奈良県生駒市で行われた”クリスマスクロスinくろんど池”。今年は三船雅彦氏を中心にした実行委員会で開催され、C1は沢田時が、CL1は宮内佐季子がそれぞれ圧勝した。



C1 スタート前C1 スタート前 photo:Hideaki TAKAGI
Presented by三船雅彦のくろんどクロス

2014-15シーズンまで関西シクロクロスのシリーズ戦として開催されていた奈良県生駒市くろんど池での大会だが、今シーズンは独立してくろんどクロス実行委員会主催の大会で12月23日(水)に開催された。会場駐車場が収容数に限度のあることがその大きな要因だ。人気の関西シクロクロスは昨シーズン実績で全10戦の参加者延べ人数は7000名ほど、最終戦の桂川大会のエントリー数はなんと827名と大規模になった。

U17優勝の出羽秀多(チーム36隊)U17優勝の出羽秀多(チーム36隊) photo:Hideaki TAKAGIC3優勝の川辺史朗(ポナペティ)C3優勝の川辺史朗(ポナペティ) photo:Hideaki TAKAGI
C4 桐野一道と2009年全日本MTB・DHチャンピオン向原健司の先頭争いC4 桐野一道と2009年全日本MTB・DHチャンピオン向原健司の先頭争い photo:Hideaki TAKAGICL2 高知寿(ChanNuCycling)と清水友恵(京都MTB朝ライド/CSヤマダ)の先頭争いCL2 高知寿(ChanNuCycling)と清水友恵(京都MTB朝ライド/CSヤマダ)の先頭争い photo:Hideaki TAKAGI

そして一括エントリーも行い参加人数に定員を設けないことから、駐車場エリアが限られるくろんど池大会を同一条件で行うことが難しくなった。そのため独立して行うこととし、いっぽうでAJOCCのカレンダーに組み込まれ昇格降格の要件も満たし、関西シクロクロス実行委員会の全面的なバックアップのもと行われた。そして主催のくろんどクロス実行委員会の中心は、近くに住まいここをホームコースとする三船雅彦氏だ。

クリスマスクロスならではの”サンタクロス”

早朝から駐車場が埋まっていく会場はそれでもエントリー数330名以上と多い。スタッフもいつもの関西シクロクロスでおなじみの人たちなので、3日前のりんくうクロスの延長に感じられる。もちろんほとんどの選手がりんくうから中2日でくろんど池、そして中3日で烏丸半島へ参戦する。そしてくろんど池はクリスマスの時期に毎年行われるので”クリスマスクロス”として定着。会場は華やいだ雰囲気が漂う。

くろんど池管理事務所(ありません!)のダム部。100mのランニング区間だけのために作ったヘルメット。胸の関クロバッジは本物ですくろんど池管理事務所(ありません!)のダム部。100mのランニング区間だけのために作ったヘルメット。胸の関クロバッジは本物です photo:Hideaki TAKAGIカオナシと原始人カオナシと原始人 photo:Hideaki TAKAGI
裸のサンタもドロボーも走る裸のサンタもドロボーも走る photo:Hideaki TAKAGIスポーツ体型のプリキュアさんスポーツ体型のプリキュアさん photo:Hideaki TAKAGI

キッズたちのレースが終わる昼ごろにはエキシビションレースのSS(シングルスピード)と3分後スタートのサンタクロス(仮装)が始まるため、会場はそれまで以上ににぎやかに。この2つのレースは100mほど先に自分の自転車を置き、ランニングスタートする方法。サンタはもちろんアニメのキャラや”くろんど池管理事務所”の格好、聞かないとわからない仮装までさまざま。それでも中の人たちはC1、CM1やCL1の選手たちも多く走りは速い。

応援だけの人も入って記念撮影応援だけの人も入って記念撮影 photo:Hideaki TAKAGI
沢田時と宮内佐季子が圧倒のレース

C1は13時00分のスタート。独立したレースのため事前にくじが引かれそれによってスタートグリッドが決まる。スタートから最前列にいた沢田時(ブリヂストンアンカー)が先頭を走り、同じく最前列にいた川村誠(スクミズマシンワークス)が続く。周回後半の階段手前に設けられたスプリントポイントを沢田が1位で通過して1000円ゲット。スタート5分後にはほぼ最後尾スタートだった昨年覇者の小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)が早くも3番手に上がる。

C1 平坦区間を踏み倒す沢田時(ブリヂストンアンカー)C1 平坦区間を踏み倒す沢田時(ブリヂストンアンカー) photo:Hideaki TAKAGIC1 後方から順位を上げて3位の藤川正人(岩井商会レーシング)C1 後方から順位を上げて3位の藤川正人(岩井商会レーシング) photo:Hideaki TAKAGI
C1 2位の小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)C1 2位の小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX) photo:Hideaki TAKAGICL1 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)が優勝CL1 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
C1 くろんど池をめぐるコースC1 くろんど池をめぐるコース photo:Hideaki TAKAGI
C1 表彰C1 表彰 photo:Hideaki TAKAGIC1の優勝賞金は2万円!C1の優勝賞金は2万円! photo:Hideaki TAKAGICL1 表彰CL1 表彰 photo:Hideaki TAKAGICM1 景山昭宏(㈲村上建具MTBteamhighlander)が優勝CM1 景山昭宏(㈲村上建具MTBteamhighlander)が優勝 photo:Hideaki TAKAGIC2 1位 湯浅勉(GIANT CC)C2 1位 湯浅勉(GIANT CC) photo:Hideaki TAKAGIくろんど池クロスを主催した三船雅彦氏くろんど池クロスを主催した三船雅彦氏 photo:Hideaki TAKAGI小橋はさらに追い上げ先頭を行く沢田から8秒差にまで詰め、3位以下との差を広げていく。だが追撃もここまで。沢田はペースを落とさず攻撃的かつ丁寧なな走りで小橋との差を広げやがて独走状態に。そして後方スタートだった藤川正人(岩井商会レーシング)は追い上げ3番手に。沢田はこのまま60分を走りぬき優勝。2位小橋との差は2分28秒の大差だった。

CL1はスタートから宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)が先頭を走り続け優勝。「全日本で10秒差を詰められなかった悔しさがあり、今日は一人になってもよく考えて攻める走りをしました」と宮内。

優勝した沢田時(ブリヂストンアンカー)

「前に並ばせていただいたのでいくしかないと走りました。後ろから小橋君が来ましたが、ぴったり付かれてはいなかったのでこのまま行けば大丈夫かと意識しないで前だけ見て走りました。調子が良くてオーストラリアでMTBの遠征をしていたのが良かったのかと思います。1月は選ばれれば世界選手権ですが、ジュニアの時の自分の16位が日本人最高位と思うのでそれを更新したいですね。今調子がいいのでうまく上げて行きたいです」

2位の小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)

「後ろからのスタートで始めのうちは抜いていくのでアドレナリンが出て踏めましたが、時さんが見えてからは2周ほどかなり踏んで走ったのですが差が縮まらなくて、今度は自分がきつくなってしまいました。せめて追いつきたかったのですが時さんのほうがずっとずっと上でした」
小橋は2016年はチームを移籍し、年初のレースは選ばれればアジア選手権だ。

「今回得たノウハウは大事にしたい」主催の三船雅彦氏

まずは無事に終わって良かったです。皆さんに感謝です。今のシクロクロスはいろいろ変えていかないといけないところがあると思いますが、まずはAJOCCのレースにすることが世界戦につながることなので今は必要です。

次に独立したレースとした経緯ですが。関西シクロクロスの一括エントリーが600名で、いっぽうここの駐車場のキャパシティはせいぜい350名と思いました。なので矢野さん(関西シクロクロス実行委員長)たちと相談して自分たちが主催して人数制限をする方法にしました。

全部やると決めましたがいざやるとなるととても大変で。関西シクロクロスは主管チームがあっても力仕事が中心で、運営の重要なところは実行委員会がするんです。その部分もすることになったので。。20年間毎週10レースを本業こなしながらする矢野さんの凄さを思い知りました。

今回、駐車場の問題はクリアできたかと思います。賞金も1位が2万円からとUCIレースに近く出せましたし、スプリント賞も今回は1000円でしたが、来年できるのであれば金額と回数を必ず増やしますよ。楽しんでもらえたらと思っています。

会場内のくろんど荘と松美荘でおでんを食べたり宿泊もしてもらえればという思いもあります。今後はここでもっと大きな大会をやりたい、全日本やUCIレースやワールドカップも夢ではないです。

コースの設定は、自分が1年かけて考えスピード域の高いところでのテクニックが必要なものにしました。振り子のようにスピードをつないでいけるような。きちんとシクロクロスの練習をしている人が差をつけられるようなコースにしたつもりです。将来的には常設コースにしたいですね。今回得たノウハウは大事にしたいです。



クリスマスクロスinくろんど池2015結果
C1
1位 沢田時(ブリヂストンアンカー)59分52秒 9周
2位 小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)+2分28秒
3位 藤川正人(岩井商会レーシング)+3分10秒
4位 村田憲治(tacurino.net)+3分50秒
5位 松本哲(グランデパール播磨)+4分14秒
6位 川村誠(スクミズマシンワークス)+4分43秒
7位 余語賢司(NCFR)+4分44秒
8位 平尾浩一(662-496部)+4分58秒
9位 福田透(ナカガワAS.K'デザイン)+5分26秒
10位 久保伸次(岩井商会レーシング)+5分37秒

CL1
1位 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)42分26秒 5周
2位 江嶋綾(INTHEWOODS)+3分06秒
3位 島袋陽子(エキップリオン)+3分25秒

CM1

1位 景山昭宏(㈲村上建具MTBteamhighlander)37分30秒 5周
2位 藤井修(きゅうべえsports)+17秒
3位 羽鳥和重(cycleclub3UP)+41秒

C2
1位 湯浅勉(GIANT CC)39分02秒 5周
2位 奥村英示(662-496部)+20秒
3位 安川生(チームY) +46秒

CL2
1位 清水友恵(京都MTB朝ライド/CSヤマダ)27分32秒 3周
2位 高知寿(ChanNuCycling)+04秒
3位 藤江恭子 +1分05秒

CM2
1位 樋口一志 31分19秒 4周
2位 守屋慶一(Salatabiancakobe)+04秒
3位 元井和彦(シャカリキ自転車部)+12秒

C3
1位 川辺史朗(ポナペティ)29分30秒 4周
2位 坂本章 +03秒
3位 片桐健(シクロで暴れ倒し)+35秒

CL3
1位 山谷早苗(TRAP)19分30秒 2周
2位 久木田紗代子(Teamスクアドラ)+22秒
3位 岡本葵 +1分19秒

C4
1位 向原健司 29分42秒 4周
2位 桐野一道 +09秒
3位 清水一弘 +35秒

エキシビション SS
1位 川村誠(スクミズマシンワークス)11分18秒 2周
2位 越山雅大(ALLCITY-JAPAN/662CCC)+25秒
3位 高柴元(MaidservantSubject)+40秒

エキシビション サンタクロス
1位 桐野一道 12分20秒 2周
2位 大河内二郎(シルクロード)+20秒
3位 日比正明(ホネつき数珠'Sは劇団です。)+23秒

photo&text:高木秀彰
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