2013/12/28(土) - 08:36
12月14日(土)、埼玉県戸田市に位置する彩湖道満グリーンパークにて第11回Sports Bike Demoが開催され、約7000人が来場した。試乗展示会にはサイクルモード未出展のブランドが多く集まり、その規模や充実ぶりは日本最大級と言っても過言ではないほどとなった。
Sports Bike Demo(スポーツバイクデモ)は、「ユーザーに最新モデルを試乗してもらい、その乗り味や走り心地に納得して購入してもらいたい」と、首都圏を中心にスポーツバイクショップ「ワイズロード」を展開するワイ・インターナショナルが1990年代後半から開催を続けている試乗イベントだ。
かつては池袋のサンシャインシティにて試乗展示会とアウトレット即売会の併催という形式で開催されており、2011年より「自転車の楽しみ方を知って貰いたい」との考えから埼玉県戸田市の彩湖道満グリーンパークに会場を移してエンデューロレースを同時開催するようになった。荒川サイクリングロード隣接していること、そして都心から車で30分というアクセスしやすいことから年々来場者数が増加し、今年はレースの参加者を含め6,500人以上もの来場を数えた。
ビギナーでも楽しめる工夫が沢山 彩湖の湖畔を走る4時間エンデューロ「ワイズカップ」
試乗展示会が始まる30分前、9時より湖畔に設置された1周5kmのコースを舞台とした4時間エンデューロが開催された。ゲストライダーを務めたブリヂストン・アンカーの井上和郎選手と清水都貴選手、トピーク・エルゴン所属のプロMTBライダー池田祐樹選手らと共に1700人のライダーが特設サーキットを駆け抜けた。
このレース最大の特徴はアクセス良いことに加え、参加費が人数に関係なく1チーム8,000円ととてもリーズナブルなこと。今大会で設定された1チーム当たりの最大人数の10人で参加すれば1人当たりの参加費は800円と正に破格で手軽にレースが楽しめるというわけだ。かと言って危険箇所には多くの立哨を配置するなどレースの安全対策には抜かりない印象だ。
純粋な競技としても楽しめたレース。加えて、池田選手とチャリン娘の佐野真梨子さんが抽選で当選したチームのライダーとして走ったり、レースの順位がゾロ目だったチームが豪華商品をもらえたりとユニークかつビギナーが楽しめる工夫も盛りだくさん。最後の表彰式には急遽来場したチームユーロップカーの新城幸也選手が登場し、特別賞を受賞したショッカー軍団と「シェー!」とおどける場面も。初めてレースとなったビギナーにも楽しさが伝わる様な雰囲気の中レースは幕を閉じた。
キャノンデールやトレックなどサイクルモード未出展ブランドも並んだ充実の試乗展示会
午前9時半から開催された大規模な試乗展示会。晴天に恵まれ、冬の荒川にしては珍しいほどの無風という絶好のコンディションの下に70以上のメーカー・代理店から200台ものバイクが集結した。出展ブースにはキャノンデールやトレック、コルナゴ、メリダなど今年のサイクルモードで未出展だったブランドも多く、来場者と出展者の双方から「ブースの充実度が最も高い」という声が聞かれた。
バイクはロードレーサーからTTバイク、MTB、シクロクロス、小径車、レディースモデルまでジャンルを問わず用意されていた。試乗はレース参加者のみならずアンケートに答えれば誰でも参加可能で、マイペダルとサドルの高さを合わせた状態で様々なバイクを乗り比べることができる。
シクロワイアードでは数あるブースの中でも大きな注目を集めていたキャノンデール・ジャパンでマーケティングマネージャーを務める伊藤浩希さんに出展のメリットを伺った。
「サイクルモードに出展したのが5年前のことですから現状についてはあまり把握していませんが、当時よりもブースに来てくださる方の購買意欲が高いと感じました。実際にスーパーシックスEVOを購入しようか迷われている方が、今朝ワイズロードさんの店頭で案内されて試乗会に来てくださったというケースがあったくらいです。
また、ペダルやサドルの高さなど、普段と変わらないコンディションで試乗できる点にもメリットを感じました。そして気に入ったら会場で直ぐに予約できたり、帰り道で買って帰れるという点も魅力的です。試乗コースはバイクの性能を体感して頂けるレイアウトになっていますが、希望を言えばもう少し長いコースにしてもらいたいですね。」
主催者に訊くスポーツバイクデモ開催の経緯と今後
スポーツバイクデモを開催する経緯についてお話を伺ったのは今大会の実行委員を担当した奥平総帆さん。かつてはマウンテンバイクJシリーズに参戦するDHライダーのメカニックとして活躍し、現在はワイ・インターナショナル本部のに勤務している。ショップが大規模な試乗会、そしてレースを主催する意味とは。
1990年代後半にスポーツバイクデモを始めたキッカケは、当時東京ビックサイトで開催されていた東京サイクルショーの出展内容に不満があるという声が多くのお客様から聞こえて来たことにあります。そこで大小様々なブランドに協力して頂き、どんな方にも満足してもらえる様に出展を充実させたサイクルショーを自分たちで開催するようになりました。
その後サイクルモードが開催されてからはしばらくスポーツバイクデモをお休みしていました。しかし、日本に輸入されるブランドの増加を受け「サイクルモード未出展のコアなブランドやジャンルのバイクもまとめて試乗したい」というお客様の声が聞こえきたことから2010年に富士見パノラマスキー場にてMTBに特化した大規模試乗会を開催し、次いで2011年より彩湖にてスポーツバイクデモを復活させました。
加えてレースを併催することで、スポーツ自転車の楽しみ方を提案しています。その理由は、これから自転車界全体が成長していく上で「単なる移動手段としてだけではなく趣味・文化として面白いんだ」ということをより多くの人に知ってもらう必要があると感じているからです。
その一環として今大会では「レースに出る」という敷居を可能な限り下げるために低価格で参加できるレースを開催しました。いずれはスポーツバイクを全く知らない人にも来場して頂き、その世界観にふれて頂き、少しでも興味をもってもらえる様な場になってくれればと思っています。
今後、将来的にはMTBやシクロクロスのレースも一緒に開催したいと考えています。現状ではジャンルの垣根を超えて自転車を楽しむ方は少数派ですが、他ジャンルの楽しさを我々から提案することでサイクリストひとりひとりにより自転車生活を楽しんで頂けるように、そして自転車の奥深さ知ってもらいたいです。また、立地上難しいですが、更に広い試乗コースを用意したいですね。」
サイクルモードが人気メーカーやブランドの出展を減らすなか、ユーザーの目線に立った充実の出展を集め、国内最大規模かつ関東では随一の試乗展示会がスポーツバイクデモだ。あれこれ比べてバイクを決めたいという方や、イベントも楽しみたいといった方はまた来年参加してみてはいかがだろうか。
text&photo:Yuya.Yamamoto
Sports Bike Demo(スポーツバイクデモ)は、「ユーザーに最新モデルを試乗してもらい、その乗り味や走り心地に納得して購入してもらいたい」と、首都圏を中心にスポーツバイクショップ「ワイズロード」を展開するワイ・インターナショナルが1990年代後半から開催を続けている試乗イベントだ。
かつては池袋のサンシャインシティにて試乗展示会とアウトレット即売会の併催という形式で開催されており、2011年より「自転車の楽しみ方を知って貰いたい」との考えから埼玉県戸田市の彩湖道満グリーンパークに会場を移してエンデューロレースを同時開催するようになった。荒川サイクリングロード隣接していること、そして都心から車で30分というアクセスしやすいことから年々来場者数が増加し、今年はレースの参加者を含め6,500人以上もの来場を数えた。
ビギナーでも楽しめる工夫が沢山 彩湖の湖畔を走る4時間エンデューロ「ワイズカップ」
試乗展示会が始まる30分前、9時より湖畔に設置された1周5kmのコースを舞台とした4時間エンデューロが開催された。ゲストライダーを務めたブリヂストン・アンカーの井上和郎選手と清水都貴選手、トピーク・エルゴン所属のプロMTBライダー池田祐樹選手らと共に1700人のライダーが特設サーキットを駆け抜けた。
このレース最大の特徴はアクセス良いことに加え、参加費が人数に関係なく1チーム8,000円ととてもリーズナブルなこと。今大会で設定された1チーム当たりの最大人数の10人で参加すれば1人当たりの参加費は800円と正に破格で手軽にレースが楽しめるというわけだ。かと言って危険箇所には多くの立哨を配置するなどレースの安全対策には抜かりない印象だ。
純粋な競技としても楽しめたレース。加えて、池田選手とチャリン娘の佐野真梨子さんが抽選で当選したチームのライダーとして走ったり、レースの順位がゾロ目だったチームが豪華商品をもらえたりとユニークかつビギナーが楽しめる工夫も盛りだくさん。最後の表彰式には急遽来場したチームユーロップカーの新城幸也選手が登場し、特別賞を受賞したショッカー軍団と「シェー!」とおどける場面も。初めてレースとなったビギナーにも楽しさが伝わる様な雰囲気の中レースは幕を閉じた。
キャノンデールやトレックなどサイクルモード未出展ブランドも並んだ充実の試乗展示会
午前9時半から開催された大規模な試乗展示会。晴天に恵まれ、冬の荒川にしては珍しいほどの無風という絶好のコンディションの下に70以上のメーカー・代理店から200台ものバイクが集結した。出展ブースにはキャノンデールやトレック、コルナゴ、メリダなど今年のサイクルモードで未出展だったブランドも多く、来場者と出展者の双方から「ブースの充実度が最も高い」という声が聞かれた。
バイクはロードレーサーからTTバイク、MTB、シクロクロス、小径車、レディースモデルまでジャンルを問わず用意されていた。試乗はレース参加者のみならずアンケートに答えれば誰でも参加可能で、マイペダルとサドルの高さを合わせた状態で様々なバイクを乗り比べることができる。
シクロワイアードでは数あるブースの中でも大きな注目を集めていたキャノンデール・ジャパンでマーケティングマネージャーを務める伊藤浩希さんに出展のメリットを伺った。
「サイクルモードに出展したのが5年前のことですから現状についてはあまり把握していませんが、当時よりもブースに来てくださる方の購買意欲が高いと感じました。実際にスーパーシックスEVOを購入しようか迷われている方が、今朝ワイズロードさんの店頭で案内されて試乗会に来てくださったというケースがあったくらいです。
また、ペダルやサドルの高さなど、普段と変わらないコンディションで試乗できる点にもメリットを感じました。そして気に入ったら会場で直ぐに予約できたり、帰り道で買って帰れるという点も魅力的です。試乗コースはバイクの性能を体感して頂けるレイアウトになっていますが、希望を言えばもう少し長いコースにしてもらいたいですね。」
主催者に訊くスポーツバイクデモ開催の経緯と今後
スポーツバイクデモを開催する経緯についてお話を伺ったのは今大会の実行委員を担当した奥平総帆さん。かつてはマウンテンバイクJシリーズに参戦するDHライダーのメカニックとして活躍し、現在はワイ・インターナショナル本部のに勤務している。ショップが大規模な試乗会、そしてレースを主催する意味とは。
1990年代後半にスポーツバイクデモを始めたキッカケは、当時東京ビックサイトで開催されていた東京サイクルショーの出展内容に不満があるという声が多くのお客様から聞こえて来たことにあります。そこで大小様々なブランドに協力して頂き、どんな方にも満足してもらえる様に出展を充実させたサイクルショーを自分たちで開催するようになりました。
その後サイクルモードが開催されてからはしばらくスポーツバイクデモをお休みしていました。しかし、日本に輸入されるブランドの増加を受け「サイクルモード未出展のコアなブランドやジャンルのバイクもまとめて試乗したい」というお客様の声が聞こえきたことから2010年に富士見パノラマスキー場にてMTBに特化した大規模試乗会を開催し、次いで2011年より彩湖にてスポーツバイクデモを復活させました。
加えてレースを併催することで、スポーツ自転車の楽しみ方を提案しています。その理由は、これから自転車界全体が成長していく上で「単なる移動手段としてだけではなく趣味・文化として面白いんだ」ということをより多くの人に知ってもらう必要があると感じているからです。
その一環として今大会では「レースに出る」という敷居を可能な限り下げるために低価格で参加できるレースを開催しました。いずれはスポーツバイクを全く知らない人にも来場して頂き、その世界観にふれて頂き、少しでも興味をもってもらえる様な場になってくれればと思っています。
今後、将来的にはMTBやシクロクロスのレースも一緒に開催したいと考えています。現状ではジャンルの垣根を超えて自転車を楽しむ方は少数派ですが、他ジャンルの楽しさを我々から提案することでサイクリストひとりひとりにより自転車生活を楽しんで頂けるように、そして自転車の奥深さ知ってもらいたいです。また、立地上難しいですが、更に広い試乗コースを用意したいですね。」
サイクルモードが人気メーカーやブランドの出展を減らすなか、ユーザーの目線に立った充実の出展を集め、国内最大規模かつ関東では随一の試乗展示会がスポーツバイクデモだ。あれこれ比べてバイクを決めたいという方や、イベントも楽しみたいといった方はまた来年参加してみてはいかがだろうか。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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