2014/01/14(火) - 17:32
信州シクロクロスもシリーズ最終盤。硬く締まった雪と泥による超テクニカルコースとなった第10戦清里ラウンドを制したのは50歳の小坂正則(スワコレーシング)。追い上げる斉藤亮(ブリヂストン・アンカー)らを破り、圧巻の独走勝利を飾ってみせた。
1月の3連休最後の成人の日、雄大な八ヶ岳を背後に抱く標高1400mの清里高原にて、信州シクロクロスのシリーズ第10戦が開催された。
最上級カテゴリーであるC1には湘南シクロクロスからの連戦組である小坂正則(スワコレーシング)や斉藤亮(ブリヂストン・アンカー)山田誉史輝(BIKERANCH/DIRTFREAK)など、15名がエントリー。関西クロス第8戦希望ヶ丘や湘南クロス第2戦など、連休中は全国各地でシクロクロスレースが開催されていたため参加人数は少なかったが、各カテゴリーでは熱いレースが繰り広げられた。
豪雪に見舞われた昨年大会とは打って変わり、この日の気温は終止低めだったものの、降り注ぐ太陽光によって比較的暖かく感じるほどの絶好のレース日和。
なだらかな斜面に設営されたコースの雪は締まっており、シケインこそ設置されていないが、乗車を拒む深い雪ゾーンや、小山状の盛り雪に参加者は手を焼くことになる。レースや周回を重ねる度に路面の轍は深さを増し、これを如何にスピードを落とさず攻略できるかが問われるテクニカルなレースとなった。
この日の最終カテゴリーであるC1クラスで、スタートの号砲と共に飛び出したのは、小坂正則や飯塚隆文、兼子博昭らスワコレーシング勢や、野辺山シクロクロスのオーガナイザーである矢野大介(Speedvagen Cyclocross Team)ら。
混沌とする1周回目を終えると小坂正則と山田誉史輝の2人が抜け出し、これを飯塚隆文やシクロクロス世界選手権の日本選手団監督を務めた経験のある沢田雄一(チーム サイクルマインド)らが追い、斉藤亮は山田将輝(Limited846)らと共に中盤から追い上げる形でレースが始まった。
丁寧にミス無く走る小坂正則と、スリップをいとわず果敢に攻める山田誉史輝。年齢差32歳の先頭パックはこのままレースを進めるかと思われたが、やがて小坂が独走体制に持ち込むことに成功し、山田は少しづつ遅れを喫す苦しい展開になる。
レースが進むにつれて走行ライン上は部分的に土や泥が露出し、その凹凸は圧雪以上に落車やスリップを頻発させ、休みどころの全く無いタフなコースに変貌していく。
中盤スタートを強いられた斉藤亮は次第に前走者をパスしポジションを2位まで上げたもの、安定した走りで快調なペースを維持した小坂には届かない。数度の落車にも慌てず対応した小坂は、前日3位の借りを返す圧巻の走りで静かにゴールラインを切った。
スタート直前のパンクによって急遽性格の違うホイール&タイヤで走った斉藤亮は1分18秒差、残る表彰台の座は終盤に猛烈なスパートをかけて山田誉史輝を抜き去った飯塚隆文が射止め、4位山田、5位沢田雄一と地元長野勢が上位を独占する形となった。
優勝した小坂は「序盤は走りやすかったのですが、レースが進むにつれて雪がザクザクになってとても難しかったですね。今日は前で走ることが特に大事でしたし、そういう意味では自分のレースができて良かった」と言う。
一方追い上げ届かなかった斉藤は、開口一番「難しかった!」と言う。「まだクロスバイクに乗り馴れていないのでコースに遊ばれてしまったのですが、だんだんと高い強度にも身体が順応してきました。MTBシーズンの開幕に合わせて調子を上げていきたいと思います。」とコメントした。
L1はレース中盤までリードした今井美穂(CycleClub.jp)を全日本チャンピオンの宮内佐季子(ChainRing)がかわして優勝。マスターズは青嶋和幸が制し、C2は丸山兼児、C3は石原秋彦がそれぞれ優勝し昇格を決めている。
信州クロス シーズン 2013-2014 第10戦 清里結果
C1
1位 小坂正則(スワコレーシング) 53'32"
2位 斉藤亮(ブリヂストン・アンカー) +1'18"
3位 飯塚隆文(スワコレーシング) +5'15"
4位 山田誉史輝(BIKERANCH/DIRTFREAK) +5'40"
5位 沢田雄一(チーム サイクルマインド) −1Lap
6位 兼子博昭(スワコレーシング)
7位 小俣雄風太(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)
8位 矢野大介(Speedvagen Cyclocross Team)
9位 橋口潤一郎(轍屋)
10位 澤田泰征(VOLCA転倒虫)
L1
1位 宮内佐季子(ChainRing) 49'36"
2位 今井美穂(CycleClub.jp) +3'12"
3位 橋口陽子(轍屋) −1Lap
C2
1位 丸山兼児 45'46"
2位 箭内秀平
3位 笹井穂之 +25"
4位 山田夏樹 +1'04"
5位 川村浩二 +2'47"
Master
1位 青嶋和幸 38'48"
2位 原野博明 +01"
3位 伴肇 −1Lap
C3
1位 石原秋彦 34'11"
2位 小林勇輝 +1'18"
3位 木内浩 +2'31"
L2
1位 矢野麻利
text&photo:So.Isobe
1月の3連休最後の成人の日、雄大な八ヶ岳を背後に抱く標高1400mの清里高原にて、信州シクロクロスのシリーズ第10戦が開催された。
最上級カテゴリーであるC1には湘南シクロクロスからの連戦組である小坂正則(スワコレーシング)や斉藤亮(ブリヂストン・アンカー)山田誉史輝(BIKERANCH/DIRTFREAK)など、15名がエントリー。関西クロス第8戦希望ヶ丘や湘南クロス第2戦など、連休中は全国各地でシクロクロスレースが開催されていたため参加人数は少なかったが、各カテゴリーでは熱いレースが繰り広げられた。
豪雪に見舞われた昨年大会とは打って変わり、この日の気温は終止低めだったものの、降り注ぐ太陽光によって比較的暖かく感じるほどの絶好のレース日和。
なだらかな斜面に設営されたコースの雪は締まっており、シケインこそ設置されていないが、乗車を拒む深い雪ゾーンや、小山状の盛り雪に参加者は手を焼くことになる。レースや周回を重ねる度に路面の轍は深さを増し、これを如何にスピードを落とさず攻略できるかが問われるテクニカルなレースとなった。
この日の最終カテゴリーであるC1クラスで、スタートの号砲と共に飛び出したのは、小坂正則や飯塚隆文、兼子博昭らスワコレーシング勢や、野辺山シクロクロスのオーガナイザーである矢野大介(Speedvagen Cyclocross Team)ら。
混沌とする1周回目を終えると小坂正則と山田誉史輝の2人が抜け出し、これを飯塚隆文やシクロクロス世界選手権の日本選手団監督を務めた経験のある沢田雄一(チーム サイクルマインド)らが追い、斉藤亮は山田将輝(Limited846)らと共に中盤から追い上げる形でレースが始まった。
丁寧にミス無く走る小坂正則と、スリップをいとわず果敢に攻める山田誉史輝。年齢差32歳の先頭パックはこのままレースを進めるかと思われたが、やがて小坂が独走体制に持ち込むことに成功し、山田は少しづつ遅れを喫す苦しい展開になる。
レースが進むにつれて走行ライン上は部分的に土や泥が露出し、その凹凸は圧雪以上に落車やスリップを頻発させ、休みどころの全く無いタフなコースに変貌していく。
中盤スタートを強いられた斉藤亮は次第に前走者をパスしポジションを2位まで上げたもの、安定した走りで快調なペースを維持した小坂には届かない。数度の落車にも慌てず対応した小坂は、前日3位の借りを返す圧巻の走りで静かにゴールラインを切った。
スタート直前のパンクによって急遽性格の違うホイール&タイヤで走った斉藤亮は1分18秒差、残る表彰台の座は終盤に猛烈なスパートをかけて山田誉史輝を抜き去った飯塚隆文が射止め、4位山田、5位沢田雄一と地元長野勢が上位を独占する形となった。
優勝した小坂は「序盤は走りやすかったのですが、レースが進むにつれて雪がザクザクになってとても難しかったですね。今日は前で走ることが特に大事でしたし、そういう意味では自分のレースができて良かった」と言う。
一方追い上げ届かなかった斉藤は、開口一番「難しかった!」と言う。「まだクロスバイクに乗り馴れていないのでコースに遊ばれてしまったのですが、だんだんと高い強度にも身体が順応してきました。MTBシーズンの開幕に合わせて調子を上げていきたいと思います。」とコメントした。
L1はレース中盤までリードした今井美穂(CycleClub.jp)を全日本チャンピオンの宮内佐季子(ChainRing)がかわして優勝。マスターズは青嶋和幸が制し、C2は丸山兼児、C3は石原秋彦がそれぞれ優勝し昇格を決めている。
信州クロス シーズン 2013-2014 第10戦 清里結果
C1
1位 小坂正則(スワコレーシング) 53'32"
2位 斉藤亮(ブリヂストン・アンカー) +1'18"
3位 飯塚隆文(スワコレーシング) +5'15"
4位 山田誉史輝(BIKERANCH/DIRTFREAK) +5'40"
5位 沢田雄一(チーム サイクルマインド) −1Lap
6位 兼子博昭(スワコレーシング)
7位 小俣雄風太(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)
8位 矢野大介(Speedvagen Cyclocross Team)
9位 橋口潤一郎(轍屋)
10位 澤田泰征(VOLCA転倒虫)
L1
1位 宮内佐季子(ChainRing) 49'36"
2位 今井美穂(CycleClub.jp) +3'12"
3位 橋口陽子(轍屋) −1Lap
C2
1位 丸山兼児 45'46"
2位 箭内秀平
3位 笹井穂之 +25"
4位 山田夏樹 +1'04"
5位 川村浩二 +2'47"
Master
1位 青嶋和幸 38'48"
2位 原野博明 +01"
3位 伴肇 −1Lap
C3
1位 石原秋彦 34'11"
2位 小林勇輝 +1'18"
3位 木内浩 +2'31"
L2
1位 矢野麻利
text&photo:So.Isobe
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