ファビアン・カンチェラーラや別府史之らトレックファクトリーレーシングが使用するボントレガーのヘルメット「Velocis」にハードシェルカバーを装備した特別モデルの「Velocis AW」が登場。AW=オールウェザーという名の通り、秋冬の寒さや雨から頭部を保護するための仕様で、エアロ効果も期待できるプロスペックのアイテムだ。



ボントレガー Velocis AW(右)、Velocis(左)ボントレガー Velocis AW(右)、Velocis(左) (c)So.Isobe/cyclowired.jp
今回紹介する「Velocis AW」は、ボントレガーのヘルメットを使用するトレックファクトリーレーシングのリクエストによって誕生した秋冬用レーシングヘルメット。AWとはオールウェザーの意で、通常のVelocisにハードシェルカバーを装着することでヘルメット内部への冷気の侵入を防ぎ、寒さから頭部を保護するという、プロスペックモデルである。

Velocis AWを使用する別府史之(ツール・ド・フランス・ジャパン)Velocis AWを使用する別府史之(ツール・ド・フランス・ジャパン) photo:Yuya.Yamamotoハードシェルカバーが覆うのは、頭部から発せられる熱を後方から逃がすため、風が侵入しやすい前方から側頭部にかけて。手で弾くとパンっパンっと反響するほど薄く、ノーマルモデルと比較して実測の重量増は57gほど(Lサイズ)。薄さに加えて、両面テープの様なもので接着するなど余分な重量増を抑えているため、扱いはデリケートそうだが、そこを含めてプロスペックと言えるだろう。

もちろん、エアロ効果にも期待できるため、ハイスピードなロードレースやクリテリウム、TT/トライアスロンでの使用にもピッタリ。なおUCI規格に準拠しているため、ハードシェルカバーの取り外しは不可能だ。

その他仕様は通常モデルのVelocisと共通としている。シェルのフォーム内部には軽量かつ高強度なアラミドとコンポジット素材の骨組みを内蔵することで、Mサイズで224gという軽さと、CEやCPSCなどの安全規格をパスする優れた耐衝撃性を兼ね備えることに成功。内部にはエアフローを促すためのチャネルが設けられている。

アジャスターシステムには、周囲方向には約2mm間隔で、縦には3段階で調整可能なダイヤル式の「Headmaster II」を搭載する。動作がスムーズなため乗車中でも片手で操作可能で、ダイヤル部裏側にRが設けられていることから固定力も充分。樹脂のストラップ部分もしっかりとした造りで、耐久性にも期待できそうだ。

薄いハードシェルカバーで覆うことで冷気の侵入を防いでいる薄いハードシェルカバーで覆うことで冷気の侵入を防いでいる 頭部から発せられる熱を後方から逃がすため、後方のベンチレーションはそのまま頭部から発せられる熱を後方から逃がすため、後方のベンチレーションはそのまま


真っ赤なインナーパッドは厚さ6.5mmほどとクッション性に富み、アジャスターシステムや帽体の設計と合わせて優れたフィット感を演出してくれる。生地に速乾吸収素材を使用し、消臭剤などでお馴染みの銀イオンコーティングを施すことで不快な異臭の発生を防止した

付属品は交換用パッド、専用設計のバイザー、万が一の際に便利な個人情報ステッカーの3つ。バイザーはサイクルキャップのツバ部分のみを切り取った様なデザインで、突き出しは35mmほど。インナーパッドと帽体に挟む様にして取り付けるため、実際に装着する前と後でのヘルメット全体のフィット感がほとんど変わらない。

Headmaster IIは縦方向にも3段階で調整可能だHeadmaster IIは縦方向にも3段階で調整可能だ 乗車中でも片手で確実に細かく調整可能なダイヤル式クロージャーHeadmaster II乗車中でも片手で確実に細かく調整可能なダイヤル式クロージャーHeadmaster II

内部には厚手で肌触りの良いインナーパッドを配置。エアフローを促すためのチャネルが設けられている内部には厚手で肌触りの良いインナーパッドを配置。エアフローを促すためのチャネルが設けられている パッドに銀イオンコーティングを施すことで不快なニオイの発生を防止パッドに銀イオンコーティングを施すことで不快なニオイの発生を防止


サイズはMとLの2種類がラインナップされる。Lサイズは実測重量306gとカタログ通り。縦×幅×深さはそれぞれ、234mm×177mm×100mm(いずれも実測値)。カブトREDIMOSはLサイズ、KOOFU WG-1はS/Mサイズという筆者の場合がLが適正サイズであったが、欧米型で縦長なためか、クロージャーは可動域の半分程度締め込む必要があった。シェルの下縁は眉毛の上とかぶり心地は深く、各種アイウェアとのマッチングも良好だ。カラーはトレックファクトリーレーシングのチームカラーのみラインナップされる。

また、Velocisの通常モデルにもトレックファクトリーレーシングのチームカラーが登場。サイズはMとLの2種類がラインナップされ、こちらも実測重量はLサイズで249gとカタログ値通り。取り扱いはトレック・ジャパン。



パッドとシェルの間に挟むスマートな専用バイザーパッドとシェルの間に挟むスマートな専用バイザー ボントレガー Velocis AW
カラー:トレックファクトリーレーシング
サイズ:M(54~60cm)、L(58~63cm)
安全規格:CE、CPSU
実測重量:306g(Lサイズ)
付属品:専用バイザー、個人情報ステッカー、交換用インナーパッド
価格:32,900円(税込)

ボントレガー Velocis Trek Factory Racing
カラー:トレックファクトリーレーシング
サイズ:M(54~60cm)、L(58~63cm)
安全規格:CE、CPSU
重 量:224g(Mサイズ、カタログ値)、249g(Lサイズ、実測)
付属品:専用バイザー、個人情報ステッカー、交換用インナーパッド
価格:29,900円(税込)


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