2015/11/17(火) - 18:00
11月15日、ベルギー・ガーフェレでスーパープレスティージュ第4戦が開催。泥コースでライバルたちを蹴散らしたワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)が今シーズン9勝目を飾った。
ベルギー西部、ヘントの南に位置するガーフェレで開催されたスーパープレスティージュ。ガーフェレの森を走るコースは起伏に富んでおり、その路面の大部分がスリッピーな泥で覆われている。
乗車率の低い登りとパワーが必要な平地、そして神経質な下りが組み合わされたタフコース。スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)は「今シーズン最初のシクロクロスらしい泥コンディション」と評した。
スタート直後の密集した集団の中でトム・メーウセン(ベルギー、トレネット・フィデア)がチェーントラブルに見舞われてストップし、避ける形でジュリアン・タラマルカス(スイス、エラリアルエステート)らが落車。集団後方がばらける中、ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)らが好スタートを切った。
1周が完了する頃にはファンアールトやネイス、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)、ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)、クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)ら約10名が先頭パックを形成する。
すると2周目の滑りやすいコーナーセクションでレースは動く。バイクを降りずに乗車にこだわったファンアールトが次々と選手に抜かれ、その隙にネイスが先頭でペースアップ。ファンアールトのミスを確認したネイスが先頭を快走して観客を沸かす。
ネイスにはファンデルハールが合流し、2人でテクニカルコースを突き進む。ミスによってポジションを下げてしまったファンアールトは猛追。ファンアールトはレース後に「勝利を狙うスヴェン(ネイス)のペースアップは当然だった。チャンスだと判断して仕掛けたんだと思う。逆のパターンだったら自分もアタックしただろう。そこから追走に力を使ってしまった」と振り返っている。
やがて追走パックの中から抜け出したファンアールトが単独で先頭2名に追いつき、遅れてパウエルスも合流する。こうして今シーズン好調な4名(ネイス、ファンデルハール、ファンアールト、パウエルス)のパックが出来上がり、ネイスやファンデルハールがそれぞれの得意セクションで仕掛けたが決まらない。
フィニッシュまで2周半を残してパック走行の均衡を破ったのはファンアールト。パワフルな走りで単独先頭に出たファンアールトはぐんぐんとリードを広げ、独走で最終ラップの鐘を聞く。ネイスとパウエルスの追い上げも届かず、ファンアールトが今シーズン9勝目を飾った。
「ここまでの泥コンディションは今シーズン初めてだったので、何としても勝利で終えたかった。レース前半はライバルたちの走りを観察して、後半にかけてアタックする作戦だった。2周目でミスして追走に力を使う結果になったけど、調子の良さを結果につなげることが出来て良かったよ」とスーパープレスティージュ3勝目を飾ったファンアールト。シリーズランキングではもちろん首位を独走中だ。
積極的な走りで2位に入ったネイスは「泥のコンディションの中で気持ちよくレースに挑むことが出来た。終盤にかけてワウト(ファンアールト)に先行を許したものの、必ずオーバーペースで失速すると予想していた。それでもハイペースを刻み続けた彼は勝利に値する。彼を除く選手の中で一番だったので満足しているよ」と勝者を讃えるコメントを残している。
翌週の11月22日にはベルギーのコクサイデでUCIワールドカップ第3戦が開催される。8月のツール・ド・ラヴニールでの落車で膝を痛め、10月に手術を受けた世界チャンピオンのマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPコレンドン)がコクサイデでレースに復帰予定。絶好調ファンアールトとの若手対決に注目だ。
選手コメントはレース公式サイトならびにベルギーのSPORZAより。
スーパープレスティージュ2015-2016第4戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) 56’52”
2位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +16”
3位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +17”
4位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +1’00”
5位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +1’55”
6位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +2’00”
7位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)+2’04”
8位 ティム・メルリエ(ベルギー、ファストフートサービス) +2’12”
9位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +2’15”
10位 ミカエル・ボロス(チェコ、BKCPコレンドン) +2’18”
text:Kei Tsuji
ベルギー西部、ヘントの南に位置するガーフェレで開催されたスーパープレスティージュ。ガーフェレの森を走るコースは起伏に富んでおり、その路面の大部分がスリッピーな泥で覆われている。
乗車率の低い登りとパワーが必要な平地、そして神経質な下りが組み合わされたタフコース。スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)は「今シーズン最初のシクロクロスらしい泥コンディション」と評した。
スタート直後の密集した集団の中でトム・メーウセン(ベルギー、トレネット・フィデア)がチェーントラブルに見舞われてストップし、避ける形でジュリアン・タラマルカス(スイス、エラリアルエステート)らが落車。集団後方がばらける中、ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)らが好スタートを切った。
1周が完了する頃にはファンアールトやネイス、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)、ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)、クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)ら約10名が先頭パックを形成する。
すると2周目の滑りやすいコーナーセクションでレースは動く。バイクを降りずに乗車にこだわったファンアールトが次々と選手に抜かれ、その隙にネイスが先頭でペースアップ。ファンアールトのミスを確認したネイスが先頭を快走して観客を沸かす。
ネイスにはファンデルハールが合流し、2人でテクニカルコースを突き進む。ミスによってポジションを下げてしまったファンアールトは猛追。ファンアールトはレース後に「勝利を狙うスヴェン(ネイス)のペースアップは当然だった。チャンスだと判断して仕掛けたんだと思う。逆のパターンだったら自分もアタックしただろう。そこから追走に力を使ってしまった」と振り返っている。
やがて追走パックの中から抜け出したファンアールトが単独で先頭2名に追いつき、遅れてパウエルスも合流する。こうして今シーズン好調な4名(ネイス、ファンデルハール、ファンアールト、パウエルス)のパックが出来上がり、ネイスやファンデルハールがそれぞれの得意セクションで仕掛けたが決まらない。
フィニッシュまで2周半を残してパック走行の均衡を破ったのはファンアールト。パワフルな走りで単独先頭に出たファンアールトはぐんぐんとリードを広げ、独走で最終ラップの鐘を聞く。ネイスとパウエルスの追い上げも届かず、ファンアールトが今シーズン9勝目を飾った。
「ここまでの泥コンディションは今シーズン初めてだったので、何としても勝利で終えたかった。レース前半はライバルたちの走りを観察して、後半にかけてアタックする作戦だった。2周目でミスして追走に力を使う結果になったけど、調子の良さを結果につなげることが出来て良かったよ」とスーパープレスティージュ3勝目を飾ったファンアールト。シリーズランキングではもちろん首位を独走中だ。
積極的な走りで2位に入ったネイスは「泥のコンディションの中で気持ちよくレースに挑むことが出来た。終盤にかけてワウト(ファンアールト)に先行を許したものの、必ずオーバーペースで失速すると予想していた。それでもハイペースを刻み続けた彼は勝利に値する。彼を除く選手の中で一番だったので満足しているよ」と勝者を讃えるコメントを残している。
翌週の11月22日にはベルギーのコクサイデでUCIワールドカップ第3戦が開催される。8月のツール・ド・ラヴニールでの落車で膝を痛め、10月に手術を受けた世界チャンピオンのマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPコレンドン)がコクサイデでレースに復帰予定。絶好調ファンアールトとの若手対決に注目だ。
選手コメントはレース公式サイトならびにベルギーのSPORZAより。
スーパープレスティージュ2015-2016第4戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) 56’52”
2位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +16”
3位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +17”
4位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +1’00”
5位 ローレンス・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +1’55”
6位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +2’00”
7位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)+2’04”
8位 ティム・メルリエ(ベルギー、ファストフートサービス) +2’12”
9位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +2’15”
10位 ミカエル・ボロス(チェコ、BKCPコレンドン) +2’18”
text:Kei Tsuji
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サイクルスポーツ 2016年 1月号
八重洲出版