オリカ・グリーンエッジやトライアスリートのセバスチャン・キーンレら活躍を支えてきたスコットのエアロバイク「PLASMA」がフルモデルチェンジを果たした。空力性能の追求はもちろんのこと、調整幅を拡大することでより快適に速く走れるポジションを実現しやすくなったことが特徴だ。



スコット PLASMA TEAM ISSUEスコット PLASMA TEAM ISSUE photo:Makoto.Ayano
今回登場した「PLASMA 5」はエアロロードバイク「FOIL」の開発に携わった空力エンジニアが、再びエアロダイナミクスの監修を行ったTT/トライアスロン兼用エアロバイク。開発にあたってはメルセデス・ベンツの風洞実験施設を使い、時間をかけて空力性能を煮詰めたという。

前作PLASMA3との差異はフロントブレーキのカバー、ダウンチューブとタイヤのクリアランスを狭めたこと、3次元的な形状のチェーンステー、シートステーとシートチューブの接合部付近のデサインなど。各チューブは翼断面とカムテール形状を織り交ぜることでより高い空力性能を追求している。

黒ベースのフレームに蛍光イエローが映えるPLASMA TEAM ISSUE黒ベースのフレームに蛍光イエローが映えるPLASMA TEAM ISSUE photo:Makoto.Ayanoトライアスロン用のゴム製ストレージは補給食の出し入れがしやすいトライアスロン用のゴム製ストレージは補給食の出し入れがしやすい

曲線的なデザインのチェーンステーは高いエアロ効果を期待できる曲線的なデザインのチェーンステーは高いエアロ効果を期待できる インテグレーテッドデザインのフロントフォーク周辺は高い空力性能を実現する。ブレーキはダイレクトマウントだ  。インテグレーテッドデザインのフロントフォーク周辺は高い空力性能を実現する。ブレーキはダイレクトマウントだ 。


近年のTTブレーキで注目すべきポイントの1つであるブレーキは前後共ダイレクトマウントに変更。空気が真っ先にあたるフロントフォークはテクトロ社と共同開発を行ったデュアルピボット/センタープル方式のオリジナルブレーキにあわせて設計されており、ブレーキカバーを装着することで更に高いエアロ効果を得ることができる。結果、従来モデルと比較するしてTT仕様で5%、トライアスロン仕様で7%ものエアロダイナミクス向上を達成している。

さらに、スコットはライダーの乗車姿勢がパフォーマンス、エアロダイナミクスに影響を与えると考えて、サドルとハンドルバーの調整幅を拡大。サドル位置はシートポストをシートチューブの直線上からオフセットさせることで、従来モデルと比較して10mm前方にセットさせることができ、よりアグレッシブな前乗りが可能に。

独特なシートチューブの造形は横剛性とエアロ効果を高める 独特なシートチューブの造形は横剛性とエアロ効果を高める  ハイドレーションシステムは空力が考慮されたデザインとなったハイドレーションシステムは空力が考慮されたデザインとなった


ステムはトップチューブと直線で結ばれるTT用と、ステム長はそのままに高さを45mm上げたトライアスロン用の2種類だ。ベースバーはステムに対してフラット、上がり気味、下がり気味のポジション取りが可能な3種類。もちろんこれらのパーツもエアロダイナミクスが考慮された設計となっている。

ブレーキは前後共にダイレクトマウントを採用。空気が真っ先にあたるフロントフォークはテクトロ社と共同開発を行ったデュアルピボット/センタープル方式のオリジナルブレーキにあわせて設計されており、ブレーキカバーを装着した時のエアロ効果を高める。また、フォークはシマノなど標準的なダイレクトマウントブレーキも搭載可能だ。

スコット PLASMA TEAM ISSUEスコット PLASMA TEAM ISSUE (c)スコット・ジャパン
スコット PLASMA 10スコット PLASMA 10 (c)スコット・ジャパン
ステムはトップチューブと直線で結ばれるTT用とステム長はそのままに高さを45mm上げたトライアスロン用の2種類が、ベースバーはステムに対してフラット、上がり気味、下がり気味の3種類が用意される。結果、ライダー個々にフィットした理想のポジションがより実現しやすくなった。

エアロダイナミクスを追求する一方で走行性能も犠牲にしておらず、素材のHMX TTカーボンにはIMPテクノロジーを取り入れ剛性を確保。上ワンのベアリングをステム上部に配置することでヘッドチューブの剛性を高め、独特な形状のチェーンステーはペダリングパワーのロスを最小限に抑えている。

スコット PLASMA 20スコット PLASMA 20 (c)スコット・ジャパン
また、トライアスロンでの使い勝手を高めたことも特徴の1つだ。プロファイルデザインと連携してヘッドチューブの前方にボトルを取り付けられるシステムを開発。従来トップチューブにテープで直付けしていた補給食のスマートな収納を可能とするストレージの搭載した。また、ストレージはM5ボルトで固定されるため、必要に応じてボトルケージと交換できることも嬉しい。これらのアイテムは装着してもパフォーマンスに影響が出ないよう設計されている。

ラインナップはTEAM ISSUE、PREMIUM、10、20という4車種。いずれも完成車パッケージでTEAM ISSUEはスラムRED、PREMIUMはシマノ デュラエース、10がシマノ アルテグラ、20はシマノ 105というアッセンブリだ。下位2グレードに関しては基本設計は上位と同様としながらも、フレーム素材/デザイン、フォーク、パーツの構成を変更することで価格を抑えている。いずれもサイズはS、M、L、XLという4サイズだ。



スコット PLASMA TEAM ISSUE
フレーム:Plasma 5 IMP technology/HMX TT
フォーク:Plasma 5 1" Carbon / integrated
コンポーネント:Sram Red22
ブレーキ:Scottオリジナル(フロント)、Shimano Dura Ace, direct mount(リア)
ホイール:Zipp Carbon 404 Firecrest CC(フロント)、Zipp Carbon 808 Firecrest CC(リア)
サイズ:S、M、L、XL
重量:8.50kg(Mサイズ)
価格:1,500,000円(税抜)

スコット PLASMA PREMIUM
フレーム:Plasma 5 IMP technology/HMX TT
フォーク:Plasma 5 1" Carbon / integrated
コンポーネント:Shimano Dura Ace
ブレーキ:Scottオリジナル(フロント)、Shimano Dura Ace, direct mount(リア)
ホイール:Syncros Race 27 Aero Profile
サイズ:S、M、L、XL
重量:8.90kg(Mサイズ)
価格:850,000円(税抜)

スコット PLASMA 10
フレーム:Plasma 4 IMP technology / HMF TT
フォーク:Plasma 1 1/8" Carbon / integrated
コンポーネント:Shimano Ultegra
ブレーキ:Shimano Ultegra, direct mount
ホイール:Syncros Race 27 Aero Profile
サイズ:S、M、L、XL
重量:8.70kg(Mサイズ)
価格:500,000円(税抜)

スコット PLASMA 20
フレーム:Plasma 4 IMP technology / HMF TT
フォーク:Plasma 1 1/8" Carbon / integrated
コンポーネント:Shimano 105
ブレーキ:Tektro T730F(フロント)、Tektro T740R(リア)
ホイール:Syncros Race 27 Aero Profile
サイズ:S、M、L、XL
重量:9.00kg(Mサイズ)
価格:450,000円(税抜)


最新ニュース(全ジャンル)