2015/01/17(土) - 10:16
3度のツール・ド・フランス総合優勝を誇るグレッグ・レモンが自身の名を冠したバイクブランド「Greg LeMond」が復活。プロレース界に数々の革新的なパーツを持ち込むなど機材へのこだわりが一際強かった氏の経験やノウハウをもとに誕生した、レイノルズ853製クロモリバイク「Washoe(ワショー)」を紹介しよう。
グレッグ・レモン Washoe photo:Makoto.AYANO/cyclowired.jp
自転車競技が西欧だけのものであった1980年代後半にアメリカ人として初めてツール・ド・フランスを制し、86年、89年、90年と3度に渡ってマイヨジョーヌを獲得したグレッグ・レモン。ヨーロッパ人以外でも自転車競技で活躍できることを証明し、昨今の様にプロレース界が国際化に至るまでの礎を築き上げたレジェンドだ。
一方、機材へのこだわりが強かったことでも知られるレモン。スキーのダウンヒル競技に倣って開発されたというDHバーや、大きなレンズで風から目を保護するスポーツ用サングラスなど、今や必要不可欠となったこれらのエキップメントも、全て氏が持ち込んだものである。
クロモリフレームながら電動コンポのケーブル内蔵に対応。シートチューブの挿入口には補強板が配されている
ヘッドチューブはHT44規格。フレームセットにはクリスキングのヘッドセットが付属する
フォークは信頼性高いエンヴィ 2.0。フレームと同色に塗装されている
そして、グレッグ・レモンが自身の名を冠したバイクブランドを初めて興したのは1986年のこと。前年に世界選手権を制し、アルカンシェルを着て挑んだ1990年のツールでは、自身のブランドのバイクと共に3度目の優勝を果たしている。その後、2008年に一旦はバイクの販売を停止してしまったものの、2013年にタイムとのコラボレーションによりバイクの販売を再開。そして復活2作目となるのが今回紹介する「Washoe(ワショー)」だ。
このWashoeとはネイティブアメリカンの言葉「People from here(ここから始まる人々)」という意味を持ち、カリフォルニアとネバダの州境にあるシエラネバダ山に先住するインディアン「ワショー族」のことを指す。また、レーサーを志したキッカケについて「シエラネバダ山やタホ湖など、ワショー渓谷でサイクリングを楽しみ、幼いころにから自転車の魅力にはまっていたんだ」と語るレモン。つまり、Washoeにはブランドの再スタートという意味合いが込められているのである。
トップチューブに配されたネーミングロゴ
オーバーサイズのヘッドチューブとシャープなトップチューブとの対比
リアハンガーは交換可能なタイプ。溶接箇所はとてもスムーズだ
マッシブなBBシェルはPF30規格を採用している
前置きは長くなったが、バイクについて説明していこう。まず、最大の特徴となるのが「モダンなデザイン」だ。乗り味や性能に占める素材特性の割合が大きかった旧来のクロモリフレームに対して、Washoeでは現代的なフレーム設計のトレンドに倣ってチューブ形状を部位ごとに大きく変化させ、理想の乗り味を追求。中でも細く縦に潰されたトップチューブは特徴的で、同じく細いシートチューブと合わせて優れた衝撃吸収性を実現した。
一方、フレーム上部が柔軟性を高めたのに対して、下部は剛性を重視する。ダウンチューブを大口径とし、PF30規格のオーバーサイズBBを採用することで駆動ロスを低減。そして、ヘッドチューブはHT44規格とし、信頼性高いエンヴィ2.0フォークを組みあわせることで、安心感高いハンドリングに仕上げられている。
レイノルズのトップグレード853チューブを使用する
ダウンチューブのGreg LeMondのロゴはデカールでは無くペイントによるもの
アメリカ国内にて行われる塗装は滑らかで美しい仕上がりだ
胴抜きデザインがクラシカルな印象を与える
オレンジ以外のカラーもラインナップされている
チューブはかつてレモンのバイクにも多く使用されていた「レイノルズ 853」。空気焼入れとその後の熱処理によってTi-6AL-4Vにも匹敵する引張強度を実現した同社のトップグレードチューブである。なお、トップチューブを始め形状やバテッド位置などはWasoheだけの専用設計されている。
走行性能の要となるジオメトリーについては、レモンの経験やノウハウが生かれえた寸法となっている。基本的にはレース系とエンデュランス系の中間という値だが、例えばチェーンステーの長さをサイズごとに1mmずつ変えるなど、細やかな調整によって理想の乗り味を追い求めたのもWasoheの大きな特徴の1つ。
サイズは49cm、51cm、53cm、55cm、57cm、59cm、61cmの7種類展開だ。
Washoeとアメリカ人初のツール王者であるグレッグ・レモン氏 photo:Makoto.AYANO/cyclowired.jp
製造及び塗装はアメリカ国内にて行われる。バイクの性能に加えペイントにもこだわっており、BB付近に貼られたレイノルズ853のデカールを除いて、全てのロゴはペイントによるものだ。細部を見てみると溶接痕はミニマムに抑えられており、シートチューブのDi2ケーブル挿入口には補強板が配されるなど、丁寧な仕上げがなされている。
販売パッケージはフレームセットと完成車の2種類。完成車はシマノ DURA-ACE Di2、ULTEGRA Di2、ULTEGRA、105と4グレードのコンポーネントから選択可能で、ハンドルやサドル、タイヤなどはオプションでアップグレードする事ができる。
レモンバイシクルの販売はLeMondオフィシャルサイトで行われ、ジェイピースポーツグループが日本でのプロモーションとワランティーケアーサービスを行う。また日本語対応のオフィシャルサイトも作成中で、購入までの不明な点はジェイピースポーツグループ (greglemond@jpsg.co.jp)にも問い合わせ可能だ。
グレッグ・レモン Washoe
フレーム素材:レイノルズ 853
フロントフォーク:エンヴィ 2.0
サイズ/フレーム重量:49cm/1630g、51cm/1660g 、53cm/1700g、55cm/1780g、57cm/1780g、
59cm/1860g、61cm/1900g
ハンドル/ステム/シートポスト:3T
サドル:サンマルコ Regal
価格(パーツ変更によって変動。日本への送料が別途必要になる):
■フレームセット:2,299ドル
■シマノ 105+:3,099ドル~
■シマノ ULTEGRA完成車:3,499ドル~
■シマノ ULTEGRA Di2完成車:4,499ドル~
■シマノ DURA-ACE Di2完成車:6,099ドル~
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自転車競技が西欧だけのものであった1980年代後半にアメリカ人として初めてツール・ド・フランスを制し、86年、89年、90年と3度に渡ってマイヨジョーヌを獲得したグレッグ・レモン。ヨーロッパ人以外でも自転車競技で活躍できることを証明し、昨今の様にプロレース界が国際化に至るまでの礎を築き上げたレジェンドだ。
一方、機材へのこだわりが強かったことでも知られるレモン。スキーのダウンヒル競技に倣って開発されたというDHバーや、大きなレンズで風から目を保護するスポーツ用サングラスなど、今や必要不可欠となったこれらのエキップメントも、全て氏が持ち込んだものである。
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このWashoeとはネイティブアメリカンの言葉「People from here(ここから始まる人々)」という意味を持ち、カリフォルニアとネバダの州境にあるシエラネバダ山に先住するインディアン「ワショー族」のことを指す。また、レーサーを志したキッカケについて「シエラネバダ山やタホ湖など、ワショー渓谷でサイクリングを楽しみ、幼いころにから自転車の魅力にはまっていたんだ」と語るレモン。つまり、Washoeにはブランドの再スタートという意味合いが込められているのである。
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一方、フレーム上部が柔軟性を高めたのに対して、下部は剛性を重視する。ダウンチューブを大口径とし、PF30規格のオーバーサイズBBを採用することで駆動ロスを低減。そして、ヘッドチューブはHT44規格とし、信頼性高いエンヴィ2.0フォークを組みあわせることで、安心感高いハンドリングに仕上げられている。
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走行性能の要となるジオメトリーについては、レモンの経験やノウハウが生かれえた寸法となっている。基本的にはレース系とエンデュランス系の中間という値だが、例えばチェーンステーの長さをサイズごとに1mmずつ変えるなど、細やかな調整によって理想の乗り味を追い求めたのもWasoheの大きな特徴の1つ。
サイズは49cm、51cm、53cm、55cm、57cm、59cm、61cmの7種類展開だ。
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販売パッケージはフレームセットと完成車の2種類。完成車はシマノ DURA-ACE Di2、ULTEGRA Di2、ULTEGRA、105と4グレードのコンポーネントから選択可能で、ハンドルやサドル、タイヤなどはオプションでアップグレードする事ができる。
レモンバイシクルの販売はLeMondオフィシャルサイトで行われ、ジェイピースポーツグループが日本でのプロモーションとワランティーケアーサービスを行う。また日本語対応のオフィシャルサイトも作成中で、購入までの不明な点はジェイピースポーツグループ (greglemond@jpsg.co.jp)にも問い合わせ可能だ。
グレッグ・レモン Washoe
フレーム素材:レイノルズ 853
フロントフォーク:エンヴィ 2.0
サイズ/フレーム重量:49cm/1630g、51cm/1660g 、53cm/1700g、55cm/1780g、57cm/1780g、
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ハンドル/ステム/シートポスト:3T
サドル:サンマルコ Regal
価格(パーツ変更によって変動。日本への送料が別途必要になる):
■フレームセット:2,299ドル
■シマノ 105+:3,099ドル~
■シマノ ULTEGRA完成車:3,499ドル~
■シマノ ULTEGRA Di2完成車:4,499ドル~
■シマノ DURA-ACE Di2完成車:6,099ドル~
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