2015/06/20(土) - 10:40
世界王者クヴィアトコウスキーの逃げ切りは残り500mでついえ、勝負は緩やかな登りスプリントへ。位置取りに失敗したサガンを抑え、クリストフが今シーズン18勝目をマークしました。
徐々に閉幕近づくツール・ド・スイスは7日目。前日のゴール地点であるビールを出発したプロトンは、ムルテン湖からヌーシャテル湖沿いの平坦路を飛ばし、後半は起伏のある地域を通過してデューディンゲンに到着する164.6km。中盤を過ぎて4つの3級山岳が登場するが、スプリンターが軒並み脱落するような難易度ではない。最後はしばし平坦が続き、緩やかな登りゴール勝負に繋がるレイアウトだ。
この日逃げに乗ったのは、世界チャンピオンのミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)と、シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)、アクセル・ドモン(フランス、AG2Rラモンディアール)、そしてダリル・インペイ(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)の4人。
「今日は事前のミーティングで逃げに乗ると決めていた。何度も何度もチャレンジして最終的に逃げに乗れた。4人はとても上手く連携できていたし、レースの運び方も上手くできていたと思う。でも集団は僕らに大きなタイム差を与えてくれなかった。ゴールまで逃げ切るのは難しいだろうと分かっていたよ」とクヴィアトコウスキーは振り返る。
スプリンターにとっては実質最後のチャンスであるため、この日はティンコフ・サクソ、カチューシャ、ジャイアント・アルペシンがメイン集団前方を徹底的にコントロール。圧倒的集団有利な状況のまま、レースは残り距離を減らしていく。
中盤を過ぎて丘陵地帯に入ると、僅かなチャンスに賭けるべくペースを上げた逃げグループからはドモンが脱落してしまう。最後の3級山岳を越え、残り15kmでタイム差は30秒。追い上げるメイン集団ではカチューシャがフルメンバーでトレインを組み上げ、全力でもがき続ける3名との距離を少しづつ詰めていく。
残り2km。吸収が目前となった段階でクヴィアトコウスキーが単騎抜け出しを図ったものの、スプリントになだれ込む集団が残り500mでキャッチする。
残り400mからダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)がペーター・サガン(スロバキア)を導くべく先頭に立ったものの、その番手を取ったのはアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)だった。ポジションを下げるサガンに対し、絶好の位置からクリストフが発進した。
サガンにとっては得意の登りスプリントだったが、2車身ほど開いてしまった差を逆転するには叶わず、最後にもう一伸びしたクリストフが勝利。このスイスでくすぶっていたクリストフにとっては今回初勝利であり、シーズン通算18勝目はもちろん今期最多勝利だ。
「今日は全てが僕に味方してくれた。登りフィニッシュで勝てたという意味も大きいし、この状況でサガンに勝てたことも大きい。今日は絶好調ではなかったので、チームの助けが無ければ勝つことはできなかった。最後の勾配は本当に長く、ゴールラインに飛び込んだときは本当に疲れていた」とクリストフはコメントした。
総合上位陣はメイン集団内でゴールしたため、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)のマイヨジョーヌも変動無し。スプリントによって17位以下に5秒の中切れが発生したため、この影響でドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)とサイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)の総合3位と4位が入れ替わっている。
ツール・ド・スイス2015第7ステージ結果
1位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 3h38'07"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
5位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
6位 ユルゲン・ルーランツ(ベルギー、ロット・ソウダル)
7位 セプ・ファンマルケ(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
9位 マルコ・マルカート(イタリア、ワンティ)
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
個人総合成績
1位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) 25h55’03”
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +37”
3位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) +50”
4位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
5位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ) +1’07”
6位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +1’22”
7位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +1’27”
8位 スティーブ・モラビート(スイス、FDJ) +2’29”
9位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング) +2’43”
10位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) +2’46”
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
山岳賞
ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)
ベストスイスライダー賞
スティーブ・モラビート(スイス、FDJ)
チーム総合成績
チームスカイ
text:So.Isobe
photo:CorVos
徐々に閉幕近づくツール・ド・スイスは7日目。前日のゴール地点であるビールを出発したプロトンは、ムルテン湖からヌーシャテル湖沿いの平坦路を飛ばし、後半は起伏のある地域を通過してデューディンゲンに到着する164.6km。中盤を過ぎて4つの3級山岳が登場するが、スプリンターが軒並み脱落するような難易度ではない。最後はしばし平坦が続き、緩やかな登りゴール勝負に繋がるレイアウトだ。
この日逃げに乗ったのは、世界チャンピオンのミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)と、シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)、アクセル・ドモン(フランス、AG2Rラモンディアール)、そしてダリル・インペイ(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)の4人。
「今日は事前のミーティングで逃げに乗ると決めていた。何度も何度もチャレンジして最終的に逃げに乗れた。4人はとても上手く連携できていたし、レースの運び方も上手くできていたと思う。でも集団は僕らに大きなタイム差を与えてくれなかった。ゴールまで逃げ切るのは難しいだろうと分かっていたよ」とクヴィアトコウスキーは振り返る。
スプリンターにとっては実質最後のチャンスであるため、この日はティンコフ・サクソ、カチューシャ、ジャイアント・アルペシンがメイン集団前方を徹底的にコントロール。圧倒的集団有利な状況のまま、レースは残り距離を減らしていく。
中盤を過ぎて丘陵地帯に入ると、僅かなチャンスに賭けるべくペースを上げた逃げグループからはドモンが脱落してしまう。最後の3級山岳を越え、残り15kmでタイム差は30秒。追い上げるメイン集団ではカチューシャがフルメンバーでトレインを組み上げ、全力でもがき続ける3名との距離を少しづつ詰めていく。
残り2km。吸収が目前となった段階でクヴィアトコウスキーが単騎抜け出しを図ったものの、スプリントになだれ込む集団が残り500mでキャッチする。
残り400mからダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)がペーター・サガン(スロバキア)を導くべく先頭に立ったものの、その番手を取ったのはアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)だった。ポジションを下げるサガンに対し、絶好の位置からクリストフが発進した。
サガンにとっては得意の登りスプリントだったが、2車身ほど開いてしまった差を逆転するには叶わず、最後にもう一伸びしたクリストフが勝利。このスイスでくすぶっていたクリストフにとっては今回初勝利であり、シーズン通算18勝目はもちろん今期最多勝利だ。
「今日は全てが僕に味方してくれた。登りフィニッシュで勝てたという意味も大きいし、この状況でサガンに勝てたことも大きい。今日は絶好調ではなかったので、チームの助けが無ければ勝つことはできなかった。最後の勾配は本当に長く、ゴールラインに飛び込んだときは本当に疲れていた」とクリストフはコメントした。
総合上位陣はメイン集団内でゴールしたため、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)のマイヨジョーヌも変動無し。スプリントによって17位以下に5秒の中切れが発生したため、この影響でドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)とサイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)の総合3位と4位が入れ替わっている。
ツール・ド・スイス2015第7ステージ結果
1位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) 3h38'07"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
5位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
6位 ユルゲン・ルーランツ(ベルギー、ロット・ソウダル)
7位 セプ・ファンマルケ(ベルギー、ロット・ソウダル)
8位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
9位 マルコ・マルカート(イタリア、ワンティ)
10位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
個人総合成績
1位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) 25h55’03”
2位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +37”
3位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) +50”
4位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
5位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ) +1’07”
6位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +1’22”
7位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +1’27”
8位 スティーブ・モラビート(スイス、FDJ) +2’29”
9位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング) +2’43”
10位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) +2’46”
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
山岳賞
ステファン・デニフル(オーストリア、IAMサイクリング)
ベストスイスライダー賞
スティーブ・モラビート(スイス、FDJ)
チーム総合成績
チームスカイ
text:So.Isobe
photo:CorVos
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