2014/11/02(日) - 21:05
11月1日、ベルギーでBpostBankトロフェー第2戦「コッペンベルグクロス」が開催。これまで同会場で9勝を飾っているスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)が冷静沈着な走りを見せたものの、物議を醸すスプリントでワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)が勝利した。
ロンド・ファン・フラーンデレンでお馴染みコッペンベルグや名物の泥キャンバーダウンヒルを含む周回コースで行なわれたBpostBankトロフェー第2戦。ポイント制ではなく総合タイムで争われるシリーズでリーダーについているのは開幕戦で圧勝したベルギーチャンピオンのネイスだ。ネイスはコッペンベルグクロスで過去に9勝を飾っており、相性の良いコースで10勝の大台に乗せることが出来るかに注目が集まっていた。
ホールショットを取ったのは得意のダッシュ力を遺憾なく発揮したオランダチャンピオンのラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)。20名弱の大きなパックが形成されたが、ネイスのアタックによってパックは粉砕する。
ネイスにはファンデルハールやファンアールト、クラース・ファントルノートとケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)らが追いつき、そこから更にファンデルハールがアタック。一時的にネイスは後方に取り残されたものの落ち着いた走りで先頭パックのポジションをキープする。
断続的に先頭が入れ替わる混戦模様のままレースは後半に入り、残り2周を前にパウエルスがアタック。15秒ほどのリードでパウエルスが独走したものの、最終周回でファンアールトとファントルノート、ネイスが合流する。10勝目を目指して仕掛けたネイスに反応出来たのはファンアールトだけだった。
ネイスの執拗なペースアップにも屈しなかったファンアールトがリードしたまま最終ストレートへと向かう。すると前方にはファンアールトのチームメイトであるジャン・デニュウラール(ベルギー、ファストフートサービス)の姿が。ちょうどデニュウラールを抜くタイミングがスプリント開始と重なり、ネイスを一気に引き離したファンアールトが先着した。
勝利したファンアールトは1994年生まれの20歳。2012-2013年シーズンのスーパープレスティージュ・エスポワール(U23)で年間チャンピオンに輝き、2013-2014年シーズンはU23世界チャンピオンに輝くとともにBpostBankトロフェー・エスポワールのチャンピオンに。今シーズン早速エリートレースで実力を示した。
「上がり調子だったもののこれは予想していなかった勝利。最終周回で間違いなくスヴェンがアタックすると思っていたからすぐに反応して、ハイペースに食らいついた。攻防の末のスプリントは本当にキツかったけど、勝つことが出来てファンタスティックだ」とファンアールトは語る。スーパープレスティージュ初戦を制した19歳のマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)とともに注目の新星だ。
周回遅れのチームメイトが勝負に影響したことについてファンアールトは「(デニュウラールに邪魔されたのは)スヴェンだけじゃなくて自分も一緒。自分の後ろで何が起こったのか見ていない。不運な出来事であり、出来ることならピュアなスプリントで勝ちたかった」と語っている。
一方、フィニッシュラインでデニュウラールに対して怒りのジェスチャーを送ったネイスは「最終コーナーを抜けたところでワウトに対してスプリントしようとした瞬間、デニュウラールに前を塞がれた。そこで距離が空いた致命的となり、スプリントに負けたんだ。そこまでパーフェクトなレース運びだっただけに不愉快だ。決して得意ではない暑いコンディションだったけど、10勝目のチャンスがすぐそこにあった」と嫌悪感を露にする。同時に「でもこれだけは明らかにしておきたい。ワウトのパフォーマンスは素晴らしかった。彼の走りには脱帽だった」と勝者を讃えた。
全日本チャンピオンの竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)は最終周回に入ることが出来ず、マイナス1ラップの31位に。他のエリート選手同様、竹之内は翌日のスーパープレスティージュ第2戦にも出場予定だ。
選手コメントはレース公式サイトより。
BpostBankトロフェー2014-2015第2戦
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) 58'59"
2位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +02"
3位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +11"
4位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +17"
5位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +26"
6位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +53"
7位 バルト・アールノーツ(ベルギー、コレンドン・クワドロサイクリング) +1'13"
8位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア) +1'14"
9位 ニールス・ウッベン(オランダ、テレネット・フィデア) +1'33"
10位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +1'57"
31位 竹之内悠(日本、ベランクラシックドルチーニ) -1Lap
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ロンド・ファン・フラーンデレンでお馴染みコッペンベルグや名物の泥キャンバーダウンヒルを含む周回コースで行なわれたBpostBankトロフェー第2戦。ポイント制ではなく総合タイムで争われるシリーズでリーダーについているのは開幕戦で圧勝したベルギーチャンピオンのネイスだ。ネイスはコッペンベルグクロスで過去に9勝を飾っており、相性の良いコースで10勝の大台に乗せることが出来るかに注目が集まっていた。
ホールショットを取ったのは得意のダッシュ力を遺憾なく発揮したオランダチャンピオンのラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)。20名弱の大きなパックが形成されたが、ネイスのアタックによってパックは粉砕する。
ネイスにはファンデルハールやファンアールト、クラース・ファントルノートとケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)らが追いつき、そこから更にファンデルハールがアタック。一時的にネイスは後方に取り残されたものの落ち着いた走りで先頭パックのポジションをキープする。
断続的に先頭が入れ替わる混戦模様のままレースは後半に入り、残り2周を前にパウエルスがアタック。15秒ほどのリードでパウエルスが独走したものの、最終周回でファンアールトとファントルノート、ネイスが合流する。10勝目を目指して仕掛けたネイスに反応出来たのはファンアールトだけだった。
ネイスの執拗なペースアップにも屈しなかったファンアールトがリードしたまま最終ストレートへと向かう。すると前方にはファンアールトのチームメイトであるジャン・デニュウラール(ベルギー、ファストフートサービス)の姿が。ちょうどデニュウラールを抜くタイミングがスプリント開始と重なり、ネイスを一気に引き離したファンアールトが先着した。
勝利したファンアールトは1994年生まれの20歳。2012-2013年シーズンのスーパープレスティージュ・エスポワール(U23)で年間チャンピオンに輝き、2013-2014年シーズンはU23世界チャンピオンに輝くとともにBpostBankトロフェー・エスポワールのチャンピオンに。今シーズン早速エリートレースで実力を示した。
「上がり調子だったもののこれは予想していなかった勝利。最終周回で間違いなくスヴェンがアタックすると思っていたからすぐに反応して、ハイペースに食らいついた。攻防の末のスプリントは本当にキツかったけど、勝つことが出来てファンタスティックだ」とファンアールトは語る。スーパープレスティージュ初戦を制した19歳のマテュー・ファンデルポール(オランダ、BKCPパワープラス)とともに注目の新星だ。
周回遅れのチームメイトが勝負に影響したことについてファンアールトは「(デニュウラールに邪魔されたのは)スヴェンだけじゃなくて自分も一緒。自分の後ろで何が起こったのか見ていない。不運な出来事であり、出来ることならピュアなスプリントで勝ちたかった」と語っている。
一方、フィニッシュラインでデニュウラールに対して怒りのジェスチャーを送ったネイスは「最終コーナーを抜けたところでワウトに対してスプリントしようとした瞬間、デニュウラールに前を塞がれた。そこで距離が空いた致命的となり、スプリントに負けたんだ。そこまでパーフェクトなレース運びだっただけに不愉快だ。決して得意ではない暑いコンディションだったけど、10勝目のチャンスがすぐそこにあった」と嫌悪感を露にする。同時に「でもこれだけは明らかにしておきたい。ワウトのパフォーマンスは素晴らしかった。彼の走りには脱帽だった」と勝者を讃えた。
全日本チャンピオンの竹之内悠(ベランクラシックドルチーニ)は最終周回に入ることが出来ず、マイナス1ラップの31位に。他のエリート選手同様、竹之内は翌日のスーパープレスティージュ第2戦にも出場予定だ。
選手コメントはレース公式サイトより。
BpostBankトロフェー2014-2015第2戦
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス) 58'59"
2位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) +02"
3位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +11"
4位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) +17"
5位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) +26"
6位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) +53"
7位 バルト・アールノーツ(ベルギー、コレンドン・クワドロサイクリング) +1'13"
8位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア) +1'14"
9位 ニールス・ウッベン(オランダ、テレネット・フィデア) +1'33"
10位 ロブ・ピータース(ベルギー、ファストフートサービス) +1'57"
31位 竹之内悠(日本、ベランクラシックドルチーニ) -1Lap
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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