2014/09/15(月) - 11:10
第5回グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(UCIワールドツアー)は30名によるゴールスプリント勝負に。勾配4%の最終ストレートで完璧なリードアウトを受けたサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が鮮やかなスプリントで勝利した。
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアルはその名の通りカナダ東部ケベック州最大の都市モントリオールを舞台にしたワンデーレース。英語名はモントリオールだが、現地の公用語フランス語の読みはモンレアル。
舞台となるのは市内中心部に位置するモンレアル大学とモンロイヤル公園を取り囲む12.1kmの周回コース。1974年のロード世界選手権や1976年のモントリオール五輪ロードレースで使用された周回だ。
2日前のグランプリ・シクリスト・ド・ケベックよりも1周あたりの高低差が大きいのが特徴で、登坂距離1800m/平均勾配8%の「カミリアン・ウードの丘」と最大勾配11%の「ポリテクニークの丘(大学理工学部横の丘)」が勝負の鍵を握る。
レースはこのアップダウン周回コースを17周。一日の獲得標高差が3900mに達するタフレースであり、フィニッシュラインは勾配4%の「アヴェニュー・デュ・パルク」に引かれている。グランプリ・シクリスト・ド・ケベックと共通の19チーム・151名がスタートラインに並んだ(鎖骨骨折のヴィショは欠場)。
気温10度前後の寒空の下、アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ.fr)、ルイス・ヴェルヴェーク(ベルギー、ロット・ベリソル)、ヤン・ポランク(スロベニア、ランプレ・メリダ)、ライアン・ロス(カナダ、カナダナショナルチーム)の4名が1周目からエスケープ。5時間に及ぶ長い逃げが始まった。
モビスターの牽引によって集団が分裂するシーンも見られたが、大きな混乱もなく数周回走って集団は1つに戻る。最大11分まで拡大した逃げグループのリードはアスタナとカチューシャ、オリカ・グリーンエッジの集団牽引によって縮小傾向に。
10km毎に1分のペースでタイム差は縮まり、フィニッシュまで3周を残してタイム差は3分を割り込んだ。
逃げ開始から4時間が経過したところでまずロスが遅れ、続いてジャネソンも逃げから脱落。ポランクがヴェルヴェークを振り切って独走を開始する頃、メイン集団では有力チームによるポジション争いが加熱する。
新城幸也(ユーロップカー)はシリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)のために位置取りし、エースを集団先頭で走らせることに尽力。パンク(orメカトラ)によって遅れるシーンも見られたが、集団先頭に舞い戻って任務を続行した。
先頭ポランクは独走のまま最終周回に差し掛かったもののフィニッシュまで10kmを残して吸収される。するとルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が満を持して「カミリアン・ウードの丘」の登りでアタック。ここからフィニッシュまで断続的にアタックが掛かる展開に。
バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)らが先頭でアタックを繰り返したが、決定的な距離が開かないまま「ポリテクニークの丘」をクリア。
平坦区間で飛び出したコスタもピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)による牽引によって引き戻され、およそ30名の集団がアタックを許さないハイスピードを維持してフィニッシュへ。
オリカ・グリーンエッジのイェンス・ケウケレール(ベルギー)、サイモン・イェーツ(イギリス)、ミハエル・アルバジーニ(スイス)、ダリル・インピー(南アフリカ)がゲランスのためにトレインを組んで残り1km。そのまま残り500mの最終180度コーナーを曲がり、インピーによる最終リードアウトが始まった。
番手を取ったセプ・ファンマルク(ベルギー、ベルキン)が付き切れ気味になるほどの状態からゲランスがスプリントを開始する。コスタやトニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)、ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)が懸命に追撃したものの、ゲランスには太刀打ち出来なかった。
2日前のデジャブのようなオーストラリアチャンピオンのガッツポーズ。史上初となるケベック&モンレアル連勝でカナディアンウィークを締めくくったゲランスは「スタートからフィニッシュまで一貫してチームはレースをコントロールし、逃げを捕まえ、完璧なリードアウトでスプリントに持ち込んでくれた。まさにパーフェクトだった」とコメントする。
2週間後に迫ったロード世界選手権エリートロードでゲランスはオーストラリアチームのエースを担う。「ケベックとモンレアルで連勝するなんてアンビリーバブルだ。世界選手権を前にしたタイミングなので、調整が順調に行なえていることを確認出来たよ」。ゲランスはアルカンシェル候補の筆頭としてスペイン・ポンフェラーダのスタートラインに並ぶ。
選手コメントはレース公式サイトより。
グランプリ・シクリスト・ド・モントリオール2014結果
1位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 5h24'27"
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
3位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)
4位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
5位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
7位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
8位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ベルキン)
9位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)
10位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
84位 新城幸也(日本、ユーロップカー) +4'39"
text:Kei Tsuji
photo:gpcqm.ca
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアルはその名の通りカナダ東部ケベック州最大の都市モントリオールを舞台にしたワンデーレース。英語名はモントリオールだが、現地の公用語フランス語の読みはモンレアル。
舞台となるのは市内中心部に位置するモンレアル大学とモンロイヤル公園を取り囲む12.1kmの周回コース。1974年のロード世界選手権や1976年のモントリオール五輪ロードレースで使用された周回だ。
2日前のグランプリ・シクリスト・ド・ケベックよりも1周あたりの高低差が大きいのが特徴で、登坂距離1800m/平均勾配8%の「カミリアン・ウードの丘」と最大勾配11%の「ポリテクニークの丘(大学理工学部横の丘)」が勝負の鍵を握る。
レースはこのアップダウン周回コースを17周。一日の獲得標高差が3900mに達するタフレースであり、フィニッシュラインは勾配4%の「アヴェニュー・デュ・パルク」に引かれている。グランプリ・シクリスト・ド・ケベックと共通の19チーム・151名がスタートラインに並んだ(鎖骨骨折のヴィショは欠場)。
気温10度前後の寒空の下、アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ.fr)、ルイス・ヴェルヴェーク(ベルギー、ロット・ベリソル)、ヤン・ポランク(スロベニア、ランプレ・メリダ)、ライアン・ロス(カナダ、カナダナショナルチーム)の4名が1周目からエスケープ。5時間に及ぶ長い逃げが始まった。
モビスターの牽引によって集団が分裂するシーンも見られたが、大きな混乱もなく数周回走って集団は1つに戻る。最大11分まで拡大した逃げグループのリードはアスタナとカチューシャ、オリカ・グリーンエッジの集団牽引によって縮小傾向に。
10km毎に1分のペースでタイム差は縮まり、フィニッシュまで3周を残してタイム差は3分を割り込んだ。
逃げ開始から4時間が経過したところでまずロスが遅れ、続いてジャネソンも逃げから脱落。ポランクがヴェルヴェークを振り切って独走を開始する頃、メイン集団では有力チームによるポジション争いが加熱する。
新城幸也(ユーロップカー)はシリル・ゴティエ(フランス、ユーロップカー)のために位置取りし、エースを集団先頭で走らせることに尽力。パンク(orメカトラ)によって遅れるシーンも見られたが、集団先頭に舞い戻って任務を続行した。
先頭ポランクは独走のまま最終周回に差し掛かったもののフィニッシュまで10kmを残して吸収される。するとルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が満を持して「カミリアン・ウードの丘」の登りでアタック。ここからフィニッシュまで断続的にアタックが掛かる展開に。
バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)らが先頭でアタックを繰り返したが、決定的な距離が開かないまま「ポリテクニークの丘」をクリア。
平坦区間で飛び出したコスタもピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)による牽引によって引き戻され、およそ30名の集団がアタックを許さないハイスピードを維持してフィニッシュへ。
オリカ・グリーンエッジのイェンス・ケウケレール(ベルギー)、サイモン・イェーツ(イギリス)、ミハエル・アルバジーニ(スイス)、ダリル・インピー(南アフリカ)がゲランスのためにトレインを組んで残り1km。そのまま残り500mの最終180度コーナーを曲がり、インピーによる最終リードアウトが始まった。
番手を取ったセプ・ファンマルク(ベルギー、ベルキン)が付き切れ気味になるほどの状態からゲランスがスプリントを開始する。コスタやトニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)、ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)が懸命に追撃したものの、ゲランスには太刀打ち出来なかった。
2日前のデジャブのようなオーストラリアチャンピオンのガッツポーズ。史上初となるケベック&モンレアル連勝でカナディアンウィークを締めくくったゲランスは「スタートからフィニッシュまで一貫してチームはレースをコントロールし、逃げを捕まえ、完璧なリードアウトでスプリントに持ち込んでくれた。まさにパーフェクトだった」とコメントする。
2週間後に迫ったロード世界選手権エリートロードでゲランスはオーストラリアチームのエースを担う。「ケベックとモンレアルで連勝するなんてアンビリーバブルだ。世界選手権を前にしたタイミングなので、調整が順調に行なえていることを確認出来たよ」。ゲランスはアルカンシェル候補の筆頭としてスペイン・ポンフェラーダのスタートラインに並ぶ。
選手コメントはレース公式サイトより。
グランプリ・シクリスト・ド・モントリオール2014結果
1位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 5h24'27"
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
3位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)
4位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)
5位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
7位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
8位 ジョナタン・イヴェール(フランス、ベルキン)
9位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)
10位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
84位 新城幸也(日本、ユーロップカー) +4'39"
text:Kei Tsuji
photo:gpcqm.ca
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