2014/11/17(月) - 12:14
11月16日、ベルギー西部のガーフェレで行なわれたスーパープレスティージュ第4戦。スリッピーな泥に覆われた難コースで落ち着いたレース運びを見せたクラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が勝利した。
ガーフェレの森を走るコースは起伏に富んでおり、その路面の大部分がスリッピーな泥で覆われている。乗車率の低い登りとパワーが必要な平地、そして神経質な下りが組み合わされたタフコース。平均スピードが遅く(18〜19km/h)、ピットでのバイク交換の頻度が高いコースだ。
ホールショットを取ったロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス)を抜いて先頭に立ったのはスーパープレスティージュ第3戦を制したトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)。レースは終始メーウセンのアグレッシブな走りにリードされる展開となる。
ここにケヴィン・パウエルスとクラース・ファントルノート(ともにベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)、そしてマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)が追いついて先頭パックを形成。毎周回バイク交換しなければ泥詰まりを起こすような状態の中、2周目に入るとファンデルポールとメーウセンがペースアップを継続した。
「タイム差がつきやすいコースで、スタートから慎重になりすぎた。さらにチェーントラブルで15秒ほど止まったことで先頭から大きく遅れた」と語るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)は2周目を終えた時点で先頭から47秒遅れ。同じくスタートでミスしたラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)は「ペダルキャッチをミスして出遅れてから長い道のりだった。かなり後方に沈んでしまい、普段一緒に走らないような選手たちを抜きながら追い上げたけど届かなかった」と振り返る。両者は忍耐強く先頭を追い続けた。
先頭でプッシュし続けるファンデルポールとメーウセンに、サンウェブ・ナポレオンゲームスの2人がマークを外さずレース後半へ。「若い狼(ファンデルポール)が前半から積極果敢な走りを見せたけど、その罠にはかからなかった。レースを決めるのは如何に後半にかけてペースを上げるかだ」と、32歳のファントルノート。
直進するのも難しい泥コースでファントルノートが抜け出すとファンデルポールが脱落。最終周回を前に今一度ファントルノートがアタックすると、パウエルスとメーウセンは千切れた。
「もう少し早めに仕掛けることも出来たけど、終盤までチャンスを待った。残り2周で後方と距離が空いた時に確信をもってペースアップ。ネイスが追い上げてきていたし、行くしかなかった」と語るファントルノートがフィニッシュまで独走した。
世界選手権で2度の銀メダルを経験しているサンウェブのエースが自身4度目のスーパープレスティージュ勝利。チームメイトのパウエルスが2位を射止め、後方から追い上げたネイスが3位に入っている。
「最後まで追い込んだが、同時に先頭もペースアップしていた。彼らを脅かすには至らなかった」とネイスは悔やむが、6位に沈んだファンデルポールに代わってスーパープレスティージュのランキングトップに返り咲いている。前半に攻めた若手が後半に失速し、後半に仕掛けたベテランが上位を占める結果となった。
泥コースで周回遅れとなった竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)は33位でレースを終えた。「結果も悔しいけど、いいチャレンジができた。もう一度走りたい」と語る竹之内は翌週のUCIワールドカップ第2戦コクサイデ出場後に帰国。野辺山シクロクロスと関西シクロクロスに出場し、12月14日の全日本選手権に備える予定だ。
選手コメントはスーパープレスティージュ公式サイトより。
スーパープレスティージュ2014-2015第4戦結果
1位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) 1h07'45"
2位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +08"
3位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +19"
4位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +33"
5位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +58"
6位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) +1'26"
7位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス) +1'31"
8位 バルト・ウェレンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +2'10"
9位 スヴェン・ファントーレンハウト(ベルギー、クレランAAドリンク) +2'26"
10位 バルト・アールノーツ(ベルギー、コレンドン・クワドロサイクリング) +2'36"
33位 竹之内悠(日本、ベランクラシックドルチーニ)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ガーフェレの森を走るコースは起伏に富んでおり、その路面の大部分がスリッピーな泥で覆われている。乗車率の低い登りとパワーが必要な平地、そして神経質な下りが組み合わされたタフコース。平均スピードが遅く(18〜19km/h)、ピットでのバイク交換の頻度が高いコースだ。
ホールショットを取ったロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス)を抜いて先頭に立ったのはスーパープレスティージュ第3戦を制したトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)。レースは終始メーウセンのアグレッシブな走りにリードされる展開となる。
ここにケヴィン・パウエルスとクラース・ファントルノート(ともにベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)、そしてマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)が追いついて先頭パックを形成。毎周回バイク交換しなければ泥詰まりを起こすような状態の中、2周目に入るとファンデルポールとメーウセンがペースアップを継続した。
「タイム差がつきやすいコースで、スタートから慎重になりすぎた。さらにチェーントラブルで15秒ほど止まったことで先頭から大きく遅れた」と語るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)は2周目を終えた時点で先頭から47秒遅れ。同じくスタートでミスしたラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)は「ペダルキャッチをミスして出遅れてから長い道のりだった。かなり後方に沈んでしまい、普段一緒に走らないような選手たちを抜きながら追い上げたけど届かなかった」と振り返る。両者は忍耐強く先頭を追い続けた。
先頭でプッシュし続けるファンデルポールとメーウセンに、サンウェブ・ナポレオンゲームスの2人がマークを外さずレース後半へ。「若い狼(ファンデルポール)が前半から積極果敢な走りを見せたけど、その罠にはかからなかった。レースを決めるのは如何に後半にかけてペースを上げるかだ」と、32歳のファントルノート。
直進するのも難しい泥コースでファントルノートが抜け出すとファンデルポールが脱落。最終周回を前に今一度ファントルノートがアタックすると、パウエルスとメーウセンは千切れた。
「もう少し早めに仕掛けることも出来たけど、終盤までチャンスを待った。残り2周で後方と距離が空いた時に確信をもってペースアップ。ネイスが追い上げてきていたし、行くしかなかった」と語るファントルノートがフィニッシュまで独走した。
世界選手権で2度の銀メダルを経験しているサンウェブのエースが自身4度目のスーパープレスティージュ勝利。チームメイトのパウエルスが2位を射止め、後方から追い上げたネイスが3位に入っている。
「最後まで追い込んだが、同時に先頭もペースアップしていた。彼らを脅かすには至らなかった」とネイスは悔やむが、6位に沈んだファンデルポールに代わってスーパープレスティージュのランキングトップに返り咲いている。前半に攻めた若手が後半に失速し、後半に仕掛けたベテランが上位を占める結果となった。
泥コースで周回遅れとなった竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)は33位でレースを終えた。「結果も悔しいけど、いいチャレンジができた。もう一度走りたい」と語る竹之内は翌週のUCIワールドカップ第2戦コクサイデ出場後に帰国。野辺山シクロクロスと関西シクロクロスに出場し、12月14日の全日本選手権に備える予定だ。
選手コメントはスーパープレスティージュ公式サイトより。
スーパープレスティージュ2014-2015第4戦結果
1位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) 1h07'45"
2位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +08"
3位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +19"
4位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +33"
5位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +58"
6位 マテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス) +1'26"
7位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス) +1'31"
8位 バルト・ウェレンス(ベルギー、テレネット・フィデア) +2'10"
9位 スヴェン・ファントーレンハウト(ベルギー、クレランAAドリンク) +2'26"
10位 バルト・アールノーツ(ベルギー、コレンドン・クワドロサイクリング) +2'36"
33位 竹之内悠(日本、ベランクラシックドルチーニ)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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