2015/07/04(土) - 13:08
いよいよ本日からオランダはユトレヒトで開幕するツール・ド・フランス。総合を狙う各選手のうち、アルベルト・コンタドール、クリス・フルーム、ナイロ・キンタナのコメントを紹介します。
「ベストなコンディション」クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
記者会見に臨むクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
開幕先日の練習に向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:CorVosツールへの道は昨年大会を落車リタイアしてから始まっていた。その過程は成功だったと感じているし、ベストな状態で開幕できるよう力を尽くしてきた。
コースでTTバイクを試すクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:CorVosこの場所にいることができて嬉しいし、僕が思うに最強のチームメンバーが僕をサポートしてくれる。レースの最中、特に第1週目は予期しないことも起こりうるが、彼らなら僕を安全に守ってくれると信じている。山岳が始まっても登坂力に優れたメンバーが揃っているし、どんな状況でも対応できると思う。
今年No.1ゼッケンをつけることはできなかったが、むしろそれが奮起させてくれるし、年末に生まれてくる子供もとても良いモチベーションを与えてくれているんだ。ほとんどプレッシャーや重圧を感じていないが、今年王座を奪還するためには全力を尽くしていきたい。
(第4ステージの石畳について)昨年は石畳が原因で落車したわけではないので、昨年の様子を体感していない。言ったようにクラシックレースのような状況でも僕をしっかりと守ってくれるチームメイトがいる。下見を重ねてきたし。石畳を走ることに不安は感じていない。楽しみでさえあるんだ。
初日のタイムトライアルでは距離が短いものの、いきなり総合争いが開幕する。14km以下と短いので総合勢は20秒以内での争いとなるだろう。今年のツールはこれまで以上に誰にでも可能性があるし、これまで以上に個々が、そしてチームが試されるレースとなるはずだ。
「上手く回復できている」アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が練習に出発する photo:CorVos
TTバイクを試すアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:CorVos(いつからダブルツールを意識していたか?):昨年のブエルタの前から。そのブエルタは全くもって事前のコンディショニングが上手くいっていなかったし、たくさんのチャンスを逃したように思った。だからそのブエルタで総合優勝できたぶん、(調子を上げれば)ダブルツールも可能では?と考えたんだ。現時点で調子良くこの場に立てている。とても注意を払いながらトレーニングと休養を重ねてきたし、身体的にも精神的にも上手く回復できてきている。これはとても大事なことだった。
ダブルツールを狙う最も大きな理由、それは自転車競技だけではなく、人生においてのモチベーション。ジロとツールを同時に勝ちたいという欲求がそうさせている。もし達成できたら僕だけではなく、さまざまな視点や考えも変わるだろう。人々の記憶にも深く残るし、それがモチベーションにも繋がっている。
昨年のツール前と現時点で言えば、昨年の方がフレッシュな状態ではあった。去年は回復の心配をせずにただツール開幕に照準を合わせていたが、今年は違う。もちろん今年も勝つことだけに集中して望んでいるが、それが簡単ではないことは誰だって知っている。開幕し、その日その日をよく判断して、そして25日後には結果が出ているのさ。
(総合優勝候補が4人[フルーム、コンタドール、ニーバリ、キンタナ]いるとの問いに対して):これまでの数年と同じように優勝を狙っていきたいと思っている。4人が優勝候補として取りざたされているが、実際にはバルデやプリート(ホアキン・ロドリゲス)、そしてバルベルデのようにまだまだ強力な選手はたくさんいる。今大事なのはその日その日に集中していくことだ。
(他のチームがジロとメンバーをほぼ入れ替えたことに対して):それぞれのチームにはそれぞれの思惑があって、僕らのメンバー中5人が今年のジロを走っていることは事実。でも彼らは経験値や力をもっているし、ジロからも回復できている。僕らのチームに対して自信があるし、ジロよりもチーム力は上がっていると信じている。
(第1週は難しいステージが続くことに対して):第1週目が終わった時には2位に対して20分差は付けていたいかな(笑)。これは冗談で、真面目に答えると「落車を防ぐこと」、これに尽きる。第1週目はいつも混沌とするからだ。初日のTT、第2ステージの横風、そして急坂や石畳。とても難しいレースになるだろう。だから第1週目にツールを失うことのないようにしなければならない。
「ニーバリとコンタドールが要注意」ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)と記者会見に出席したナイロ・キンタナ(コロンビア) photo:CorVos
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が笑顔で受け答える photo:CorVosこのツールに向けて準備を重ねてきたし、今年のコースは自分に向いていると思う。僕の一番の武器はチーム力。彼らが僕を総合で戦える場所まで導いてくれるし、アレハンドロ(バルベルデ)が味方してくれることは非常に心強く感じる。彼は僕が自転車競技を始めたときの憧れの人だし、よくお互いに協力できていると思う。彼がリーダーであれば協力を惜しまないし、よく一緒に乗りにいく仲なんだ。彼は素晴しいチームメイトであり、良き友人だ。
2年前のツールとは完全に状況が異なっていて、あの時僕はとてもナーバスに感じていた。でも今は僕がチームを率いるという自覚があるし、チームメイトが全力でサポートしてくれるという自信もある。全てがうまくいけば総合を争うことができるだろう。やはり最大のライバルはニーバリとアルベルト。そしてフルームも視界から外してはならない存在だ。彼らはそれぞれ持ち味があって、ライバルの弱点を突いてくるはずだ。でも僕が要注意しているのはその二人。
石畳については何度かレースを経験したし、トレーニングも重ねた。悪くないし好きだと思ったけれど、僕の得意とする範疇ではないよ。チームが僕のことを助けてくれるし、上手くやり過ごすことができると思う。
各選手のコメントはチーム公式サイトより。
text&photo:So.Isobe
「ベストなコンディション」クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
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今年No.1ゼッケンをつけることはできなかったが、むしろそれが奮起させてくれるし、年末に生まれてくる子供もとても良いモチベーションを与えてくれているんだ。ほとんどプレッシャーや重圧を感じていないが、今年王座を奪還するためには全力を尽くしていきたい。
(第4ステージの石畳について)昨年は石畳が原因で落車したわけではないので、昨年の様子を体感していない。言ったようにクラシックレースのような状況でも僕をしっかりと守ってくれるチームメイトがいる。下見を重ねてきたし。石畳を走ることに不安は感じていない。楽しみでさえあるんだ。
初日のタイムトライアルでは距離が短いものの、いきなり総合争いが開幕する。14km以下と短いので総合勢は20秒以内での争いとなるだろう。今年のツールはこれまで以上に誰にでも可能性があるし、これまで以上に個々が、そしてチームが試されるレースとなるはずだ。
「上手く回復できている」アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
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ダブルツールを狙う最も大きな理由、それは自転車競技だけではなく、人生においてのモチベーション。ジロとツールを同時に勝ちたいという欲求がそうさせている。もし達成できたら僕だけではなく、さまざまな視点や考えも変わるだろう。人々の記憶にも深く残るし、それがモチベーションにも繋がっている。
昨年のツール前と現時点で言えば、昨年の方がフレッシュな状態ではあった。去年は回復の心配をせずにただツール開幕に照準を合わせていたが、今年は違う。もちろん今年も勝つことだけに集中して望んでいるが、それが簡単ではないことは誰だって知っている。開幕し、その日その日をよく判断して、そして25日後には結果が出ているのさ。
(総合優勝候補が4人[フルーム、コンタドール、ニーバリ、キンタナ]いるとの問いに対して):これまでの数年と同じように優勝を狙っていきたいと思っている。4人が優勝候補として取りざたされているが、実際にはバルデやプリート(ホアキン・ロドリゲス)、そしてバルベルデのようにまだまだ強力な選手はたくさんいる。今大事なのはその日その日に集中していくことだ。
(他のチームがジロとメンバーをほぼ入れ替えたことに対して):それぞれのチームにはそれぞれの思惑があって、僕らのメンバー中5人が今年のジロを走っていることは事実。でも彼らは経験値や力をもっているし、ジロからも回復できている。僕らのチームに対して自信があるし、ジロよりもチーム力は上がっていると信じている。
(第1週は難しいステージが続くことに対して):第1週目が終わった時には2位に対して20分差は付けていたいかな(笑)。これは冗談で、真面目に答えると「落車を防ぐこと」、これに尽きる。第1週目はいつも混沌とするからだ。初日のTT、第2ステージの横風、そして急坂や石畳。とても難しいレースになるだろう。だから第1週目にツールを失うことのないようにしなければならない。
「ニーバリとコンタドールが要注意」ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
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2年前のツールとは完全に状況が異なっていて、あの時僕はとてもナーバスに感じていた。でも今は僕がチームを率いるという自覚があるし、チームメイトが全力でサポートしてくれるという自信もある。全てがうまくいけば総合を争うことができるだろう。やはり最大のライバルはニーバリとアルベルト。そしてフルームも視界から外してはならない存在だ。彼らはそれぞれ持ち味があって、ライバルの弱点を突いてくるはずだ。でも僕が要注意しているのはその二人。
石畳については何度かレースを経験したし、トレーニングも重ねた。悪くないし好きだと思ったけれど、僕の得意とする範疇ではないよ。チームが僕のことを助けてくれるし、上手くやり過ごすことができると思う。
各選手のコメントはチーム公式サイトより。
text&photo:So.Isobe
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