独自の製法と設計で、高品質なカーボンバイクを世に送り続けるタイムのセカンドグレードに位置するのが、今回インプレするNXSだ。タイムのフラッグシップモデルであるZXRSと共通のレーシーなジオメトリーを持つNXS。グランフォンドバイクと位置づけられるモデルの真価を解き明かしていこう。
タイム NXS (c)MakotoAYANO/cyclowired.jp
タイムはフランス・リヨンを拠点とするカーボンフレームメーカーである。1987年創業の同社は独自のフロート機構を持つビンディングペダルの製造から始まった。そして1993年よりカーボンフレームの製造に着手。以来、20年間にわたり、トップレベルのカーボンフレームの製作を続けてきたタイムは、2005年、2006年のロードレース世界選手権優勝など数々の輝かしい実績を残している。
しかしながら近年はプロツアーチームへの供給は少なく、グランツールなどでも目立った活躍は少ない。それでも国内・外を問わずサイクリストの間では「タイムと言えばピュアレーシングブランド」として認識されるほどの地位を確立している。それは、供給スポンサーなどのしがらみが少なく、本当に気に入った機材を使うことのできるハイアマチュア間の評価が高いことを意味している。
モノコックで成形されるヘッドチューブ
マッシブなフロントフォークが抜群のハンドリングを生み出す
ネオンイエローのロゴがヘッドチューブにあしらわれる
タイムは1993年のフレーム製造開始時から一貫して、RTM(レジントランスファーモールディング)製法によって各チューブを製作している。これはカーボンシートを樹脂に含浸させたプリプレグを貼り合わせていく一般的なカーボンフレームの製法とは異なり、編み物のようにカーボンの原糸を編み込んでいくことで各チューブを作り出していく製法。RTMは精度と強度の両方が高い次元で求められる航空機の主翼や、F1のシャーシ等の製造にも採用された実績を持つ。
カーボン繊維の種類や向き、編み込み方によって各チューブに狙い通りの性能を発揮させることができるRTM工法と振動吸収性に優れたヴェクトランを組み合わせることでチューブ自体の振動吸収性を向上させることを実現している。この世界中の自転車メーカーの中でもタイムのみが持つ技術により、振動吸収性の確保のために極細のチューブや、湾曲した特異な形状のチューブを採用せずとも高い快適性を持つため、剛性バランスや強度にも優れている。
左右非対称のチェーンステーが踏力を効率的に推進力に変換する
タイムオリジナルのクイックセット 穴に専用工具を差し込んで回すことで球当たりを調整する
シートステーとシートチューブはラグによって接合される
リブが入り強化されるドライブ側チェーンステー
カーボンを知り尽くし、他のブランドとは一線を画する製法によってカーボンを使いこなすタイムの優れた技術力を余すところなく味わえるのが今回テストを行うNXSだ。昨年のラインナップにあったタイムのベーシックレーシングモデルNXとNXRSを統合し、振動吸収性を高めるためにリア三角を同社のエンデュランスモデルFluidity Sのシートステーと同様の形状とすることで、より長距離のレースでも活躍できるように進化させたモデルだ。
タイムはNXSをグランフォンドバイクとして位置づけている。ただ、それはゆったりとしたサイクリングを楽しむためのバイクということを意味するものではない。ヨーロッパにおけるグランフォンドとはレースさながらのハイペースで長距離を走り、タイムを競うようなイベントであり、そういったイベントを他のバイクに乗るよりも快適に、速く走るためのモデルということだ。
BB30を採用するハンガー部にチェーンステーが差し込まれる
ダウンチューブのロゴはブラックで精悍な印象を醸し出す
フロント周りは、ZXRS譲りのリブの入ったデザインのヘッドチューブや上下異径のヘッドパーツを採用することでしっかりとした剛性を確保している。特にクイックセットと呼ばれるヘッドセットはタイム独自の構造であり、プレッシャープラグを用いた一般的な固定方法よりも軽量かつ、高剛性にできるというメリットがある。ボリュームのあるフロントフォークと合わせて優れたコントロール性能を実現している。
モノコックで作られる前三角に対して、リアはシートステー、チェーンステーともにラグに差し込まれる方式となっている。チェーンステーは左右非対称となっており、左右それぞれの役割に応じて最適化された形状に成型されている。今では多くのブランドが左右非対称チェーンステーを採用しているが、その流れに先鞭をつけたのはタイムであった。シートステーは細くゆるやかに弧を描く事で振動吸収性を高め、長距離ライドでの疲労を軽減する。
ゆるやかにベンドするシートステーが快適性を生み出す
エアロ形状の専用シートポストを採用
ダウンチューブ裏側にもリブが設けられねじれ剛性を高めている
長きに渡るカーボンフレーム製造の歴史に裏打ちされた確固たる技術によって生み出されたタイム NXS。ワイヤーコンポーネント仕様と、電動コンポーネント仕様の2種類が用意される。今回のテストバイクは蛍光イエローが印象的な電動仕様のフレームに、シマノ 電動デュラエースとカンパニョーロ BORA ULTRA 35がアッセンブルされている。タイヤはユッチンソン カーボンコンプを使用し、ハンドル回りはタイムで統一されている。それでは早速2人のインプレッションに移ろう。
―インプレッション
「高い次元ですべての性能がまとまっている、一度乗っておいて損はないベンチマーク」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
メーカーはグランフォンドバイクという位置づけをしていますが、僕らの思い描く、リュックを背負って、途中で写真を撮ってというようなロングライドを快適にというようなイベント向けのバイクではなく、本場ヨーロッパで行われている、トップ集団がレースさながらのハイペースでロングディスタンスを走り抜けるイベントをいかに速く、楽に走ることができるかということを追求しているバイクです。
ハンドリングは非常に軽やかにしっかりと旋回していくという印象で、ヒラヒラとした不安定な感じはなく安定感のあるコーナーリング性能を持っています。無理やり体を使って曲げていくような乗り方をせずとも、理想のラインをトレースできます。
フロントフォークがしっかりしており、変によれることもないためにダンシング時に体重がかかっても振りが軽く、非常に軽快感に富んでいます。ブレーキング時にもフォークがしっかりとストッピングパワーを受け止めてくれるため、リニアに減速することができました。
「高い次元ですべての性能がまとまっている、一度乗っておいて損はないベンチマーク」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
質の高いカーボンを使っているためか、振動の収束が早く、段差や荒れた路面を走り抜けた際の振動の収まりが明らかに早いため、身体へのダメージが少ないですね。自転車が暴れることもなく、跳ねないためにトラクションもかかりやすく、その結果として速く走ることにもつながっています。タイムは良くカーボンフレームのベンチマークとして扱われますが、それも納得の高性能ですね。
過度な剛性感はありませんが、ライダーのパワーをしっかりと受け止めるだけの剛性は持っています。ただ、瞬間的に大パワーをかけるようなアタック、スプリントといったシチュエーションは他の高剛性に特化したようなバイクに比べると苦手です。
他ブランドであれば、最上級モデルに手が届く値段なのに、セカンドモデルであるとか、専用シートポストの調整幅が狭いとか、電動専用とワイヤー専用とでフレームが分かれているとか、細かい不満点はありますが、上りの軽さや、安心感のあるブレーキングとコーナーリング、特筆すべき振動収束性など、高い次元ですべての性能がまとまっている。一度乗っておいて損はないベンチマーク的存在のフレームでしょう。
「ライダーと一緒に走ってくれる、例えるならば助演男優賞のような存在」戸津井俊介(OVER-DOバイカーズサポート)
「ライダーと一緒に走ってくれる、例えるならば助演男優賞のような存在」戸津井俊介(OVER-DOバイカーズサポート) 直進安定性が高さが特徴的で、横に自転車を振る力を反発させることで前に進んでいく感覚のバイクです。重量的にも軽量に仕上がっており、高級感のあるルックスで素直にカッコいいと思えるバイクでした。
踏み出しはおっとりした性格のバイクで、シートアングルが寝ているジオメトリーもあって、スピードのかかりはマイルドな味付けになっています。ただ、反応が鈍いとか柔らかいという感覚とは異なる独特の乗り味です。
直進安定性の高さともあいまって、下りは非常に安心感のあるライディングフィールで、リラックスできます。他のバイクに比べて、下りが非常に楽なので積極的に身体を休めることができる乗り心地のバイクですね。
コーナーリングはクイックなハンドリングではなく、若干アンダー気味で大きく曲がっていくようなイメージです。ピーキーさは無いため、コーナーでも神経質になる必要はなく、安心できるハンドリングですね。
ベクトランを編み込む製法のおかげか、タイム特有の乗り心地の良さはNXSにも共通しています。完全に路面からの振動を消し去ってしまうのではなく、必要な情報のみを取り出して身体に伝えてくる独特の振動吸収性を持っています。体にはダメージが少なく、かといって柔らかいわけではない、絶妙なバランスを保っています。
ハイアベレージなスピードで、150kmや200kmといった長距離を走った時に、もっと走りたい!と思えるようなバイクです。自分の存在を主張しすぎることはないのですが、要所要所で助けてくれる。ライダーを支えながらゴールまで一緒に走ってくれるような、例えるならば助演男優賞のような存在のバイクでしょう。
グランフォンドやブルべといったロングライドはもちろん、レースユースにも対応できるバイクで、100km以上のワンデイレースやステージレースといった長丁場のレースでは優位性を発揮できるでしょう。メーカー内のグレードとしてはZXRSの次に位置するバイクですが、他メーカーのフラッグシップモデルとも伍していける性能を持ったフレームです。
タイム NXS MODULES カラー:ROUGE (c)ダイナソア
タイム NXS
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
重 量:1440g(フレーム+フォーク)
ボトムブラケット:BB30
カラー:PLASMA、ROUGE
付属品:カーボンボトルケージ(1つ)
価 格:399,000円(税込)
インプレライダーのプロフィール
鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ) 鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
スポーツバイクファクトリー北浦和スズキの店長兼代表取締役を務める。過去には大手自転車ショップで修行を積んだ後、独立し現在の北浦和に店を構える。週末はショップのお客さんとのライドやトライアスロンに力を入れている。ショップでは個人のポジションやフィッティングを追求すると同時に、ツーリングなどのイベントを開催することで走る場を提供し、ユーザーに満足してもらうことを第一に考えている。「買ってもらった方に自転車を続けてもらう」ことをモットーに魅力あるバイクライフを提案する日々を送っている。
CWレコメンドショップページ
スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ
戸津井俊介(OVER-DOバイカーズサポート) 戸津井俊介(OVER-DOバイカーズサポート)
1990年代から2000年代にかけて、日本を代表するマウンテンバイクライダーとして世界を舞台に活躍した経歴を持つ。1999年アジア大陸マウンテンバイク選手権チャンピオン。MTBレースと並行してロードでも活躍しており、2002年の3DAY CYCLE ROAD熊野BR-2 第3ステージ優勝など、数多くの優勝・入賞経験を持つ。現在はOVER-DOバイカーズサポート代表。ショップ経営のかたわら、お客さんとのトレーニングやツーリングなどで飛び回り、忙しい毎日を送っている。09年からは「キャノンデール・ジャパンMTBチーム」のメカニカルディレクターも務める。
OVER-DOバイカーズサポート
ウェア協力:reric
text:Naoki.YASUOKA
photo:Makoto.AYANAO

タイムはフランス・リヨンを拠点とするカーボンフレームメーカーである。1987年創業の同社は独自のフロート機構を持つビンディングペダルの製造から始まった。そして1993年よりカーボンフレームの製造に着手。以来、20年間にわたり、トップレベルのカーボンフレームの製作を続けてきたタイムは、2005年、2006年のロードレース世界選手権優勝など数々の輝かしい実績を残している。
しかしながら近年はプロツアーチームへの供給は少なく、グランツールなどでも目立った活躍は少ない。それでも国内・外を問わずサイクリストの間では「タイムと言えばピュアレーシングブランド」として認識されるほどの地位を確立している。それは、供給スポンサーなどのしがらみが少なく、本当に気に入った機材を使うことのできるハイアマチュア間の評価が高いことを意味している。



タイムは1993年のフレーム製造開始時から一貫して、RTM(レジントランスファーモールディング)製法によって各チューブを製作している。これはカーボンシートを樹脂に含浸させたプリプレグを貼り合わせていく一般的なカーボンフレームの製法とは異なり、編み物のようにカーボンの原糸を編み込んでいくことで各チューブを作り出していく製法。RTMは精度と強度の両方が高い次元で求められる航空機の主翼や、F1のシャーシ等の製造にも採用された実績を持つ。
カーボン繊維の種類や向き、編み込み方によって各チューブに狙い通りの性能を発揮させることができるRTM工法と振動吸収性に優れたヴェクトランを組み合わせることでチューブ自体の振動吸収性を向上させることを実現している。この世界中の自転車メーカーの中でもタイムのみが持つ技術により、振動吸収性の確保のために極細のチューブや、湾曲した特異な形状のチューブを採用せずとも高い快適性を持つため、剛性バランスや強度にも優れている。




カーボンを知り尽くし、他のブランドとは一線を画する製法によってカーボンを使いこなすタイムの優れた技術力を余すところなく味わえるのが今回テストを行うNXSだ。昨年のラインナップにあったタイムのベーシックレーシングモデルNXとNXRSを統合し、振動吸収性を高めるためにリア三角を同社のエンデュランスモデルFluidity Sのシートステーと同様の形状とすることで、より長距離のレースでも活躍できるように進化させたモデルだ。
タイムはNXSをグランフォンドバイクとして位置づけている。ただ、それはゆったりとしたサイクリングを楽しむためのバイクということを意味するものではない。ヨーロッパにおけるグランフォンドとはレースさながらのハイペースで長距離を走り、タイムを競うようなイベントであり、そういったイベントを他のバイクに乗るよりも快適に、速く走るためのモデルということだ。


フロント周りは、ZXRS譲りのリブの入ったデザインのヘッドチューブや上下異径のヘッドパーツを採用することでしっかりとした剛性を確保している。特にクイックセットと呼ばれるヘッドセットはタイム独自の構造であり、プレッシャープラグを用いた一般的な固定方法よりも軽量かつ、高剛性にできるというメリットがある。ボリュームのあるフロントフォークと合わせて優れたコントロール性能を実現している。
モノコックで作られる前三角に対して、リアはシートステー、チェーンステーともにラグに差し込まれる方式となっている。チェーンステーは左右非対称となっており、左右それぞれの役割に応じて最適化された形状に成型されている。今では多くのブランドが左右非対称チェーンステーを採用しているが、その流れに先鞭をつけたのはタイムであった。シートステーは細くゆるやかに弧を描く事で振動吸収性を高め、長距離ライドでの疲労を軽減する。



長きに渡るカーボンフレーム製造の歴史に裏打ちされた確固たる技術によって生み出されたタイム NXS。ワイヤーコンポーネント仕様と、電動コンポーネント仕様の2種類が用意される。今回のテストバイクは蛍光イエローが印象的な電動仕様のフレームに、シマノ 電動デュラエースとカンパニョーロ BORA ULTRA 35がアッセンブルされている。タイヤはユッチンソン カーボンコンプを使用し、ハンドル回りはタイムで統一されている。それでは早速2人のインプレッションに移ろう。
―インプレッション
「高い次元ですべての性能がまとまっている、一度乗っておいて損はないベンチマーク」鈴木卓史(スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ)
メーカーはグランフォンドバイクという位置づけをしていますが、僕らの思い描く、リュックを背負って、途中で写真を撮ってというようなロングライドを快適にというようなイベント向けのバイクではなく、本場ヨーロッパで行われている、トップ集団がレースさながらのハイペースでロングディスタンスを走り抜けるイベントをいかに速く、楽に走ることができるかということを追求しているバイクです。
ハンドリングは非常に軽やかにしっかりと旋回していくという印象で、ヒラヒラとした不安定な感じはなく安定感のあるコーナーリング性能を持っています。無理やり体を使って曲げていくような乗り方をせずとも、理想のラインをトレースできます。
フロントフォークがしっかりしており、変によれることもないためにダンシング時に体重がかかっても振りが軽く、非常に軽快感に富んでいます。ブレーキング時にもフォークがしっかりとストッピングパワーを受け止めてくれるため、リニアに減速することができました。

質の高いカーボンを使っているためか、振動の収束が早く、段差や荒れた路面を走り抜けた際の振動の収まりが明らかに早いため、身体へのダメージが少ないですね。自転車が暴れることもなく、跳ねないためにトラクションもかかりやすく、その結果として速く走ることにもつながっています。タイムは良くカーボンフレームのベンチマークとして扱われますが、それも納得の高性能ですね。
過度な剛性感はありませんが、ライダーのパワーをしっかりと受け止めるだけの剛性は持っています。ただ、瞬間的に大パワーをかけるようなアタック、スプリントといったシチュエーションは他の高剛性に特化したようなバイクに比べると苦手です。
他ブランドであれば、最上級モデルに手が届く値段なのに、セカンドモデルであるとか、専用シートポストの調整幅が狭いとか、電動専用とワイヤー専用とでフレームが分かれているとか、細かい不満点はありますが、上りの軽さや、安心感のあるブレーキングとコーナーリング、特筆すべき振動収束性など、高い次元ですべての性能がまとまっている。一度乗っておいて損はないベンチマーク的存在のフレームでしょう。
「ライダーと一緒に走ってくれる、例えるならば助演男優賞のような存在」戸津井俊介(OVER-DOバイカーズサポート)

踏み出しはおっとりした性格のバイクで、シートアングルが寝ているジオメトリーもあって、スピードのかかりはマイルドな味付けになっています。ただ、反応が鈍いとか柔らかいという感覚とは異なる独特の乗り味です。
直進安定性の高さともあいまって、下りは非常に安心感のあるライディングフィールで、リラックスできます。他のバイクに比べて、下りが非常に楽なので積極的に身体を休めることができる乗り心地のバイクですね。
コーナーリングはクイックなハンドリングではなく、若干アンダー気味で大きく曲がっていくようなイメージです。ピーキーさは無いため、コーナーでも神経質になる必要はなく、安心できるハンドリングですね。
ベクトランを編み込む製法のおかげか、タイム特有の乗り心地の良さはNXSにも共通しています。完全に路面からの振動を消し去ってしまうのではなく、必要な情報のみを取り出して身体に伝えてくる独特の振動吸収性を持っています。体にはダメージが少なく、かといって柔らかいわけではない、絶妙なバランスを保っています。
ハイアベレージなスピードで、150kmや200kmといった長距離を走った時に、もっと走りたい!と思えるようなバイクです。自分の存在を主張しすぎることはないのですが、要所要所で助けてくれる。ライダーを支えながらゴールまで一緒に走ってくれるような、例えるならば助演男優賞のような存在のバイクでしょう。
グランフォンドやブルべといったロングライドはもちろん、レースユースにも対応できるバイクで、100km以上のワンデイレースやステージレースといった長丁場のレースでは優位性を発揮できるでしょう。メーカー内のグレードとしてはZXRSの次に位置するバイクですが、他メーカーのフラッグシップモデルとも伍していける性能を持ったフレームです。

タイム NXS
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
重 量:1440g(フレーム+フォーク)
ボトムブラケット:BB30
カラー:PLASMA、ROUGE
付属品:カーボンボトルケージ(1つ)
価 格:399,000円(税込)
インプレライダーのプロフィール

スポーツバイクファクトリー北浦和スズキの店長兼代表取締役を務める。過去には大手自転車ショップで修行を積んだ後、独立し現在の北浦和に店を構える。週末はショップのお客さんとのライドやトライアスロンに力を入れている。ショップでは個人のポジションやフィッティングを追求すると同時に、ツーリングなどのイベントを開催することで走る場を提供し、ユーザーに満足してもらうことを第一に考えている。「買ってもらった方に自転車を続けてもらう」ことをモットーに魅力あるバイクライフを提案する日々を送っている。
CWレコメンドショップページ
スポーツバイクファクトリー北浦和スズキ

1990年代から2000年代にかけて、日本を代表するマウンテンバイクライダーとして世界を舞台に活躍した経歴を持つ。1999年アジア大陸マウンテンバイク選手権チャンピオン。MTBレースと並行してロードでも活躍しており、2002年の3DAY CYCLE ROAD熊野BR-2 第3ステージ優勝など、数多くの優勝・入賞経験を持つ。現在はOVER-DOバイカーズサポート代表。ショップ経営のかたわら、お客さんとのトレーニングやツーリングなどで飛び回り、忙しい毎日を送っている。09年からは「キャノンデール・ジャパンMTBチーム」のメカニカルディレクターも務める。
OVER-DOバイカーズサポート
ウェア協力:reric
text:Naoki.YASUOKA
photo:Makoto.AYANAO
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