2015/11/02(月) - 12:00
ベルギーでBpostBankトロフェー第2戦「コッペンベルグクロス」が開催され、シーズン序盤から好調のワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)が再び他を圧倒。全日本チャンピオンの竹之内悠(ベランクラシック・エコイ)はトップと同一周回の22位でレースを終えた。
ロンド・ファン・フラーンデレンでお馴染み激坂「コッペンベルグ」や、名物の泥キャンバーダウンヒルを含む周回コースで行なわれたBpostBankトロフェー第2戦。注目が集まったのは、シーズン初めから勝ちまくっている21歳ファンアールトと、同会場で過去に9勝している39歳の英雄スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)の戦い。両者は1年前にバトルを繰り広げ、ファンアールトがスプリントで先着している。
道幅のある舗装路でスタートとともに飛び出したのはサンウェブ・ナポレオンゲームスのパウエルスとファントーレンハウト。1周目のコッペンベルグで先頭を奪ったジュリアン・タラマルカス(スイス、エラリアルエステート)がコルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)らとともに先行するが後続は離れない。
最も大きな声援を受けたネイスが後方から徐々にポジションを上げる中、2周目には早くもファンアールトが先頭に出る。しかし時期尚早と判断したファンアールトは落ち着いたペースをキープ。するとタイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア)とディエテル・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)が舗装路でアタックを仕掛け、20秒ほど先行を開始した。
西日を受けながらテクニカルコースを走るファンアメロンゲンとスウィークを、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)率いる追走グループが追いかける。その追走グループの中にはしっかりファンアールトが入ったが、ネイスの姿はなかった。
後半に差し掛かった残り3周半でレースは動く。テクニカルなキャンバー区間で追走グループから飛び出したファンアールトが、先行するファンアメロンゲンとスウィークを抜き去って一気に先頭へ。「狙っていたというよりも、チャンスがあると感じたからアタックした」というファンアールトが勢いよくリードを広げ始める。
後方ではパウエルスとファンデルハールがパックを組んで追走したものの、ファンアールトのリードは拡大する一方。パウエルスとファンデルハールの後ろ、5番手で走っていたネイスは最終周回のリアディレイラー破損によってリタイアに終わった。
順位によるポイント制ではなく、シリーズの総合タイムで争われるBpost Bankトロフェーで2連勝したファンアールト。「今日のような難しいコンディションの中で昨年よりも大きなリードで勝ててよかった。最終周回に数秒失ったかもしれないけど、それでもいいから勝利の喜びを味わいたかったんだ」とコメントする。今シーズン8勝目。シリーズ総合ランキングでは2位のパウエルスとの差が55秒にまで広がった。
スタート前に「20番台でレースを終えたい」とコメントしていた竹之内悠は、トップのファンアールトと同一周回・5分34秒遅れの22位でフィニッシュした。
「冷静にタイム差見ると5分半遅れ。相変わらずだけど素直に嬉しい。まさか20番台前半でゴール出来るなんて。今年はすごい悠コールでした。夢のような…あんなに純粋に馬鹿にされず応援されたの初めて」と竹之内。1年前の同レースで記録したマイナス1ラップの31位から大きく成績を伸ばした。
選手コメントはレース公式サイトならびにFacebookより。
Bpost Bankトロフェー2015-2016第2戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) 1h00’35”
2位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +31”
3位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +37”
4位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +1’26”
5位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア) +1’30”
6位 ディエテル・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +1’42”
7位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)+1’44”
8位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、エラリアルエステート) +1’46”
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1’50”
10位 ジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +1’56”
22位 竹之内悠(日本、ベランクラシック・エコイ) +5’34”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ロンド・ファン・フラーンデレンでお馴染み激坂「コッペンベルグ」や、名物の泥キャンバーダウンヒルを含む周回コースで行なわれたBpostBankトロフェー第2戦。注目が集まったのは、シーズン初めから勝ちまくっている21歳ファンアールトと、同会場で過去に9勝している39歳の英雄スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)の戦い。両者は1年前にバトルを繰り広げ、ファンアールトがスプリントで先着している。
道幅のある舗装路でスタートとともに飛び出したのはサンウェブ・ナポレオンゲームスのパウエルスとファントーレンハウト。1周目のコッペンベルグで先頭を奪ったジュリアン・タラマルカス(スイス、エラリアルエステート)がコルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)らとともに先行するが後続は離れない。
最も大きな声援を受けたネイスが後方から徐々にポジションを上げる中、2周目には早くもファンアールトが先頭に出る。しかし時期尚早と判断したファンアールトは落ち着いたペースをキープ。するとタイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア)とディエテル・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート)が舗装路でアタックを仕掛け、20秒ほど先行を開始した。
西日を受けながらテクニカルコースを走るファンアメロンゲンとスウィークを、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)率いる追走グループが追いかける。その追走グループの中にはしっかりファンアールトが入ったが、ネイスの姿はなかった。
後半に差し掛かった残り3周半でレースは動く。テクニカルなキャンバー区間で追走グループから飛び出したファンアールトが、先行するファンアメロンゲンとスウィークを抜き去って一気に先頭へ。「狙っていたというよりも、チャンスがあると感じたからアタックした」というファンアールトが勢いよくリードを広げ始める。
後方ではパウエルスとファンデルハールがパックを組んで追走したものの、ファンアールトのリードは拡大する一方。パウエルスとファンデルハールの後ろ、5番手で走っていたネイスは最終周回のリアディレイラー破損によってリタイアに終わった。
順位によるポイント制ではなく、シリーズの総合タイムで争われるBpost Bankトロフェーで2連勝したファンアールト。「今日のような難しいコンディションの中で昨年よりも大きなリードで勝ててよかった。最終周回に数秒失ったかもしれないけど、それでもいいから勝利の喜びを味わいたかったんだ」とコメントする。今シーズン8勝目。シリーズ総合ランキングでは2位のパウエルスとの差が55秒にまで広がった。
スタート前に「20番台でレースを終えたい」とコメントしていた竹之内悠は、トップのファンアールトと同一周回・5分34秒遅れの22位でフィニッシュした。
「冷静にタイム差見ると5分半遅れ。相変わらずだけど素直に嬉しい。まさか20番台前半でゴール出来るなんて。今年はすごい悠コールでした。夢のような…あんなに純粋に馬鹿にされず応援されたの初めて」と竹之内。1年前の同レースで記録したマイナス1ラップの31位から大きく成績を伸ばした。
選手コメントはレース公式サイトならびにFacebookより。
Bpost Bankトロフェー2015-2016第2戦結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) 1h00’35”
2位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +31”
3位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +37”
4位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +1’26”
5位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア) +1’30”
6位 ディエテル・スウィーク(ベルギー、エラリアルエステート) +1’42”
7位 マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)+1’44”
8位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、エラリアルエステート) +1’46”
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア) +1’50”
10位 ジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +1’56”
22位 竹之内悠(日本、ベランクラシック・エコイ) +5’34”
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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サイクルスポーツ 2016年 1月号
八重洲出版