒さを感じたりということはなかった。通気性と保温性のバランスがうまくとれているようだ。また、お腹の冷えに弱い筆者にとって深い股上はお気に入りポイントだ。

パッドは良い意味で存在感がなく、シッティングでペダルを漕いでいても、ダンシングでも、常にお尻の動きに追従してくれる。常時フィットしてくれるため、股ずれを起こすことはなかった。そしてクッション性に富むため、荒れた路面でも不快な振動が伝わってこず、ロングライド用パッドと謳うだけあってとても快適。裾口のジッパーはやや硬いため、焦らずゆっくり引っ張ってあげたい。

rh+ Beta Bibtight
素 材:Polartec Wind Pro
パッド:サイテック
適応温度:5℃~12°
カッティング:フォーム(タイト)
サイズ:S、M、L
カラー:ブラック/レッド(930)、ブラック/ライム(957)
価 格:29,500円(税抜)



rh+ Nordic Glove

rh+ Nordic Gloverh+ Nordic Glove
4種類が揃うrh+の冬物グローブの中でも、最も適応気温が低いのが「Nordic Glove(ノルディックグローブ)」。身体の熱を効果的に反射しながら蓄えることのできる高伸縮性素材「サーモリフレクティブレイヤー」と、アウトドアウェアにも使用される「Primaloftライニング 」により、適応温度-5℃~5℃という優れた保温性を実現している。サイズはMとLの2種類、カラーはシンプルなブラックの1色の展開となる。

ーインプレッション

甲側の第3関節付近には蛇腹状の生地が配置されている甲側の第3関節付近には蛇腹状の生地が配置されている 手のひら側のシリコンプリントによりグリップ力を高めた手のひら側のシリコンプリントによりグリップ力を高めた 実のところ、筆者は冬用のグローブが苦手。ダイレクト感がない上に、変速時に操作ミスしたり、裏起毛仕様だと中でどうしても滑ってしまうためだ。しかし、Nordic Gloveはそういったストレスが少なく、厳冬期用グローブの操作感や着用感に不満を持っている方なら、ぜひ1度試してみてほしい。

今回インプレッションに使用したMサイズが、手囲いが23.5cmという筆者の手にピッタリだったと言うこともあるが、手と生地が満遍なく接触したままの状態を保ち続けてくれる。手のひら側は生地がしなやかで膨れず、甲側の蛇腹状の部分が第3関節の動きに妨げずに伸びてくれる。そして、裏起毛ながら中で指が滑らないのは個人的には最も気に入った点だ。手のひら側のrh+のシリコンプリントはグリップ力に貢献しており、総じて操作感や着用感に関わる不安感は一切なく、安心してハンドルを握り込むシーンでも使用できる。

気温としては、都心の冬ではビクともしないし、10℃を越える昼間のライドでは少し暑く感じるほど。しかし、朝昼夜と使用したが、汗蒸れは少なく、いったん手袋を外してから、再度装着する時にもあまり冷たく感じない。袖口部分も充分に長く、ウェアの裾を中に入れることで、ウェア内への風の進入をシャットアウトできる。

rh+ Nordic Glove
適応温度:-5℃~5℃
サイズ:M、L
カラー:ブラック(900)
価 格:10,800円(税抜)

impression:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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