2014/05/19(月) - 07:22
2級山岳セストラを先頭で駆け上がったのは、逃げグループから飛び出したピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)とダヴィデ・マラカルネ(イタリア、ユーロップカー)の2人。メイン集団を1分差で振り切った2人による闘いは、ウェーニングに軍配が上がった。
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)がマリアローザを着て登場したこの日、ジロは前半戦のクライマックスを迎える。エミリア・ロマーニャ州の平野部を駆け抜けたのち、ボローニャを過ぎてから山岳地帯へ。アペニン山脈を駆ける172kmの山岳コースが用意された。
3級山岳サンタントニオと4級山岳ロッケッタ・サンドリを越え、標高1538mの2級山岳セストラ(正式名称ルーポ峠)へ。中盤にかけて13%前後の勾配が続くこの2級山岳が勝負を決める。逃げ切りのチャンスが大きいため、この日は激しいアタック合戦が長時間にわたって続いた。
レース開始から1時間が経過してようやく14人の先行が決まる。サルヴァトーレ・プッチォ(イタリア、チームスカイ)やオスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)、デーヴィッド・タナー(オーストラリア、ベルキン)、ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)、トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)を含む大きな逃げグループが平坦路を高速で駆け抜けた。
総合争いにおける危険な選手が逃げに入っていないとして、BMCレーシングはほぼ逃げ切りを容認するペースで集団をコントロール。タイム差は最大で8分まで広がりを見せる。
レース後半に差し掛かるとガーミン・シャープやモビスター、ランプレ・メリダが集団牽引に合流し、ステージ優勝を狙うこれらのチームが逃げのリードを削り取っていく。7分を推移していたタイム差は残り35km地点で5分に。しかし逃げを吸収するには追撃開始が遅すぎた。
逃げ切りが濃厚となったグループからは、フィニッシュまで2つの登りを残してダヴィデ・マラカルネ(イタリア、ユーロップカー)らがアタック。残り20kmを切ったところで、ウェーニングとマラカルネの2人による先行が決まった。
観客が詰めかけた2級山岳セストラの急勾配区間を先頭で駆け上がるウェーニングとマラカルネ。その数分後方のメイン集団からはドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)がアタック。総合10位・1分50秒遅れのポッツォヴィーヴォの動きには誰も反応せず、ポッツォヴィーヴォが単独で先頭2人を追撃した。
ウェーニングとマラカルネは両者一歩も譲らないまま急勾配の登りを進み、残り4kmからの緩斜面へと入る。後続を振り切った2人によるゴールスプリントでウェーニングが先着。肩を落とすマラカルネのその前で、ウェーニングが何度も何度もガッツポーズを繰り出した。
これまで12回グランツールを走って完走しているウェーニングが自身2度目のステージ優勝。ウェーニングは未舗装路を含む2011年ジロ第5ステージでも逃げ切り勝利を飾っている。
「残り7km(急勾配区間)でマラカルネを引き離そうと思ったものの、千切ることが出来なかったので、スプリント勝負になった。一種のギャンブルだ。マラカルネは向かい風が吹く登りの最終ストレートで早めに仕掛けた。自分にとっては完璧な逃げだったよ」と、チームTTに続く今大会ステージ2勝目を飾ったウェーニングは語っている。
ウェーニングとマラカルネのフィニッシュから42秒後に、ポッツォヴィーヴォが3位でフィニッシュ。急勾配区間でリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)らがアタックを仕掛けたものの決まらず、有力な総合上位陣は揃って1分08秒遅れででフィニッシュした。
大きなサプライズは起こらなかったものの、奇襲を成功させたポッツォヴィーヴォが総合10位から総合4位にジャンプアップ。エヴァンスが危なげない走りでマリアローザを守っている。別府史之(トレックファクトリーレーシング)と新城幸也(ユーロップカー)はそれぞれステージ57位とステージ164位でジロ最初の1週間を締めくくった。
翌日は今大会2度目の休息日。2連続山岳ステージを走り終えた選手たちはリフレッシュとリカバリーに励む。
ジロ・デ・イタリア2014第9ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text&photo:Kei Tsuji in Modena, Italy
カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)がマリアローザを着て登場したこの日、ジロは前半戦のクライマックスを迎える。エミリア・ロマーニャ州の平野部を駆け抜けたのち、ボローニャを過ぎてから山岳地帯へ。アペニン山脈を駆ける172kmの山岳コースが用意された。
3級山岳サンタントニオと4級山岳ロッケッタ・サンドリを越え、標高1538mの2級山岳セストラ(正式名称ルーポ峠)へ。中盤にかけて13%前後の勾配が続くこの2級山岳が勝負を決める。逃げ切りのチャンスが大きいため、この日は激しいアタック合戦が長時間にわたって続いた。
レース開始から1時間が経過してようやく14人の先行が決まる。サルヴァトーレ・プッチォ(イタリア、チームスカイ)やオスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)、デーヴィッド・タナー(オーストラリア、ベルキン)、ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)、トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)を含む大きな逃げグループが平坦路を高速で駆け抜けた。
総合争いにおける危険な選手が逃げに入っていないとして、BMCレーシングはほぼ逃げ切りを容認するペースで集団をコントロール。タイム差は最大で8分まで広がりを見せる。
レース後半に差し掛かるとガーミン・シャープやモビスター、ランプレ・メリダが集団牽引に合流し、ステージ優勝を狙うこれらのチームが逃げのリードを削り取っていく。7分を推移していたタイム差は残り35km地点で5分に。しかし逃げを吸収するには追撃開始が遅すぎた。
逃げ切りが濃厚となったグループからは、フィニッシュまで2つの登りを残してダヴィデ・マラカルネ(イタリア、ユーロップカー)らがアタック。残り20kmを切ったところで、ウェーニングとマラカルネの2人による先行が決まった。
観客が詰めかけた2級山岳セストラの急勾配区間を先頭で駆け上がるウェーニングとマラカルネ。その数分後方のメイン集団からはドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)がアタック。総合10位・1分50秒遅れのポッツォヴィーヴォの動きには誰も反応せず、ポッツォヴィーヴォが単独で先頭2人を追撃した。
ウェーニングとマラカルネは両者一歩も譲らないまま急勾配の登りを進み、残り4kmからの緩斜面へと入る。後続を振り切った2人によるゴールスプリントでウェーニングが先着。肩を落とすマラカルネのその前で、ウェーニングが何度も何度もガッツポーズを繰り出した。
これまで12回グランツールを走って完走しているウェーニングが自身2度目のステージ優勝。ウェーニングは未舗装路を含む2011年ジロ第5ステージでも逃げ切り勝利を飾っている。
「残り7km(急勾配区間)でマラカルネを引き離そうと思ったものの、千切ることが出来なかったので、スプリント勝負になった。一種のギャンブルだ。マラカルネは向かい風が吹く登りの最終ストレートで早めに仕掛けた。自分にとっては完璧な逃げだったよ」と、チームTTに続く今大会ステージ2勝目を飾ったウェーニングは語っている。
ウェーニングとマラカルネのフィニッシュから42秒後に、ポッツォヴィーヴォが3位でフィニッシュ。急勾配区間でリゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)らがアタックを仕掛けたものの決まらず、有力な総合上位陣は揃って1分08秒遅れででフィニッシュした。
大きなサプライズは起こらなかったものの、奇襲を成功させたポッツォヴィーヴォが総合10位から総合4位にジャンプアップ。エヴァンスが危なげない走りでマリアローザを守っている。別府史之(トレックファクトリーレーシング)と新城幸也(ユーロップカー)はそれぞれステージ57位とステージ164位でジロ最初の1週間を締めくくった。
翌日は今大会2度目の休息日。2連続山岳ステージを走り終えた選手たちはリフレッシュとリカバリーに励む。
ジロ・デ・イタリア2014第9ステージ結果
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、ユーロップカー)
3位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
4位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
8位 ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)
9位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
10位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)
57位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
164位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ダヴィデ・マラカルネ(イタリア、ユーロップカー)
3位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
4位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
8位 ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)
9位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
10位 ファビオ・ドゥアルテ(コロンビア、コロンビア)
57位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
164位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
4h25'61"
+42"
+1'08"
+5'45"
+22'29"
+42"
+1'08"
+5'45"
+22'29"
マリアローザ 個人総合成績
1位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
5位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
6位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
7位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
9位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
5位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
6位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
7位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ベルキン)
9位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
38h49'34"
+57"
+1'10"
+1'20"
+1'31"
+1'39"
+1'43"
+1'44"
+1'45"
+1'49"
+57"
+1'10"
+1'20"
+1'31"
+1'39"
+1'43"
+1'44"
+1'45"
+1'49"
マリアロッサ ポイント賞
ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
マリアアッズーラ 山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text&photo:Kei Tsuji in Modena, Italy
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