2015/09/03(木) - 09:49
楕円チェーンリング「Q-Rings」など駆動系パーツを中心に展開するスペインのローターより、マグラとの共同開発によって誕生したブランド初のロードコンポーネント「Uno」が登場し、ユーロバイクで初披露された。その最大の特徴は、シフトとブレーキの双方を油圧で駆動させることだ。
以前より、ローターが開発中であると公言していたグループセットがついに登場した。約6年もの開発期間を経て登場したロード用コンポーネントの名は、スペイン語で1を意味する「Uno」。ブランド初のグループセットということを表しているのだろう。
その最大の特徴は、シフトとブレーキの双方を油圧で駆動させること。開発には、油圧ブレーキのトップブランドであるマグラが協力。ワイヤリングによってレバーの引きが変わらないという油圧の特徴は、ロードフレームの形状が複雑化の一途をたどり、多くのメーカーが内装ルーティングを採用する昨今においては大きなメリットになるだろう。
レバーはシフトとブレーキの双方のリザーバータンクを内蔵するため、ブラケットがかなり大きい。シフティングはスラムの機械式と同様に1つのレバーで行う。リアの場合は小さく押しこむとシフトアップ、大きく押しこむとシフトダウンで、1段から4段まで一気にシフトダウンできる段数を変更することができる。なお、リザーバータンクは安全上の理由からシフトとブレーキで分けられている。ブレーキレバーはカーボン製である。
前後のディレーラーは、油圧の変化を変速動作へと変換するアクチュエータを装備。このためレバー同様に大ぶりな造りとなっているが、リアディレーラーは使用する素材の量自体が少なく、軽量だと予想される。レバーと前後のディレーラーを繋ぐホースは、ブレーキのそれと比べると細く、シマノDi2のエレクトリックケーブルと同等の太さで、ほぼ全てのシフトケーブル内装フレームに適合するだろう。
スプロケットは、ローターが独自に開発したもので、もちろん11段。トップから9段目までを一体成型のスチール製とし、残る2段はアルミ製だ。コースプロファイルによって容易に変更できるようにするため、スチール製パートとアルミ製パートとは分けられている。組み合わせるチェーンはKMCのX11SLが標準仕様となるようだ。
そして、ブレーキにはマグラ製品を採用。リムブレーキバージョンはRT8、ディスクブレーキバージョンはMT8としている。共に世界トップクラスのレースで実績を残してきたパーツとあって、信頼性は非常に高いといえるだろう。
初披露の場となったユーロバイクでは、スプロケットとチェーンはアッセンブルされていない状態ではあったが、ローターブースにてその操作感を確かめることができた。まずは気になるシフトの操作感だが、特にリアはシフトダウン時に要す力が大きく、一方でシフトアップは小気味良いのだが、変速ショックが大きい。これは、アクチュエーターを素早く動作させるためにバネ定数の大きなスプリングを使っているからだと考えられる。ただ、ローターがUnoの最大の特徴としている「正確さ」はしっかりと実現されていそうだ。
先にも述べたがブラケットは大ぶりで、女性ライダーを含め手の小さい日本人にとっては、握りにくいと感じる可能性が高い。比較的手の大きな筆者でもブラケットが大きいと感じたほどだ。かと言ってブレーキレバーとハンドルドロップ部の間隔が極端に広いわけではない。ブレーキはマグラを採用しているだけあり、キャリパーかディスクかを問わずスムーズ動作してくれた。
今回展示されたのはプロトタイプであり、製品版では改良されていることを期待したい。なお、重量は非公開。2016シーズンは現在のMTNキュベカ(来季はMTNがスポンサーから降りるためチーム名が変更になる)が使用する予定もあるとのこと。ヨーロッパでの発売開始は2016年春を予定。価格や国内でのデリバリー開始時期など続報は発表され次第お伝えする。
text&photo:Yuya.Yamamoto
以前より、ローターが開発中であると公言していたグループセットがついに登場した。約6年もの開発期間を経て登場したロード用コンポーネントの名は、スペイン語で1を意味する「Uno」。ブランド初のグループセットということを表しているのだろう。
その最大の特徴は、シフトとブレーキの双方を油圧で駆動させること。開発には、油圧ブレーキのトップブランドであるマグラが協力。ワイヤリングによってレバーの引きが変わらないという油圧の特徴は、ロードフレームの形状が複雑化の一途をたどり、多くのメーカーが内装ルーティングを採用する昨今においては大きなメリットになるだろう。
レバーはシフトとブレーキの双方のリザーバータンクを内蔵するため、ブラケットがかなり大きい。シフティングはスラムの機械式と同様に1つのレバーで行う。リアの場合は小さく押しこむとシフトアップ、大きく押しこむとシフトダウンで、1段から4段まで一気にシフトダウンできる段数を変更することができる。なお、リザーバータンクは安全上の理由からシフトとブレーキで分けられている。ブレーキレバーはカーボン製である。
前後のディレーラーは、油圧の変化を変速動作へと変換するアクチュエータを装備。このためレバー同様に大ぶりな造りとなっているが、リアディレーラーは使用する素材の量自体が少なく、軽量だと予想される。レバーと前後のディレーラーを繋ぐホースは、ブレーキのそれと比べると細く、シマノDi2のエレクトリックケーブルと同等の太さで、ほぼ全てのシフトケーブル内装フレームに適合するだろう。
スプロケットは、ローターが独自に開発したもので、もちろん11段。トップから9段目までを一体成型のスチール製とし、残る2段はアルミ製だ。コースプロファイルによって容易に変更できるようにするため、スチール製パートとアルミ製パートとは分けられている。組み合わせるチェーンはKMCのX11SLが標準仕様となるようだ。
そして、ブレーキにはマグラ製品を採用。リムブレーキバージョンはRT8、ディスクブレーキバージョンはMT8としている。共に世界トップクラスのレースで実績を残してきたパーツとあって、信頼性は非常に高いといえるだろう。
初披露の場となったユーロバイクでは、スプロケットとチェーンはアッセンブルされていない状態ではあったが、ローターブースにてその操作感を確かめることができた。まずは気になるシフトの操作感だが、特にリアはシフトダウン時に要す力が大きく、一方でシフトアップは小気味良いのだが、変速ショックが大きい。これは、アクチュエーターを素早く動作させるためにバネ定数の大きなスプリングを使っているからだと考えられる。ただ、ローターがUnoの最大の特徴としている「正確さ」はしっかりと実現されていそうだ。
先にも述べたがブラケットは大ぶりで、女性ライダーを含め手の小さい日本人にとっては、握りにくいと感じる可能性が高い。比較的手の大きな筆者でもブラケットが大きいと感じたほどだ。かと言ってブレーキレバーとハンドルドロップ部の間隔が極端に広いわけではない。ブレーキはマグラを採用しているだけあり、キャリパーかディスクかを問わずスムーズ動作してくれた。
今回展示されたのはプロトタイプであり、製品版では改良されていることを期待したい。なお、重量は非公開。2016シーズンは現在のMTNキュベカ(来季はMTNがスポンサーから降りるためチーム名が変更になる)が使用する予定もあるとのこと。ヨーロッパでの発売開始は2016年春を予定。価格や国内でのデリバリー開始時期など続報は発表され次第お伝えする。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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