2015/05/31(日) - 12:09
大詰めを迎えたジロ・デ・イタリア2015。クイーンステージに引き続き2連勝を飾ったファビオ・アルや、ライバルたちに引き離されつつもタイム差を守りマリアローザをほぼ手中に収めたアルベルト・コンタドールらのコメントをお届けします。
ステージ2連勝、総合2位となったファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
セストリエーレでシャンパンを開けるファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele
残り2kmを切ってアタックしたファビオ・アル(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waele今日は沿道に駆けつけた大勢のファンの声援を受けた。地元を走っているような気分だったよ。僕らのチームはほとんどすべてのステージでプロトンの前方で仕事を続けてきた。特に(ミケル)ランダはとても強くて、このジロでの彼の働きぶりは素晴らしかった。
フィネストレでは非常に苦しかったけど、下りでどうにかランダに合流することが出来た。苦しみ続けた日々の後に、2日間でステージ2勝を飾るなんて、まだうまく飲み込めない。セストリエーレはトレーニングでよく訪れる場所なんだ。馴染み深い場所なのでこの勝利には特別な思いがある。
フィネストレで遅れながらもマリアローザを堅守したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)お得意の拳銃ポーズが炸裂 photo:Tim de Waele
小さくガッツポーズするアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele
ライバルたちに先行を許してしまったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Kei Tsuji今日は僕にとって素晴らしいステージだったとは言えないね。3週間の疲労の蓄積が影響したのかは定かではないけど、今日は調子が悪かった。でも大きな総合リードを得ていたので落ち着いて自分のリズムで(フィネストレ峠を)走る事にしたんだ。
前のグループとのスピード差は大きくなかったし、マリアローザが奪われることは心配していなかった。まだ1ステージが残っているけど、体重を気にしながら今夜は盛大に祝勝会を開きたい。ジロのタイトルをもう1つ手にした今、次のターゲットについて考えているよ。
ティンコフ・サクソのスティーブン・デヨンフ監督
アルベルト(コンタドール)はテレビ中継の視聴者にとって凄く面白いレースをしたね。フィネストレにいた僕たちは気が気じゃなかったんだけど(笑)彼が多用するダンシングがフィネストレのグラベルではスリップしやすいということもあったし、少し辛い瞬間もあったようだ。(ファビオ)アルから脱落した瞬間、チームカーの雰囲気はかなり緊張していたけど、下りと平坦での走りを見ているとアルベルトにはまだ力が残っていることが分かって、ホッとしたよ。
タイム差が広がらなかった、補給食は要らないかと聞いてみたら「下りで補給した」と答えてくれた。だからペースコントロールがしやすいようにタイム差を伝えることに専念したよ。調子がよくないにもかかわらず、ダメージを最小限に抑えるあたりは彼の経験と判断力のおかげだね。
ステージ3位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
未舗装区間でアタックするライダー・ヘシェダル(カナダ、キャノンデール・ガーミン)とチェックに入るリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) photo:Tim de Waele
3級山岳セストリエーレを目指す先頭集団 photo:Tim de Waele今日はこのステージに勝つためにあらゆることを試した。走り始めてすぐ、今日の戦いはフィネストレで口火を切るのだろうと予感した。フィネストレでは調子よく登れていたので、アタックには対応できたし、苦しく感じることは無かったね。総合争いが激しかったから、なんとしても食らいつくことにしたんだ。
セストリエールは良く知っている峠だったし、僕の脚質にもぴったりだから最後まで仕掛けるのは我慢していた。それで、ライバルたちと協力してランダとザッカリンの逃げを捕らえた。彼らをキャッチしたとき、ランダは良いテンポで登っていたね。残り2km地点でアルがアタックして、一度はチェックに入ることができた。でも、彼の後輪に追いついた瞬間、もう一度アタックされたんだ。残念だったけど、追う力は残っていなかった。後は、表彰台狙いに切り替えるしかなかったよ。このステージを狙っていたのに結果に結びつかず、正直に言って悲しかったね。
でも、今日のフィネストレの登りがどれだけ凄かったかを言わずにはいられないね。観客にとっても、自転車競技という大枠においても素晴らしいスペクタクルなショーになったと思う。フィネストレのラスト8kmはグラベルで、選手たちにとっては絶対に忘れられないコースだったよ。
もう、ジロも明日で終わってしまう。いろんな問題はあったけど、最終週の結果には満足しているよ。レースの序盤に、もう少しの運と体力があれば違ったのか、と終わりに近づいたときに考えてしまうけど、それは考えても仕方のないこと。今は次のレースに向けて切り替えていく時。今日のレースはこれまでいつも支えてくれたチームスタッフのために捧げるよ。
ステージ5位、総合7位のステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
ステージ5位でフィニッシュしたステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ) (c)CorVos総合トップ10にはいることが僕の大きな目標だった。その目標は素晴らしい方法で達成できたよ。ステージ優勝をすることはできなかったけど、何度も良いリザルトを残すことが出来たことは本当にうれしいんだ。山岳ジャージを勝ち取れるほど強くなかったことは残念だ。ヴィスコンティとインチャウスティが後方に置き去りに出来たのはうまくいったんだけどね。
これはレースだから、他の選手たちが僕の山岳賞を譲ってくれるなんてことがないのは当たり前のことさ。でも、このジロはとても良いレースができた。オランダの人たちが僕の走りで盛り上がってくれていたと思うと嬉しいね。
序盤から逃げ続けたイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
フィネストレ峠を独走で駆け上がるイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ) photo:Tim de Waele今日はユーリ・トロフィモフを助けるために逃げに乗るというプランだった。だから開幕直後にアタックして良い逃げに乗ることが出来た。逃げていても大きなタイム差をつけることはできなかったけど、フィネストレ峠では単独で逃げるだけの力があった。独走に持ち込んだ時は、このステージで勝てるんじゃないかな、と考えていたんだけど、フィネストレはめちゃくちゃ厳しくて登り切ったときにはヘロヘロだった。
ちょうど山頂近くでランダが追いついてきたから、彼に下りでついていこうとした。ほかの総合上位勢が追いついてきた時に、このステージで勝つのは無理だと分かったんだ。だって、その時には僕の脚はすっからかんだったんだから。それで、元のプラン通り、ユーリをアシストするために下がっていった。彼を待って、タイムロスを抑えられるように出来る限りのことをしたよ。
グルペットでゴールした別府史之(トレックファクトリーレーシング)
マリアロッサのニッツォロとフィニッシュした別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waeleステージ後半は2011年ジロで走ったコース。フィネストレ峠の未舗装路が懐かしかった。今日のプランは、地元で頑張りたかったのフェリーネを除いて、みんなでレッドジャージを着たニッツォロを守りながら、グルペットでゴールするというプラン。明日のミラノゴールでジャコモのステージ優勝を狙うために温存するステージになった。
グルペットで走ると回転数が落ちるので、余計に疲れた感はあるけれど、景色を見ながら気分転換して走った。 峠では多くファンに声援をもらって元気をもらえた。明日はステージ優勝をアシストできるように頑張ります!
※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos,Kei.Tsuji,Tim de Waele
ステージ2連勝、総合2位となったファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
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フィネストレでは非常に苦しかったけど、下りでどうにかランダに合流することが出来た。苦しみ続けた日々の後に、2日間でステージ2勝を飾るなんて、まだうまく飲み込めない。セストリエーレはトレーニングでよく訪れる場所なんだ。馴染み深い場所なのでこの勝利には特別な思いがある。
フィネストレで遅れながらもマリアローザを堅守したアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
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前のグループとのスピード差は大きくなかったし、マリアローザが奪われることは心配していなかった。まだ1ステージが残っているけど、体重を気にしながら今夜は盛大に祝勝会を開きたい。ジロのタイトルをもう1つ手にした今、次のターゲットについて考えているよ。
ティンコフ・サクソのスティーブン・デヨンフ監督
アルベルト(コンタドール)はテレビ中継の視聴者にとって凄く面白いレースをしたね。フィネストレにいた僕たちは気が気じゃなかったんだけど(笑)彼が多用するダンシングがフィネストレのグラベルではスリップしやすいということもあったし、少し辛い瞬間もあったようだ。(ファビオ)アルから脱落した瞬間、チームカーの雰囲気はかなり緊張していたけど、下りと平坦での走りを見ているとアルベルトにはまだ力が残っていることが分かって、ホッとしたよ。
タイム差が広がらなかった、補給食は要らないかと聞いてみたら「下りで補給した」と答えてくれた。だからペースコントロールがしやすいようにタイム差を伝えることに専念したよ。調子がよくないにもかかわらず、ダメージを最小限に抑えるあたりは彼の経験と判断力のおかげだね。
ステージ3位のリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
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セストリエールは良く知っている峠だったし、僕の脚質にもぴったりだから最後まで仕掛けるのは我慢していた。それで、ライバルたちと協力してランダとザッカリンの逃げを捕らえた。彼らをキャッチしたとき、ランダは良いテンポで登っていたね。残り2km地点でアルがアタックして、一度はチェックに入ることができた。でも、彼の後輪に追いついた瞬間、もう一度アタックされたんだ。残念だったけど、追う力は残っていなかった。後は、表彰台狙いに切り替えるしかなかったよ。このステージを狙っていたのに結果に結びつかず、正直に言って悲しかったね。
でも、今日のフィネストレの登りがどれだけ凄かったかを言わずにはいられないね。観客にとっても、自転車競技という大枠においても素晴らしいスペクタクルなショーになったと思う。フィネストレのラスト8kmはグラベルで、選手たちにとっては絶対に忘れられないコースだったよ。
もう、ジロも明日で終わってしまう。いろんな問題はあったけど、最終週の結果には満足しているよ。レースの序盤に、もう少しの運と体力があれば違ったのか、と終わりに近づいたときに考えてしまうけど、それは考えても仕方のないこと。今は次のレースに向けて切り替えていく時。今日のレースはこれまでいつも支えてくれたチームスタッフのために捧げるよ。
ステージ5位、総合7位のステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
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これはレースだから、他の選手たちが僕の山岳賞を譲ってくれるなんてことがないのは当たり前のことさ。でも、このジロはとても良いレースができた。オランダの人たちが僕の走りで盛り上がってくれていたと思うと嬉しいね。
序盤から逃げ続けたイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
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グルペットでゴールした別府史之(トレックファクトリーレーシング)
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グルペットで走ると回転数が落ちるので、余計に疲れた感はあるけれど、景色を見ながら気分転換して走った。 峠では多くファンに声援をもらって元気をもらえた。明日はステージ優勝をアシストできるように頑張ります!
※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:Naoki.Yasuoka
photo:CorVos,Kei.Tsuji,Tim de Waele
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