2009年2月19日に行なわれたツアー・オブ・カリフォルニア(UCI2.HC)第5ステージは、再び23歳マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)の最速スプリントで締めくくられた。2日連続でトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)を破ったカヴェンディッシュはスプリント賞トップに。

好天に恵まれた第5ステージ好天に恵まれた第5ステージ photo:CorVosツアー・オブ・カリフォルニアも6日目、翌日から個人タイムトライアルと難関山岳ステージが連続し、総合争いが本格化するため、この日がスプリンターにとって最後の活躍のチャンスだ。

ヴィサリアからパソロブレスまでの今大会最長216kmで行なわれた第5ステージは、後半に緩やかなアップダウンが登場するものの、スプリンターが遅れるような上りは無い。

序盤から逃げるピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)やジェフリー・ラウダー(アメリカ、BMCレーシング)序盤から逃げるピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)やジェフリー・ラウダー(アメリカ、BMCレーシング) photo:CorVos2日連続で好天に恵まれたこの日、レースは7km地点で6名の逃げが決まる。集団から飛び出したのは、ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)、ジェフリー・ラウダー(アメリカ、BMCレーシング)、キャメロン・エヴァンス(カナダ、OUCHマキシス)、マシュー・クレイン(アメリカ、ジェリーベリー)、ロバート・ガン(アメリカ、FLY・V・オーストラリア)、グレン・チャドウィック(ニュージーランド、ロックレーシング)。

カリフォルニア内陸部の丘陵地帯を進むカリフォルニア内陸部の丘陵地帯を進む photo:CorVosこの逃げグループの中で総合トップは、2005年ツール・ド・フランスでクレーデン(ドイツ)を1センチ差で破り、逃げ切りステージ優勝を飾っているウェーニングで、総合33位・6分13秒遅れ。総合争いにおける危険度が低いとして、メイン集団はこの逃げを容認。レース中盤にタイム差は8分を超えた。

イエロージャージ擁するアスタナが集団コントロールを担っていたが、レース中盤からはチームコロンビア、クイックステップ、サクソバンク、サーヴェロ、ガーミンといったスプリンターチームが集団のペースアップを開始。タイム差は60kmで5分、50kmで4分30秒、30kmで3分30秒と、タイム差は順調に縮まった。

集団内で走るイエロージャージのリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)ら集団内で走るイエロージャージのリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)ら photo:CorVosタイム差が2分45秒に縮まったラスト25km、逃げグループでは短い上りでウェーニングがペースアップを図り、これによりガンとラウダーが脱落。20kmで2分25秒。スプリンターチームは猛烈な勢いで追撃を続け、ラスト10kmで1分に。

あまりのハイスピードにメイン集団では千切れる選手も続出し、フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)やイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)が一時後方に取り残される事態に。すかさずアスタナが集団ペースアップに加わったが、バッソらは無事に集団復帰した。

2日連続で集団スプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)2日連続で集団スプリントを制したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア) photo:CorVosラスト9kmで先頭からクレインがアタックするが、成功せずに4名のまま。結局先頭4名はラスト4kmで吸収された。

スプリンターチームが「逃げ追撃モード」から「列車形成モード」に移り変わるその隙を突いて、ラスト3kmで飛び出したのがティモシー・ジョンソン(アメリカ、OUCHマキシス)。これにイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)が合流したが、集団を振り切ることは出来ない。

完全に集団をコントロールするチームを欠く混沌とした集団スプリント。チームコロンビアとサーヴェロが先頭でバトルを繰り広げ、最後はマーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア)がラスト200mでカヴェンディッシュを発射した。

得意の低いポジションでグングン加速するカヴェンディッシュに対抗したのはトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)。しかしボーネンのスプリントも届かず、カヴェンディッシュが数メートルのリードを持ってゴールに飛び込んだ。

2連勝を達成したカヴェンディッシュは、同時にスプリント賞でもトップに。連係ミスさえ無ければ、確実に勝利をもぎ取る勝負強さを見せつけた。このマンクス・エクスプレス(マン島出身の超特急)はグランツールでも大暴れしてくれるに違いない。

そしてライプハイマーはイエロージャージを着て翌日の個人タイムトライアルに挑むことに。総合2位のロジャース(チームコロンビア)と総合3位のザブリスキー(ガーミン)はいずれも生粋のTTスペシャリスト。しかし3連覇を狙うリーヴァイは「コンディションはバッチリ。この調子を保つことができれば、明日の個人TTでリードを守れるだろう」と自信をのぞかせている。

ツアー・オブ・カリフォルニア2009第5ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)5h07'29"
2位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)
3位 ペドロ・オリッリョ(スペイン、ラボバンク)
4位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)
5位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)
6位 ルーカスセバスティアン・アエド(アルゼンチン、コラヴィータ)
7位 フレッド・ロドリゲス(アメリカ、ロックレーシング)
8位 マルティン・エルミガー(スイス、アージェードゥーゼル)
9位 バーナード・サルツバーガー(オーストラリア、FLY・V・オーストラリア)
10位 カール・メンジーズ(オーストラリア、OUCHマキシス)

個人総合成績
1位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)23h41'20"
2位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)+24"
3位 デーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)+28"
4位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+30"
5位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)+34"
6位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ)+38"
7位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)
8位 ホセルイス・ルビエラ(スペイン、アスタナ)
9位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
10位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)+39"

山岳賞
フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)

スプリント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)

新人賞
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)

チーム総合成績
アスタナ

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