2014/06/14(土) - 13:45
重要な山岳2連戦を前にマイヨジョーヌが落車するトラブル発生。ペースを落とすメイン集団を振り切って、逃げから飛び出したヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)とリエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)がスプリント一騎打ちを繰り広げた。
チームスカイのメンバーにエスコートされるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第6ステージ image:A.S.O.「今日のような一騎打ちでは、喜びと落胆が紙一重。スプリントしながら、ヴェストラにドアを閉められる(進路を塞がれる)と思ったよ。でも徐々にスペースを開いてくれた。彼のフェアプレーに感謝している」。3日連続で逃げに乗り、3度目の正直で勝利したバケランツはヴェストラとのスプリントについてそう振り返った。
逃げグループを率いるゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waeleクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第6ステージはグルノーブルからポワシーまでの178.5km。バケランツとヴェストラは、スタート後1時間近くにわたって続いたアタック合戦に加わり、16名の大きな逃げグループに入った。
薄暗いトンネルを抜ける photo:Tim de Waele逃げたのはイェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)やジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)を含む強力なメンバー。総合6分03秒遅れのバケランツを警戒するチームスカイがメイン集団をコントロールし、タイム差を6分以内に押さえ込んだ。
この日は3つの4級山岳を含む細かな起伏が続くレイアウト。スプリントに持ち込みたいFDJ.frやカチューシャが集団牽引を開始したものの、逃げを吸収するほどの勢いは生まれない。やがて逃げ切りが濃厚となった16名の中では残り25kmを切ってからステージ優勝を懸けた闘いが始まる。
最後から2つ目の4級山岳でヴェストラ、バケランツ、ピム・リヒハルト(ベルギー、ロット・ベリソル)が先行。最後の4級山岳でヴェストラがアタックするとリヒハルトが脱落した。
こうして後続を引き離したままフィニッシュに向かったヴェストラとバケランツの2人。短い牽制を経てスプリントが始まる。先に仕掛けたヴェストラとフェンスの間に挟まれたバケランツは一瞬ペダリングを止めたが、勢いを殺さずに先頭へ。バケランツが競り勝った。
「ドーフィネのステージ優勝でシーズンの目標が一つ達成されたよ。3日連続で逃げたけど、ここまでカチューシャ勢にことごとく敗れていた。今日は力を無駄に使うことなく逃げに乗り、スムースなペダリングを心がけた。そのおかげでヴェストラのアタックに反応出来たんだ。中級山岳ステージが得意ということを改めて証明出来たよ」とバケランツは語る。昨年ツール・ド・フランス第2ステージで逃げ切り勝利を飾り、マイヨジョーヌを2日間着用したバケランツがシーズン初勝利を掴んだ。
FDJ.frとチームスカイを先頭に崖の道を進む photo:Tim de Waele
最後の4級山岳でリヒハルトを引き離すヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)とリエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ) photo:Tim de Waele
ヴェストラをスプリントで打ち破ったヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele
フィニッシュまでおよそ10kmを残した下りで落車したのはマイヨジョーヌのフルーム。すぐさまメイン集団がペースを落としたためフルームはタイムを失うことなくフィニッシュした。しかしその左肘や腰からは血が滴れた。
痛々しい姿でフィニッシュしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele
「どうやって落車したのかよく覚えていないけど、前輪が道路脇の砂利に突っ込んだんだ。痛みはあるけど骨折はしていない。何カ所か包帯が必要なぐらいのちょっとした怪我。集団のスピードを落としてくれたライバルたちに感謝している。ティンコフ・サクソとアスタナが集団にペースを落とすよう声をかけてくれた。リスペクトとスポーツマンシップに溢れる行為だ」と、初日からマイヨジョーヌを着続けるフルーム。
ドーフィネの総合争いは翌日からの2連続山頂フィニッシュで決まる。難所を前にフルームは「明日は調子の良い選手が攻撃を仕掛けてくるはず。自分は朝起きて痛みを確認してから、ライバルたちの攻撃に備えるよ」とコメントしている。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第6ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
![チームスカイのメンバーにエスコートされるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/06/14/20144543-232813.jpg)
![クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第6ステージ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/06/08/PROFIL6.png)
![逃げグループを率いるゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/06/14/20144543-232841.jpg)
![薄暗いトンネルを抜ける](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/06/14/20144543-232817.jpg)
この日は3つの4級山岳を含む細かな起伏が続くレイアウト。スプリントに持ち込みたいFDJ.frやカチューシャが集団牽引を開始したものの、逃げを吸収するほどの勢いは生まれない。やがて逃げ切りが濃厚となった16名の中では残り25kmを切ってからステージ優勝を懸けた闘いが始まる。
最後から2つ目の4級山岳でヴェストラ、バケランツ、ピム・リヒハルト(ベルギー、ロット・ベリソル)が先行。最後の4級山岳でヴェストラがアタックするとリヒハルトが脱落した。
こうして後続を引き離したままフィニッシュに向かったヴェストラとバケランツの2人。短い牽制を経てスプリントが始まる。先に仕掛けたヴェストラとフェンスの間に挟まれたバケランツは一瞬ペダリングを止めたが、勢いを殺さずに先頭へ。バケランツが競り勝った。
「ドーフィネのステージ優勝でシーズンの目標が一つ達成されたよ。3日連続で逃げたけど、ここまでカチューシャ勢にことごとく敗れていた。今日は力を無駄に使うことなく逃げに乗り、スムースなペダリングを心がけた。そのおかげでヴェストラのアタックに反応出来たんだ。中級山岳ステージが得意ということを改めて証明出来たよ」とバケランツは語る。昨年ツール・ド・フランス第2ステージで逃げ切り勝利を飾り、マイヨジョーヌを2日間着用したバケランツがシーズン初勝利を掴んだ。
![FDJ.frとチームスカイを先頭に崖の道を進む](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/06/14/20144543-232811.jpg)
![最後の4級山岳でリヒハルトを引き離すヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)とリエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/06/14/20144543-232793.jpg)
![ヴェストラをスプリントで打ち破ったヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/06/14/20144543-232791.jpg)
フィニッシュまでおよそ10kmを残した下りで落車したのはマイヨジョーヌのフルーム。すぐさまメイン集団がペースを落としたためフルームはタイムを失うことなくフィニッシュした。しかしその左肘や腰からは血が滴れた。
![痛々しい姿でフィニッシュしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/06/14/20144543-232797.jpg)
「どうやって落車したのかよく覚えていないけど、前輪が道路脇の砂利に突っ込んだんだ。痛みはあるけど骨折はしていない。何カ所か包帯が必要なぐらいのちょっとした怪我。集団のスピードを落としてくれたライバルたちに感謝している。ティンコフ・サクソとアスタナが集団にペースを落とすよう声をかけてくれた。リスペクトとスポーツマンシップに溢れる行為だ」と、初日からマイヨジョーヌを着続けるフルーム。
ドーフィネの総合争いは翌日からの2連続山頂フィニッシュで決まる。難所を前にフルームは「明日は調子の良い選手が攻撃を仕掛けてくるはず。自分は朝起きて痛みを確認してから、ライバルたちの攻撃に備えるよ」とコメントしている。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第6ステージ結果
1位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)
3位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ピム・リヒハルト(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
6位 イェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)
7位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)
8位 ブラム・タンキンク(オランダ、ベルキン)
9位 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 ジュリアン・シモン(フランス、コフィディス)
2位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)
3位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ピム・リヒハルト(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
6位 イェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)
7位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)
8位 ブラム・タンキンク(オランダ、ベルキン)
9位 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)
10位 ジュリアン・シモン(フランス、コフィディス)
4h07'20"
+24"
+24"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
4位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
8位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
9位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
4位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
7位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
8位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
9位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
23h12'15"
+12"
+33"
+35"
+50"
+1'22"
+1'24"
+1'35"
+12"
+33"
+35"
+50"
+1'22"
+1'24"
+1'35"
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、キャノンデール)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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