2014/07/24(木) - 11:20
白熱のステージ優勝争いならびに総合争いが繰り広げられたピレネー2日目のツール・ド・フランス第17ステージ。マイヨアポワを着てステージ2勝目を飾ったラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)の他、この日の主役たちのコメントを紹介します。
ステージ2勝目を飾ったラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
レース前のチームミーティングで、終盤に僕をサポートするためのメンバーを序盤の逃げに送り込むことで一致した。ニコラス・ロッシュには助けられたよ。チームとして勝利に繋がる走りが出来たことに満足している。最初の1級山岳で、ビャルヌ(リースGM)に頂上でスプリントしないよう言われたんだ。彼はとても合理的。やみくもに1級山岳でポイントを稼がなくても、ステージ優勝すればマイヨアポワを獲得出来ると諭してくれた。
最後から2つめの1級山岳の時点でタイム差が2分あったので、調子も良かったし、ステージ優勝に届くと思った。最後の超級山岳ではプリート(ロドリゲス)を振り切ることだけを考えていた。3回アタックして距離が開いて、そこから前の選手たちを追い抜きながら先頭ヴィスコンティに合流。フィニッシュ手前の5kmは快適だった。登りが詰め込まれたコースは完全に僕向きだった。
初めてのツール・ド・フランスでステージ2勝。ツールが好きになったよ。ジロとは違って天気が良いので、これまで経験したグランツールの中でベストだ。第10ステージで不運(コンタドールのリタイア)を経験したけど、そこからビャルヌとオレグ(ティンコフ)はステージ優勝狙いに方針を切り替えた。その結果、ステージ3勝、そしてマイヨアポワもやってきた。本当に気分がいい。チームにとってこのジャージは非常に重要なので、明日のステージでも動く必要がある。
ステージ6位で総合10位のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
今日ステージ優勝を飾るためには何かが足りなかった。ヴィスコンティとマイカに追いつくフレッシュな脚や、アタックに反応する俊敏さが必要だった。ステージ優勝にうってつけのステージ、それが今日だった。
ユーロップカーの働きは素晴らしかった。特にアラシロの走りが際立っていた。でもヴィスコンティとマイカには食らいつけなかった。総合上位を狙うためには、ジロとツールのどちらか片方を選ばないといけない。ジロとツールで総合トップ10の成績を残すことが出来れば満足だ。
総合2位を守ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
一時は危なかった。本当に。でもチームメイトが傍にいてくれたから難局を乗り切ることが出来たんだ。リズムを保つことでニーバリとペローとのタイム差を抑え込むことが出来た。
現状ピノとペローが直近のライバル。中でもタイムトライアルに強いペローを警戒している。明日の超級山岳オタカムの登りはよく知っている。ピレネーで2日間走った後なので、かなりハードな闘いになるだろう。
マイヨブランを着る総合3位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
複雑な心境だ。総合3位につけているけど決して気が休まらない。今日はダメージを抑える走りしか出来なかった。アルノー・ジャネソンのおかげで上手くライバルたちの攻撃を処理出来たと思う。
一日中ずっとハードで、特に最後の登りはタフだった。現状総合表彰台が目標ではあるけれど、今日はTTが得意なペローからタイムを失ってしまった。でも彼も僕も人間なのでバッドデーが到来するかもしれない。彼をやっつけるためには今日よりも良い状態で挑まないといけない。
虎視眈々と総合表彰台を狙うジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
ツール3週目は毎日がハード。今日はメンタルの闘いだった。ロメン(バルデ)が先行したことが良いアシストになったよ。彼のおかげで有利にレースを展開出来た。自分のコンディションにはとても満足している。ツール3週目にニーバリと並んで走るなんて。彼は掛かっているギアが一枚違うんだ。
総合争いはシャンゼリゼに着くまで分からない。戦略を慎重に組み立てたい。明日がバッドデーで、ここまで築いてきたものが全て崩れるなんてことも起こり得る。とにかく闘い続けるだけだ。
敢闘賞を獲得したロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
今日は僕向きのステージだった。下りで仕掛けてみたものの結果には繋がらなかった。でもスペクタクルな映像だったと思う。昨日の落胆を忘れ去るために何か動きを見せたかったんだ。総合トップ5入りのために最後まで闘い続ける。
結局最後にモノを言うのは脚だ。山頂フィニッシュでニーバリに対抗出来ているのはペローだけ。彼をサポートすることをいとわない。AG2Rラモンディアールの選手2人が総合トップ5にいる。協調体制は完璧だ。
総合首位を快走するヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
総合争いにおいてすでに大きなリードを得ている。でもオタカムにフィニッシュする明日のステージと個人タイムトライアルのことを考えると、少しでも多くのリードを広げておきたかった。何があっても大丈夫なように、安全マージンとしてね。
今日は(同じシチリア出身の)ジョヴァンニ・ヴィスコンティが攻撃を仕掛けた。この数日間彼のパフォーマンスが上がっているのを感じていたんだ。1月のオーストラリアでの出来事(初戦ダウンアンダーで頸骨骨折)を考えると良い兆し。近い将来大きなレースで勝つと思うよ。どこからこのシチリアの流れが来ているのかは分からない。今も多くのシチリア出身の若手たちがトスカーナやロンバルディアに渡って才能を磨いている。ツールで闘っているヴィスコンティや自分のようなチャンピオンの姿が彼らの刺激になればと思う。
今日はフィニッシュまで距離を残したアタックを警戒して、なるべく多くのチームメイトを残しておきたかった。スカルポーニとヴェストラが序盤からサポートしてくれて、ペイルスルド峠ではイグリンスキーとグリブコが集団を引いた。そしてカンゲルトが最後まで自分のそばにいてくれたんだ。昨日はジャーナリストたちに「周りにチームメイトがいなくて孤立している」なんて言われたけど、全くそんなことはなかった。
調子はとても良い。今日も明日以降のことを考えながらペダリングした。フルームやコンタドールがレースに残っていれば、おそらくもっと追い込む必要があったんだろうなと思う。彼らのアタックは爆発的。彼らのことは本当にリスペクトしているよ。フランス人選手が活躍している状況は別に驚きではない。2年前に出場した時も、ピノはステージ優勝を飾ったし、ウィギンズやフルームと肩を並べていた。これからも次世代のフランス人選手が出てくると思う。
イタリアのマッテオ・レンツィ首相からテキストメッセージが来て、首相官邸で勝利を祝おうと招待されたんだ。優勝したら是非伺いますと返信した。スポーツに興味を示している証拠なので、彼のメッセージは本当に嬉しかった。
ステージ2位に入ったジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
昨年ジロのガリビエでの勝利を再現したかった。でもマイカには敵わなかった。後ろから勢いよく上がってきたので、2人の勝負になると不利になると思っていたよ。レース前半からカチューシャのハイペースが続いて、大きなグループが飛び出したから反応した。でもペースアップには加わらなかった。後ろからアレハンドロ(バルベルデ)が追いついてくることを想定していたけど、逃げグループは強力だった。
今こうして闘うことが出来ているのも、多大な犠牲があってこそ。半年前に脚を骨折して入院していたことを考えると、ツール最難関のステージで2位という結果には満足すべきだ。
text:Kei Tsuji
ステージ2勝目を飾ったラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
レース前のチームミーティングで、終盤に僕をサポートするためのメンバーを序盤の逃げに送り込むことで一致した。ニコラス・ロッシュには助けられたよ。チームとして勝利に繋がる走りが出来たことに満足している。最初の1級山岳で、ビャルヌ(リースGM)に頂上でスプリントしないよう言われたんだ。彼はとても合理的。やみくもに1級山岳でポイントを稼がなくても、ステージ優勝すればマイヨアポワを獲得出来ると諭してくれた。
最後から2つめの1級山岳の時点でタイム差が2分あったので、調子も良かったし、ステージ優勝に届くと思った。最後の超級山岳ではプリート(ロドリゲス)を振り切ることだけを考えていた。3回アタックして距離が開いて、そこから前の選手たちを追い抜きながら先頭ヴィスコンティに合流。フィニッシュ手前の5kmは快適だった。登りが詰め込まれたコースは完全に僕向きだった。
初めてのツール・ド・フランスでステージ2勝。ツールが好きになったよ。ジロとは違って天気が良いので、これまで経験したグランツールの中でベストだ。第10ステージで不運(コンタドールのリタイア)を経験したけど、そこからビャルヌとオレグ(ティンコフ)はステージ優勝狙いに方針を切り替えた。その結果、ステージ3勝、そしてマイヨアポワもやってきた。本当に気分がいい。チームにとってこのジャージは非常に重要なので、明日のステージでも動く必要がある。
ステージ6位で総合10位のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
今日ステージ優勝を飾るためには何かが足りなかった。ヴィスコンティとマイカに追いつくフレッシュな脚や、アタックに反応する俊敏さが必要だった。ステージ優勝にうってつけのステージ、それが今日だった。
ユーロップカーの働きは素晴らしかった。特にアラシロの走りが際立っていた。でもヴィスコンティとマイカには食らいつけなかった。総合上位を狙うためには、ジロとツールのどちらか片方を選ばないといけない。ジロとツールで総合トップ10の成績を残すことが出来れば満足だ。
総合2位を守ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
一時は危なかった。本当に。でもチームメイトが傍にいてくれたから難局を乗り切ることが出来たんだ。リズムを保つことでニーバリとペローとのタイム差を抑え込むことが出来た。
現状ピノとペローが直近のライバル。中でもタイムトライアルに強いペローを警戒している。明日の超級山岳オタカムの登りはよく知っている。ピレネーで2日間走った後なので、かなりハードな闘いになるだろう。
マイヨブランを着る総合3位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
複雑な心境だ。総合3位につけているけど決して気が休まらない。今日はダメージを抑える走りしか出来なかった。アルノー・ジャネソンのおかげで上手くライバルたちの攻撃を処理出来たと思う。
一日中ずっとハードで、特に最後の登りはタフだった。現状総合表彰台が目標ではあるけれど、今日はTTが得意なペローからタイムを失ってしまった。でも彼も僕も人間なのでバッドデーが到来するかもしれない。彼をやっつけるためには今日よりも良い状態で挑まないといけない。
虎視眈々と総合表彰台を狙うジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
ツール3週目は毎日がハード。今日はメンタルの闘いだった。ロメン(バルデ)が先行したことが良いアシストになったよ。彼のおかげで有利にレースを展開出来た。自分のコンディションにはとても満足している。ツール3週目にニーバリと並んで走るなんて。彼は掛かっているギアが一枚違うんだ。
総合争いはシャンゼリゼに着くまで分からない。戦略を慎重に組み立てたい。明日がバッドデーで、ここまで築いてきたものが全て崩れるなんてことも起こり得る。とにかく闘い続けるだけだ。
敢闘賞を獲得したロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
今日は僕向きのステージだった。下りで仕掛けてみたものの結果には繋がらなかった。でもスペクタクルな映像だったと思う。昨日の落胆を忘れ去るために何か動きを見せたかったんだ。総合トップ5入りのために最後まで闘い続ける。
結局最後にモノを言うのは脚だ。山頂フィニッシュでニーバリに対抗出来ているのはペローだけ。彼をサポートすることをいとわない。AG2Rラモンディアールの選手2人が総合トップ5にいる。協調体制は完璧だ。
総合首位を快走するヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
総合争いにおいてすでに大きなリードを得ている。でもオタカムにフィニッシュする明日のステージと個人タイムトライアルのことを考えると、少しでも多くのリードを広げておきたかった。何があっても大丈夫なように、安全マージンとしてね。
今日は(同じシチリア出身の)ジョヴァンニ・ヴィスコンティが攻撃を仕掛けた。この数日間彼のパフォーマンスが上がっているのを感じていたんだ。1月のオーストラリアでの出来事(初戦ダウンアンダーで頸骨骨折)を考えると良い兆し。近い将来大きなレースで勝つと思うよ。どこからこのシチリアの流れが来ているのかは分からない。今も多くのシチリア出身の若手たちがトスカーナやロンバルディアに渡って才能を磨いている。ツールで闘っているヴィスコンティや自分のようなチャンピオンの姿が彼らの刺激になればと思う。
今日はフィニッシュまで距離を残したアタックを警戒して、なるべく多くのチームメイトを残しておきたかった。スカルポーニとヴェストラが序盤からサポートしてくれて、ペイルスルド峠ではイグリンスキーとグリブコが集団を引いた。そしてカンゲルトが最後まで自分のそばにいてくれたんだ。昨日はジャーナリストたちに「周りにチームメイトがいなくて孤立している」なんて言われたけど、全くそんなことはなかった。
調子はとても良い。今日も明日以降のことを考えながらペダリングした。フルームやコンタドールがレースに残っていれば、おそらくもっと追い込む必要があったんだろうなと思う。彼らのアタックは爆発的。彼らのことは本当にリスペクトしているよ。フランス人選手が活躍している状況は別に驚きではない。2年前に出場した時も、ピノはステージ優勝を飾ったし、ウィギンズやフルームと肩を並べていた。これからも次世代のフランス人選手が出てくると思う。
イタリアのマッテオ・レンツィ首相からテキストメッセージが来て、首相官邸で勝利を祝おうと招待されたんだ。優勝したら是非伺いますと返信した。スポーツに興味を示している証拠なので、彼のメッセージは本当に嬉しかった。
ステージ2位に入ったジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)
昨年ジロのガリビエでの勝利を再現したかった。でもマイカには敵わなかった。後ろから勢いよく上がってきたので、2人の勝負になると不利になると思っていたよ。レース前半からカチューシャのハイペースが続いて、大きなグループが飛び出したから反応した。でもペースアップには加わらなかった。後ろからアレハンドロ(バルベルデ)が追いついてくることを想定していたけど、逃げグループは強力だった。
今こうして闘うことが出来ているのも、多大な犠牲があってこそ。半年前に脚を骨折して入院していたことを考えると、ツール最難関のステージで2位という結果には満足すべきだ。
text:Kei Tsuji
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