2014/04/27(日) - 15:12
4月27日から5月4日までの8日間、トルコでツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)が開催される。記念すべき第50回大会には、UCIプロチーム・8チームが出場。トップスプリンターたちの競演に注目だ。
2つの頂上ゴールが登場する「ヨーロッパとアジアを結ぶレース」
正式名称「プレジデンシャル・サイクリング・ツアー・オブ・ターキー」は、2008年からUCIヨーロッパツアーに組み込まれているHC(超級)のステージレースだ。
トルコ政府や観光局が全面的に大会をバックアップしており、そのレースオーガナイズの良さには定評がある。将来的にはUCIワールドツアーカレンダー入りを目指しているという。
開催50回目を迎える今年もトルコ南部のリゾート都市アランヤで開幕する。昨年とほとんど同じコースが設定されており、8日間かけて海沿いの観光地を繋ぐようにして首都イスタンブールまで北上する。
総合争いにおいて重要となるのが、山頂フィニッシュが設定された第3ステージと第6ステージだ。3つのカテゴリー山岳が設定された第3ステージが今大会のクイーンステージ。標高1850mのゴグベリ峠に向かう登りで総合争いの流れが出来上がるだろう。
セルチュクにある「聖母マリアの家」にフィニッシュする第6ステージが大会最後の難所。聖母マリアが晩年を過ごしたというキリスト教の聖地に至る登りは、距離が短いながらも急勾配。ここで第50回大会の実質的な勝者が決まる。
第7ステージ終了後、すぐに選手たちはイズミルから空路でイスタンブールに移動。最終日はイスタンブールを駆け抜ける平坦コースが設定されており、「ヨーロッパとアジアを結ぶレース」という大会のテーマを象徴するようにボスポラス海峡をまたぐボアズィチ大橋を渡る。8日間の総走行距離は1251kmだ。
ツアー・オブ・ターキー2014ステージリスト
4月27日(日)第1ステージ アランヤ〜アランヤ 141km 平坦
4月28日(月)第2ステージ アランヤ〜ケメール 175km 平坦
4月29日(火)第3ステージ フィニケ〜エルマル(ゴグベリ) 185km 頂上ゴール
4月30日(水)第4ステージ フェティエ〜マルマリス 132km クラシカル
5月1日(木)第5ステージ マルマリス〜トゥルグトレス 183km 平坦
5月2日(金)第6ステージ ボドルム〜セルチュク 182km 頂上ゴール
5月3日(土)第7ステージ クシャダス〜イズミル 132km クラシカル
5月4日(日)第8ステージ イスタンブール〜イスタンブール 121km 平坦
グランツールを見据えるトップスプリンターたちが激突
ツアー・オブ・ターキーに用意される特別賞ジャージは4つ。総合リーダーには大会のイメージカラーであるターコイズブルーのリーダージャージが与えられる。山岳賞がレッドジャージで、ポイント賞がグリーンジャージ。ツアー・オブ・ターキー独自の賞として、中間スプリントにあたる「プレミアムゲート(トルコの歴史や自然を象徴する場所に置かれる)」の通過成績トップの選手にはホワイトジャージが与えられる。
出場するのはUCIプロチーム・8チーム、UCIプロコンチネンタルチーム・11チーム、そしてトルコ籍のUCIコンチネンタルチームが1チーム。合計20チームで、昨年よりも5チーム減っている。各チーム8名ずつの出場となる。
例年オールラウンダーよりもスプリンターに注目が集まりがちなツアー・オブ・ターキー。2014年大会は、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)の出場に俄然注目が集まっている。
イギリスで開幕するツール・ド・フランスに照準を合わすために、カヴェンディッシュはジロ・デ・イタリアを欠場。代わりにこのツアー・オブ・ターキーとツアー・オブ・カリフォルニアに出場する。すべてはツールに向けての乗り込みとコンディション作りだ。カヴェンディッシュはステーグマン、ペタッキ、レンショーという鉄壁のリードアウトトレインを従えており、スピードで他を圧倒するはずだ。
ヘント〜ウェベルヘムで鎖骨を骨折したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)が、このツアー・オブ・ターキーでレースに復帰する。グライペルはこれまでツアー・オブ・ターキーに過去4回出場し、ステージ通算9勝。昨年はキッテルに3度敗れながらもステージ2勝してポイント賞に輝いた。まだ本調子ではない可能性があるが、ヘンダーソンやハンセンらに発射されるグライペルの姿が戻ってくる。
リードアウトバトルでは、オメガファーマ・クイックステップとロット・ベリソルに加えて、マルクスとブラウンを連れるテオ・ボス(オランダ、ベルキン)にも注目だ。昨年ステージ優勝を飾ったアイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)もハワードらとスプリント戦線に挑む。
今シーズン6勝(スプリンターとして最多)を飾っているサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)は、リケーゼとのタッグでカヴェンディッシュらに挑む。イタリアからはアンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)やフランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)も出場予定だ。
毎年サプライズ総合優勝者が生まれるツアー・オブ・ターキー。2012年は地元トルコのトルクに所属するイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア)が、2013年は同チームのムスタファ・サヤル(トルコ)がそれぞれUCIプロチームを寄せ付けない走りで総合優勝を果たした。しかし後にEPO(エリスロポエチン)の陽性が発覚し、両者ともタイトルが剥奪されている。両選手が所属していたトルコのトルクセケルスポールは今年もスタートラインに並ぶ。
2012年大会の総合優勝者(ガブロフスキー失格により繰り上げ)であるアレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン)は、若いカザフスタンチームのリーダーとして2度目の大会制覇を狙う。
2013年大会総合2位(サヤル失格により繰り上げ)のヨアン・バゴ(フランス)擁するコフィディスは、クリストフ・ルメヴェル(フランス)やレイン・ターラマエ(エストニア)ら、多くのオールラウンダーを揃えての出場。UCIプロコンチネンタルチームながら山岳力ではUCIプロチームを圧倒するだろう。
リーナス・ゲルデマン(ドイツ)とツール・ド・ランカウイ総合2位のメルハウィ・クドゥス(エリトリア)を擁するMTNキュベカや、ティレーノ〜アドリアティコ山岳賞のマルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)らが山岳ステージで勝利を狙ってくるだろう。ダークホースとして最年長43歳のダヴィデ・レベッリン(イタリア、CCCポルサット)の名前も挙げておきたい。
山岳ステージでの活躍が期待されていたチームコロンビアは、ジロ・デ・イタリアがイギリス(北アイルランド)に入国する際に必要なビザの発行が遅れているため、パスポートを所持出来ずに止むなくツアー・オブ・ターキー出場を取り止めている。
text:Kei Tsuji in Alanya, Turkey
2つの頂上ゴールが登場する「ヨーロッパとアジアを結ぶレース」
正式名称「プレジデンシャル・サイクリング・ツアー・オブ・ターキー」は、2008年からUCIヨーロッパツアーに組み込まれているHC(超級)のステージレースだ。
トルコ政府や観光局が全面的に大会をバックアップしており、そのレースオーガナイズの良さには定評がある。将来的にはUCIワールドツアーカレンダー入りを目指しているという。
開催50回目を迎える今年もトルコ南部のリゾート都市アランヤで開幕する。昨年とほとんど同じコースが設定されており、8日間かけて海沿いの観光地を繋ぐようにして首都イスタンブールまで北上する。
総合争いにおいて重要となるのが、山頂フィニッシュが設定された第3ステージと第6ステージだ。3つのカテゴリー山岳が設定された第3ステージが今大会のクイーンステージ。標高1850mのゴグベリ峠に向かう登りで総合争いの流れが出来上がるだろう。
セルチュクにある「聖母マリアの家」にフィニッシュする第6ステージが大会最後の難所。聖母マリアが晩年を過ごしたというキリスト教の聖地に至る登りは、距離が短いながらも急勾配。ここで第50回大会の実質的な勝者が決まる。
第7ステージ終了後、すぐに選手たちはイズミルから空路でイスタンブールに移動。最終日はイスタンブールを駆け抜ける平坦コースが設定されており、「ヨーロッパとアジアを結ぶレース」という大会のテーマを象徴するようにボスポラス海峡をまたぐボアズィチ大橋を渡る。8日間の総走行距離は1251kmだ。
ツアー・オブ・ターキー2014ステージリスト
4月27日(日)第1ステージ アランヤ〜アランヤ 141km 平坦
4月28日(月)第2ステージ アランヤ〜ケメール 175km 平坦
4月29日(火)第3ステージ フィニケ〜エルマル(ゴグベリ) 185km 頂上ゴール
4月30日(水)第4ステージ フェティエ〜マルマリス 132km クラシカル
5月1日(木)第5ステージ マルマリス〜トゥルグトレス 183km 平坦
5月2日(金)第6ステージ ボドルム〜セルチュク 182km 頂上ゴール
5月3日(土)第7ステージ クシャダス〜イズミル 132km クラシカル
5月4日(日)第8ステージ イスタンブール〜イスタンブール 121km 平坦
グランツールを見据えるトップスプリンターたちが激突
ツアー・オブ・ターキーに用意される特別賞ジャージは4つ。総合リーダーには大会のイメージカラーであるターコイズブルーのリーダージャージが与えられる。山岳賞がレッドジャージで、ポイント賞がグリーンジャージ。ツアー・オブ・ターキー独自の賞として、中間スプリントにあたる「プレミアムゲート(トルコの歴史や自然を象徴する場所に置かれる)」の通過成績トップの選手にはホワイトジャージが与えられる。
出場するのはUCIプロチーム・8チーム、UCIプロコンチネンタルチーム・11チーム、そしてトルコ籍のUCIコンチネンタルチームが1チーム。合計20チームで、昨年よりも5チーム減っている。各チーム8名ずつの出場となる。
例年オールラウンダーよりもスプリンターに注目が集まりがちなツアー・オブ・ターキー。2014年大会は、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)の出場に俄然注目が集まっている。
イギリスで開幕するツール・ド・フランスに照準を合わすために、カヴェンディッシュはジロ・デ・イタリアを欠場。代わりにこのツアー・オブ・ターキーとツアー・オブ・カリフォルニアに出場する。すべてはツールに向けての乗り込みとコンディション作りだ。カヴェンディッシュはステーグマン、ペタッキ、レンショーという鉄壁のリードアウトトレインを従えており、スピードで他を圧倒するはずだ。
ヘント〜ウェベルヘムで鎖骨を骨折したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)が、このツアー・オブ・ターキーでレースに復帰する。グライペルはこれまでツアー・オブ・ターキーに過去4回出場し、ステージ通算9勝。昨年はキッテルに3度敗れながらもステージ2勝してポイント賞に輝いた。まだ本調子ではない可能性があるが、ヘンダーソンやハンセンらに発射されるグライペルの姿が戻ってくる。
リードアウトバトルでは、オメガファーマ・クイックステップとロット・ベリソルに加えて、マルクスとブラウンを連れるテオ・ボス(オランダ、ベルキン)にも注目だ。昨年ステージ優勝を飾ったアイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)もハワードらとスプリント戦線に挑む。
今シーズン6勝(スプリンターとして最多)を飾っているサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)は、リケーゼとのタッグでカヴェンディッシュらに挑む。イタリアからはアンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)やフランチェスコ・キッキ(イタリア、ネーリソットリ)エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)も出場予定だ。
毎年サプライズ総合優勝者が生まれるツアー・オブ・ターキー。2012年は地元トルコのトルクに所属するイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア)が、2013年は同チームのムスタファ・サヤル(トルコ)がそれぞれUCIプロチームを寄せ付けない走りで総合優勝を果たした。しかし後にEPO(エリスロポエチン)の陽性が発覚し、両者ともタイトルが剥奪されている。両選手が所属していたトルコのトルクセケルスポールは今年もスタートラインに並ぶ。
2012年大会の総合優勝者(ガブロフスキー失格により繰り上げ)であるアレクサンドル・ディアチェンコ(カザフスタン)は、若いカザフスタンチームのリーダーとして2度目の大会制覇を狙う。
2013年大会総合2位(サヤル失格により繰り上げ)のヨアン・バゴ(フランス)擁するコフィディスは、クリストフ・ルメヴェル(フランス)やレイン・ターラマエ(エストニア)ら、多くのオールラウンダーを揃えての出場。UCIプロコンチネンタルチームながら山岳力ではUCIプロチームを圧倒するだろう。
リーナス・ゲルデマン(ドイツ)とツール・ド・ランカウイ総合2位のメルハウィ・クドゥス(エリトリア)を擁するMTNキュベカや、ティレーノ〜アドリアティコ山岳賞のマルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)らが山岳ステージで勝利を狙ってくるだろう。ダークホースとして最年長43歳のダヴィデ・レベッリン(イタリア、CCCポルサット)の名前も挙げておきたい。
山岳ステージでの活躍が期待されていたチームコロンビアは、ジロ・デ・イタリアがイギリス(北アイルランド)に入国する際に必要なビザの発行が遅れているため、パスポートを所持出来ずに止むなくツアー・オブ・ターキー出場を取り止めている。
text:Kei Tsuji in Alanya, Turkey
Amazon.co.jp
EFES BEER エフェスビール330ml×24 本・トルコビール瓶ビール
EFES エフェス