ホセ・ビセンテらスペイン人選手の活躍、1クラスとなったTOJ、前代未聞の山岳コースでの全日本ロード、鹿屋VS日本大のインカレ、そしてツールがさいたまにやってきた2013年。

TOJと熊野を席巻したチームNIPPO・デローザ。熊野・丸山千枚田をアレドンドとバリアーニが逃げ続けるTOJと熊野を席巻したチームNIPPO・デローザ。熊野・丸山千枚田をアレドンドとバリアーニが逃げ続ける photo:Hideaki TAKAGI
プロコン以上のチームに別府史之、宮澤崇史、増田成幸、新城幸也、佐野淳哉、西薗良太の6人が所属したのが2013年。いっぽう国内では土井雪広、阿部嵩之らがチーム右京に加入してシーズンがスタート。実業団Jプロツアー開幕戦でチーム右京のホセ・ビセンテが飛ぶようなスピードで伊吹山を駆け上り優勝。シーズン中盤で来日したガルシア・ビセンテ(マトリックスパワータグ)とともにスペイン人選手の力を見せ付けたシーズンに。

”那須ブラーゼン”観光地の那須に新チームが誕生”那須ブラーゼン”観光地の那須に新チームが誕生 1月
2013年シーズンの各チームの全容が明らかに。全日本チャンピオンでありアルゴス・シマノの土井雪広はチーム右京へ。そしてオランダでともに走っていたシマノレーシングの阿部嵩之も同チームへ。チーム右京が結成2年目で大幅にチーム力を強化した。

2月
栃木県内で宇都宮ブリッツェンに続いて那須ブラーゼンが今シーズンから活動開始。観光関係者を中心とした母体に注目が集まる。


東京都心でのクリテリウムとして定着した日本学生自転車競技連盟(学連)主催の第7回神宮外苑クリテリウム。鹿屋体育大学の黒枝士揮と上野みなみが圧倒して優勝。またシリーズ戦総合優勝は西沢倭義(明治大学)に決定した。

今年で7回目の神宮外苑クリテ。都心の一等地で毎年開催今年で7回目の神宮外苑クリテ。都心の一等地で毎年開催 photo:Hideaki TAKAGI
3月
高校選抜ロード、岡本隼(和歌山北)が制して同校は総合優勝高校選抜ロード、岡本隼(和歌山北)が制して同校は総合優勝 photo:Hideaki TAKAGIシーズン開幕戦の西日本チャレンジロードでマトリックスパワータグが1位から5位まで独占。同チームはシーズン通して上位常連の活躍を見せる。

高校生の2大大会のひとつが高校選抜大会。国際大会にも出る野上竜太(岡山工)や森口寛己(和歌山北)、元砂七夕美(榛生昇陽)らがトラックで活躍。特に野上は8月に1kmTTで1分04秒938のジュニア日本記録を樹立。1年生だった鈴木奈央(星陵)は2冠を達成。

ロードレースは強化選手のハイレベルの戦いに。ゴール勝負を岡本隼(和歌山北)が横山航太(篠ノ井)を下して優勝し、和歌山北高が総合優勝。

4月
Jプロツアー開幕戦の伊吹山ヒルクライムはチーム右京のホセ・ビセンテが異次元の走りで圧勝。3km地点からアタックを開始、すぐに見えなくなるほどに差をつけ、そのままゴールまで独走。2位の飯野智行(宇都宮ブリッツェン)に2分39秒の大差を付けた。ホセ・ビセンテは前年までスペインのプロコンチームのアンダルシアに所属。チームの事実上の解散により日本に活路を求めてきた。それまで3度のブエルタに出場しいずれも完走、プロコンのアシスト選手の桁違いの強さを見せ付けた。

ホセ・ビセンテが異次元の速さで国内デビューしたのは伊吹山ホセ・ビセンテが異次元の速さで国内デビューしたのは伊吹山 photo:Hideaki TAKAGIJPT白浜クリテリウム、優勝はマリウス・ヴィズィアック。チーム右京はホセ・ビセンテと大久保陣が上位にJPT白浜クリテリウム、優勝はマリウス・ヴィズィアック。チーム右京はホセ・ビセンテと大久保陣が上位に photo:Hideaki TAKAGI

Jプロツアー2連戦の白浜、初日のTTはチーム右京が制し早くも今シーズンの国内レースを掌握する勢いに。続く2日目のクリテリウムはマリウス・ヴィズィアック(マトリックスパワータグ)が優勝。ここでもホセ・ビセンテは機関車役ながらも2位に。基本能力の高さを見せた。続く群馬ロードではマトリックスの窪木一茂がそのホセ・ビセンテを下して優勝。レース巧者ぶりを発揮。

5月
今年からクラス1に格上げとなったツアー・オブ・ジャパン。UCIプロチームのランプレ・メリダが参戦。しかし日本のコンチネンタルチームのチームNIPPO・デローザが圧倒、フォルッナート・バリアーニとジュリアン・アレドンドが総合ワン・ツー。また富士山ステージではベンジャミン・ディボール(ヒューオン・ジェネシス)がついに40分の壁を破る39分47秒のコースレコードで優勝。

日本人では6ステージのうち第1・第6ステージで西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が制した。個人総合では西薗良太(チャンピオンシステム・プロサイクリング)が6位に入り力を見せた。

ツアー・オブ・ジャパン東京ステージで2勝目の西谷泰治ツアー・オブ・ジャパン東京ステージで2勝目の西谷泰治 photo:So ISOBE1クラスとなったツアー・オブ・ジャパンを席巻したチームNIPPO・デローザ。バリアーニが個人総合優勝1クラスとなったツアー・オブ・ジャパンを席巻したチームNIPPO・デローザ。バリアーニが個人総合優勝 photo:Hideaki TAKAGI

続くツール・ド・熊野もチームNIPPO・デローザが圧倒。今度はアレドンド-バリアーニで個人総合ワン・ツー。総合優勝を決定付けた第2ステージでは追走集団に15秒差まで詰められたが驚異の粘りで逃げ切った。日本人選手では土井雪広(チーム右京)が個人総合5位に。同17位まで外国人選手が占める中、ひとり気を吐いた。期待された西薗は第2ステージで不運な落車に遭いリタイア、1週間後の全日本個人TTへ影響が心配された。

丸山千枚田を上る集団丸山千枚田を上る集団 photo:Hideaki TAKAGI15秒差まで詰められたが逃げ切ったアレドンドとバリアーニ15秒差まで詰められたが逃げ切ったアレドンドとバリアーニ photo:Hideaki TAKAGI


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