2014/08/16(土) - 15:10
次々と表れる石畳の急坂で、クラシックスペシャリスト達によるアタックの応酬が繰り広げられた。ゴールへと至るミュールで飛び出したフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)が栄冠を掴み、トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)はリーダーの座についた。
エネコ・ツアー第5ステージの舞台はベルギー中西部の街ヘラールツベルヘンを発着する165.8km。フランドル地方を細かく駆け巡るコースは距離こそ短いものの、お決まりのように「クルイスベルグ」「レベルグ」「ファルケンブルグ」「テンボス」「ボスベルグ」など有名な石畳の急坂が北のクラシックさながらに連続。現在ではロンドから外されている「ミュール・ファン・ヘラールツベルヘン(ミュール・カペルミュール)」が3回登場するのが特徴で、登りの中腹(最大勾配19.8%の激坂区間手前)にフィニッシュラインが引かれている。
穏やかな快晴に恵まれたこの日、スタート直後にベルギーチャンピオンのイェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)とマッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)、パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター)、イワン・ロフニー(ロシア、ティンコフ・サクソ)という4名がエスレープを試みた。
4名を追いかけるメイン集団ではリーダージャージのラース・ボーム(オランダ)率いるベルキンがコントロールを行い、ボーム自らもこのステージを獲る姿勢を崩さない。幾多の急坂をこなしつつ、残り距離を減らしながらレースは後半の勝負所へと近づいていく。
クラシックハンターのフレフ・ファンアフェルマートやフィリップ・ジルベール(共にベルギー)を勝たせたいのはBMCレーシングは、まずシルヴァン・ディリエル(スイス)を使って先制攻撃。ディリエルの動きは失敗に終わったが、これをきっかけにメイン集団は活性化の一途をたどった。
ボームのアタックにはジルベールやファンアフェルマート、イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)らが反応し、強力な逃げができかけたものの、人数を絞り込んだメイン集団によって吸収される。最後のミュールに向かってペースを上げるメイン集団は、残り3.5kmで必死の抵抗を続けていたトレンティンとロフニーをも飲み込んだ。
そして迎えた最終のミュールでは、切れ味鋭いアタックでパヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)が先行する。しかし「自分が小さなときから知っている場所だから、それが大きなアドバンテージになった。」と後に語るファンアフェルマートが渾身のアタックで先頭に立つと、追いすがるブラットとトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)を1秒引き離してゴール。昨年のツアー・オブ・ユタ第1ステージに続く待望の勝利を飾った。
ファンアフェルマートは「ようやく今年勝ち星を挙げることができて素晴らしい気分だ。僕にとってもチームにとっても素晴らしい勝利だったし、パーフェクトなコースだった。もし最後の坂でリードを奪うことができたら、その差をゴールまで詰めるのは難しいと分かっていた。最後は正しいギア選択をするのが難しかったし、十分なスピードでアタックできているか分からなかった。だから最後ラインを切るまでスプリントし続けた。」と喜びをコメント。
そしてステージ2位に入ったドゥムランは、ボーナスタイムでボームを抜き総合リーダーの座に立った。「予定していなかったことだけれど、とても素晴しい気分だ。ツールが僕を強くしてくれた。明日からはハードなステージとなるが、強力なチームと共にレースを上手く運びたい」とコメントしている。
エネコ・ツアー2014第4ステージ
個人総合成績
ポイント賞
トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
スプリント賞
ケニース・ファンビルセン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:So.Isobe
photo:Cor.Vos
エネコ・ツアー第5ステージの舞台はベルギー中西部の街ヘラールツベルヘンを発着する165.8km。フランドル地方を細かく駆け巡るコースは距離こそ短いものの、お決まりのように「クルイスベルグ」「レベルグ」「ファルケンブルグ」「テンボス」「ボスベルグ」など有名な石畳の急坂が北のクラシックさながらに連続。現在ではロンドから外されている「ミュール・ファン・ヘラールツベルヘン(ミュール・カペルミュール)」が3回登場するのが特徴で、登りの中腹(最大勾配19.8%の激坂区間手前)にフィニッシュラインが引かれている。
穏やかな快晴に恵まれたこの日、スタート直後にベルギーチャンピオンのイェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)とマッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)、パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター)、イワン・ロフニー(ロシア、ティンコフ・サクソ)という4名がエスレープを試みた。
4名を追いかけるメイン集団ではリーダージャージのラース・ボーム(オランダ)率いるベルキンがコントロールを行い、ボーム自らもこのステージを獲る姿勢を崩さない。幾多の急坂をこなしつつ、残り距離を減らしながらレースは後半の勝負所へと近づいていく。
クラシックハンターのフレフ・ファンアフェルマートやフィリップ・ジルベール(共にベルギー)を勝たせたいのはBMCレーシングは、まずシルヴァン・ディリエル(スイス)を使って先制攻撃。ディリエルの動きは失敗に終わったが、これをきっかけにメイン集団は活性化の一途をたどった。
ボームのアタックにはジルベールやファンアフェルマート、イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)らが反応し、強力な逃げができかけたものの、人数を絞り込んだメイン集団によって吸収される。最後のミュールに向かってペースを上げるメイン集団は、残り3.5kmで必死の抵抗を続けていたトレンティンとロフニーをも飲み込んだ。
そして迎えた最終のミュールでは、切れ味鋭いアタックでパヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)が先行する。しかし「自分が小さなときから知っている場所だから、それが大きなアドバンテージになった。」と後に語るファンアフェルマートが渾身のアタックで先頭に立つと、追いすがるブラットとトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)を1秒引き離してゴール。昨年のツアー・オブ・ユタ第1ステージに続く待望の勝利を飾った。
ファンアフェルマートは「ようやく今年勝ち星を挙げることができて素晴らしい気分だ。僕にとってもチームにとっても素晴らしい勝利だったし、パーフェクトなコースだった。もし最後の坂でリードを奪うことができたら、その差をゴールまで詰めるのは難しいと分かっていた。最後は正しいギア選択をするのが難しかったし、十分なスピードでアタックできているか分からなかった。だから最後ラインを切るまでスプリントし続けた。」と喜びをコメント。
そしてステージ2位に入ったドゥムランは、ボーナスタイムでボームを抜き総合リーダーの座に立った。「予定していなかったことだけれど、とても素晴しい気分だ。ツールが僕を強くしてくれた。明日からはハードなステージとなるが、強力なチームと共にレースを上手く運びたい」とコメントしている。
エネコ・ツアー2014第4ステージ
1位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
3位 パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)
4位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
5位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)
6位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
8位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
3位 パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)
4位 マッティ・ブレシェル(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
5位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)
6位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
8位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
3h48'37"
+01"
+06"
+01"
+06"
個人総合成績
1位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
2位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)
3位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング)
4位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
6位 パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)
7位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ベルキン)
8位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
9位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキン)
3位 マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシング)
4位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
6位 パヴェル・ブラット(ロシア、カチューシャ)
7位 セプ・ファンマルク(ベルギー、ベルキン)
8位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
9位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
16h34'29"
+02"
+11
+14"
+21"
+23"
+24"
+25"
+28"
+02"
+11
+14"
+21"
+23"
+24"
+25"
+28"
ポイント賞
トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
スプリント賞
ケニース・ファンビルセン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:So.Isobe
photo:Cor.Vos
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