ピレネー山脈にほど近いスペイン北東部のパンプローナ郊外。ここで日本時間6月22日、キャニオンの2016モデルのプレスキャンプが、世界各国のジャーナリストを集めて開催された。その模様を現地からお届けする。



キャニオン 第4世代新型ULTIMATE CF SLXキャニオン 第4世代新型ULTIMATE CF SLX photo:Kenji.Hashimoto
今回発表されたのは、キャニオンのオールラウンド軽量モデル「ULTIMATE CF SLX」の第4世代。キャニオンといえば、近年のレースシーンをもっとも熱くしているブランドのひとつだ。2013年、2014年とUCIチームランキング1位の最強チーム「モビスター」にバイクを供給し、2014年のジロ・デ・イタリアでナイロ・キンタナ(コロンビア)が総合優勝を果たした。

彼らの乗る高性能バイクが、最高の重量比剛性を実現した現行の第3世代のULTIMATE CF SLXだ。そんな中、生まれ変わった第4世代ULTIMATE CF SLXは、従来の軽さと剛性レベルを維持しながらも、空力性能を備えたまったく新しいモデルヘと進化を遂げた。

シートステイ後部のネジによって固定する新開発のインテグレーテッドシートポスト。シートのしなりを最大限に生かし、第3世代と比較して15%の快適性向上を実現シートステイ後部のネジによって固定する新開発のインテグレーテッドシートポスト。シートのしなりを最大限に生かし、第3世代と比較して15%の快適性向上を実現 photo:Kenji.Hashimotoエアロダイナミクスを追求し断面形状を最適化。ダウンチューブ前方は緩い円を描く「Dシェイプ」形状を採用。チューブ後方をカットし乱流を防ぎ、様々角度からの空気抵抗の低減に成功エアロダイナミクスを追求し断面形状を最適化。ダウンチューブ前方は緩い円を描く「Dシェイプ」形状を採用。チューブ後方をカットし乱流を防ぎ、様々角度からの空気抵抗の低減に成功 photo:Kenji.Hashimoto


軽さと剛性という2つの要素に、エアロダイナミクスを追求した結果、各所のフレーム形状を刷新。ダウンチューブは、従来の四角断面から横幅をシェイプアップした「Dシェイプ」ダウンチューブへと変更。上下1-1/4インチ径のコラムを採用するヘッドチューブには、船首形状とアワーグラス形状により空力性能を高めることに成功。

一方で、第3世代の重量比剛性(STW)を最低目標値とし、トップチューブとシートステイの剛性は高めて、フレーム全体の剛性を確保。フレーム重量は前作よりも10g軽量化を果たした780gとなっている。

新型ULTIMATE CF SLXを駆りルート・ドゥ・スッドを走るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)新型ULTIMATE CF SLXを駆りルート・ドゥ・スッドを走るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Kenji.Hashimotoルート・ドゥ・スッドは総合2位で終えたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ルート・ドゥ・スッドは総合2位で終えたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Kenji.Hashimoto


今回の発表会の前日までフランスで開催されていた「ルート・ドゥ・スッド」にナイロ・キンタナが参戦し、ツール・ド・フランスを前に新型モデルがお披露目となった。キンタナは4日間のレースを総合2位で終え、来たるツール・ド・フランスに向けてバイクと身体のコンディションは上々のようだ。

第4世代モデルの初の実戦投入についてキンタナ本人は、「軽さと剛性だけでなく、空力性能にも優れたバランスの良いモデルで、自分好み。ツールでは、ライバルたちとの実力も拮抗しているので、バイクのエアロダイナミクスの面でアドバンテージを稼げれば嬉しい」とコメントした。

新型アルティメットの全貌が明らかになった新型アルティメットの全貌が明らかになった photo:Kenji.Hashimoto

ツール・ド・フランスで乗る予定のキンタナの実車ツール・ド・フランスで乗る予定のキンタナの実車 photo:Kenji.Hashimotoモビスターの本拠地パンプローナにてテストライドモビスターの本拠地パンプローナにてテストライド photo:Kenji.Hashimoto


プレスキャンプでは、第4世代ULTIMATEの開発に携わった首脳陣たちがその全容をプレゼンテーション。その後、キンタナはじめモビスターの選手たちと約60kmのテストライドを実施した。シクロワイアードでは、ツール・ド・フランス期間に合わせて、新型ULTIMATE CF SLXの詳報、キャニオン新工場の潜入レポート、モビスターチームの本拠地訪問など、順を追いながら特集コンテンツでレポートしていく予定だ。



キャニオン 第4世代新型ULTIMATE CF SLX
フレーム重量:780g
フォーク重量:295g
フレームセット重量:1130g
カラー:マットブラック、シルバー、チームモビスターカラー
サイズ:2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
発売時期:8月末のユーロバイク期間中から受注開始(11月以降に発送開始予定)
価格:現行と同水準になる予定 ※参考:現行のULTIMATE CF SLX 9.0 完成車モデルは477,999円

第4世代新型ULTIMATE CF SLX 公式ページ
http://po.st/TheNewUltimate

text&photo:Kenji.Hashimoto

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