2014/01/25(土) - 02:45
UCIポイントを獲得できるトラックの国際レースが初めて国内で開催された。2大会3日間の初日は鈴木奈央(JPN、星陵高)が2冠、男子エリートケイリンで表彰台独占など日本人選手が活躍。
自転車競技でワールドカップや世界選手権に出場するには個人と国のUCIポイントが必要。オリンピックも通常その先にある。トラックレースでの日本は現在、積極的にワールドカップに出場し、今大会の上位選手はみな世界中を転戦している。しかし世界の力の壁は厚く、日本人選手がUCIポイントを獲得するのは容易なことではない。今までアジア大会やアジア選手権は開催されてきたが、大陸別大会以外でUCIポイントを獲得できる大会はまだなかった。
伊豆ベロドロームを走る男子エリートポイントレース (c)Makoto.AYANO
いっぽうで世界選手権に出場した国は基本的に次シーズンに自国で国際大会を開催しなければならない。今大会はそれに応じたものであり男女エリートおよび男女ジュニアの4つのクラスを開催する。世界中から参加可能だが実際は近隣諸国が多く、日本にとってはホームで戦え、UCIポイントを多く獲得できるチャンスだ。今回は1月24日にジャパントラックカップⅠが、同25、26日に同Ⅱが開催される。
ここでは1月24日(金)に伊豆ベロドロームで行われたジャパントラックカップⅠの模様をお伝えしよう。
種目は各クラスで多少の差異があるが、3日間通じて男女同種目に近づけるようにしている。また賞金もエリートの男女間、ジュニアの男女間において差は無く同一としている。
男子ジュニアスクラッチ 10km
激しい仕掛けがスタート後から始まり序盤過ぎて安田開(JPN、北桑田高)が単独逃げ続ける。これに後方から単独で孫崎大樹(JPN、北桑田高)が、さらに単独で松本憲斗(ルーテル学院高)が合流して3人で逃げ続ける。集団との差は1/4周程度だがその差が詰まらない。ゴールは3人のスプリント勝負を松本が制し優勝。前へ出て行く積極的なレース展開が見られた。
男子ジュニアスクラッチ決勝ゴール、松本憲斗(ルーテル学院高)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
男子ジュニアスクラッチ 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 松本憲斗(ルーテル学院高)
2位 安田開(JPN、北桑田高)
3位 孫崎大樹(JPN、北桑田高)
女子エリートポイントレース
前半にパン・ヤオ(香港)と中村妃智(JPN、日本体育大)の2名が集団をラップ、その後も仕掛けが続くが集団は崩れず。ここでディアオ・ジャオジュアン(香港)が2名にラップされたとき以外のすべてを1位通過してチームメイトを逆転し優勝。
女子エリートポイントレース決勝、先頭のディアオ・ジャオジュアン(香港)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
女子エリートポイントレ ース 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 ディアオ・ジャオジュアン(香港)37点
2位 パン・ヤオ(香港)37点
3位 中村妃智(JPN、日本体育大)30点
女子ジュニアケイリン
一発決勝で行われた女子ジュニア。2番手につけていた鈴木奈央(JPN、星陵高)がラスト2周で先頭に立つとそのまま後続を引き離し圧巻の優勝。地元で開催の国際大会に、多くの親戚らの応援の声に応えた。
女子ジュニアケイリン、鈴木奈央(JPN、星陵高)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
女子ジュニアケイリン 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 鈴木奈央(JPN、星陵高)
2位 モハマド・アドナン・ファリナ・シャワティ(マレーシア)
3位 八木梓(JPN、北桑田高)
男子エリートケイリン
ラスト1周で前に出た脇本雄太(JPN、JPCU福井)が先行、ここまで強い走りを見せていたジョセフ・ヴェローチェ(カナダ)が出られず、新田祐大(JPN、JPCU福島)が、さらに渡邉一成(シクロチャンネルTOKYO、JPCU福島)が出て3人が横一線でゴール。中央を走った新田が先着で優勝。
男子エリートケイリン、中央の新田祐大(JPN、JPCU福島)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
男子エリートケイリン 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 新田祐大(JPN、JPCU福島)
2位 渡邉一成(シクロチャンネルTOKYO、JPCU福島)
3位 脇本雄太(JPN、JPCU福井)
女子エリートスプリント
予選の200mFTTで11秒610の1番時計を出したミッシー・エリクソン(アメリカ)が圧倒、小林優香(JPN、日本競輪学校)も健闘したがストレートでエリクソンが優勝。
女子エリートスプリント、ミッシー・エリクソン(アメリカ)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
女子エリートスプリント 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 ミッシー・エリクソン(アメリカ)
2位 小林優香(JPN、日本競輪学校)
3位 モハマド・ウミ・ハミア(マレーシア)
女子ジュニアポイントレース 10km
序盤は八木梓(JPN、北桑田高)、大久保花梨(祐誠高)、鈴木奈央(JPN、星陵高)らで点が割れるが鈴木が得点を重ねたあとラスト2kmで単独アタックし逃げ続ける。最終周回に吸収されたがそれまでの得点が効いて優勝。鈴木はこの日2冠を達成。
女子ジュニアポイントレース、鈴木奈央(JPN、星陵高)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
女子ジュニアポイントレース、表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 鈴木奈央(JPN、星陵高)11点
2位 大久保花梨(祐誠高)10点
3位 八木梓(JPN、北桑田高)9点
男子エリートポイントレース
序盤は得点が割れるがレン・チュン・ウィン(香港)、チェン・キン・ロー(香港)、窪木一茂(JPN、和歌山県庁/チーム右京)、近谷諒(日本大)の4人が集団をラップ、さらにレン・チュン・ウィンと倉林巧和(日本体育大)の2人がラップ。レン・チュン・ウィンはさらに2ラップして他を圧倒。後半は誰も追えない状態になるほどの力の差を見せて優勝。日本勢では窪木と近谷が力を見せた。
男子エリートポイントレース、前から2人目のレン・チュン・ウィン(香港)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
男子エリートポイントレース 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 レン・チュン・ウィン(香港)110点
2位 チェン・キン・ロー(香港)74点
3位 窪木一茂(JPN、和歌山県庁/チーム右京)61点
男子エリートスプリント
予選200mFTTで1番2番の中川誠一郎(シクロチャンネルTOKYO、JPCU熊本)10秒274と河端朋之(シクロチャンネルTOKYO、JPCU岡山)が決勝で対決。2本とも河端が取って優勝。
男子エリートスプリント、左側の河端朋之(シクロチャンネルTOKYO、JPCU岡山)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
男子エリートスプリント 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 河端朋之(シクロチャンネルTOKYO、JPCU岡山)
2位 中川誠一郎(シクロチャンネルTOKYO、JPCU熊本)
3位 モハマド・ユノス・ムハマド・エドルス(マレーシア)
男子ジュニアケイリン
決勝では、国内で強さを見せる野上竜太(JPN、岡山工)と簗田一輝(千葉経大付属)が最後尾から追い上げて先行するが、最終周回でかわされモハマド・ゾニス・ムハマド・フィルダウス(マレーシア)が優勝。
男子ジュニアケイリン、モハマド・ゾニス・ムハマド・フィルダウス(マレーシア)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
男子ジュニアケイリン 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 モハマド・ゾニス・ムハマド・フィルダウス(マレーシア)
2位 レン・カユ(香港)
3位 ジョン・ジェヒ(大韓民国学生)
女子エリートケイリン
決勝では前田佳代乃(シクロチャンネルTOKYO)が先行、これを小林優香(JPN、日本競輪学校)がかわし、さらにミッシー・エリクソン(アメリカ)が出てくる。ゴールは小林とエリクソンがほぼ同時だったがタイヤ1/2ほどの差で小林が先着し優勝。
女子エリートケイリン、小林優香(JPN、日本競輪学校)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
女子エリートケイリン 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
1位 小林優香(JPN、日本競輪学校)
2位 ミッシー・エリクソン(アメリカ)
3位 中川諒子(JPCA、JPCU新潟)
text:Hideaki.TAKAGI
photo:Hideaki.TAKAGI, Makoto.AYANO
フォトギャラリー2(CW Facebook)
自転車競技でワールドカップや世界選手権に出場するには個人と国のUCIポイントが必要。オリンピックも通常その先にある。トラックレースでの日本は現在、積極的にワールドカップに出場し、今大会の上位選手はみな世界中を転戦している。しかし世界の力の壁は厚く、日本人選手がUCIポイントを獲得するのは容易なことではない。今までアジア大会やアジア選手権は開催されてきたが、大陸別大会以外でUCIポイントを獲得できる大会はまだなかった。
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いっぽうで世界選手権に出場した国は基本的に次シーズンに自国で国際大会を開催しなければならない。今大会はそれに応じたものであり男女エリートおよび男女ジュニアの4つのクラスを開催する。世界中から参加可能だが実際は近隣諸国が多く、日本にとってはホームで戦え、UCIポイントを多く獲得できるチャンスだ。今回は1月24日にジャパントラックカップⅠが、同25、26日に同Ⅱが開催される。
ここでは1月24日(金)に伊豆ベロドロームで行われたジャパントラックカップⅠの模様をお伝えしよう。
種目は各クラスで多少の差異があるが、3日間通じて男女同種目に近づけるようにしている。また賞金もエリートの男女間、ジュニアの男女間において差は無く同一としている。
男子ジュニアスクラッチ 10km
激しい仕掛けがスタート後から始まり序盤過ぎて安田開(JPN、北桑田高)が単独逃げ続ける。これに後方から単独で孫崎大樹(JPN、北桑田高)が、さらに単独で松本憲斗(ルーテル学院高)が合流して3人で逃げ続ける。集団との差は1/4周程度だがその差が詰まらない。ゴールは3人のスプリント勝負を松本が制し優勝。前へ出て行く積極的なレース展開が見られた。
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1位 松本憲斗(ルーテル学院高)
2位 安田開(JPN、北桑田高)
3位 孫崎大樹(JPN、北桑田高)
女子エリートポイントレース
前半にパン・ヤオ(香港)と中村妃智(JPN、日本体育大)の2名が集団をラップ、その後も仕掛けが続くが集団は崩れず。ここでディアオ・ジャオジュアン(香港)が2名にラップされたとき以外のすべてを1位通過してチームメイトを逆転し優勝。
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1位 ディアオ・ジャオジュアン(香港)37点
2位 パン・ヤオ(香港)37点
3位 中村妃智(JPN、日本体育大)30点
女子ジュニアケイリン
一発決勝で行われた女子ジュニア。2番手につけていた鈴木奈央(JPN、星陵高)がラスト2周で先頭に立つとそのまま後続を引き離し圧巻の優勝。地元で開催の国際大会に、多くの親戚らの応援の声に応えた。
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1位 鈴木奈央(JPN、星陵高)
2位 モハマド・アドナン・ファリナ・シャワティ(マレーシア)
3位 八木梓(JPN、北桑田高)
男子エリートケイリン
ラスト1周で前に出た脇本雄太(JPN、JPCU福井)が先行、ここまで強い走りを見せていたジョセフ・ヴェローチェ(カナダ)が出られず、新田祐大(JPN、JPCU福島)が、さらに渡邉一成(シクロチャンネルTOKYO、JPCU福島)が出て3人が横一線でゴール。中央を走った新田が先着で優勝。
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1位 新田祐大(JPN、JPCU福島)
2位 渡邉一成(シクロチャンネルTOKYO、JPCU福島)
3位 脇本雄太(JPN、JPCU福井)
女子エリートスプリント
予選の200mFTTで11秒610の1番時計を出したミッシー・エリクソン(アメリカ)が圧倒、小林優香(JPN、日本競輪学校)も健闘したがストレートでエリクソンが優勝。
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1位 ミッシー・エリクソン(アメリカ)
2位 小林優香(JPN、日本競輪学校)
3位 モハマド・ウミ・ハミア(マレーシア)
女子ジュニアポイントレース 10km
序盤は八木梓(JPN、北桑田高)、大久保花梨(祐誠高)、鈴木奈央(JPN、星陵高)らで点が割れるが鈴木が得点を重ねたあとラスト2kmで単独アタックし逃げ続ける。最終周回に吸収されたがそれまでの得点が効いて優勝。鈴木はこの日2冠を達成。
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1位 鈴木奈央(JPN、星陵高)11点
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3位 八木梓(JPN、北桑田高)9点
男子エリートポイントレース
序盤は得点が割れるがレン・チュン・ウィン(香港)、チェン・キン・ロー(香港)、窪木一茂(JPN、和歌山県庁/チーム右京)、近谷諒(日本大)の4人が集団をラップ、さらにレン・チュン・ウィンと倉林巧和(日本体育大)の2人がラップ。レン・チュン・ウィンはさらに2ラップして他を圧倒。後半は誰も追えない状態になるほどの力の差を見せて優勝。日本勢では窪木と近谷が力を見せた。
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1位 レン・チュン・ウィン(香港)110点
2位 チェン・キン・ロー(香港)74点
3位 窪木一茂(JPN、和歌山県庁/チーム右京)61点
男子エリートスプリント
予選200mFTTで1番2番の中川誠一郎(シクロチャンネルTOKYO、JPCU熊本)10秒274と河端朋之(シクロチャンネルTOKYO、JPCU岡山)が決勝で対決。2本とも河端が取って優勝。
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1位 河端朋之(シクロチャンネルTOKYO、JPCU岡山)
2位 中川誠一郎(シクロチャンネルTOKYO、JPCU熊本)
3位 モハマド・ユノス・ムハマド・エドルス(マレーシア)
男子ジュニアケイリン
決勝では、国内で強さを見せる野上竜太(JPN、岡山工)と簗田一輝(千葉経大付属)が最後尾から追い上げて先行するが、最終周回でかわされモハマド・ゾニス・ムハマド・フィルダウス(マレーシア)が優勝。
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1位 モハマド・ゾニス・ムハマド・フィルダウス(マレーシア)
2位 レン・カユ(香港)
3位 ジョン・ジェヒ(大韓民国学生)
女子エリートケイリン
決勝では前田佳代乃(シクロチャンネルTOKYO)が先行、これを小林優香(JPN、日本競輪学校)がかわし、さらにミッシー・エリクソン(アメリカ)が出てくる。ゴールは小林とエリクソンがほぼ同時だったがタイヤ1/2ほどの差で小林が先着し優勝。
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1位 小林優香(JPN、日本競輪学校)
2位 ミッシー・エリクソン(アメリカ)
3位 中川諒子(JPCA、JPCU新潟)
text:Hideaki.TAKAGI
photo:Hideaki.TAKAGI, Makoto.AYANO
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