2014/03/30(日) - 12:02
集団スプリント向きと思われたボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)第6ステージで9名が逃げ切り。4度のオランダTT王者スタフ・クレメント(オランダ、ベルキン)がゴール前の攻防を制した。
山岳賞ジャージを着るスタフ・クレメント(オランダ、ベルキン)が逃げをリード photo:Tim de Waele
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2014第6ステージ image:www.voltacatalunya.cat山がちなカタルーニャ一周の中では比較的難易度の低い172kmで行なわれた第6ステージ。中盤に標高596mの3級山岳フォントルビ峠が設定されているものの、フィニッシュ地点ビラノバ・イ・ラ・ヘルトル手前は平坦基調。スプリンター向きと見られたが、9名の強力な逃げがレースを盛り上げた。
リーダージャージを着る地元カタルーニャ出身のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:Tim de Waeleモンジュイックでの最終決戦を翌日に控えた150名の選手たちがエルベンドレルの街をスタートを切った。悪天候や低温のコンディションにより、体調を崩す選手が相次いでいる。
カチューシャ率いるメイン集団が3級山岳を進む photo:Tim de Waele逃げグループを形成したのはイェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)やピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)、ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、そして山岳賞ジャージを着るクレメントといった面々。脚の揃ったこの逃げが、カチューシャ率いるメイン集団を引き離して内陸部のアップダウンをクリアして行く。
逃げメンバーを振り切って勝利したスタフ・クレメント(オランダ、ベルキン) photo:Tim de Waeleレース後半にかけてロット・ベリソルやランプレ・メリダがメイン集団のペースアップを試みたものの時すでに遅し。メイン集団を2分近く引き離したまま、逃げの9名がビラノバ・イ・ラ・ヘルトルに差し掛かった。
残り9kmを切ったところで、フォイクトのアタックを切っ掛けに逃げグループ内の協調体制が崩壊。ロランら、他のメンバーも矢継ぎ早にアタックを仕掛けたが決まらない。すると、残り2kmでクレメントが単独アタックを成功させた。
これまで4度オランダのTTチャンピオンに輝き、2007年のロード世界選手権タイムトライアルで銅メダルを獲得しているクレメントが、得意の独走にもちこんで残り1km。後続8名の追撃は届かず、クレメントが独走のままフィニッシュした。
1982年生まれの31歳が、2011年オランダ選手権のTTタイトル以来となる3年ぶりの勝利。「僕は勝利数を稼ぐような選手じゃないから、こんなUCIワールドツアーレースでの勝利は格別だ」と謙遜する。
「一緒に逃げていた選手たちに『今日はお前が一番強かった』という祝いの言葉をもらったよ。ゴール手前の攻防はまるでゲームだった。こんな勝負にあまり慣れていないのでプレッシャーを感じたけど、終わってみれば全て良しだ。自信があったからこそ早めに仕掛けてみた。ウィルコ(ケルデルマン)が落車でトップ10から脱落した今、チームにとって非常に意味のある勝利。ここ数日間は毎日逃げに選手を送り込んでいたんだ」。
総合上位陣を含むメイン集団は結局55秒遅れでフィニッシュ。フォイクトの逃げが吸収された場合のスプリントに備えていた別府史之(トレックファクトリーレーシング)は27位でフィニッシュラインを切っている。総合トップ10の順位やタイム差に変動は起こらなかった。
クレメントに先行を許してしまったルディ・モラール(フランス、コフィディス)らがフィニッシュ photo:Tim de Waele
ステージ優勝を飾ったスタフ・クレメント(オランダ、ベルキン) photo:Tim de Waele
選手コメントはチーム公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2014第6ステージ結果
個人総合成績
山岳賞
スタフ・クレメント(オランダ、ベルキン)
スプリント賞
ミヘル・コッホ(ドイツ、キャノンデール)
チーム総合成績
ガーミン・シャープ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele





残り9kmを切ったところで、フォイクトのアタックを切っ掛けに逃げグループ内の協調体制が崩壊。ロランら、他のメンバーも矢継ぎ早にアタックを仕掛けたが決まらない。すると、残り2kmでクレメントが単独アタックを成功させた。
これまで4度オランダのTTチャンピオンに輝き、2007年のロード世界選手権タイムトライアルで銅メダルを獲得しているクレメントが、得意の独走にもちこんで残り1km。後続8名の追撃は届かず、クレメントが独走のままフィニッシュした。
1982年生まれの31歳が、2011年オランダ選手権のTTタイトル以来となる3年ぶりの勝利。「僕は勝利数を稼ぐような選手じゃないから、こんなUCIワールドツアーレースでの勝利は格別だ」と謙遜する。
「一緒に逃げていた選手たちに『今日はお前が一番強かった』という祝いの言葉をもらったよ。ゴール手前の攻防はまるでゲームだった。こんな勝負にあまり慣れていないのでプレッシャーを感じたけど、終わってみれば全て良しだ。自信があったからこそ早めに仕掛けてみた。ウィルコ(ケルデルマン)が落車でトップ10から脱落した今、チームにとって非常に意味のある勝利。ここ数日間は毎日逃げに選手を送り込んでいたんだ」。
総合上位陣を含むメイン集団は結局55秒遅れでフィニッシュ。フォイクトの逃げが吸収された場合のスプリントに備えていた別府史之(トレックファクトリーレーシング)は27位でフィニッシュラインを切っている。総合トップ10の順位やタイム差に変動は起こらなかった。


選手コメントはチーム公式サイトより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2014第6ステージ結果
1位 スタフ・クレメント(オランダ、ベルキン)
2位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
3位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 イェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)
5位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット)
6位 アントニオ・ピエドラ(スペイン、カハルーラル)
7位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
8位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ニコ・シーメンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
10位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
27位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
2位 ルディ・モラール(フランス、コフィディス)
3位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 イェンス・フォイクト(ドイツ、トレックファクトリーレーシング)
5位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット)
6位 アントニオ・ピエドラ(スペイン、カハルーラル)
7位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
8位 ダミアン・ホーゾン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ニコ・シーメンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
10位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
27位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
3h58'44"
+03"
+09"
+55"
+03"
+09"
+55"
個人総合成績
1位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
4位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
6位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
7位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
4位 ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
6位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
7位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
27h03'13"
+04"
+07"
+10"
+17"
+18"
+26"
+42"
+48"
+04"
+07"
+10"
+17"
+18"
+26"
+42"
+48"
山岳賞
スタフ・クレメント(オランダ、ベルキン)
スプリント賞
ミヘル・コッホ(ドイツ、キャノンデール)
チーム総合成績
ガーミン・シャープ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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