2014/05/05(月) - 03:38
5月4日、ツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)がトルコ最大の都市イスタンブールで閉幕。海岸通のゴールスプリントでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が再び主役として輝いた。
トルコ最大、人口1350万人の大都市イスタンブールはボスポラス海峡によってヨーロッパ側とアジア側に分けられている。
ツアー・オブ・ターキーを締めくくる第8ステージは、ヨーロッパ側のイスタンブール旧市街にあるブルー・モスク(スルタンアフメト・モスク)前をスタートし、都会の喧噪を抜けてボスポラス海峡をまたぐ第一ボスポラス大橋を渡り、アジア側の周回コースを8周してフィナーレを迎える121km。「ヨーロッパとアジアを結ぶレース」というネーミングがぴったり当てはまるレイアウトだ。
この日は朝から雨模様で、観光客で溢れたブルー・モスクに到着したチームカーの中から選手たちがなかなか出て来ない。選手たちはイスタンブールらしい風景を堪能することなく、手短かに出走サインを済ませてスタートを切った。
雨はスタート後しばらくして上がり、暖かな太陽が雲間から顔を覗かせ始める。第一ボスポラス大橋を渡ってアジア側に入るころには快晴に。周回コースに入ったところで逃げが決まった。
トルコ人気サッカーチームの一つ「フェネルバフチェSK」の本拠地シュクリュ・サラジオウル・スタジアムがあるカドゥキュイの周回コースはほぼ平坦。同チームがほんの1週間前にトルコ国内リーグ「シュペルリグ」で19回目のリーグ優勝を決めたこともあり、コース上には黄色と紺色のフラッグが目立つ。
ハビエル・メヒアス(スペイン、ノヴォノルディスク)やヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)を含む7名の逃げは、スプリンターチームの脅威にはならなかった。キャノンデールとオメガファーマ・クイックステップが並んでメイン集団を牽引し、その後方でカヴェンディッシュとヴィヴィアーニが寄り添うように走る。その後方にオリカ・グリーンエッジが控え、リーダージャージのアダム・イェーツ(イギリス)を援護した。
逃げグループのリードが1分以内に抑えられる中、まだ水分を含んだ路面が落車を誘発する。ツール・ド・ランカウイ総合2位フィニッシャーで、スタートの時点で総合14位につけていたメルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ)が落車。今大会最年少(20歳)のクドゥスは鎖骨骨折でリタイアした。
結局逃げは残り10kmで吸収され、オメガファーマ・クイックステップが主導権を握って残り1km。2ステージ連続でキャノンデールに土を付けられていたベルギーチームが、完璧なリードアウトでカヴェンディッシュを発射した。
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)の後ろから発進したカヴェンディッシュを、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)とエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)が追撃。カヴェンディッシュはリードを失うことなくフィニッシュラインまで踏み切った。
悔しい連敗を払拭する最終スプリント勝利。「スピードが乗った状態でスプリントが始まったので、無駄なエネルギーを使うことなく勝負出来た。1週間を通してチームのパフォーマンスは素晴らしかったよ。自分のコンディションにも満足している」と、ステージ4勝目で8日間のレースを締めくくったカヴェンディッシュ。
初出場のツアー・オブ・ターキーに関して「決してイージーではなく、体力が必要なレースだった。準備レースとして最適なのでまた戻ってきたい。将来また絶対出場すると思う」と語っている。
カヴェンディッシュが手を振り回して喜びを爆発させたその後方では、最後までチームメイトに守られて走ったイェーツが同タイムでフィニッシュ。総合2位レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)が4秒遅れでフィニッシュしたため、最終的に両者のタイム差は5秒に広がった。
「文字通りレースは最後まで分からない。たった1秒のリードだったので、残り3kmまでにパンクや落車に巻き込まれると全てを失ってしまう。とてもストレスフルだった」と、50代目のチャンピオンに輝いたイェーツは語る。
「自分はまだ21歳で、プロ1年目のネオプロ。難しいスポーツだと分かっているし、現実的にならないといけない。この勝利で何かが変わることはないよ。確かなことは、これからも引き続き厳しいトレーニングを積んでいく。登りでの力を磨いて、選手として成長したい」と気を引き締めるイェーツは、5月11日開幕のツアー・オブ・カリフォルニアに出場する予定だ。
その他の写真はフォトギャラリーをご覧下さい。
ツアー・オブ・ターキー2014第8ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
マルク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
ビューティーズオブターキースプリント賞
マッティア・ポッツォ(イタリア、ネーリソットリ)
チーム総合成績
コフィディス
text&photo:Kei Tsuji in Istanbul, Turkey
トルコ最大、人口1350万人の大都市イスタンブールはボスポラス海峡によってヨーロッパ側とアジア側に分けられている。
ツアー・オブ・ターキーを締めくくる第8ステージは、ヨーロッパ側のイスタンブール旧市街にあるブルー・モスク(スルタンアフメト・モスク)前をスタートし、都会の喧噪を抜けてボスポラス海峡をまたぐ第一ボスポラス大橋を渡り、アジア側の周回コースを8周してフィナーレを迎える121km。「ヨーロッパとアジアを結ぶレース」というネーミングがぴったり当てはまるレイアウトだ。
この日は朝から雨模様で、観光客で溢れたブルー・モスクに到着したチームカーの中から選手たちがなかなか出て来ない。選手たちはイスタンブールらしい風景を堪能することなく、手短かに出走サインを済ませてスタートを切った。
雨はスタート後しばらくして上がり、暖かな太陽が雲間から顔を覗かせ始める。第一ボスポラス大橋を渡ってアジア側に入るころには快晴に。周回コースに入ったところで逃げが決まった。
トルコ人気サッカーチームの一つ「フェネルバフチェSK」の本拠地シュクリュ・サラジオウル・スタジアムがあるカドゥキュイの周回コースはほぼ平坦。同チームがほんの1週間前にトルコ国内リーグ「シュペルリグ」で19回目のリーグ優勝を決めたこともあり、コース上には黄色と紺色のフラッグが目立つ。
ハビエル・メヒアス(スペイン、ノヴォノルディスク)やヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)を含む7名の逃げは、スプリンターチームの脅威にはならなかった。キャノンデールとオメガファーマ・クイックステップが並んでメイン集団を牽引し、その後方でカヴェンディッシュとヴィヴィアーニが寄り添うように走る。その後方にオリカ・グリーンエッジが控え、リーダージャージのアダム・イェーツ(イギリス)を援護した。
逃げグループのリードが1分以内に抑えられる中、まだ水分を含んだ路面が落車を誘発する。ツール・ド・ランカウイ総合2位フィニッシャーで、スタートの時点で総合14位につけていたメルハウィ・クドゥス(エリトリア、MTNキュベカ)が落車。今大会最年少(20歳)のクドゥスは鎖骨骨折でリタイアした。
結局逃げは残り10kmで吸収され、オメガファーマ・クイックステップが主導権を握って残り1km。2ステージ連続でキャノンデールに土を付けられていたベルギーチームが、完璧なリードアウトでカヴェンディッシュを発射した。
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)の後ろから発進したカヴェンディッシュを、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)とエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)が追撃。カヴェンディッシュはリードを失うことなくフィニッシュラインまで踏み切った。
悔しい連敗を払拭する最終スプリント勝利。「スピードが乗った状態でスプリントが始まったので、無駄なエネルギーを使うことなく勝負出来た。1週間を通してチームのパフォーマンスは素晴らしかったよ。自分のコンディションにも満足している」と、ステージ4勝目で8日間のレースを締めくくったカヴェンディッシュ。
初出場のツアー・オブ・ターキーに関して「決してイージーではなく、体力が必要なレースだった。準備レースとして最適なのでまた戻ってきたい。将来また絶対出場すると思う」と語っている。
カヴェンディッシュが手を振り回して喜びを爆発させたその後方では、最後までチームメイトに守られて走ったイェーツが同タイムでフィニッシュ。総合2位レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)が4秒遅れでフィニッシュしたため、最終的に両者のタイム差は5秒に広がった。
「文字通りレースは最後まで分からない。たった1秒のリードだったので、残り3kmまでにパンクや落車に巻き込まれると全てを失ってしまう。とてもストレスフルだった」と、50代目のチャンピオンに輝いたイェーツは語る。
「自分はまだ21歳で、プロ1年目のネオプロ。難しいスポーツだと分かっているし、現実的にならないといけない。この勝利で何かが変わることはないよ。確かなことは、これからも引き続き厳しいトレーニングを積んでいく。登りでの力を磨いて、選手として成長したい」と気を引き締めるイェーツは、5月11日開幕のツアー・オブ・カリフォルニアに出場する予定だ。
その他の写真はフォトギャラリーをご覧下さい。
ツアー・オブ・ターキー2014第8ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
3位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
4位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)
6位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
7位 アフメト・オルケン(トルコ、トルク・セケルスポール)
8位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
9位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)
10位 ケン・ハンソン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
3位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
4位 クリス・ボックマンス(ベルギー、ロット・ベリソル)
5位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)
6位 テオ・ボス(オランダ、ベルキン)
7位 アフメト・オルケン(トルコ、トルク・セケルスポール)
8位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
9位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)
10位 ケン・ハンソン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
2h35'00"
個人総合成績
1位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
2位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)
3位 ロメン・アルディ(フランス、コフィディス)
4位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
5位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、CCCポルサット)
6位 ファンホセ・コーボ(スペイン、トルク・セケルスポール)
7位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)
8位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)
9位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
10位 エンリコ・バルディン(イタリア、バルディアーニCSF)
2位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)
3位 ロメン・アルディ(フランス、コフィディス)
4位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
5位 ダヴィデ・レベッリン(イタリア、CCCポルサット)
6位 ファンホセ・コーボ(スペイン、トルク・セケルスポール)
7位 クリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)
8位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)
9位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
10位 エンリコ・バルディン(イタリア、バルディアーニCSF)
30h26'22"
+05"
+39"
+40"
+44"
+45"
+51"
+58"
+1'04"
+05"
+39"
+40"
+44"
+45"
+51"
+58"
+1'04"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
マルク・デマール(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
ビューティーズオブターキースプリント賞
マッティア・ポッツォ(イタリア、ネーリソットリ)
チーム総合成績
コフィディス
text&photo:Kei Tsuji in Istanbul, Turkey
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