2014年12月30日、BpostBankトロフェー第6戦がベルギーのローエンホートで開催され、解けた雪によって泥地と化したコースで若手2人が一騎打ちを繰り広げた。勝負の軍配はU23世界チャンピオンのワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)に上がっている。



レースをリードするワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)レースをリードするワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) photo:Tim de Waele
泥を巻き上げながら走るワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)泥を巻き上げながら走るワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) photo:Tim de Waele泥コースでバイクを押す竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)泥コースでバイクを押す竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ) photo:Tim de Waele



先頭で競り合うマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)先頭で競り合うマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) photo:Tim de Waeleベルギーのローエンホートで開催されたBpostBankトロフェー第6戦「アゼンクロス」。いくつもの短い登りが組み込まれた平坦基調のコースは泥だらけ。白く積もった雪が解け、マイナスに近いような冷たい泥水がコースを覆った。

ファンアールトに先行を許してしまったマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)ファンアールトに先行を許してしまったマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) photo:Tim de Waele風邪によって欠場したラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)に代わってホールショットを獲ったのは、スポット参戦のラモン・シンケルダム(オランダ、ジャイアント・シマノ)だった。

追走パックを率いるトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)追走パックを率いるトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) photo:Tim de Waele2011年にパリ〜ルーベU23レースで優勝し、スプリンター/クラシックスペシャリストとして力を伸ばす25歳シンケルダムが1周目の前半にかけてレースをリードする。しかし直ぐさまワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)が先頭を奪った。

追走パック内で走るジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)追走パック内で走るジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:Tim de Waeleファンアールトにはチームメイトのロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス)とファンデルポールが合流して先頭は3名。復調の兆しを見せるスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)やトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)が追走パックを形成する展開に。

独走でフィニッシュするワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)独走でフィニッシュするワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) photo:Tim de Waele泥々の雪解け水を巻き上げながら先頭ではファンアールトがハイペースを刻み続け、ファンデルポールだけが食らいついてレースは中盤。ファンアールトのミスを突いてファンデルポールがアタックするシーンも見られたが、両者の間に決定的なギャップは生まれない。

レースの進行とともに泥をまとい、感覚が無くなった腕を振りながら走る選手たち。残り2周を残して徐々に徐々にファンアールトとファンデルポールの間にギャップが広がり始める。慌ててファンデルポールが追走したが、泥の180度コーナーでミスしたことで更にギャップが拡大。そこで勝負は決まった。

1995年生まれのファンデルポールと1994年生まれのファンアールトによる一騎打ちは、U23世界チャンピオンのファンアールトに軍配。3位には26歳のメーウセンが入っている。第一追走パック内で走り続けたネイスは8位。竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)は42位でレースを終えている。

「なんてタフなコースなんだろうと思った。でも今日はミスを犯さなかった。マテュー(ファンデルポール)は何度か攻撃を仕掛けてきたけど上手く対処した。彼が失速してからも自分のシリーズランキングを考えてペースを上げ続けたんだ。今日は総合リードを広げたいと思っていたので大成功だったと言える」。勝利したファンアールトはインタビューでそう語った。

「まだまだトリッキーなコースが残っているけど、現段階でシリーズリーダーの座は安泰だ」とファンアールト。総合タイムで争われるBpostBankトロフェーのシリーズランキングにおいて、ファンアールトは総合2位ネイスに対して4分45秒のリードを得ている。

今シーズンのBpostBankトロフェーは残り2戦。次の第7戦は2015年1月1日にベルギーのバールで開催される。

選手コメントはレース公式サイトより。



表彰台に登る19歳ファンデルポール 、20歳ファンアールト、26歳メーウセン表彰台に登る19歳ファンデルポール 、20歳ファンアールト、26歳メーウセン photo:Tim de Waele


BpostBankトロフェー2014-2015第6戦
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)        1h04"02"
2位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)          +37"
3位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)             +2'01"
4位 ジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)    +2'17"
5位 ジャン・デニューウラール(ベルギー、ファストフートサービス)
6位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)      +2'20"
7位 ティム・メルリエ(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)        +2'24"
8位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)             +2'25"
9位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス)            +2'36"
10位 ヴァンサン・バースターンス(ベルギー、BKCPパワープラス)        +3'01"
42位 竹之内悠(日本、ベランクラシックドルチーニ)

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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