2015/11/25(水) - 06:52
UCIレースから一夜明けた月曜日は同じマキノ高原を舞台にした関西シクロクロス第5戦。持ち前のパワーとスピードで混戦状態の中から抜け出した横山航太(シマノレーシング)が勝利を収めた。
ベン・ベルデン(ベルギー、WCup Stoemper)と小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)がバトルを繰り広げたUCI(国際自転車競技連盟)レースと同じコースを使用して行われた関西シクロクロス第5戦。天候の崩れが予想されていたものの、滋賀県北西に位置するマキノ高原はこの日も晴れ。ほぼ完全なドライコンディションの中でレースは行われた。
スキー場の緩やかな斜面を利用したコースは「関西有数のパワーコース」とも呼ばれる。登っては下り、下っては登るコースの高低差は1周約50m。フライオーバー(立体交差)の高さのある段差が選手たちの脚を削っていく。
序盤から先行したのは最前列スタートの中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と沢田時(ブリヂストンアンカー)の2人。ここに武井亨介(FORZA)がすぐさまジョインする。今シーズンまだ1レースしか走っていないため後方スタートの横山航太(シマノレーシング)は徐々にポジションを上げ、2周目に入って先頭3名に追いついた。
3周目に入ると先頭パックの中から武井がアタックを仕掛けるが決まらず、逆に武井はチェーントラブルで脱落してしまう。代わって竹内遼(WESTBERG/ProRide)が先頭に追いつき、こうして中原(1993年生まれ)、沢田(1994年生まれ)、横山(1995年生まれ)、竹内(1997年生まれ)という若い4人による先行が始まった。
中原を除いてU23の選手たち(1994~1997年生まれ)で構成された先頭パックは、後方の島田真琴(シマノドリンキング)や木村吉秀(JPSTMASSAANDEX)を引き離し、ばらけることなく4人まとまって周回を重ねていく。それぞれの得意セクションで先頭ペースアップを図るもパックは崩れず、4人のままレースは終盤に差し掛かった。
「残り1周で仕掛けるつもりでいた」という横山が登りでアタック。後続との距離を確認して横山はさらに踏んでいく。「シケインを抜けてからの登りが一番きつく、仕掛けるならそこだと思っていました。周りの様子を見ると自分が一番余裕がありそうだったので、仮に付いてこられても不利にはならないと思ってアタックしました」。
一人抜け出した状態で最終周回の鐘を聞いた横山はそのまま独走態勢へ。追いすがる中原を振り切って、横山がそのまま独走でフィニッシュした。2位に中原が入り、3位争いのスプリントで竹内が沢田を下している。
「去年は自分のペースでインターバルを掛けていたのですが、力を残していた中原選手に最後に負けてしまった。その反省を生かして今回は周りを見ながら落ち着いて走りました」と、4人での戦いを制した横山。
「昨日はパンクで遅れてしまったので今日はリベンジのつもりで走って、気持ち良く来週の野辺山に挑みたいと思っていました。秋丸湧哉選手のサポートもありましたし、今シーズンのシクロクロス2戦目でようやくバイクに乗れてきた感じがします」。横山は地元長野県で開催される全日本選手権に目を向ける。
CL1はトラブルなく走った與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)が宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)を振り切り、前日を上回るタイムで優勝。CM1は同時スタートのジュニア選手と競り合った筧五郎(56CYCLE)が圧勝している。C2優勝の元シリーズチャンピオン入江克典(シマノドリンキング)はC1返り咲きを決めた。
その他の写真はフォトギャラリーへ。
関西シクロクロス2015-2016第5戦マキノ高原結果
C1
1位 横山航太(シマノレーシング)1:02:31
2位 中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)+0:06
3位 竹内遼(WESTBERG/ProRide)+0:09
4位 沢田時(ブリヂストンアンカー)+0:10
5位 島田真琴(シマノドリンキング)+1:44
6位 木村吉秀(JPSTMASSAANDEX)+2:11
7位 大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)+2:40
8位 伊澤優大(岩井商会RACING)+3:01
9位 伊澤広大(岩井商会RACING)+4:01
10位 ジョシュ・ケリー(ChrisKing/CieloFactoryTeam)+4:03
CL1
1位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)40:06
2位 宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)+0:39
3位 上田順子(ダム部)+3:23
4位 唐見実世子 +3:51
5位 平田千枝(まほろばRC)+4:13
CM1
1位 筧五郎(56CYCLE)36:02
2位 藤井修(きゅうべえsports)+2:14
3位 羽鳥和重(cycleclub3UP)+2:23
4位 水谷拓也(BUCYOCOFFEECLT)+2:53
5位 倉橋孝太郎(チーム泥んこプロレス)+3:03
CJ
1位 梶鉄輝(Sonicracing/市立伊丹高校)35:03
C2
1位 入江克典(シマノドリンキング)38:18
2位 柴田宗幸(京都MTB朝ライド)+0:32
3位 奥村英示(662-496部)+0:41
4位 斉藤和哉(チームシルクロード)+0:46
5位 小島泰一(RITCHEYBREZZAカミハギRT)+1:11
CM2
1位 自檀地崇(Zippycycleclub)32:19
2位 渡辺政幸(RITCHEYBREZZAカミハギRT)+0:10
3位 鈴木崇之(自転車貴族)+0:39
CL2
1位 石田唯(美山CC)28:35
2位 川崎麻美(バルバクラブフクイ)+0:54
3位 中里眞由美(ARAYA)+0:56
C3
1位 湯浅勉 31:53
2位 北川陽太 +0:12
3位 森田晃司(自転車道シクロクロス部)+1:10
U17
1位 出羽秀多(チーム36隊)31:54
2位 山口創平(WESTBERG/ProRide)-1Lap
CM3A
1位 齊木秀和(きゅうべえスポーツ)26:26
2位 寺田卓司(tabinchu.com)+0:35
3位 島添雅浩(FUKADAまじりんぐ)+0:42
CM3B
1位 生越康之(MaxSpeed97)26:13
2位 松本英明(グランデパール播磨)+0:03
3位 二井重樹(オガワサイクル)+0:15
CL3
1位 保崎実智子(美山サイクリングクラブ)16:38
2位 井上真由子(大垣CSC)+0:06
3位 鹿取裕子 +0:50
C4A
1位 川辺史朗(LifeRide)24:14
2位 塩野裕一(C-WASP)+0:14
3位 伊藤貴生 +1:06
C4B
1位 室慎也(KIZOK)23:44
2位 宮田琢視(FUKADAまじりんぐ)+0:53
3位 神野悠作 +1:40
CM4
1位 熊本彰廣 17:18
2位 松岡伸二(ボナペティ)+2:08
text:Kei Tsuji
ベン・ベルデン(ベルギー、WCup Stoemper)と小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)がバトルを繰り広げたUCI(国際自転車競技連盟)レースと同じコースを使用して行われた関西シクロクロス第5戦。天候の崩れが予想されていたものの、滋賀県北西に位置するマキノ高原はこの日も晴れ。ほぼ完全なドライコンディションの中でレースは行われた。
スキー場の緩やかな斜面を利用したコースは「関西有数のパワーコース」とも呼ばれる。登っては下り、下っては登るコースの高低差は1周約50m。フライオーバー(立体交差)の高さのある段差が選手たちの脚を削っていく。
序盤から先行したのは最前列スタートの中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と沢田時(ブリヂストンアンカー)の2人。ここに武井亨介(FORZA)がすぐさまジョインする。今シーズンまだ1レースしか走っていないため後方スタートの横山航太(シマノレーシング)は徐々にポジションを上げ、2周目に入って先頭3名に追いついた。
3周目に入ると先頭パックの中から武井がアタックを仕掛けるが決まらず、逆に武井はチェーントラブルで脱落してしまう。代わって竹内遼(WESTBERG/ProRide)が先頭に追いつき、こうして中原(1993年生まれ)、沢田(1994年生まれ)、横山(1995年生まれ)、竹内(1997年生まれ)という若い4人による先行が始まった。
中原を除いてU23の選手たち(1994~1997年生まれ)で構成された先頭パックは、後方の島田真琴(シマノドリンキング)や木村吉秀(JPSTMASSAANDEX)を引き離し、ばらけることなく4人まとまって周回を重ねていく。それぞれの得意セクションで先頭ペースアップを図るもパックは崩れず、4人のままレースは終盤に差し掛かった。
「残り1周で仕掛けるつもりでいた」という横山が登りでアタック。後続との距離を確認して横山はさらに踏んでいく。「シケインを抜けてからの登りが一番きつく、仕掛けるならそこだと思っていました。周りの様子を見ると自分が一番余裕がありそうだったので、仮に付いてこられても不利にはならないと思ってアタックしました」。
一人抜け出した状態で最終周回の鐘を聞いた横山はそのまま独走態勢へ。追いすがる中原を振り切って、横山がそのまま独走でフィニッシュした。2位に中原が入り、3位争いのスプリントで竹内が沢田を下している。
「去年は自分のペースでインターバルを掛けていたのですが、力を残していた中原選手に最後に負けてしまった。その反省を生かして今回は周りを見ながら落ち着いて走りました」と、4人での戦いを制した横山。
「昨日はパンクで遅れてしまったので今日はリベンジのつもりで走って、気持ち良く来週の野辺山に挑みたいと思っていました。秋丸湧哉選手のサポートもありましたし、今シーズンのシクロクロス2戦目でようやくバイクに乗れてきた感じがします」。横山は地元長野県で開催される全日本選手権に目を向ける。
CL1はトラブルなく走った與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)が宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)を振り切り、前日を上回るタイムで優勝。CM1は同時スタートのジュニア選手と競り合った筧五郎(56CYCLE)が圧勝している。C2優勝の元シリーズチャンピオン入江克典(シマノドリンキング)はC1返り咲きを決めた。
その他の写真はフォトギャラリーへ。
関西シクロクロス2015-2016第5戦マキノ高原結果
C1
1位 横山航太(シマノレーシング)1:02:31
2位 中原義貴(弱虫ペダルシクロクロスチーム)+0:06
3位 竹内遼(WESTBERG/ProRide)+0:09
4位 沢田時(ブリヂストンアンカー)+0:10
5位 島田真琴(シマノドリンキング)+1:44
6位 木村吉秀(JPSTMASSAANDEX)+2:11
7位 大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)+2:40
8位 伊澤優大(岩井商会RACING)+3:01
9位 伊澤広大(岩井商会RACING)+4:01
10位 ジョシュ・ケリー(ChrisKing/CieloFactoryTeam)+4:03
CL1
1位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)40:06
2位 宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)+0:39
3位 上田順子(ダム部)+3:23
4位 唐見実世子 +3:51
5位 平田千枝(まほろばRC)+4:13
CM1
1位 筧五郎(56CYCLE)36:02
2位 藤井修(きゅうべえsports)+2:14
3位 羽鳥和重(cycleclub3UP)+2:23
4位 水谷拓也(BUCYOCOFFEECLT)+2:53
5位 倉橋孝太郎(チーム泥んこプロレス)+3:03
CJ
1位 梶鉄輝(Sonicracing/市立伊丹高校)35:03
C2
1位 入江克典(シマノドリンキング)38:18
2位 柴田宗幸(京都MTB朝ライド)+0:32
3位 奥村英示(662-496部)+0:41
4位 斉藤和哉(チームシルクロード)+0:46
5位 小島泰一(RITCHEYBREZZAカミハギRT)+1:11
CM2
1位 自檀地崇(Zippycycleclub)32:19
2位 渡辺政幸(RITCHEYBREZZAカミハギRT)+0:10
3位 鈴木崇之(自転車貴族)+0:39
CL2
1位 石田唯(美山CC)28:35
2位 川崎麻美(バルバクラブフクイ)+0:54
3位 中里眞由美(ARAYA)+0:56
C3
1位 湯浅勉 31:53
2位 北川陽太 +0:12
3位 森田晃司(自転車道シクロクロス部)+1:10
U17
1位 出羽秀多(チーム36隊)31:54
2位 山口創平(WESTBERG/ProRide)-1Lap
CM3A
1位 齊木秀和(きゅうべえスポーツ)26:26
2位 寺田卓司(tabinchu.com)+0:35
3位 島添雅浩(FUKADAまじりんぐ)+0:42
CM3B
1位 生越康之(MaxSpeed97)26:13
2位 松本英明(グランデパール播磨)+0:03
3位 二井重樹(オガワサイクル)+0:15
CL3
1位 保崎実智子(美山サイクリングクラブ)16:38
2位 井上真由子(大垣CSC)+0:06
3位 鹿取裕子 +0:50
C4A
1位 川辺史朗(LifeRide)24:14
2位 塩野裕一(C-WASP)+0:14
3位 伊藤貴生 +1:06
C4B
1位 室慎也(KIZOK)23:44
2位 宮田琢視(FUKADAまじりんぐ)+0:53
3位 神野悠作 +1:40
CM4
1位 熊本彰廣 17:18
2位 松岡伸二(ボナペティ)+2:08
text:Kei Tsuji
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