2014/06/12(木) - 04:53
今から6年前の2008年、ドーフィネリベレ第5ステージで単独逃げ切り勝利を飾った当時ブイグテレコム所属のユーリ・トロフィモフ(ロシア)が、2014年クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第4ステージで再び輝いた。逃げ切り勝利を飾ったカチューシャライダーは「ツールでも勝ちたい」と意気込む。
晴れ渡るプロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域圏を走る photo:Tim de Waele
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第4ステージ image:A.S.O.いよいよアルプス山脈が近づいてきた。プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域圏の山間の街ギャップにフィニッシュするクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第4ステージ。モンテリマールをスタートする167.5kmコースの大部分は平坦だが、残り12km地点に登場する2級山岳マンス峠がスプリンターたちの頭を悩ませた。
逃げグループを率いるグスタフエリック・ラーション(スウェーデン、IAMサイクリング) photo:Tim de Waeleマンス峠と言えば、2003年ツール・ド・フランスで落車した前走者ホセバ・ベロキ(スペイン)をランス・アームストロング(アメリカ)が避け、草むらを突っ切って事なきをえた峠だ。登坂距離9.6km/平均勾配5.2%の登りがスプリンターの勝負を拒む。まさに逃げ切りに最適なこの中級山岳ステージで、13名が逃げを試みた。
チームスカイのトレインがマイヨジョーヌを導く photo:Tim de Waele初日の個人TTで3位に入ったボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)をはじめ、ペーター・ベリトス(スロバキア、BMCレーシング)やロメン・シカール(フランス、ユーロップカー)、グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、IAMサイクリング)、ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)を含む強力なグループがメイン集団を引き離しにかかる。
山岳地帯を進むプロトン photo:Tim de Waeleしかし、総合23位/2分43秒遅れのマキシム・ブエ(フランス、AG2Rラモンディアール)が逃げに入ったことで、タイム差が劇的に広がることは無かった。「チームスカイはアシストの力を温存する作戦に出ると思っていた。(アルプスを前に)マイヨジョーヌを明け渡す考えだと思っていたんだ。でも違った。目論みは外れた」とブエは振り返る。逃げ切りは容認されたが、タイム差は常に5分以内に押さえ込まれた。
フィニッシュに向かって独走するユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ) photo:Tim de Waeleやがて2級山岳マンス峠が近づくと逃げグループの中からカルーゾが先陣を切ってアタック。一旦カルーゾの動きは封じ込められ、そこからトロフィモフが加速する。頂上まで2kmを残して逃げメンバーを振り切ったトロフィモフがそのままテクニカルな下りに差し掛かった。
逃げメンバーのユンヘルスらが落車し、メイン集団からライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)やティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)が飛び出す中、先頭トロフィモフは快走。ロシアチーム所属のロシアンライダーが、ジャージのジッパーを上げることを忘れるほどの勢いでフィニッシュした。
「昨年のツールで登ったので、最後の山岳(マンス峠)のことは知っていた。逃げに乗ってからも前半は脚を貯め続けた。逃げのメンバーを見極めて、最後の山岳を全開で駆け上がった。でも未だに勝ったなんて信じられないよ。ツールでもこんな勝利を収めてみたい」と、2008年に続く2度目のドーフィネステージ優勝を飾ったトロフィモフ。2009年ブエルタ・アル・パイスバスコのステージ優勝以来となる、5年ぶりの勝利を収めた。
ステージ6位のブエはマイヨジョーヌに対して1分42秒、終盤に飛び出したヘシェダル、ヴァンガーデレン、バルデの3人が39秒のタイムを稼いだものの、総合トップ6の順位に変動は起こらず。連覇が懸かったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が総合首位をキープしたまま後半の山岳ステージに挑むこととなった。
選手コメントはレース公式サイトより。
独走のままフィニッシュするユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ) photo:Tim de Waele
2分10秒遅れでフィニッシュするメイン集団 photo:Tim de Waele
ステージ優勝を飾ったユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ) photo:Tim de Waele
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第4ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
ケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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逃げメンバーのユンヘルスらが落車し、メイン集団からライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)やティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)が飛び出す中、先頭トロフィモフは快走。ロシアチーム所属のロシアンライダーが、ジャージのジッパーを上げることを忘れるほどの勢いでフィニッシュした。
「昨年のツールで登ったので、最後の山岳(マンス峠)のことは知っていた。逃げに乗ってからも前半は脚を貯め続けた。逃げのメンバーを見極めて、最後の山岳を全開で駆け上がった。でも未だに勝ったなんて信じられないよ。ツールでもこんな勝利を収めてみたい」と、2008年に続く2度目のドーフィネステージ優勝を飾ったトロフィモフ。2009年ブエルタ・アル・パイスバスコのステージ優勝以来となる、5年ぶりの勝利を収めた。
ステージ6位のブエはマイヨジョーヌに対して1分42秒、終盤に飛び出したヘシェダル、ヴァンガーデレン、バルデの3人が39秒のタイムを稼いだものの、総合トップ6の順位に変動は起こらず。連覇が懸かったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が総合首位をキープしたまま後半の山岳ステージに挑むこととなった。
選手コメントはレース公式サイトより。
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クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2014第4ステージ結果
1位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
2位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、IAMサイクリング)
3位 ピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ベリソル)
4位 ラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、ベルキン)
5位 ペーター・ベリトス(スロバキア、BMCレーシング)
6位 マキシム・ブエ(フランス、AG2Rラモンディアール)
7位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
9位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
10位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
123位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
2位 グスタフエリック・ラーション(スウェーデン、IAMサイクリング)
3位 ピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ベリソル)
4位 ラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、ベルキン)
5位 ペーター・ベリトス(スロバキア、BMCレーシング)
6位 マキシム・ブエ(フランス、AG2Rラモンディアール)
7位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
9位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ)
10位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
123位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
3h59'22"
+23"
+25"
+28"
+1'31"
+12'38"
+23"
+25"
+28"
+1'31"
+12'38"
個人総合成績
1位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
4位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
7位 マキシム・ブエ(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
9位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
10位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
4位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
5位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
7位 マキシム・ブエ(フランス、AG2Rラモンディアール)
8位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレックファクトリーレーシング)
9位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)
10位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
14h09'19"
+12"
+21"
+33"
+35"
+50"
+1'01"
+1'22"
+1'31"
+12"
+21"
+33"
+35"
+50"
+1'01"
+1'22"
+1'31"
ポイント賞
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
ケヴィン・レザ(フランス、ユーロップカー)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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