2014/05/31(土) - 00:00
シマノのMTBコンポーネントに最高峰に位置づけられる「XTR」。先月発表されたフルモデルチェンジに伴うリア11速化に続き、待望の電動化に踏み切った。新開発の「シンクロシフト」テクノロジーによって1つのレバーで前後の変速操作が可能となったことや、駆動効率を常に最大限に保てるギアの組み合わせを自動的に選択してくれることが特徴だ。M9050系「XTR Di2」の登場によってMTBコンポーネントは新たな次元に突入した。
電動XTRの要は「シンクロシフト」
逐一変化する路面状況や勾配にあわせて膨大な回数の変速操作を行わなければならないMTBにおいて、コンポーネントの電動化はロードのそれよりも有効性が高いと考えられてきた。2009年にデュラエースが電動化して以来、電動MTBコンポーネントの登場を期待する声が高まっていた。
そして、2014-15年モデルとして遂に登場したのがM9050系「XTR Di2」だ。「ライダーが勝利するために本当に求めているものは何か」ということを突き詰め、ただ単に変速動作をモーターに任せるだけでは無く、システムとしてインテリジェンス化を図った。その要は車に例えるならセミオートマチック方式とも言うべき「シンクロシフト」と名付けられた変速システムにある。
これは前後の歯数構成や組み合わせを徹底的に煮詰めることで、システム全体としてのクロスレシオ化を図った「リズムステップデザイン」が理想とする変速順序通りに変速を行うというシステム。ギア比をほぼ均一に変化させることでライダーが常に一定のケイデンスを維持することを可能とし、チェーンのたすき掛け状態を低減することで駆動ロスを低減している。なお、ライディングスタイルや好みに合わせて変速順序は変更可能だ。
「シンクロシフト」モードでは「ワン・ハンド・オペレーション」を採用し、変速を行う際には右側のシフトレバーのみを使用する。これによってライダーはペダリングとハンドリングのみに集中することができるようになり、より走りを追求することが可能となった。また従来通りに左右で前後変速機をそれぞれ操作する「マルチシフト」と「シンクロシフト」はスイッチによって切り替えることができる。
その他、水や泥などによる性能低下や故障のリスクが少ないこと、電子制御サスペンションとの連動など様々なメリットを持っていることも忘れてはならない。
RD-M9050-GS/SGS、FD-M9050(トリプル)/M9070(ダブル)
リアディレーラー「RD-M9050」はチェーンのバタつきを防止するスタビライザーを搭載した「SHADOW RD +」タイプとされ、モーターの小型化によって機械式と遜色ないコンパクトな仕上がりとなっている。その他、40Tに対応するための新設計は機械式と共通。ラインナップはSGSとGSの2タイプで、目標重量は298g(GS)。
機械式とは大幅に機構を変え、ダウンスイング方式を採用したフロントディレーラー「FD-M9050/M9070」。リア同様にコンパクトな仕上がりながら、機械式のM9000系に対して25%の、従来型のM980系に対して100%の変速パワー向上を実現し、負荷がかかった状態でもスムーズな変速を可能としている。チェーンガイドは機械式FDとは異なるDi2専用品とされ、コンピューター制御によるオートトリム機能と合わせてチェーンとFDの接触による不要な駆動ロスを防止した。
ラインナップはフロントダブル用のFD-M9070と、フロントトリプル用のFD-M9070の2種類。マウントアダプターは豊富に用意されており、ハイクランプ、ロークランプ、Dタイプ、Eタイプの計4タイプがラインナップされる。目標重量126.3g(M9070-D)。
SW-9050、SC-M9050
変速レバー「SW-9050」は手指の動きに自然とマッチし、クリック感に優れるエルゴノミック回転式スイッチを採用。ショートストローク化と、シフトアップ用とシフトダウン用のレバーストロークを個別に調整可能としたことによって、体格に関係なく様々なライダーに最適なシフトフィーリングを実現できるようになっている。販売は左右個別に行われ、フロント用(左側)はフロントダブルとトリプルの両方に対応。目標重量は目標重量136g(ペア)。
システムインフォメーションディスプレイ「SC-M9050」はチェーンの位置やバッテリー残量、シフトモード(シンクロ/マニュアル)、FOX社製電子制御サスペンションの設定(CTD)を確認できるデバイス。加えてディレーラーの調整や、予めプログラムしておいた複数のシンクロ変速モードの切り替えを行うことができる。またジャンクションAとして、そしてSM-BTR2使用時には充電ポートとして機能する。E-Tubeのポートは3つ。目標重量30g。
SM-BTC1
「SM-BTC1」はビルトインバッテリー(SM-BTR2)用外装バッテリーマウント。複雑な形状を持つMTBフレームやドロッパーシートポストに対応し、携帯ポンプのようにボトルケージの横に取り付けるというもの。また、E-Tubeポートを6つ備え、ジャンクションBとしての機能も搭載。またエレクトリックケーブル収納機構も備えている。
シマノ M9050系XTR Di2価格
リアディレーラー
RD-M9050-SGS、RD-M9050-GS 59,069円(税抜)
フロントディレーラー
FD-M9070(トリプル用)、FD-M9050(ダブル用) 36,407円(税抜)
FDマウントアダプター
SM-FD905-L(ロークランプバンド)、SM-FD905-H(ハイクランプバンド) 2,291円(税抜)
SM-FD905-E(Eタイプ)、SM-FD905-D(ダイレクトマウント)2,147円(税抜)
シフトスイッチ (左右別売)
SW-M9050-R、SW-M9050-L 20,573円(税抜)
システムインフォメーションディスプレイ
SC-M9050 11,445円(税抜)
電動XTRの要は「シンクロシフト」
逐一変化する路面状況や勾配にあわせて膨大な回数の変速操作を行わなければならないMTBにおいて、コンポーネントの電動化はロードのそれよりも有効性が高いと考えられてきた。2009年にデュラエースが電動化して以来、電動MTBコンポーネントの登場を期待する声が高まっていた。
そして、2014-15年モデルとして遂に登場したのがM9050系「XTR Di2」だ。「ライダーが勝利するために本当に求めているものは何か」ということを突き詰め、ただ単に変速動作をモーターに任せるだけでは無く、システムとしてインテリジェンス化を図った。その要は車に例えるならセミオートマチック方式とも言うべき「シンクロシフト」と名付けられた変速システムにある。
これは前後の歯数構成や組み合わせを徹底的に煮詰めることで、システム全体としてのクロスレシオ化を図った「リズムステップデザイン」が理想とする変速順序通りに変速を行うというシステム。ギア比をほぼ均一に変化させることでライダーが常に一定のケイデンスを維持することを可能とし、チェーンのたすき掛け状態を低減することで駆動ロスを低減している。なお、ライディングスタイルや好みに合わせて変速順序は変更可能だ。
「シンクロシフト」モードでは「ワン・ハンド・オペレーション」を採用し、変速を行う際には右側のシフトレバーのみを使用する。これによってライダーはペダリングとハンドリングのみに集中することができるようになり、より走りを追求することが可能となった。また従来通りに左右で前後変速機をそれぞれ操作する「マルチシフト」と「シンクロシフト」はスイッチによって切り替えることができる。
その他、水や泥などによる性能低下や故障のリスクが少ないこと、電子制御サスペンションとの連動など様々なメリットを持っていることも忘れてはならない。
RD-M9050-GS/SGS、FD-M9050(トリプル)/M9070(ダブル)
リアディレーラー「RD-M9050」はチェーンのバタつきを防止するスタビライザーを搭載した「SHADOW RD +」タイプとされ、モーターの小型化によって機械式と遜色ないコンパクトな仕上がりとなっている。その他、40Tに対応するための新設計は機械式と共通。ラインナップはSGSとGSの2タイプで、目標重量は298g(GS)。
機械式とは大幅に機構を変え、ダウンスイング方式を採用したフロントディレーラー「FD-M9050/M9070」。リア同様にコンパクトな仕上がりながら、機械式のM9000系に対して25%の、従来型のM980系に対して100%の変速パワー向上を実現し、負荷がかかった状態でもスムーズな変速を可能としている。チェーンガイドは機械式FDとは異なるDi2専用品とされ、コンピューター制御によるオートトリム機能と合わせてチェーンとFDの接触による不要な駆動ロスを防止した。
ラインナップはフロントダブル用のFD-M9070と、フロントトリプル用のFD-M9070の2種類。マウントアダプターは豊富に用意されており、ハイクランプ、ロークランプ、Dタイプ、Eタイプの計4タイプがラインナップされる。目標重量126.3g(M9070-D)。
SW-9050、SC-M9050
変速レバー「SW-9050」は手指の動きに自然とマッチし、クリック感に優れるエルゴノミック回転式スイッチを採用。ショートストローク化と、シフトアップ用とシフトダウン用のレバーストロークを個別に調整可能としたことによって、体格に関係なく様々なライダーに最適なシフトフィーリングを実現できるようになっている。販売は左右個別に行われ、フロント用(左側)はフロントダブルとトリプルの両方に対応。目標重量は目標重量136g(ペア)。
システムインフォメーションディスプレイ「SC-M9050」はチェーンの位置やバッテリー残量、シフトモード(シンクロ/マニュアル)、FOX社製電子制御サスペンションの設定(CTD)を確認できるデバイス。加えてディレーラーの調整や、予めプログラムしておいた複数のシンクロ変速モードの切り替えを行うことができる。またジャンクションAとして、そしてSM-BTR2使用時には充電ポートとして機能する。E-Tubeのポートは3つ。目標重量30g。
SM-BTC1
「SM-BTC1」はビルトインバッテリー(SM-BTR2)用外装バッテリーマウント。複雑な形状を持つMTBフレームやドロッパーシートポストに対応し、携帯ポンプのようにボトルケージの横に取り付けるというもの。また、E-Tubeポートを6つ備え、ジャンクションBとしての機能も搭載。またエレクトリックケーブル収納機構も備えている。
シマノ M9050系XTR Di2価格
リアディレーラー
RD-M9050-SGS、RD-M9050-GS 59,069円(税抜)
フロントディレーラー
FD-M9070(トリプル用)、FD-M9050(ダブル用) 36,407円(税抜)
FDマウントアダプター
SM-FD905-L(ロークランプバンド)、SM-FD905-H(ハイクランプバンド) 2,291円(税抜)
SM-FD905-E(Eタイプ)、SM-FD905-D(ダイレクトマウント)2,147円(税抜)
シフトスイッチ (左右別売)
SW-M9050-R、SW-M9050-L 20,573円(税抜)
システムインフォメーションディスプレイ
SC-M9050 11,445円(税抜)
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