2015/01/26(月) - 20:09
世界選手権を1週間後に控えた1月25日、オランダのホーヘルハイデでUCIW杯最終戦が開催。1周目から独走態勢を築いたマテュー・ファンデルポールが優勝し大一番に向けて弾みをつけた。日本人選手のコメントも併せて紹介します。
UCIシクロクロスワールドカップ最終戦の舞台はベルギーの国境からほど近い南オランダの沿岸都市ホーヘルハイデ。林の中の小さな丘陵地と平地を組み合わせており、2014年世界選手権のコースと類似する。
翌週末にチェコのターボルで世界選手権が控えていることから60名を優に越える選手がエントリー。その中にはもちろん竹之内悠(ヴェランクラシック・エコワ)や山本和弘(日本ナショナルチームとして出場)をはじめとする日本の世界選メンバーもスタートラインに並んだ。
トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)のホールショットで幕開けた60分間の戦い。ワールドカップランキング首位につけるケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)や、真新しいオランダチャンピオンジャージを着るマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)らがメーウセンを追う形でレースは動き出した。
すると1周目の中盤にファンデルポールが先頭に立ち、追っていたパウエルスはタイヤを滑らせるミス。失速したパウエルスが後続に取り込まれたことで、先頭ファンデルポールは期せずして独走体制を築き上げる。
パウエルス、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)、スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)らがまとまって走る一方、ファンデルポールは1周回終了時点で15秒、2周回終了時点で23秒と着実にアドバンテージを築き上げる。やがて2位グループからはジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が単独で抜けだした。
恵まれた体格と持ち前のテクニックを駆使し、重く滑りやすい泥を攻略していくファンデルポール。「レース中ずっと応援が聞こえて凄く力になった。単独になったタイミングが早すぎたが、乗れていたし、徐々にタイム差が開いていったので"いけるかも"と思うようになった」と、攻めの姿勢でラップを重ねていく。
後方ではワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)がフェルメールスに合流して先頭を追いかけたものの、ファンデルポールのリードは揺るがない。途中幾度もスリップダウンやチェーン外れに見舞われながらも独走をキープしたオランダチャンピオンが、地元のビッグレースを制した。
「凄い気分だ。数回のトラブルがあったけれど、それを補える脚が今日の僕にはあった」と語るファンデルポールは、世界選手権では20歳でありながらU23ではなくエリートレースに参加する。「今日と同じ調子ならば、とても面白いレースになると思う」と自信を覗かせた。
そしてワールドカップリーダーの座は、このレースで4位に入ったパウエルスがファンデルハールを85ポイント引き離して戴冠。今期のワールドカップでこれまで2勝、2位を3回と結果を残したことが総合優勝に繋がった。
また、日本勢は山本和弘が-4ラップの59位、右脚の肉離れを抱えている竹之内悠は「できるだけ負荷を掛けないように調整した」と途中でレースを降りて64位。竹之内は「100%の状態で来週に臨めないかもしれませんが、残りの時間をなるべく回復に当てたい」と言う。
自身のブログで2月限りでの現役引退を表明している山本は、「思っていた以上に足切りが早く、悔しいというのが正直なところです」とコメント。「スタートは展開も見えて良いパックで走っていたのですが、一気にペースが上がったことでミスも出て苦しめられました。やがて自分の走りができるようになったものの、遅れが響きレースを降りることになってしまいました。もう2周できれば繋がったと思うので悔しいですね。しかし手応えはあるので、しっかりと調整をして世界選手権を走りたい」と世界選に向けて意気込んだ。
そしてU23レースを走った横山航太(シマノレーシング)は「時差もあって全然身体が動きませんでした」と45位フィニッシュ。「スタート直後は15位ほどと好位置でしたが、転倒した選手とバイクが絡んでしまい相当なロスをしてしまいました。脚は余裕だったのですが、呼吸が苦しく追い上げができませんでした」と悔やむ。「UCIポイントを持っているため、世界選手権もスタート位置は良いはずです。雪や氷のレースになればチャンスも多くなるので、期待したいですね」とコメントした。
またこの日、U23の前田公平は胃腸の不調を訴えてDNS。ジュニアレースでは竹内遼が56位、山田将輝が71位でレースを終えている。
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第6戦結果
text:So.Isobe
interview:Alisa.Okazaki
photo:CorVos,Tim de Waele,Alisa.Okazaki
UCIシクロクロスワールドカップ最終戦の舞台はベルギーの国境からほど近い南オランダの沿岸都市ホーヘルハイデ。林の中の小さな丘陵地と平地を組み合わせており、2014年世界選手権のコースと類似する。
翌週末にチェコのターボルで世界選手権が控えていることから60名を優に越える選手がエントリー。その中にはもちろん竹之内悠(ヴェランクラシック・エコワ)や山本和弘(日本ナショナルチームとして出場)をはじめとする日本の世界選メンバーもスタートラインに並んだ。
トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)のホールショットで幕開けた60分間の戦い。ワールドカップランキング首位につけるケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)や、真新しいオランダチャンピオンジャージを着るマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)らがメーウセンを追う形でレースは動き出した。
すると1周目の中盤にファンデルポールが先頭に立ち、追っていたパウエルスはタイヤを滑らせるミス。失速したパウエルスが後続に取り込まれたことで、先頭ファンデルポールは期せずして独走体制を築き上げる。
パウエルス、ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)、スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)らがまとまって走る一方、ファンデルポールは1周回終了時点で15秒、2周回終了時点で23秒と着実にアドバンテージを築き上げる。やがて2位グループからはジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が単独で抜けだした。
恵まれた体格と持ち前のテクニックを駆使し、重く滑りやすい泥を攻略していくファンデルポール。「レース中ずっと応援が聞こえて凄く力になった。単独になったタイミングが早すぎたが、乗れていたし、徐々にタイム差が開いていったので"いけるかも"と思うようになった」と、攻めの姿勢でラップを重ねていく。
後方ではワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)がフェルメールスに合流して先頭を追いかけたものの、ファンデルポールのリードは揺るがない。途中幾度もスリップダウンやチェーン外れに見舞われながらも独走をキープしたオランダチャンピオンが、地元のビッグレースを制した。
「凄い気分だ。数回のトラブルがあったけれど、それを補える脚が今日の僕にはあった」と語るファンデルポールは、世界選手権では20歳でありながらU23ではなくエリートレースに参加する。「今日と同じ調子ならば、とても面白いレースになると思う」と自信を覗かせた。
そしてワールドカップリーダーの座は、このレースで4位に入ったパウエルスがファンデルハールを85ポイント引き離して戴冠。今期のワールドカップでこれまで2勝、2位を3回と結果を残したことが総合優勝に繋がった。
また、日本勢は山本和弘が-4ラップの59位、右脚の肉離れを抱えている竹之内悠は「できるだけ負荷を掛けないように調整した」と途中でレースを降りて64位。竹之内は「100%の状態で来週に臨めないかもしれませんが、残りの時間をなるべく回復に当てたい」と言う。
自身のブログで2月限りでの現役引退を表明している山本は、「思っていた以上に足切りが早く、悔しいというのが正直なところです」とコメント。「スタートは展開も見えて良いパックで走っていたのですが、一気にペースが上がったことでミスも出て苦しめられました。やがて自分の走りができるようになったものの、遅れが響きレースを降りることになってしまいました。もう2周できれば繋がったと思うので悔しいですね。しかし手応えはあるので、しっかりと調整をして世界選手権を走りたい」と世界選に向けて意気込んだ。
そしてU23レースを走った横山航太(シマノレーシング)は「時差もあって全然身体が動きませんでした」と45位フィニッシュ。「スタート直後は15位ほどと好位置でしたが、転倒した選手とバイクが絡んでしまい相当なロスをしてしまいました。脚は余裕だったのですが、呼吸が苦しく追い上げができませんでした」と悔やむ。「UCIポイントを持っているため、世界選手権もスタート位置は良いはずです。雪や氷のレースになればチャンスも多くなるので、期待したいですね」とコメントした。
またこの日、U23の前田公平は胃腸の不調を訴えてDNS。ジュニアレースでは竹内遼が56位、山田将輝が71位でレースを終えている。
UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第6戦結果
1位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)
3位 ジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)
4位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)
5位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
6位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)
7位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)
8位 ティム・メルリエ(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)
9位 イェンス・アダムス(ベルギー、ヴァスゴエサービス・ゴールデンパレス)
10位 ファビアン・カナル(フランス、Armee De Terre E-Sportsante)
59位 山本和弘(日本ナショナルチーム)
64位 竹之内悠(ヴェランクラシック・エコワ)
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)
3位 ジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)
4位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)
5位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
6位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)
7位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)
8位 ティム・メルリエ(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)
9位 イェンス・アダムス(ベルギー、ヴァスゴエサービス・ゴールデンパレス)
10位 ファビアン・カナル(フランス、Armee De Terre E-Sportsante)
59位 山本和弘(日本ナショナルチーム)
64位 竹之内悠(ヴェランクラシック・エコワ)
1h08'38"
+1'04"
+1'21"
+1'22"
+1'37"
+1'56"
+2'18"
+2'52"
+2'57"
+3'04"
-4Laps
-6Laps
+1'04"
+1'21"
+1'22"
+1'37"
+1'56"
+2'18"
+2'52"
+2'57"
+3'04"
-4Laps
-6Laps
text:So.Isobe
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