2015/09/10(木) - 11:11
熾烈な山岳争いから休息日を挟んだ第17ステージ、ブルゴスにて争われた個人タイムトライアルを制したトム・ドゥムラン。TTスペシャリストとしての意地を見せた走りで山岳ステージでの遅れを取り戻し、総合首位に返り咲いた。
今大会唯一の個人タイムトライアルとなる第17ステージ。カンタブリア山岳での連戦を経て大きく動いた総合成績にもう一度シャッフルをかけるとして重要視されてきたこのステージは、カスティーリャ・イ・レオン州のブルゴス街中と郊外を結ぶ38.7kmのフラットコースで争われた第17ステージ。
この日最初の出走者、ボーイ・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)は53分18秒というタイム。最初に好タイムを記録したのは18番目に出走したマチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)。13年、12年のポーランド個人TTチャンピオンのボドナールは好走を見せ、47分5秒でフィニッシュ。暫定首位に立ち、ホットシートからそのライバルたちの走りを見守ることに。
その後、ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)やフランスTTチャンピオンのジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)、ポルトガルTTチャンピオンのネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)らが良いペースを刻むものの、ボドナールのタイムには及ばず。
ボドナール首位のまま、総合上位陣のスタートが切られていく。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がボドナールのタイムに肉薄する53分22秒でフィニッシュし、総合ジャンプアップに望みを繋ぐ。チームメートのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)もクライマーながらもボドナールに29秒差という好タイム。
そして、ついに真打ちとなるトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)がスタート台を駆け下りていく。185cmの体躯をコンパクトにたたんだフォームでゴールへ向けて進むドゥムラン。その後にはラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフサクソ)、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)がそれぞれスタートしていく。
最終走者として、マイヨロホをまとったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がスタート台に姿を見せると一際大きな声援が起こる。スペイン人のマイヨロホに向けての戦いが16時49分に始まった。
注目が集まる第1計測地点で17分44秒とボドナールらを上回るトップタイムを叩き出したドゥムランに対し、マイカは1分、アルが44秒、ロドリゲスが1分11秒のビハインドを背負うことに。第2計測地点においてもその差は順調に拡大していく。マイカに対して2分11秒、アルに対して1分43秒、ロドリゲスに対して2分38秒のアドバンテージを得たドゥムラン。この時点で、マイカとロドリゲスの総合タイムを逆転し、アルに対しても7秒差まで詰め寄った。
そして最終区間、短い登りやいくつものコーナーが現れるテクニカルなコースも最速でクリアしたドゥムラン。46分1秒と、ボドナールに対してなんと1分4秒もの差をつけてフィニッシュした。
ステージ優勝を確定させたドゥムランに対し、総合上位3名がどれだけタイム差を抑えられるかに注目が集まる中、意地を見せたのがアル。ドゥムランから1分53秒差にまとめ、総合でも3秒差の2位につけることに成功した。
一方、明暗が分かれたのはロドリゲスとマイカ。それぞれ3分6秒と2分38秒差をつけられ、総合でもドゥムランに対して1分15秒と2分22秒のハンデを背負うこととなった。
ステージ優勝とマイヨロホを同時に手に入れたトム・デュムラン。「ステージ優勝、そしてマイヨロホの奪還と最高の一日になったよ。調子も良かったし、パフォーマンスに集中することができた。レース中は自分がどれだけ走れるかにだけフォーカスして、中間計測は気にしなかった。」と今日のレースについて語った。
「残りのステージは難しい日々になると思うけど、ファンたちにとっては最高のレースが見られるということでもある。総合でのライバルたちとのタイム差は多くない、彼らがお互いにアタックしあえるようなレースになれば面白いだろうね。このブエルタでは既にステージ2勝と大きな成功を収めている。でも、もう少し良い結果を出すために、ベストを尽くしていくつもりだ。」と意気込みを語るドゥムラン。
ステージが終わるごとに目まぐるしく順位が入れ替わるブエルタ。マドリードまでの残り3ステージで再び総合逆転はあるのか、今日タイムトライアルで後塵を拝したアルやロドリゲス、マイカらとドゥムランの攻防から目が離せない。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2015第17ステージ結果
68h40'36''
+03"
+1'15"
+2'22"
+2'53"
+3'15"
+3'30"
+3'46"
+4'10"
+6'51"
106pts
104pts
100pts
82pts
30pts
27pts
15pts
16pts
21pts
206h29'35"
+1'04"
+7'27"
ステージ敢闘賞
トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos
今大会唯一の個人タイムトライアルとなる第17ステージ。カンタブリア山岳での連戦を経て大きく動いた総合成績にもう一度シャッフルをかけるとして重要視されてきたこのステージは、カスティーリャ・イ・レオン州のブルゴス街中と郊外を結ぶ38.7kmのフラットコースで争われた第17ステージ。
この日最初の出走者、ボーイ・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)は53分18秒というタイム。最初に好タイムを記録したのは18番目に出走したマチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)。13年、12年のポーランド個人TTチャンピオンのボドナールは好走を見せ、47分5秒でフィニッシュ。暫定首位に立ち、ホットシートからそのライバルたちの走りを見守ることに。
その後、ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)やフランスTTチャンピオンのジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)、ポルトガルTTチャンピオンのネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)らが良いペースを刻むものの、ボドナールのタイムには及ばず。
ボドナール首位のまま、総合上位陣のスタートが切られていく。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がボドナールのタイムに肉薄する53分22秒でフィニッシュし、総合ジャンプアップに望みを繋ぐ。チームメートのナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)もクライマーながらもボドナールに29秒差という好タイム。
そして、ついに真打ちとなるトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)がスタート台を駆け下りていく。185cmの体躯をコンパクトにたたんだフォームでゴールへ向けて進むドゥムラン。その後にはラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフサクソ)、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)がそれぞれスタートしていく。
最終走者として、マイヨロホをまとったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)がスタート台に姿を見せると一際大きな声援が起こる。スペイン人のマイヨロホに向けての戦いが16時49分に始まった。
注目が集まる第1計測地点で17分44秒とボドナールらを上回るトップタイムを叩き出したドゥムランに対し、マイカは1分、アルが44秒、ロドリゲスが1分11秒のビハインドを背負うことに。第2計測地点においてもその差は順調に拡大していく。マイカに対して2分11秒、アルに対して1分43秒、ロドリゲスに対して2分38秒のアドバンテージを得たドゥムラン。この時点で、マイカとロドリゲスの総合タイムを逆転し、アルに対しても7秒差まで詰め寄った。
そして最終区間、短い登りやいくつものコーナーが現れるテクニカルなコースも最速でクリアしたドゥムラン。46分1秒と、ボドナールに対してなんと1分4秒もの差をつけてフィニッシュした。
ステージ優勝を確定させたドゥムランに対し、総合上位3名がどれだけタイム差を抑えられるかに注目が集まる中、意地を見せたのがアル。ドゥムランから1分53秒差にまとめ、総合でも3秒差の2位につけることに成功した。
一方、明暗が分かれたのはロドリゲスとマイカ。それぞれ3分6秒と2分38秒差をつけられ、総合でもドゥムランに対して1分15秒と2分22秒のハンデを背負うこととなった。
ステージ優勝とマイヨロホを同時に手に入れたトム・デュムラン。「ステージ優勝、そしてマイヨロホの奪還と最高の一日になったよ。調子も良かったし、パフォーマンスに集中することができた。レース中は自分がどれだけ走れるかにだけフォーカスして、中間計測は気にしなかった。」と今日のレースについて語った。
「残りのステージは難しい日々になると思うけど、ファンたちにとっては最高のレースが見られるということでもある。総合でのライバルたちとのタイム差は多くない、彼らがお互いにアタックしあえるようなレースになれば面白いだろうね。このブエルタでは既にステージ2勝と大きな成功を収めている。でも、もう少し良い結果を出すために、ベストを尽くしていくつもりだ。」と意気込みを語るドゥムラン。
ステージが終わるごとに目まぐるしく順位が入れ替わるブエルタ。マドリードまでの残り3ステージで再び総合逆転はあるのか、今日タイムトライアルで後塵を拝したアルやロドリゲス、マイカらとドゥムランの攻防から目が離せない。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2015第17ステージ結果
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
2位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
4位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)
5位 ジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)
6位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
7位 ロマン・シカール(フランス、ユーロップカー)
8位 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
9位 スティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)
10位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
59位 新城幸也(ヨーロッパカー)
2位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
4位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)
5位 ジェローム・コッペル(フランス、IAMサイクリング)
6位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
7位 ロマン・シカール(フランス、ユーロップカー)
8位 ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
9位 スティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)
10位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
59位 新城幸也(ヨーロッパカー)
46'01"
+1'04"
+1'08''
+1'31"
+1'32"
+1'33"
+1'36"
+1'38"
+1'40"
+1'53"
+4'15"
+1'04"
+1'08''
+1'31"
+1'32"
+1'33"
+1'36"
+1'38"
+1'40"
+1'53"
+4'15"
個人総合成績
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
2位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
4位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
7位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
9位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
10位 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、MTNキュベカ)
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
2位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
3位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
4位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
7位 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
9位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
10位 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、MTNキュベカ)
68h40'36''
+03"
+1'15"
+2'22"
+2'53"
+3'15"
+3'30"
+3'46"
+4'10"
+6'51"
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
106pts
104pts
100pts
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 オマール・フライレ(スペイン、カハルーラル)
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
3位 ルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)
1位 オマール・フライレ(スペイン、カハルーラル)
2位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
3位 ルーベン・プラサ(スペイン、ランプレ・メリダ)
82pts
30pts
27pts
マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
3位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
3位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
15pts
16pts
21pts
チーム総合成績
1位 チームスカイ
2位 モビスター
3位 アスタナ
1位 チームスカイ
2位 モビスター
3位 アスタナ
206h29'35"
+1'04"
+7'27"
ステージ敢闘賞
トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos
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