世代交代を果たしたイタリアの老舗、デローザの新たな一歩。伝統と革新を一身に融合させた新型IDOLを徹底インプレッション。元プロレーサーにしてTeamZenko代表の辻善光と、ツールドおきなわ女子50kmで優勝経験を持つ南芙美子が、その魅力に迫る。

デローザ IDOL photo:Naoki Yasuoka
巨匠ウーゴ・デローザの手により、多くの名車と伝説を作り続けてきたデローザ。深紅のクオーレをトレードマークとし、サイクリストの憧れであり続けてきたブランドは今、新たな歩みへ踏み出している。世を去った偉大な創業者が残した血脈が、新たな風を起こし始めている。
その第一歩となるのが新型IDOLだ。美しい弧を描く、流麗でどこかフェミニンな空気を纏ったデザインの初代から20年。都度モデルチェンジを果たしつつも、そのデザインコンセプトは脈々と受け継がれ、常にデローザのラインアップの中心的な存在であり続けてきた。2019年に総刷新され新たなファンを獲得した先代から6年、待望のフルモデルチェンジを果たした。

ウーゴ氏の孫であるニコラス・デローザ氏が、スタイリングやカラーデザインを主導 (c)日直商会
開発にあたっては、故ウーゴ氏の三男でありCEOでもあるクリスティアーノ・デローザ氏が総指揮をとり、その長男でウーゴ氏の孫であるニコラス・デローザ氏がスタイリングやカラーデザインを主導。時を超えて受け継がれるデローザのDNAと、新時代のリーダーの瑞々しい感性が合わさり、新型IDOLは完成した。

美しく弧を描くトップチューブ~シートステーへのラインが「ARCデザインコンセプト」。IDOLのアイデンティティだ photo:Naoki Yasuoka
新型IDOLの中心となるのが、IDOLをIDOLたらしめる「ARCデザインコンセプト」だ。トップチューブからシートステイへと流れるように繋がる弓なりのデザインは、まさに唯一無二。このラインが名刺代わりなのだと、フレームのどこにもモデル名を示すものは無い。
チューブ一本一本を構成するライン全てにこだわり抜いてデザインされたIDOLが目指したのは、快適性とパフォーマンスの完璧な調和。25年に及ぶカーボンバイク開発の知見から導きだされた設計により、BB周りには高い剛性を、リアバックには優れた振動吸収性を与えることで、その性能を実現した。
更に、20年を超えて受け継がれるアイデンティティを一滴たりとも失うことなく、新型IDOLは300gを削減することに成功し、より軽快で反応性に優れたバイクへと進化している。

シートクランプ周辺もクリーンなルックスに。タイヤクリアランスも大きくとられ、最大34Cに対応する photo:Naoki Yasuoka
ジオメトリーはパフォーマンスを発揮するために必要十分なアグレッシブなポジションを実現するバランスの取れた設計に。効率に優れるエアロポジションと、長距離でも快適な姿勢を両立するリーチとスタックが各サイズに設定された。
最新のロードバイクに求められるスペックも余すところなく備えることも新型IDOLの大きな特徴。特筆すべきはタイヤクリアランスで、最大34Cに対応するワイドなキャパシティを与えられている。28Cが主流となった現在だが、これから更に拡大するだろうワイド化を見据えた余裕のある設計だ。

シンプルなヘッドチューブ。デローザを象徴するクオーレが輝く photo:Naoki Yasuoka

リアエンドはUDH規格を採用。ユーザビリティを重視した設計だ photo:Naoki Yasuoka 
ケーブルはもちろんフル内装。美しいシルエットを引き立てる photo:Naoki Yasuoka
そして、ディレイラーハンガーには統一規格となるUDHを採用し、最新のコンポーネントをダイレクトに装着可能に。入手性にも優れたスペックで、長く付き合える一台としてデザインされている。
コンプリートバイクのパッケージも魅力的で、ロングライドでの快適性と高い剛性によるダイレクトなハンドリングを両立したFSAのハイエンドカーボンバー、「METRON AERO ACR」を採用。組み合わせられるステムもブレーキホースのフル内装に対応し、クリーンなルックスを実現した。

完成車にはFSAのハイエンドカーボンバー、METRON AERO ACRを採用 photo:Naoki Yasuoka
このスペックをユーザーが無駄にすることが無いよう、デローザは「THE CHOICE IS YOURS」と名付けられたオーナー選択方式を導入。「フレームサイズ」「カラー」「コンポーネントグレード」だけでなく、「ハンドル幅」と「ステム長」の5つの要素を自由に選択可能とするシステムだ。ハンドルは380、400、420mm(c-c)、ステムは70~120mmを10mm刻みで選択できる。コンポーネントはシマノ Ultegra DI2と105 DI2から選択可能だ。
世代交代を果たしたデローザが踏み出す、新たな一歩。ブランドの未来を示す一台を2人のライダーがインプレッション。
テストを担当するのは、稀代のスプリンターとしてプロレースで活躍し、現在はTeamZenko代表として多岐にわたる活動を続ける辻善光さん。そしてTeamZenkoに所属し、おきなわ女子50kmで勝利を収め、JBCFでも好成績を残す南芙美子さんの2人だ。

インプレッションを担当してくれる辻善光さん(左)と南芙美子さん(右) photo:Naoki Yasuoka
辻 善光(つじ よしみつ)
1984年奈良県生まれ。立命館大学在学中にツール・ド・北海道で山岳リーダージャージを学生として初めて着用。卒業後はマトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、チーム右京、湘南ベルマーレに所属。その間にツール・ド・熊野(UCI2.2)でステージ優勝、Jプロツアー白浜クリテリウムで2年連続優勝、同湾岸クリテリウム優勝などスプリンターとして活躍した。
引退後はTeamZenkoを主宰し、スポーツバイクの普及活動に邁進。よしもとふるさとアスリートとして活動しつつ、様々なレースにチームとして参加してきた。2021年からデローザのサポートアスリートとして活動し、その魅力を発信してきた。
南 芙美子(みなみ ふみこ)
TeamZenkoの一員として、JBCFを中心に様々なレースに参戦。2022年のツール・ド・おきなわ市民レディース50kmでスプリントを制し、2度目の参戦にして優勝を果たした。同レースの210kmでは夫の広樹氏も3位に入り、強豪夫婦としても知られている。
2025シーズンのJBCFレースでは全出場レースで表彰台を獲得するなど、女子レースの一線で活躍中だ。

辻さんと南さん、2人の実力派ライダーがIDOLの魅力に迫る photo:Naoki Yasuoka
辻:一言で表現してしまうと、懐が深い。エアロを追求した最先端のレーシングバイクに乗る機会も多いですが、やはりそういったバイクは扱いづらい面があります。バイクが想定している走らせ方をライダーに強要してきて、その通りに走らせられれば速いけれど、体力や技術面でのハードルをいくつも乗り越える必要がある。
この新型IDOLは、そういったある種の狭量さと対極に位置する一台です。誤解を恐れずに言えばスチール時代のレーシングバイクのような感覚で、フレーム全体が素直にしなってくれるから、乗っていて気持ちが良い。

「あくまで人間が主役の一台。デローザのバイク哲学はしっかりと受け継がれている」と辻さんは評価する photo:Naoki Yasuoka
速く走らないと、と自転車に追い立てられるような窮屈さが無いんです。でも、いっちょ踏んでみるか、とパワーを掛けたらスパッと切れ味よく加速してくれる。あくまで人間が主役で、乗り手がやりたいようにやらせてくれる、まさにデローザの哲学が感じられる一台ですね。
南:私はデローザのバイク自体初めてだったのですが、正直最初に持ってみた時はちょっと重い?と感じたんです。でも、いざ乗ってみると重さを感じることは全く無くて、むしろすごくしっくりくることに驚かされました。

「どんな乗り方でも気持ちよく走れる一台」南芙美子(TeamZenko) photo:Naoki Yasuoka
印象的だったのは乗り心地の良さですね。普段、かなり硬めのバイク(S-WORKS VENGE)に乗っているのもあるかもしれませんが、路面からの振動が全然来ない。もうこのままビワイチしたくなってしまいました。
辻:確かに、「あそこに走りに行きたいな」というイメージが自然に湧き出てくるようなバイクですね。あの峠のタイムを何秒短縮できるか、というよりも、それこそ琵琶湖まで行って湖面をバックに写真を撮りたいなとか、気になっていたカフェに寄って、愛車を眺めながらお茶したいな、とかね。そういうスタンダードな自転車が最近僕の中で無かったので、すごく魅力的。

「登りでは自然とペダルが落ちていく。力を抜いて楽に登れて、まるで自転車がサポートしてくれるような感覚がある」南芙美子(TeamZenko) photo:Naoki Yasuoka
南:乗り心地が良いからといって、登りが重く感じるというわけではないですよね。実は昨日も100kmを超えるライドをこなしてきたところで、かなりクタクタな状態だったんですが、激坂では自分のVENGEよりも登りやすかった。
いつもなら、「よいしょっ」と一踏みごとに気合を入れながら登るような坂でも、もっと力を抜いて楽に登れたんです。あまり意識せずに踏んでもペダルが自然に落ちていって、上手く前に進んでくれる。自転車がしっかりサポートしてくれるような感覚が印象的でした。
CW:その懐の深さ、万能性というものは、どこに由来しているのでしょう。
辻:デローザのバイク哲学、というと大げさなのかもしれませんが、実際に彼らが意図して設計していることは間違いないと思いますね。このIDOL含め、デローザのバイクにはダウンチューブが丸いモデルが多いんですが、そこは大きく影響していると思います。丸いチューブはどんな踏み方も素直に受け止めてくれますからね。
南:私はやっぱりこの弓なりのトップチューブからシートステーにかけてのラインが好きですね。デザイン的にもかっこいいですし、快適性の高さにも大きく貢献してくれているように感じます。

「もっと太いタイヤを履かせて、色んな場所に走りに行きたい」辻善光(TeamZenko) photo:Naoki Yasuoka
辻:今回のテストバイクは28Cでしたけれど、もっと太めのタイヤを履かせてのんびりしまなみ海道をサイクリングしたりしても楽しいでしょうね。
南:ホントにロングライドに出かけたくなるバイクですね。
CW:ロングライド向けというと、快適だけど反応は重めのバイク、というイメージを持つ方も多いと思いますが、そこはいかがですか。
南:そこは改めて否定しておきたいですね。走り自体は軽快で、踏んだ時にもスパッと加速してくれます。スプリントしてみても思うがままに加速してくれますし、斜度がある登りでも軽やかなんです。それでいて、乗り心地もすごくいいのでずっと乗っていたくなる、という。

「スプリントしてみても思うがままに加速してくれるし、登りでも軽やか。ずっと乗っていたくなる」南芙美子(TeamZenko) photo:Naoki Yasuoka
辻:いわゆるエンデュランスバイクとは全然違うバイクですよ、ポジションもアップライトなわけではないですし。一方で、レーシングバイクなのかと言われると、それも違う。レースで勝ちたいのであれば、今はもっとエアロなバイクが求められる時代ですから。
ポジショニングとしてはすごくニュートラルな位置付けで、それが故に魅力が伝わりづらい部分もあると思いますね。
南:ゆっくり走ることを強いるわけでも、シャカリキに走ることを求めてくるわけでもない。登りでも下りでも、どこをどう走っても気持ちよく走れるから、楽しいんでしょうね。

テストコースに登場した激坂。「斜度がキツイシーンでも自然に進んでいく」と南さん photo:Naoki Yasuoka
辻:ハンドリングもとても素直なんですよ。僕は幅が狭いハンドルのクイックなハンドリングにすごく苦手意識を持っていたんです。このテストバイクも380mm幅のハンドルがついてきていたので、正直身構える部分があったのですが、乗ってみたらもう全然違和感が無くて驚きました。
もう一つ驚いたのが、ホイールとの相性ですね。完成車がフルクラムのアルミホイールで、まあ重めのモデルなんですけども、これが走るんですよ。正直、このパッケージのままで全然不満が無い。最近のバイクって、カーボンホイールが前提条件みたいな部分がありますが、IDOLはアルミホイールで十分キビキビ走ってくれる。

「ハンドリングもとても素直。ナローハンドルでも違和感なく倒しこめる」辻善光(TeamZenko) photo:Naoki Yasuoka
アップグレードプログラムでシャマルカーボンやシャマルデュアルプロファイルを選べるようになっていますが、その選択肢も絶妙ですよね。実際、ボーラではなくシャマルの方が、このバイクにマッチしていると思います。
ハンドリングにしても、ペダリングの感覚にしても、全体として違和感やストレスに感じる要素が少ないんです。自然に身体に馴染んでくれて、思うがままに走らせられる。だから遠くに走っていきたくなる。そういう意味でロングライドの相棒にしたいな、と。

「このチューブの断面形状もカッコいいですよね。ぜひ実物を見てほしい」と南さん photo:Naoki Yasuoka
南:しかもカッコいいですしね。お気に入りの愛車といろんな場所に出かけたい、という大多数のサイクリストにとって、スタイリングは重要ですよ。
デローザのIDOLといえばこの形、というのはデローザ乗りじゃない私でも知っているくらい。今回、IDOLのインプレをすると聞いたときに、「あ、あの弓なりの!」と思ったくらい印象が強いバイクですよね。個人的にもデローザのバイクの中で一番好きなフレームです。

デローザロゴが入るダウンチューブ以外にロゴは無い。IDOLという名前はどこにも示されていない。 photo:Naoki Yasuoka
辻:ダウンチューブのデローザロゴ以外にロゴが無いのも潔いですよね。IDOLとはどこにも書いてないんですよ。このフレーム形状を見ればIDOLだとわかるよね、という積み重ねてきた歴史に対する自信が無ければこんなデザインは出来ないですよね。流石デローザだな、と感心します。
南:性能は確かなので、この唯一無二のルックスが気に入ったなら迷うことなく手に入れて欲しいですね。私もこのバイクでビワイチ走りたいです(笑)

新型IDOLの展示試乗会が各地のサイクルショップで開催される (c)日直商会
語り尽くせぬ乗り味と、写真では伝えきれない美しさを宿す新型IDOLの魅力を実際に自分の目と脚で体感できる試乗会が全国各地のサイクルショップで開催される。
開催店舗および開催日のスケジュールはテストライドツアー案内ページ(デローザオフィシャルHP内)から確認できる。ぜひ、新型IDOLの価値を確かめてみてほしい。

デローザ IDOL(WHITE) (c)日直商会

デローザ IDOL(STEALTH) (c)日直商会 
デローザ IDOL(PNK)※フレームのみ (c)日直商会
ウーゴの哲学を受け継ぐデローザファミリー 新たな一歩となる新型IDOL

巨匠ウーゴ・デローザの手により、多くの名車と伝説を作り続けてきたデローザ。深紅のクオーレをトレードマークとし、サイクリストの憧れであり続けてきたブランドは今、新たな歩みへ踏み出している。世を去った偉大な創業者が残した血脈が、新たな風を起こし始めている。
その第一歩となるのが新型IDOLだ。美しい弧を描く、流麗でどこかフェミニンな空気を纏ったデザインの初代から20年。都度モデルチェンジを果たしつつも、そのデザインコンセプトは脈々と受け継がれ、常にデローザのラインアップの中心的な存在であり続けてきた。2019年に総刷新され新たなファンを獲得した先代から6年、待望のフルモデルチェンジを果たした。

開発にあたっては、故ウーゴ氏の三男でありCEOでもあるクリスティアーノ・デローザ氏が総指揮をとり、その長男でウーゴ氏の孫であるニコラス・デローザ氏がスタイリングやカラーデザインを主導。時を超えて受け継がれるデローザのDNAと、新時代のリーダーの瑞々しい感性が合わさり、新型IDOLは完成した。
伝統と革新の融合。新世代デローザの中核を担う万能な一台へ

新型IDOLの中心となるのが、IDOLをIDOLたらしめる「ARCデザインコンセプト」だ。トップチューブからシートステイへと流れるように繋がる弓なりのデザインは、まさに唯一無二。このラインが名刺代わりなのだと、フレームのどこにもモデル名を示すものは無い。
チューブ一本一本を構成するライン全てにこだわり抜いてデザインされたIDOLが目指したのは、快適性とパフォーマンスの完璧な調和。25年に及ぶカーボンバイク開発の知見から導きだされた設計により、BB周りには高い剛性を、リアバックには優れた振動吸収性を与えることで、その性能を実現した。
更に、20年を超えて受け継がれるアイデンティティを一滴たりとも失うことなく、新型IDOLは300gを削減することに成功し、より軽快で反応性に優れたバイクへと進化している。

ジオメトリーはパフォーマンスを発揮するために必要十分なアグレッシブなポジションを実現するバランスの取れた設計に。効率に優れるエアロポジションと、長距離でも快適な姿勢を両立するリーチとスタックが各サイズに設定された。
最新のロードバイクに求められるスペックも余すところなく備えることも新型IDOLの大きな特徴。特筆すべきはタイヤクリアランスで、最大34Cに対応するワイドなキャパシティを与えられている。28Cが主流となった現在だが、これから更に拡大するだろうワイド化を見据えた余裕のある設計だ。



そして、ディレイラーハンガーには統一規格となるUDHを採用し、最新のコンポーネントをダイレクトに装着可能に。入手性にも優れたスペックで、長く付き合える一台としてデザインされている。
コンプリートバイクのパッケージも魅力的で、ロングライドでの快適性と高い剛性によるダイレクトなハンドリングを両立したFSAのハイエンドカーボンバー、「METRON AERO ACR」を採用。組み合わせられるステムもブレーキホースのフル内装に対応し、クリーンなルックスを実現した。

このスペックをユーザーが無駄にすることが無いよう、デローザは「THE CHOICE IS YOURS」と名付けられたオーナー選択方式を導入。「フレームサイズ」「カラー」「コンポーネントグレード」だけでなく、「ハンドル幅」と「ステム長」の5つの要素を自由に選択可能とするシステムだ。ハンドルは380、400、420mm(c-c)、ステムは70~120mmを10mm刻みで選択できる。コンポーネントはシマノ Ultegra DI2と105 DI2から選択可能だ。
世代交代を果たしたデローザが踏み出す、新たな一歩。ブランドの未来を示す一台を2人のライダーがインプレッション。
テストを担当するのは、稀代のスプリンターとしてプロレースで活躍し、現在はTeamZenko代表として多岐にわたる活動を続ける辻善光さん。そしてTeamZenkoに所属し、おきなわ女子50kmで勝利を収め、JBCFでも好成績を残す南芙美子さんの2人だ。
インプレッションライダープロフィール

辻 善光(つじ よしみつ)
1984年奈良県生まれ。立命館大学在学中にツール・ド・北海道で山岳リーダージャージを学生として初めて着用。卒業後はマトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、チーム右京、湘南ベルマーレに所属。その間にツール・ド・熊野(UCI2.2)でステージ優勝、Jプロツアー白浜クリテリウムで2年連続優勝、同湾岸クリテリウム優勝などスプリンターとして活躍した。
引退後はTeamZenkoを主宰し、スポーツバイクの普及活動に邁進。よしもとふるさとアスリートとして活動しつつ、様々なレースにチームとして参加してきた。2021年からデローザのサポートアスリートとして活動し、その魅力を発信してきた。
南 芙美子(みなみ ふみこ)
TeamZenkoの一員として、JBCFを中心に様々なレースに参戦。2022年のツール・ド・おきなわ市民レディース50kmでスプリントを制し、2度目の参戦にして優勝を果たした。同レースの210kmでは夫の広樹氏も3位に入り、強豪夫婦としても知られている。
2025シーズンのJBCFレースでは全出場レースで表彰台を獲得するなど、女子レースの一線で活躍中だ。
TeamZenkoの2人が感じた新型IDOLの真髄とは

辻:一言で表現してしまうと、懐が深い。エアロを追求した最先端のレーシングバイクに乗る機会も多いですが、やはりそういったバイクは扱いづらい面があります。バイクが想定している走らせ方をライダーに強要してきて、その通りに走らせられれば速いけれど、体力や技術面でのハードルをいくつも乗り越える必要がある。
この新型IDOLは、そういったある種の狭量さと対極に位置する一台です。誤解を恐れずに言えばスチール時代のレーシングバイクのような感覚で、フレーム全体が素直にしなってくれるから、乗っていて気持ちが良い。

速く走らないと、と自転車に追い立てられるような窮屈さが無いんです。でも、いっちょ踏んでみるか、とパワーを掛けたらスパッと切れ味よく加速してくれる。あくまで人間が主役で、乗り手がやりたいようにやらせてくれる、まさにデローザの哲学が感じられる一台ですね。
南:私はデローザのバイク自体初めてだったのですが、正直最初に持ってみた時はちょっと重い?と感じたんです。でも、いざ乗ってみると重さを感じることは全く無くて、むしろすごくしっくりくることに驚かされました。

印象的だったのは乗り心地の良さですね。普段、かなり硬めのバイク(S-WORKS VENGE)に乗っているのもあるかもしれませんが、路面からの振動が全然来ない。もうこのままビワイチしたくなってしまいました。
辻:確かに、「あそこに走りに行きたいな」というイメージが自然に湧き出てくるようなバイクですね。あの峠のタイムを何秒短縮できるか、というよりも、それこそ琵琶湖まで行って湖面をバックに写真を撮りたいなとか、気になっていたカフェに寄って、愛車を眺めながらお茶したいな、とかね。そういうスタンダードな自転車が最近僕の中で無かったので、すごく魅力的。

南:乗り心地が良いからといって、登りが重く感じるというわけではないですよね。実は昨日も100kmを超えるライドをこなしてきたところで、かなりクタクタな状態だったんですが、激坂では自分のVENGEよりも登りやすかった。
いつもなら、「よいしょっ」と一踏みごとに気合を入れながら登るような坂でも、もっと力を抜いて楽に登れたんです。あまり意識せずに踏んでもペダルが自然に落ちていって、上手く前に進んでくれる。自転車がしっかりサポートしてくれるような感覚が印象的でした。
CW:その懐の深さ、万能性というものは、どこに由来しているのでしょう。
辻:デローザのバイク哲学、というと大げさなのかもしれませんが、実際に彼らが意図して設計していることは間違いないと思いますね。このIDOL含め、デローザのバイクにはダウンチューブが丸いモデルが多いんですが、そこは大きく影響していると思います。丸いチューブはどんな踏み方も素直に受け止めてくれますからね。
南:私はやっぱりこの弓なりのトップチューブからシートステーにかけてのラインが好きですね。デザイン的にもかっこいいですし、快適性の高さにも大きく貢献してくれているように感じます。

辻:今回のテストバイクは28Cでしたけれど、もっと太めのタイヤを履かせてのんびりしまなみ海道をサイクリングしたりしても楽しいでしょうね。
南:ホントにロングライドに出かけたくなるバイクですね。
CW:ロングライド向けというと、快適だけど反応は重めのバイク、というイメージを持つ方も多いと思いますが、そこはいかがですか。
南:そこは改めて否定しておきたいですね。走り自体は軽快で、踏んだ時にもスパッと加速してくれます。スプリントしてみても思うがままに加速してくれますし、斜度がある登りでも軽やかなんです。それでいて、乗り心地もすごくいいのでずっと乗っていたくなる、という。

辻:いわゆるエンデュランスバイクとは全然違うバイクですよ、ポジションもアップライトなわけではないですし。一方で、レーシングバイクなのかと言われると、それも違う。レースで勝ちたいのであれば、今はもっとエアロなバイクが求められる時代ですから。
ポジショニングとしてはすごくニュートラルな位置付けで、それが故に魅力が伝わりづらい部分もあると思いますね。
南:ゆっくり走ることを強いるわけでも、シャカリキに走ることを求めてくるわけでもない。登りでも下りでも、どこをどう走っても気持ちよく走れるから、楽しいんでしょうね。

辻:ハンドリングもとても素直なんですよ。僕は幅が狭いハンドルのクイックなハンドリングにすごく苦手意識を持っていたんです。このテストバイクも380mm幅のハンドルがついてきていたので、正直身構える部分があったのですが、乗ってみたらもう全然違和感が無くて驚きました。
もう一つ驚いたのが、ホイールとの相性ですね。完成車がフルクラムのアルミホイールで、まあ重めのモデルなんですけども、これが走るんですよ。正直、このパッケージのままで全然不満が無い。最近のバイクって、カーボンホイールが前提条件みたいな部分がありますが、IDOLはアルミホイールで十分キビキビ走ってくれる。

アップグレードプログラムでシャマルカーボンやシャマルデュアルプロファイルを選べるようになっていますが、その選択肢も絶妙ですよね。実際、ボーラではなくシャマルの方が、このバイクにマッチしていると思います。
ハンドリングにしても、ペダリングの感覚にしても、全体として違和感やストレスに感じる要素が少ないんです。自然に身体に馴染んでくれて、思うがままに走らせられる。だから遠くに走っていきたくなる。そういう意味でロングライドの相棒にしたいな、と。

南:しかもカッコいいですしね。お気に入りの愛車といろんな場所に出かけたい、という大多数のサイクリストにとって、スタイリングは重要ですよ。
デローザのIDOLといえばこの形、というのはデローザ乗りじゃない私でも知っているくらい。今回、IDOLのインプレをすると聞いたときに、「あ、あの弓なりの!」と思ったくらい印象が強いバイクですよね。個人的にもデローザのバイクの中で一番好きなフレームです。

辻:ダウンチューブのデローザロゴ以外にロゴが無いのも潔いですよね。IDOLとはどこにも書いてないんですよ。このフレーム形状を見ればIDOLだとわかるよね、という積み重ねてきた歴史に対する自信が無ければこんなデザインは出来ないですよね。流石デローザだな、と感心します。
南:性能は確かなので、この唯一無二のルックスが気に入ったなら迷うことなく手に入れて欲しいですね。私もこのバイクでビワイチ走りたいです(笑)
新型IDOLの魅力を体感できる展示・試乗会を全国の自転車店で開催

語り尽くせぬ乗り味と、写真では伝えきれない美しさを宿す新型IDOLの魅力を実際に自分の目と脚で体感できる試乗会が全国各地のサイクルショップで開催される。
開催店舗および開催日のスケジュールはテストライドツアー案内ページ(デローザオフィシャルHP内)から確認できる。ぜひ、新型IDOLの価値を確かめてみてほしい。
デローザ IDOL 販売ラインアップ



| フレームサイズ | 43、46、48、51(※フレーム販売は43、46、48) | |
| カラー | STEALTH、WHITE、PINK(※PINKはフレーム販売のみ) | |
| タイヤクリアランス | 最大34C | |
| ハンドル | VISION METRON AERO ACR | |
| ステム | FSA NS SMR-II | |
| ホイール | フルクラム SONIQ AL 2-WAY FIT ready C23 AFS | |
| タイヤ | ヴィットリア RUBINO 700×28C | |
| サドル | セッレイタリア Model X Super Flow Fec ブラック Lサイズ DE ROSA ロゴ入り | |
| 価格(税込) | フレームセット | 473,000円 |
| シマノ 105 Di2仕様 | 748,000円 | |
| シマノ ULTEGRA Di2仕様 | 836,000円 | |
| ホイールアップグレード(有料オプション) | カンパニョーロ SHAMAL CARBON(C21) | 195,800円 |
| カンパニョーロ SHAMAL DUAL PROFILE(C23) | 257,400円 | |
提供:日直商会 制作:シクロワイアード編集部