10月19日、シーズン6戦で行なわれるUCIシクロクロスワールドカップの初戦がオランダで行なわれ、地元のラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)が勝利。2年連続シリーズチャンピオンに向けて好スタートを切った。



バイクを担いで急坂を登る選手たちバイクを担いで急坂を登る選手たち photo:Tim de Waele


暑さで精彩を欠いたスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)暑さで精彩を欠いたスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) photo:Tim de WaeleUCIシクロクロスワールドカップ第1戦の舞台は、アムステル・ゴールドレースの開催地としても知られるオランダのファルケンブルグ。これまでUCIワールドカップはシーズン合計7〜9戦が開催されてきたが、今シーズンはレース数が6戦に減少している。

バイクを担いでキャンバーを駆け上がるジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)らバイクを担いでキャンバーを駆け上がるジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)ら photo:Tim de Waele全日本チャンピオンの竹之内悠(日本、ベランクラシックドルチーニ)が「レースは暑くて暑くて、シクロクロスで初めてボトルの水を飲みました」と振り返るほどの陽気の中、ホールショットを取ったのは小柄な弾丸ファンデルハールだった。

アグレッシブな走りで1周目から先行するラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)アグレッシブな走りで1周目から先行するラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waele地元オランダのチャンピオンジャージを着るファンデルハールはその後もペースを弱めることなく先頭を快走。ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)とトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)が合流し、しばらく3名で先頭パックを形成する。

ペースを弱めずに先頭を走り続けるラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)ペースを弱めずに先頭を走り続けるラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waele合計9周のうち4周目に差し掛かるとメーウセンが先頭から脱落。続いてパウエルスが下りコーナーで落車し、再びファンデルハールの独走が始まる。後方では6名が追走グループを形成したものの、先頭ファンデルハールとのタイム差は縮まらなかった。

最終周回に入ってパウエルスとファンケッセルが追走グループから飛び出したもののファンデルハールは約30秒先。無給水で1時間を走ったオランダチャンピオンが独走でフィニッシュした。

「1周目を終えた時点で『今日は勝てる』と思った。落ち着いて状況を見極めて、パーフェクトなレース運びが出来たと思う。昨シーズンからのパワーアップを感じているし、シーズン前半のピークが来ている」とファンデルハールは振り返る。

ファンデルハールは昨シーズンのUCIワールドカップ初戦ファルケンブルグ大会で優勝し、合計3勝してシリーズチャンピオンに輝いている。今シーズンここまでの成績を見るとスーパープレスティージュ第1戦は2位、BpostBankトロフェー第1戦は5位。相性の良いワールドカップを白星をスタートさせた。「今シーズンは1戦少ないけど、シリーズチャンピオンの行方はまだ分からないよ」とUCIワールドカップリーダージャージを手にしたファンデルハールは語った。

1週間前のBpostBankトロフェーで勝利したスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)はレース中盤に大きくペースを落とし、最終周回に入ることなくバイクを降りた。6度のUCIワールドカップチャンピオンは「ここまで暑いレースは珍しい。気温20度の先週(BpostBankトロフェー)は問題なかったのに、今日は力が入らなかった。今日はバッドデーだった」と語っている。欧州レース転戦中の竹之内悠は周回遅れの44位だった。



独走のままフィニッシュしたラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)独走のままフィニッシュしたラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waele
表彰台の真ん中に立つラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)表彰台の真ん中に立つラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waele




UCIシクロクロスワールドカップ2014-2015第1戦
1位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)       1h05'42"
2位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)      +26"
3位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)          +34"
4位 クラース・ファントルノート(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)   +38"
5位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)
6位 タイス・ファンアメロンゲン(オランダ、テレネット・フィデア)        +41"
7位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCPパワープラス)          +48"
8位 イェンス・アダムス(ベルギー、ファストフートサービス)          +59"
9位 ジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)         +1'10"
10位 ジャンニ・フェルメールス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)  +1'24"

44位 竹之内悠(日本、ベランクラシックドルチーニ)              -4Laps

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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