2014/02/21(金) - 11:15
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)がツアー・オブ・オマーンのスプリント戦線に帰ってきた。前日のスプリントをメカトラで失っていたグライペルが、オールラウンダーたちのアタック合戦を切り抜けて2勝目。総合リーダージャージも取り返してみせた。
フィニッシュラインの24km手前と6.5km手前でKOMをクリアするツアー・オブ・オマーン第3ステージ。スタートともに飛び出したケヴィン・イスタ(ベルギー、IAMサイクリング)、ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF)、イェーレ・ワレイス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、マルティン・マースカント(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)を、ステージ優勝狙いのチームが追撃する展開となる。
メイン集団を率いたのは、グライペル擁するロット・ベリソルではなく、リーダージャージ擁するオリカ・グリーンエッジやキャノンデール、アスタナ、BMCレーシング。登りバトルも視野に入れたチームのコントロールにより、最大3分30秒あったタイム差は徐々に縮まっていく。逃げグループは残り10kmを切って吸収された。
残り6.5kmで頂点を迎えるKOMアルジサー(標高154m)で、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)らがアタックを仕掛けたが決まらない。ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)がリードする形で登りをクリアした集団から、昨年のツール・ド・フランス覇者クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が発進した。
登り頂上でのフルームのアタックに真っ先に反応したのは、シクロクロス世界選手権で優勝したばかりのゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)。続いてファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)とペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)も追いつき、先頭では5名の強力なグループが形成される。
ハイスピードダウンヒルを経て平坦区間に差し掛かった5名の後ろには、80名ほどの大集団が迫る。向かい風とサガンの存在が先頭5名のペースアップを阻害し、結局は残り1kmで吸収。踏み直したサガンを振り切って、グライペルがゴールスプリントで勝利した。
オールラウンダーが動く難易度のステージで、"登れるスプリンター"のグライペルが勝利。「コースプロフィールを見て、今日は厳しいレースになると予想していた。ギャロパンやルーランズ、ファンデンブロックで勝利を狙う予定だったけど、チームに鼓舞されて集団内で登りをクリア。強い向かい風が自分に有利に働いたよ。残り4kmの時点で集団最後尾にいた自分をバクとルーランズが強力に引き上げてくれた。そこからリヒハルトとルーランズの完璧なリードアウトを受けてスプリントしたんだ」と、今シーズンの勝利数を世界最多の5勝に伸ばしたグライペルは語っている。リーダージャージを着るリー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がステージ50位に沈んだため、ボーナスタイムによりグライペルが総合首位に返り咲いた。
翌日の第4ステージは、標高355mのKOMが後半に連続する難易度の高いレイアウト。第5ステージのKOMグリーンマウンテン山頂フィニッシュを前に、再びオールラウンダーたちが動きを見せるだろう。
選手コメントはロット・ベリソル公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2014第3ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3h29'08"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
3位 ナセル・ブアニ(イタリア、FDJ.fr)
4位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
5位 マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
8位 ザッカリ・デンプスター(オーストラリア、ネットアップ・エンデューラ)
9位 マッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 エンリコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 10h44'20"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +08"
3位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) +10"
4位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール) +14"
5位 ナセル・ブアニ(イタリア、FDJ.fr) +16"
6位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル) +19"
8位 アレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
9位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) +20"
10位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
ヤングライダー賞
リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
総合敢闘賞(中間スプリント賞)
プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
フィニッシュラインの24km手前と6.5km手前でKOMをクリアするツアー・オブ・オマーン第3ステージ。スタートともに飛び出したケヴィン・イスタ(ベルギー、IAMサイクリング)、ニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニ・CSF)、イェーレ・ワレイス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、マルティン・マースカント(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)を、ステージ優勝狙いのチームが追撃する展開となる。
メイン集団を率いたのは、グライペル擁するロット・ベリソルではなく、リーダージャージ擁するオリカ・グリーンエッジやキャノンデール、アスタナ、BMCレーシング。登りバトルも視野に入れたチームのコントロールにより、最大3分30秒あったタイム差は徐々に縮まっていく。逃げグループは残り10kmを切って吸収された。
残り6.5kmで頂点を迎えるKOMアルジサー(標高154m)で、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)らがアタックを仕掛けたが決まらない。ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)がリードする形で登りをクリアした集団から、昨年のツール・ド・フランス覇者クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)が発進した。
登り頂上でのフルームのアタックに真っ先に反応したのは、シクロクロス世界選手権で優勝したばかりのゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)。続いてファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)とペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)も追いつき、先頭では5名の強力なグループが形成される。
ハイスピードダウンヒルを経て平坦区間に差し掛かった5名の後ろには、80名ほどの大集団が迫る。向かい風とサガンの存在が先頭5名のペースアップを阻害し、結局は残り1kmで吸収。踏み直したサガンを振り切って、グライペルがゴールスプリントで勝利した。
オールラウンダーが動く難易度のステージで、"登れるスプリンター"のグライペルが勝利。「コースプロフィールを見て、今日は厳しいレースになると予想していた。ギャロパンやルーランズ、ファンデンブロックで勝利を狙う予定だったけど、チームに鼓舞されて集団内で登りをクリア。強い向かい風が自分に有利に働いたよ。残り4kmの時点で集団最後尾にいた自分をバクとルーランズが強力に引き上げてくれた。そこからリヒハルトとルーランズの完璧なリードアウトを受けてスプリントしたんだ」と、今シーズンの勝利数を世界最多の5勝に伸ばしたグライペルは語っている。リーダージャージを着るリー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がステージ50位に沈んだため、ボーナスタイムによりグライペルが総合首位に返り咲いた。
翌日の第4ステージは、標高355mのKOMが後半に連続する難易度の高いレイアウト。第5ステージのKOMグリーンマウンテン山頂フィニッシュを前に、再びオールラウンダーたちが動きを見せるだろう。
選手コメントはロット・ベリソル公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2014第3ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3h29'08"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
3位 ナセル・ブアニ(イタリア、FDJ.fr)
4位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
5位 マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6位 ゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ)
8位 ザッカリ・デンプスター(オーストラリア、ネットアップ・エンデューラ)
9位 マッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 エンリコ・バッタリーン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 10h44'20"
2位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +08"
3位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) +10"
4位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール) +14"
5位 ナセル・ブアニ(イタリア、FDJ.fr) +16"
6位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル) +19"
8位 アレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
9位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ) +20"
10位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
ヤングライダー賞
リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
総合敢闘賞(中間スプリント賞)
プレベン・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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