8月25日から5日間に渡って開催された世界最大のバイクショー「EUROBIKE(ユーロバイク)」。現地取材で見つけた数々のプロダクトの中からニューモデル&面白いアイテムを続々とピックアップして紹介していきます。第1弾はスコット、サンタクルーズ、ヘッド、TRPをピックアップ。
スコット(スイス)
スコットブースに展示された新型FOILのプロトタイプ
デジタルカモフラージュをまとったADDICT CX。マーセル・ビルトハバー(スイス、スコット・オドロ)がテストしていた車体だ
トライアスリートのセバスチャン・キーンレが駆るPlasma 5
今年もホール同士を繋ぐ通路沿いの目立つ所に大きなブースを構えたスコット。正面には、自動車業界でよく用いられる「デジタルカモフラージュ」グラフィックのプロトタイプモデルと、オリカ・グリーンエッジ、MTBのニノ・シューター、トライアスロンのセバスチャン・キーンレ、CX/MTBのマーセル・ビルトハバーの各選手の実車を展示した。
ロードでのトピックスは名作エアロロード「FOIL」のモデルチェンジだ。一昨年登場したオールラウンドモデルADDICTとの差別化を図る様に、よりエアロ性能を重視したフォルムへと生まれ替わったことが特徴だ。そして、ADDICTとアルミ製エントリーグレードSPPEDSTERにはディスクブレーキ仕様が登場。共にスルーアクスルと、フラットマウント規格のディスクブレーキ台座を採用する。
オリカ・グリーンエッジの新型FOIL
ADDICTとSPPEDSTERにディスクブレーキ仕様が追加された
スルーアクスルとフラットマウント仕様のディスクブレーキ台座を採用する
スコットとしては数年ぶりとなるレーシングCXバイク「ADDICT CX」
シクロクロスでは数年ぶりとなる本格的なレーシングモデル「ADDICT CX」と「SPEEDSTER CX」が登場。両モデルともオンロード仕様より基本コンセプトを踏襲しつつ、CX専用ジオメトリーや拡大されたタイヤクリアランス、ブレーキ台座にMTBで一般的なポストマウントを採用した点などが異なる。上位モデルのADDICT CXは、フォークを含んだ状態でのフレームセット重量で1,300g以下と、ネーミング通りの優れた軽量性を実現している。
MTBでは27.5+のセミファットバイクをラインアップに追加したことがトピックス
幅2.8インチのワイドタイヤは様々なメリットを持つという
ニノ・シューター(スイス、スコット・オドロ)が駆るSPARK
そしてMTBでは、2.8インチタイヤを装備したセミファットバイクをラインアップに追加。オールマウンテンモデル「GENIUSU」とリアリジットXC「SCALE」の2モデルで展開される。スコットによれば、27.5+は通常の27.5インチに対して、グリップが+21%の、転がり抵抗が-1%、リム打ちパンクのリスクが-8%というメリットがあるとしている(シュワルベNOBBY NICの2.8インチと2.35インチでの比較)。
シューズには新カラーが追加
系列のパーツブランド・シンクロスからは、新型FOIL用のステム一体型ハンドルなどが登場
ハイグレードのパーツを装備した完成車も用意されるなど「27.5+」にかけるスコットの意気込みは相当のもの。もちろん、その他カテゴリーのバイクも充実しており、MTB専門ブランドを凌ぐ勢いである。その他アパレルやヘルメット、系列パーツブランドのシンクロスでも新製品が発表されており、その守備範囲は北米系の総合ブランドと肩を並べるほどと言っても過言ではない。
サンタクルーズ(アメリカ)
サンタクルーズのCXバイク「Stigmata」。MTBを得意とする同ブランドの新機軸だ
前後ともエンドにはスルーアクスルを採用。ブレーキ台座はポストマウントだ
ヘッドバッジやオレンジをメインとしたカラーリングなど、遊び心あるMTBブランドらしい仕上がり
昨今、グラヴィティ系MTBをメインとする北米系ブランドが続々とシクロクロススタイルのバイクを発表している。そうした中の1つがサンタクルーズで、新モデル「Stigmata」はレースだけでなく、グラベルライドなど競技だけでない楽しみ方にも対応するオフロード系ブランドらしい1台だ。
タイヤクリアランスを大きく取ることで33C以上のタイヤも装着可能としている
ダウンチューブをはじめ、各チューブはねじれ剛性に優れるスクエア断面とされている
シンプルなフォルムのフロントフォーク
高品質カーボンの採用とスクエア断面の各チューブ、前後のスルーアクスル、プレスフィットBB、フロントシングル専用とした点など、レーシングCXバイクのトレンドを網羅し、優れた走行性能と軽量性を実現。一方でMTBの29インチホイールの装着を可能とした点や、ポップなカラーリングなど、遊び心にあふれた仕上がりとなっている。
ヘッド(アメリカ)
ワイドなアルミリムを採用するHED ARDENNES BLACK SERIES
ワイドリム化した新型H3
昨年モデルチェンジし、リムがワイドとなったフルカーボンバトンのGT3
TT用のエアロホイールを得意とするヘッド。アルミリムのバトンホイール「H3」がアップデートされ、リム部幅が25.5mmと更にワイドになった。同時にハイトも変更され、5mm高くなり、より一層のエアロダイナミクス向上を果たしている。
BLACK SERIESは、ブレーキ面の切削加工により制動力を高めている
ファットバイク用のフルカーボンホイールも引き続きラインアップされる
また、アルミリム採用の数モデルには、カーボンクリンチャーキラーというコンセプトの基に開発された「BLACK SERIES」登場。黒いブレーキ面はPEO処理ではなくアルマイトによるもの。加えて切削加工によって溝が設けられており、ドライコンディションでは25%、ウェットコンディションでは70%もの制動力の向上を実現しているという。
TRP(台湾)
ワイヤー引きながらデュアルピストンを採用するSPYREがフラットマウントに対応 台湾のブレーキ専門メーカー・テクトロがプロデュースするレーシングブランドが「TRP」。今回のユーロバイクでの最も注目を集めたプロダクトは、シマノが提唱するロード用ディスクブレーキ台座規格のフラットマウントに早くも対応した「SPYRE」だ。
ワイヤー引きながらデュアルピストンを採用することで、ディスクならでは強力な制動力を得ることができることから、シクロクロス界では非常にポピュラーで、多くの完成車に採用されてきた。対応規格が広がったことで、今後は多くのメーカーのディスクロード完成車に採用されることとなるだろう。
text&photo:Yuya.Yamamoto
スコット(スイス)



今年もホール同士を繋ぐ通路沿いの目立つ所に大きなブースを構えたスコット。正面には、自動車業界でよく用いられる「デジタルカモフラージュ」グラフィックのプロトタイプモデルと、オリカ・グリーンエッジ、MTBのニノ・シューター、トライアスロンのセバスチャン・キーンレ、CX/MTBのマーセル・ビルトハバーの各選手の実車を展示した。
ロードでのトピックスは名作エアロロード「FOIL」のモデルチェンジだ。一昨年登場したオールラウンドモデルADDICTとの差別化を図る様に、よりエアロ性能を重視したフォルムへと生まれ替わったことが特徴だ。そして、ADDICTとアルミ製エントリーグレードSPPEDSTERにはディスクブレーキ仕様が登場。共にスルーアクスルと、フラットマウント規格のディスクブレーキ台座を採用する。




シクロクロスでは数年ぶりとなる本格的なレーシングモデル「ADDICT CX」と「SPEEDSTER CX」が登場。両モデルともオンロード仕様より基本コンセプトを踏襲しつつ、CX専用ジオメトリーや拡大されたタイヤクリアランス、ブレーキ台座にMTBで一般的なポストマウントを採用した点などが異なる。上位モデルのADDICT CXは、フォークを含んだ状態でのフレームセット重量で1,300g以下と、ネーミング通りの優れた軽量性を実現している。



そしてMTBでは、2.8インチタイヤを装備したセミファットバイクをラインアップに追加。オールマウンテンモデル「GENIUSU」とリアリジットXC「SCALE」の2モデルで展開される。スコットによれば、27.5+は通常の27.5インチに対して、グリップが+21%の、転がり抵抗が-1%、リム打ちパンクのリスクが-8%というメリットがあるとしている(シュワルベNOBBY NICの2.8インチと2.35インチでの比較)。


ハイグレードのパーツを装備した完成車も用意されるなど「27.5+」にかけるスコットの意気込みは相当のもの。もちろん、その他カテゴリーのバイクも充実しており、MTB専門ブランドを凌ぐ勢いである。その他アパレルやヘルメット、系列パーツブランドのシンクロスでも新製品が発表されており、その守備範囲は北米系の総合ブランドと肩を並べるほどと言っても過言ではない。
サンタクルーズ(アメリカ)



昨今、グラヴィティ系MTBをメインとする北米系ブランドが続々とシクロクロススタイルのバイクを発表している。そうした中の1つがサンタクルーズで、新モデル「Stigmata」はレースだけでなく、グラベルライドなど競技だけでない楽しみ方にも対応するオフロード系ブランドらしい1台だ。



高品質カーボンの採用とスクエア断面の各チューブ、前後のスルーアクスル、プレスフィットBB、フロントシングル専用とした点など、レーシングCXバイクのトレンドを網羅し、優れた走行性能と軽量性を実現。一方でMTBの29インチホイールの装着を可能とした点や、ポップなカラーリングなど、遊び心にあふれた仕上がりとなっている。
ヘッド(アメリカ)



TT用のエアロホイールを得意とするヘッド。アルミリムのバトンホイール「H3」がアップデートされ、リム部幅が25.5mmと更にワイドになった。同時にハイトも変更され、5mm高くなり、より一層のエアロダイナミクス向上を果たしている。


また、アルミリム採用の数モデルには、カーボンクリンチャーキラーというコンセプトの基に開発された「BLACK SERIES」登場。黒いブレーキ面はPEO処理ではなくアルマイトによるもの。加えて切削加工によって溝が設けられており、ドライコンディションでは25%、ウェットコンディションでは70%もの制動力の向上を実現しているという。
TRP(台湾)

ワイヤー引きながらデュアルピストンを採用することで、ディスクならでは強力な制動力を得ることができることから、シクロクロス界では非常にポピュラーで、多くの完成車に採用されてきた。対応規格が広がったことで、今後は多くのメーカーのディスクロード完成車に採用されることとなるだろう。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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