2015/03/28(土) - 09:11
自転車レース界においてシェアNo1を誇るアイウェアブランドのオークリーが、開発に15年の歳月を費やしたという新レンズ「PRIZM」シリーズ。用途別に5種類がラインアップされ、それぞれの使用環境でこれまでよりも更にクッキリとした視界を実現した入魂のレンズの中からロードライディングに最適化された「ROAD」をテストした。
スポーツ用アイウェアのパイオニアとして、プロアマを問わず多くのサイクリストに使用されてきたオークリー。その洗練されたデザインもさることながら、同社が圧倒的なシェアを誇る背景には高性能なレンズがある。物理的衝撃や紫外線から目を守る優れたプロテクション性能や歪みの少なさ、あらゆるコンディションをカバーするカラーバリエーションの豊富さを兼ね備えることで、多くのアスリートに支持されてきた。
そんな、オークリーが研究開発に15年もの歳月を費やしリリースするのが、今回インプレッションを行う「PRIZM」レンズである。既存のレンズテクノロジーを改善するのではなく、独自に生み出した画期的な新技術を用いることで、これまでにないほど鮮明な視界を実現したことが特徴だ。
PRIZMレンズを開発する上でキーフィーチャーとなったのが、軍事衛星に搭載されるという「ハイパースペクトルカメラ」。人間の目やデジタルカメラが赤・緑・青の3色を用いるのに対して、数十種類以上の色の情報を用いて1つの色を分析できるという機器である。
オークリーではあらゆるシチュエーションや場所でハイパースペクトルカメラによる光波長の分析を実施。一定条件に焦点を合わせすべてのスペクトラムを測定し、研究ラボでデータを解析することでこれらの条件における光波長の一定パターンを発見。
その結果を基に、レンズに用いる特殊素材の配合を変えることで、色や光そのものが目に届く量を正確にコントロールすることが可能に。これまで一様に明るさを調整していた手法ではなく、レンズを通して光の波長(色)を分割して個々に調整することにより、これまでにないコントラストを引き出すことに成功したという。
レンズ素材にはアイウェア用として最高峰の光学純度を誇る「PLUTONITE」を使用。透明度を高める「HDO」テクノロジーとあわせてクリアかつ歪みのない視界を実現した。また、耐衝撃性にもすぐれ、目に有害な紫外線及び青色光を100%カットするなど、プロテクション性能に優れることも特徴である。
PRIZMは用途別に5種類のバリエーションが用意される。その中から今回インプレッションするのはロードバイクでの使用に適した「ROAD」。舗装路や影、黄色のセンターライン、信号機の視認性を高め、特に路面自体のコントラストを強化することにより、素早く落石やくぼみなどの障害を見つけることを可能としたレンズである。この他にも自転車に適したモデルとしてはMTB向けの「TRAIL」とアーバンライド向けの「DAILY POLARIZED」がラインがアップされる。なお、PRIZM ROADレンズ搭載モデルはRaderlock Path、Flak Jacket、Racing Jacketで設定され、レンズ単体での販売は今後行われる予定だ。
オークリーが10年以上の歳月を費やし開発した渾身のレンズ「PRIZM」。共にアイウェアには大きなこだわりがあるというテストライダーの2人はどの評価するのか。早速インプレッションに移ろう。
「さすがはオークリーと思わせるクリアな視界 盛夏を含めた全ての季節に対応してくれる」
小畑郁(なるしまフレンド神宮店)
使いはじめから違和感が無く、とても視界がクリアですね。パーシモンよりも濃く、G30 Black Iridiumの様な赤系のレンズをミラーにした様な印象です。だいぶ前にMOONというモデルにRXという純正の度付きレンズを組み合わせて使用していたことがありましたが、オークリーのレンズの性能向上には驚かされるものがありました。
実は濃いミラー系のレンズは暗すぎることが多いため個人的には苦手で、普段はクリアレッド系のレンズを好んで使用しています。しかし、PRIZMは暗すぎず丁度良い明るさですね。加えて、ギラツキもすくないことから日本人であれば盛夏を含めてオールシーズン使用することができるでしょう。
また、これはPRIZMに限った話ではないですが、圧倒的な歪みの少なさは「さすがはオークリー」と感じさせてくれます。普段愛用している別ブランドのアイウェアと着け替えた瞬間に違いが分かるほどです。フレーム本体と比較して、レンズの進化は注目されにくいことが多いですが、PRIZMは個人的にもより長期間試してみたいと感じさせてくれました。
「視力が矯正された様な印象を覚えるほどクッキリとした視界 周辺光の変化が大きいオフロードライドにも」
山崎嘉貴(ブレアサイクリング)
オークリー PRIZM ROADバリエーション
透過率:20%
搭載モデル(フレームカラー)/価格(税抜):
■Raderlock Path(Polished White) 31,000円
■Flak Jacket(Polished White) 24,000円
■Racing Jacket(Matte White) 30,000円(Persimmon Vtdレンズ付属)
インプレライダーのプロフィール
小畑郁(なるしまフレンド)
その圧倒的な知識量と優れた技術力から国内No.1メカニックとの呼び声高いなるしまフレンド神宮店の技術チーフ。勤務の傍ら精力的に競技活動を行っており、ツール・ド・おきなわ市民210kmでは2010年に2位、2013年と2014年に8位に入った他、国内最高峰のJプロツアーではプロを相手に多数の入賞経験を持つ。現在もなお、メカニックと競技者の双方の視点から自転車のディープで果てしない世界を探求中。
CWレコメンドショップページ
なるしまフレンド
山崎嘉貴(ブレアサイクリング)
長野県飯田市にある「ブレアサイクリング」店主。ブリヂストンアンカーのサテライトチームに所属したのち、渡仏。自転車競技の本場であるフランスでのレース活動経験を生かして、南信州の地で自転車の楽しさを伝えている。サイクルスポーツ誌主催の最速店長選手権の初代優勝者でもあり、走れる店長として高い認知度を誇っている。オリジナルサイクルジャージ”GRIDE”の企画販売も手掛けており、オンラインストアで全国から注文が可能だ。
CWレコメンドショップページ
ブレアサイクリング
ウェア協力:GRIDE
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANAO
スポーツ用アイウェアのパイオニアとして、プロアマを問わず多くのサイクリストに使用されてきたオークリー。その洗練されたデザインもさることながら、同社が圧倒的なシェアを誇る背景には高性能なレンズがある。物理的衝撃や紫外線から目を守る優れたプロテクション性能や歪みの少なさ、あらゆるコンディションをカバーするカラーバリエーションの豊富さを兼ね備えることで、多くのアスリートに支持されてきた。
そんな、オークリーが研究開発に15年もの歳月を費やしリリースするのが、今回インプレッションを行う「PRIZM」レンズである。既存のレンズテクノロジーを改善するのではなく、独自に生み出した画期的な新技術を用いることで、これまでにないほど鮮明な視界を実現したことが特徴だ。
PRIZMレンズを開発する上でキーフィーチャーとなったのが、軍事衛星に搭載されるという「ハイパースペクトルカメラ」。人間の目やデジタルカメラが赤・緑・青の3色を用いるのに対して、数十種類以上の色の情報を用いて1つの色を分析できるという機器である。
オークリーではあらゆるシチュエーションや場所でハイパースペクトルカメラによる光波長の分析を実施。一定条件に焦点を合わせすべてのスペクトラムを測定し、研究ラボでデータを解析することでこれらの条件における光波長の一定パターンを発見。
その結果を基に、レンズに用いる特殊素材の配合を変えることで、色や光そのものが目に届く量を正確にコントロールすることが可能に。これまで一様に明るさを調整していた手法ではなく、レンズを通して光の波長(色)を分割して個々に調整することにより、これまでにないコントラストを引き出すことに成功したという。
レンズ素材にはアイウェア用として最高峰の光学純度を誇る「PLUTONITE」を使用。透明度を高める「HDO」テクノロジーとあわせてクリアかつ歪みのない視界を実現した。また、耐衝撃性にもすぐれ、目に有害な紫外線及び青色光を100%カットするなど、プロテクション性能に優れることも特徴である。
PRIZMは用途別に5種類のバリエーションが用意される。その中から今回インプレッションするのはロードバイクでの使用に適した「ROAD」。舗装路や影、黄色のセンターライン、信号機の視認性を高め、特に路面自体のコントラストを強化することにより、素早く落石やくぼみなどの障害を見つけることを可能としたレンズである。この他にも自転車に適したモデルとしてはMTB向けの「TRAIL」とアーバンライド向けの「DAILY POLARIZED」がラインがアップされる。なお、PRIZM ROADレンズ搭載モデルはRaderlock Path、Flak Jacket、Racing Jacketで設定され、レンズ単体での販売は今後行われる予定だ。
オークリーが10年以上の歳月を費やし開発した渾身のレンズ「PRIZM」。共にアイウェアには大きなこだわりがあるというテストライダーの2人はどの評価するのか。早速インプレッションに移ろう。
「さすがはオークリーと思わせるクリアな視界 盛夏を含めた全ての季節に対応してくれる」
小畑郁(なるしまフレンド神宮店)
使いはじめから違和感が無く、とても視界がクリアですね。パーシモンよりも濃く、G30 Black Iridiumの様な赤系のレンズをミラーにした様な印象です。だいぶ前にMOONというモデルにRXという純正の度付きレンズを組み合わせて使用していたことがありましたが、オークリーのレンズの性能向上には驚かされるものがありました。
実は濃いミラー系のレンズは暗すぎることが多いため個人的には苦手で、普段はクリアレッド系のレンズを好んで使用しています。しかし、PRIZMは暗すぎず丁度良い明るさですね。加えて、ギラツキもすくないことから日本人であれば盛夏を含めてオールシーズン使用することができるでしょう。
また、これはPRIZMに限った話ではないですが、圧倒的な歪みの少なさは「さすがはオークリー」と感じさせてくれます。普段愛用している別ブランドのアイウェアと着け替えた瞬間に違いが分かるほどです。フレーム本体と比較して、レンズの進化は注目されにくいことが多いですが、PRIZMは個人的にもより長期間試してみたいと感じさせてくれました。
「視力が矯正された様な印象を覚えるほどクッキリとした視界 周辺光の変化が大きいオフロードライドにも」
山崎嘉貴(ブレアサイクリング)
オークリー PRIZM ROADバリエーション
透過率:20%
搭載モデル(フレームカラー)/価格(税抜):
■Raderlock Path(Polished White) 31,000円
■Flak Jacket(Polished White) 24,000円
■Racing Jacket(Matte White) 30,000円(Persimmon Vtdレンズ付属)
インプレライダーのプロフィール
小畑郁(なるしまフレンド)
その圧倒的な知識量と優れた技術力から国内No.1メカニックとの呼び声高いなるしまフレンド神宮店の技術チーフ。勤務の傍ら精力的に競技活動を行っており、ツール・ド・おきなわ市民210kmでは2010年に2位、2013年と2014年に8位に入った他、国内最高峰のJプロツアーではプロを相手に多数の入賞経験を持つ。現在もなお、メカニックと競技者の双方の視点から自転車のディープで果てしない世界を探求中。
CWレコメンドショップページ
なるしまフレンド
山崎嘉貴(ブレアサイクリング)
長野県飯田市にある「ブレアサイクリング」店主。ブリヂストンアンカーのサテライトチームに所属したのち、渡仏。自転車競技の本場であるフランスでのレース活動経験を生かして、南信州の地で自転車の楽しさを伝えている。サイクルスポーツ誌主催の最速店長選手権の初代優勝者でもあり、走れる店長として高い認知度を誇っている。オリジナルサイクルジャージ”GRIDE”の企画販売も手掛けており、オンラインストアで全国から注文が可能だ。
CWレコメンドショップページ
ブレアサイクリング
ウェア協力:GRIDE
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANAO
リンク
Amazon.co.jp