2014/04/09(水) - 09:48
ブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)第2ステージで、世界TTチャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)が圧倒的な独走力を披露した。新城幸也(ユーロップカー)はゴールスプリントで8位に入っている。
パイスバスコ第2ステージは、バスク州北部のオルディシアからフランス国境の街ダンチャリネアまでの156km。前半から1級〜3級のカテゴリー山岳が4つ続き、フランス(フランス領バスク)を走る後半部にも細かいアップダウンが詰め込まれている。一日の獲得標高差は2500m。
前日の第1ステージと比べると難易度は低いが、アップダウンコースであることに変わりはない。起伏に富んだこの中級山岳ステージで、マルティンやマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ベリソル)を含む7名の逃げグループが形成された。
総合における脅威が入っていなかったため、リーダージャージ擁するティンコフ・サクソは7名の先行を容認する。レース後半にかけて集団牽引に加わったのはオリカ・グリーンエッジやチームスカイ、BMCレーシング。残り20kmでタイム差は早くも1分を切った。
リードを失いつつある逃げグループの中からマルティン、ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)が抜け出し、諦めずにエスケープを続行。すると、世界TTチャンピオンの強力な引きによりタイム差は1分を維持する。アップダウンとワインディングを繰り返すコースは少人数逃げに有利に働いた。
すると残り12kmでバケランツのアタックに続くカウンターアタックでマルティンの独走が始まる。スプリンターチームによる懸命な引きも届かないような勢い。マルティンが単独で1分リードのまま残り10kmを切った。
まるでタイムトライアルのように手首をハンドルに添えたポジションで、口を大きく開いて独走するマルティン。タイム差は縮まるどころか広がりを見せる。
残り7kmの短い登りでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が揺さぶりのアタックを仕掛けたものの、リーダージャージのアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が軽快なダンシングでついていく。
総合上位陣によるアタックは決まらず、およそ55名に絞られた集団がマルティンを追う展開に。マルティンは独走を最後まで貫いた。
「総合でいい走りがしたくてバスクに来たのに、昨日の厳しすぎるステージで結果を残せなかった。だから目標をステージ優勝とタイムトライアルにスイッチしたんだ」と、第1ステージを11分36秒遅れの85位で終えていたマルティンは語る。
マルティンの(タイムトライアルではない)ロードレースでの勝利は、2012年のツアー・オブ・北京以来1年半ぶり。ティレーノ〜アドリアティコ初日のチームTT勝利に大きく貢献したが、先頭(カヴェンディッシュ)から3秒遅れでフィニッシュしているため、成績としてはこれが今シーズン初勝利となる。
「ヤン(バケランツ)と自分が逃げに乗る展開はオメガファーマにとって理想的だった。終盤のアップダウンはまるでアムステル・ゴールドレースのようだったよ。ヤンと交互にアタックすることでイサギーレを振り切り、そこからは個人タイムトライアルのように走った。自分のチャンスを棒に振ってまで勝利をお膳立てしてくれたヤンに感謝している。(残り30mで吸収された)昨年のブエルタの悪夢を思い出したけど、"今回は違うんだ"と自分に言い聞かせて走っていた。満足しているし、モチベーションも高い。最後のタイムトライアルに向けてコンディションは整っている」と、マルティンは次なる目標に目を向けている。
精鋭集団はベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)とミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)を先頭に30秒遅れでフィニッシュラインに到達。エースとして走った新城幸也(ユーロップカー)もスプリントに加わり、ステージ8位(集団7番手)でフィニッシュした。
連日の上位フィニッシュで、第2ステージを終えて総合11位につける新城は「最後まで残っていたチームメイトが3人でゴールスプリントを助けてくれたが、自分が位置取りをしきれずに8位と悔しい結果だった。自分を助けてくれているチームメイトに申し訳ない。現在、総合11位なので、最難関の明後日を見据えて、明日は無理せずこなし、まずはワールドツアーでの総合成績1桁を目指したい」と力強いコメントを残している。
選手コメントはレース公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2014第2ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール)
スプリント賞
マッテオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
パイスバスコ第2ステージは、バスク州北部のオルディシアからフランス国境の街ダンチャリネアまでの156km。前半から1級〜3級のカテゴリー山岳が4つ続き、フランス(フランス領バスク)を走る後半部にも細かいアップダウンが詰め込まれている。一日の獲得標高差は2500m。
前日の第1ステージと比べると難易度は低いが、アップダウンコースであることに変わりはない。起伏に富んだこの中級山岳ステージで、マルティンやマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ベリソル)を含む7名の逃げグループが形成された。
総合における脅威が入っていなかったため、リーダージャージ擁するティンコフ・サクソは7名の先行を容認する。レース後半にかけて集団牽引に加わったのはオリカ・グリーンエッジやチームスカイ、BMCレーシング。残り20kmでタイム差は早くも1分を切った。
リードを失いつつある逃げグループの中からマルティン、ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)が抜け出し、諦めずにエスケープを続行。すると、世界TTチャンピオンの強力な引きによりタイム差は1分を維持する。アップダウンとワインディングを繰り返すコースは少人数逃げに有利に働いた。
すると残り12kmでバケランツのアタックに続くカウンターアタックでマルティンの独走が始まる。スプリンターチームによる懸命な引きも届かないような勢い。マルティンが単独で1分リードのまま残り10kmを切った。
まるでタイムトライアルのように手首をハンドルに添えたポジションで、口を大きく開いて独走するマルティン。タイム差は縮まるどころか広がりを見せる。
残り7kmの短い登りでアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が揺さぶりのアタックを仕掛けたものの、リーダージャージのアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が軽快なダンシングでついていく。
総合上位陣によるアタックは決まらず、およそ55名に絞られた集団がマルティンを追う展開に。マルティンは独走を最後まで貫いた。
「総合でいい走りがしたくてバスクに来たのに、昨日の厳しすぎるステージで結果を残せなかった。だから目標をステージ優勝とタイムトライアルにスイッチしたんだ」と、第1ステージを11分36秒遅れの85位で終えていたマルティンは語る。
マルティンの(タイムトライアルではない)ロードレースでの勝利は、2012年のツアー・オブ・北京以来1年半ぶり。ティレーノ〜アドリアティコ初日のチームTT勝利に大きく貢献したが、先頭(カヴェンディッシュ)から3秒遅れでフィニッシュしているため、成績としてはこれが今シーズン初勝利となる。
「ヤン(バケランツ)と自分が逃げに乗る展開はオメガファーマにとって理想的だった。終盤のアップダウンはまるでアムステル・ゴールドレースのようだったよ。ヤンと交互にアタックすることでイサギーレを振り切り、そこからは個人タイムトライアルのように走った。自分のチャンスを棒に振ってまで勝利をお膳立てしてくれたヤンに感謝している。(残り30mで吸収された)昨年のブエルタの悪夢を思い出したけど、"今回は違うんだ"と自分に言い聞かせて走っていた。満足しているし、モチベーションも高い。最後のタイムトライアルに向けてコンディションは整っている」と、マルティンは次なる目標に目を向けている。
精鋭集団はベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)とミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)を先頭に30秒遅れでフィニッシュラインに到達。エースとして走った新城幸也(ユーロップカー)もスプリントに加わり、ステージ8位(集団7番手)でフィニッシュした。
連日の上位フィニッシュで、第2ステージを終えて総合11位につける新城は「最後まで残っていたチームメイトが3人でゴールスプリントを助けてくれたが、自分が位置取りをしきれずに8位と悔しい結果だった。自分を助けてくれているチームメイトに申し訳ない。現在、総合11位なので、最難関の明後日を見据えて、明日は無理せずこなし、まずはワールドツアーでの総合成績1桁を目指したい」と力強いコメントを残している。
選手コメントはレース公式サイトならびにTeamユキヤ通信より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2014第2ステージ結果
1位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 ポール・マルテンス(ドイツ、ベルキン)
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
7位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
8位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
9位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 ポール・マルテンス(ドイツ、ベルキン)
6位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
7位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
8位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
9位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
3h46'17"
+30"
+30"
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
6位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
7位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
8位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
10位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
11位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)
6位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
7位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
8位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
10位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
11位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
7h51'54"
+14"
+34"
+36"
+54"
+56"
+14"
+34"
+36"
+54"
+56"
ポイント賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
山岳賞
ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール)
スプリント賞
マッテオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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