2014/07/22(火) - 08:47
Jプロツアーの中でも屈指の難コースとして知られる福島県の石川ロードで、圧倒的な力を見せつけ優勝したのはホセ・ビセンテ(TeamUKYO)。メイン集団から個の力で強力な逃げ集団に追いつき、さらに残り1周を単独で逃げ切って今シーズンのJプロツアー3勝目を飾った。
13回目の開催となった石川ロード。震災直後の2011年7月、開催が危ぶまれる中「東日本震災復興支援大会」として開催されて以来、開催地の石川町の復興と健在ぶりをアピールしてきた。目に見える震災の痕跡はほとんど無くなったものの、風評被害などの影響はまだ残っていると言う。それでも、入賞者への賞品の数々、地元産品などを振る舞う接待所など、町を挙げての歓迎ぶりは変わらない。
石川町の公道に設定された13.6kmの周回コースはアップダウンに富み、一部では「ジェットコースター」と評される。過去のレースで勝ったのは、今年の全日本チャンピオン佐野淳哉(那須ブラーゼン)をはじめ、いずれも実力者ばかり。まぐれ勝ちが無い石川ロードは、今年も学法石川高校からのパレードでスタートした。
周回コースに入ってリアルスタートが切られると、TeamUKYOや那須ブラーゼン、ブリヂストンアンカー勢が抜け出しを図ろうとするが、10秒以上の差がつく動きにはならない。前年覇者の阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)や、初山翔(ブリヂストンアンカー)、土井雪広(TeamUKYO)らが集団前方で積極的に動き、危ない動きにはルビーレッドジャージの増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が自らチェックに入る場面もあり、なかなか逃げが決まらない。
膠着状態から変化が生じたのは3周目。阿部と初山の2人が抜け出し、メイン集団に約30秒の差をつける。2人の逃げは5周目に吸収され、入れ替わるように土井、ロイック・デリアック(TeamJBCF)、鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)、伊丹健治(ブリヂストンアンカー)の4人が抜け出す。ロイックの強力な牽引もあって、メイン集団との差は30秒まで開く。
6周目、ホセ・ビセンテ(TeamUKYO)がメイン集団から飛び出し、単独で逃げ集団の4人を追う。ホセの合流を嫌うロイックが上りで加速すると、鈴木と伊丹の2人が遅れ、代わってホセが土井とロイックに合流。新たに3人の逃げ集団が形成された。
そして最終周回に入る直前、追いついたホセがさらにアタック。「誰もついて来なかったので、そのまま行く事にした」と言うホセは、後続との差を10秒、20秒と広げていく。この直後、土井が後輪のトラブルで遅れ、ロイックが単独でホセを追う事になる。
メイン集団からは鈴木譲、鈴木真理、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉、普久原奨(那須ブラーゼン)、アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)、井上和朗(ブリヂストンアンカー)、武末真和(ロジャースレーシングチーム)、狩野智也(TeamUKYO)の9人が追撃集団を形成する。しかし足並みが揃わず、ホセどころかロイックにも追いつくことが出来ない。差は40秒以上開き、勝負は決まった。
ホセはそのまま最終周回を逃げ切り、余裕のガッツポーズを決めながらゴールラインを超えた。2位にロイック、3位には増田が入り、ルビーレッドジャージを守った。
優勝したホセ・ビセンテ(TeamUKYO)のコメント
アタックのタイミングは土井と話した訳ではなく、自分の判断で行った。後ろに土井がいるので安心して行くことが出来た。海外遠征の為にJプロツアーのレースをいくつか欠場しなければならないので、今年もシリーズチャンピオンになる事は難しいとは思うが、チャレンジしていきたい。
Fクラスタは西加南子が連覇
女子のFクラスタは3周、40.8kmで争われた。2周目で西加南子(LUMINARIA)、針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)、智野真央、新谷瑛里(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT)の4人に絞られ、最後は西が僅差のスプリント勝負を制し、大会2連覇を達成した。
Yクラスタ/ジュニアは、地元白河実業高校の渡辺が優勝
Yクラスタ/ジュニアのクラスは4周+パレードの計61.4kmで争われた。最終周回に残ったのは12人。残り5kmから近藤雄一郎(石川高等学校)がアタックするが逃げ切れずに吸収。その後小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ)や、小池悠介(guruppo bici-okadaman)らがアタックするが、勝負を決めるには至らず。最後は集団でのスプリント勝負となり、渡辺将太(白河実業高等学校)が優勝した。
結果
P1クラスタ
Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
Fクラスタ
Jフェミニンリーダー 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)
Yクラスタ/ジュニア男子
E1クラスタ
E2クラスタ
E3クラスタ
text&photo:Satoru.Kato
13回目の開催となった石川ロード。震災直後の2011年7月、開催が危ぶまれる中「東日本震災復興支援大会」として開催されて以来、開催地の石川町の復興と健在ぶりをアピールしてきた。目に見える震災の痕跡はほとんど無くなったものの、風評被害などの影響はまだ残っていると言う。それでも、入賞者への賞品の数々、地元産品などを振る舞う接待所など、町を挙げての歓迎ぶりは変わらない。
石川町の公道に設定された13.6kmの周回コースはアップダウンに富み、一部では「ジェットコースター」と評される。過去のレースで勝ったのは、今年の全日本チャンピオン佐野淳哉(那須ブラーゼン)をはじめ、いずれも実力者ばかり。まぐれ勝ちが無い石川ロードは、今年も学法石川高校からのパレードでスタートした。
周回コースに入ってリアルスタートが切られると、TeamUKYOや那須ブラーゼン、ブリヂストンアンカー勢が抜け出しを図ろうとするが、10秒以上の差がつく動きにはならない。前年覇者の阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)や、初山翔(ブリヂストンアンカー)、土井雪広(TeamUKYO)らが集団前方で積極的に動き、危ない動きにはルビーレッドジャージの増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が自らチェックに入る場面もあり、なかなか逃げが決まらない。
膠着状態から変化が生じたのは3周目。阿部と初山の2人が抜け出し、メイン集団に約30秒の差をつける。2人の逃げは5周目に吸収され、入れ替わるように土井、ロイック・デリアック(TeamJBCF)、鈴木真理(宇都宮ブリッツェン)、伊丹健治(ブリヂストンアンカー)の4人が抜け出す。ロイックの強力な牽引もあって、メイン集団との差は30秒まで開く。
6周目、ホセ・ビセンテ(TeamUKYO)がメイン集団から飛び出し、単独で逃げ集団の4人を追う。ホセの合流を嫌うロイックが上りで加速すると、鈴木と伊丹の2人が遅れ、代わってホセが土井とロイックに合流。新たに3人の逃げ集団が形成された。
そして最終周回に入る直前、追いついたホセがさらにアタック。「誰もついて来なかったので、そのまま行く事にした」と言うホセは、後続との差を10秒、20秒と広げていく。この直後、土井が後輪のトラブルで遅れ、ロイックが単独でホセを追う事になる。
メイン集団からは鈴木譲、鈴木真理、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、佐野淳哉、普久原奨(那須ブラーゼン)、アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)、井上和朗(ブリヂストンアンカー)、武末真和(ロジャースレーシングチーム)、狩野智也(TeamUKYO)の9人が追撃集団を形成する。しかし足並みが揃わず、ホセどころかロイックにも追いつくことが出来ない。差は40秒以上開き、勝負は決まった。
ホセはそのまま最終周回を逃げ切り、余裕のガッツポーズを決めながらゴールラインを超えた。2位にロイック、3位には増田が入り、ルビーレッドジャージを守った。
優勝したホセ・ビセンテ(TeamUKYO)のコメント
アタックのタイミングは土井と話した訳ではなく、自分の判断で行った。後ろに土井がいるので安心して行くことが出来た。海外遠征の為にJプロツアーのレースをいくつか欠場しなければならないので、今年もシリーズチャンピオンになる事は難しいとは思うが、チャレンジしていきたい。
Fクラスタは西加南子が連覇
女子のFクラスタは3周、40.8kmで争われた。2周目で西加南子(LUMINARIA)、針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)、智野真央、新谷瑛里(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT)の4人に絞られ、最後は西が僅差のスプリント勝負を制し、大会2連覇を達成した。
Yクラスタ/ジュニアは、地元白河実業高校の渡辺が優勝
Yクラスタ/ジュニアのクラスは4周+パレードの計61.4kmで争われた。最終周回に残ったのは12人。残り5kmから近藤雄一郎(石川高等学校)がアタックするが逃げ切れずに吸収。その後小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ)や、小池悠介(guruppo bici-okadaman)らがアタックするが、勝負を決めるには至らず。最後は集団でのスプリント勝負となり、渡辺将太(白河実業高等学校)が優勝した。
結果
P1クラスタ
1位 ホセ・ビセンテ(TeamUKYO)
2位 ロイック・デリアック(TeamJBCF)
3位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
4位 土井雪広(TeamUKYO)
5位 佐野淳哉(那須ブラーゼン)
6位 武末真和(ロジャースレーシングチーム)
2位 ロイック・デリアック(TeamJBCF)
3位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
4位 土井雪広(TeamUKYO)
5位 佐野淳哉(那須ブラーゼン)
6位 武末真和(ロジャースレーシングチーム)
2時間58分00秒
+33秒
+47秒
+48秒
+49秒
+50秒
+33秒
+47秒
+48秒
+49秒
+50秒
Jプロツアーリーダー 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
U23リーダー 堀孝明(宇都宮ブリッツェン)
Fクラスタ
1位 西加南子(LUMINARIA)
2位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)
3位 智野真央(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT)
2位 針谷千紗子(Live GARDEN BICI STELLE)
3位 智野真央(NEILPRYDE-MENS CLUB JFT)
1時間16分06秒
Jフェミニンリーダー 棟近陽子(EURO-WORKS Racing)
Yクラスタ/ジュニア男子
1位 渡辺将太(白河実業高等学校)
2位 近藤雄一郎(学校法人石川高等学校)
3位 小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
4位 槌田拓海(横浜高校自転車競技部)
5位 渡辺 歩(学校法人石川高等学校)
6位 渡邉祐希(学校法人石川高等学校)
2位 近藤雄一郎(学校法人石川高等学校)
3位 小野康太郎(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
4位 槌田拓海(横浜高校自転車競技部)
5位 渡辺 歩(学校法人石川高等学校)
6位 渡邉祐希(学校法人石川高等学校)
1時間41分34秒
+1秒
+3秒
+1秒
+3秒
E1クラスタ
1位 清宮洋幸(竹芝サイクルレーシング)
2位 西薗良太(Champion System Japan)
3位 川田優作(Honda栃木)
4位 原 純一(竹芝サイクルレーシング)
5位 井上政貴(Morico Wave勇城)
6位 松井大悟(トンデモクラブCSKAGA)
2位 西薗良太(Champion System Japan)
3位 川田優作(Honda栃木)
4位 原 純一(竹芝サイクルレーシング)
5位 井上政貴(Morico Wave勇城)
6位 松井大悟(トンデモクラブCSKAGA)
2時間01分25秒
+2秒
+4秒
+2秒
+4秒
E2クラスタ
1位 山藤祐輔(なるしまフレンド)
2位 細川倫央(岩井商会レーシング)
3位 谷内田涼(TOKYO VENTOS)
4位 小山雄司(快レーシング)
5位 大野国寿(F(t)麒麟山 Racing)
6位 大津将史(WE LOVE O2)
2位 細川倫央(岩井商会レーシング)
3位 谷内田涼(TOKYO VENTOS)
4位 小山雄司(快レーシング)
5位 大野国寿(F(t)麒麟山 Racing)
6位 大津将史(WE LOVE O2)
1時間28分43秒
+2秒
+19秒
+22秒
+23秒
+2秒
+19秒
+22秒
+23秒
E3クラスタ
1位 宇田川陽平(ブラウブリッツェン)
2位 安立和喜(チームフィンズ)
3位 佐藤文彦(スミタ・エイダイ・パールイズミ)
4位 伊藤太平(エクストリームつくば)
5位 福永達也(VC Fukuoka Oceans)
6位 成毛千尋(チームオーベスト)
2位 安立和喜(チームフィンズ)
3位 佐藤文彦(スミタ・エイダイ・パールイズミ)
4位 伊藤太平(エクストリームつくば)
5位 福永達也(VC Fukuoka Oceans)
6位 成毛千尋(チームオーベスト)
1時間28分39秒
+3秒
+4秒
+5秒
+3秒
+4秒
+5秒
text&photo:Satoru.Kato