2014/06/19(木) - 07:22
残り300mのコーナーを抜けてすぐ、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が宙を舞った。「落車を避けるためにポジションを落としていた」というカヴェンディッシュが落車。サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)が混乱のスプリントを射止めた。
オッシンゲンからビューレン・アン・デア・アーレまでの183.6kmに登場するカテゴリー山岳は4つ。前半に4級、3級、3級と続き、残り25km地点で4級をクリアする。いずれもスプリンターには問題の無いレベルの山岳。つまり2日連続でスプリンターたちにチャンスが回ってくる。
先週から風邪をおして出場を続け、前日に落車したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)はスタートせず。翌週のイギリス選手権を視野にリタイアした。
サンデル・アルミー(ベルギー、ロット・ベリソル)、ヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、CCCポルサット)、フレデリック・フェヘレン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)という3名の逃げは最大5分のリードを得たものの、この日もオメガファーマ・クイックステップが集団を統率。トニ・マルティン(ドイツ)の総合首位堅守とカヴェンディッシュのスプリント勝利に向けて集団を牽引し続けた。
フィニッシュまで40kmを残してタイム差は2分に。レース後半にはカチューシャも集団牽引に合流し、トラブルを避けたい総合系チームのポジション争いも加わり、残り10kmで逃げは吸収される。スピードが上がりきった状態でレースはビューレン・アン・デア・アーレの街に差し掛かった。
この日も最も人数を揃えてリードアウトトレインを組んだのはジャイアント・シマノ。マーク・レンショー(オーストラリア)に連れられたカヴェンディッシュがその後ろでポジションをキープする。
ジャイアント・シマノのトレインが崩れ、各チームが入り乱れる状態で残り300mから始まる連続コーナーに突入。するとそこでカヴェンディッシュを含めた落車が発生する。イギリスチャンピオンジャージがハイスピードで地面に投げ出された。
「もっと重傷を負ってもおかしくない落車だった。レンショーに連れられて好位置をキープしたものの、残り1kmを切ったところで色んなラインから選手が上がる混戦となり、落車を避けるためにレンショーから離れたんだ。確実に何人かがオーバースピードで突っ込むと思ったので、落車だけは避けたかった。でも残念ながら目の前で落車が起こってしまった。避ける方法は無かった」と、肩を落としてフィニッシュしたカヴェンディッシュは振り返っている。カヴェンディッシュは翌日もスタートラインに並ぶ見通しだ。
先頭では落車を避けたスプリンターによるバトルが始まり、ポイント賞ジャージを着るペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)の後ろからモードロが発進。平坦なハイスピードバトルではモードロに分があった。
「レース前に監督とコースレイアウトをしっかりチェックして、連続コーナーを先頭近くで抜ける必要があると結論づけた」と語るモードロが勝利。シーズン序盤から勝利数を重ねたモードロが、イタリア人最多のシーズン7勝目を飾った。
ツール・ド・フランスに出場予定のモードロは前哨戦での勝利を喜ぶ。「チームメイトのおかげで無駄な力を使わずに済み、うまくサガンの番手を取ったんだ。タイミング良く引き上げてくれたリケーゼの存在が大きかった。数ヶ月スプリント戦線から遠ざかっていたので、ツール前のタイミングで自信に繋がる勝利を掴めて良かったよ」。
エーススプリンターの落車というフィナーレとなったものの、オメガファーマ・クイックステップはリーダージャージをキープ。ステージ2位のサガンがボーナスタイムによってマルティンとのタイム差を10秒に詰めている。
選手コメントはオメガファーマ・クイックステップならびにランプレ・メリダ公式サイトより。
ツール・ド・スイス2014第5ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)
チーム総合成績
ジャイアント・シマノ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
オッシンゲンからビューレン・アン・デア・アーレまでの183.6kmに登場するカテゴリー山岳は4つ。前半に4級、3級、3級と続き、残り25km地点で4級をクリアする。いずれもスプリンターには問題の無いレベルの山岳。つまり2日連続でスプリンターたちにチャンスが回ってくる。
先週から風邪をおして出場を続け、前日に落車したブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)はスタートせず。翌週のイギリス選手権を視野にリタイアした。
サンデル・アルミー(ベルギー、ロット・ベリソル)、ヤロスラフ・マリチャ(ポーランド、CCCポルサット)、フレデリック・フェヘレン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)という3名の逃げは最大5分のリードを得たものの、この日もオメガファーマ・クイックステップが集団を統率。トニ・マルティン(ドイツ)の総合首位堅守とカヴェンディッシュのスプリント勝利に向けて集団を牽引し続けた。
フィニッシュまで40kmを残してタイム差は2分に。レース後半にはカチューシャも集団牽引に合流し、トラブルを避けたい総合系チームのポジション争いも加わり、残り10kmで逃げは吸収される。スピードが上がりきった状態でレースはビューレン・アン・デア・アーレの街に差し掛かった。
この日も最も人数を揃えてリードアウトトレインを組んだのはジャイアント・シマノ。マーク・レンショー(オーストラリア)に連れられたカヴェンディッシュがその後ろでポジションをキープする。
ジャイアント・シマノのトレインが崩れ、各チームが入り乱れる状態で残り300mから始まる連続コーナーに突入。するとそこでカヴェンディッシュを含めた落車が発生する。イギリスチャンピオンジャージがハイスピードで地面に投げ出された。
「もっと重傷を負ってもおかしくない落車だった。レンショーに連れられて好位置をキープしたものの、残り1kmを切ったところで色んなラインから選手が上がる混戦となり、落車を避けるためにレンショーから離れたんだ。確実に何人かがオーバースピードで突っ込むと思ったので、落車だけは避けたかった。でも残念ながら目の前で落車が起こってしまった。避ける方法は無かった」と、肩を落としてフィニッシュしたカヴェンディッシュは振り返っている。カヴェンディッシュは翌日もスタートラインに並ぶ見通しだ。
先頭では落車を避けたスプリンターによるバトルが始まり、ポイント賞ジャージを着るペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)の後ろからモードロが発進。平坦なハイスピードバトルではモードロに分があった。
「レース前に監督とコースレイアウトをしっかりチェックして、連続コーナーを先頭近くで抜ける必要があると結論づけた」と語るモードロが勝利。シーズン序盤から勝利数を重ねたモードロが、イタリア人最多のシーズン7勝目を飾った。
ツール・ド・フランスに出場予定のモードロは前哨戦での勝利を喜ぶ。「チームメイトのおかげで無駄な力を使わずに済み、うまくサガンの番手を取ったんだ。タイミング良く引き上げてくれたリケーゼの存在が大きかった。数ヶ月スプリント戦線から遠ざかっていたので、ツール前のタイミングで自信に繋がる勝利を掴めて良かったよ」。
エーススプリンターの落車というフィナーレとなったものの、オメガファーマ・クイックステップはリーダージャージをキープ。ステージ2位のサガンがボーナスタイムによってマルティンとのタイム差を10秒に詰めている。
選手コメントはオメガファーマ・クイックステップならびにランプレ・メリダ公式サイトより。
ツール・ド・スイス2014第5ステージ結果
1位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
3位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
4位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
5位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
6位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
7位 ヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
9位 ニノ・シューター(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
3位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
4位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
5位 フアンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
6位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
7位 ヨナス・ファンヘネヒテン(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
9位 ニノ・シューター(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)
4h08'06"
個人総合成績
1位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
3位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
4位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
5位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ガーミン・シャープ)
6位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
7位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
9位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
10位 マティア・カッターネオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
3位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
4位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
5位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ガーミン・シャープ)
6位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
7位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
9位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
10位 マティア・カッターネオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
18h27'47"
+06"
+10"
+17"
+23"
+27"
+28"
+29"
+06"
+10"
+17"
+23"
+27"
+28"
+29"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)
チーム総合成績
ジャイアント・シマノ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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