2013/12/09(月) - 01:10
シクロクロス全日本選手権、エリート男子に先立って行なわれたエリート女子とジュニアのレース。他カテゴリーと比べてエントリー数は少ないものの、密度の濃いバトルが繰り広げられた。宮内佐季子(CLUB viento)が再びエリート女子の全日本チャンピオンジャージを射止めている。
ディフェンディングチャンピオン宮内佐季子の快走
エリート女子 豊岡英子(パナソニックレディース)を先頭にスタート photo:Kei Tsujiエリート女子の出走者は14名。王座奪回を狙う豊岡英子(パナソニックレディース)が先頭を切って舗装路を駆け上がり、草地を縫うようにスキー場を突き進む。野辺山シクロクロスで表彰台に登った今井美穂(CycleClub.jp)は第1コーナー手前でネットに引っかかり、スタートで大きく出遅れた。
エリート女子 與那嶺恵理(TEAM FORZA!)率いる先頭パック photo:Kei Tsuji開始早々、先頭では豊岡、宮内佐季子(CLUB viento)と與那嶺恵理(TEAM FORZA!)、豊岡英子(パナソニックレディース)、坂口聖香(パナソニックレディース)の4名のパック走行がスタート。それぞれ得意なセクションでパックの先頭に出るが、4名の隊列が崩れないまま1周目を完了する。
エリート女子 後続とのタイム差を徐々に広げる宮内佐季子(CLUB viento) photo:Kei Tsujiすると2周目の前半に宮内が大きくリード。與那嶺と坂口がそれぞれ単独で追撃し、豊岡は4番手まで後退した。
「最終的に人数が絞られてからの勝負だと予想していたので、そこまで我慢して走ろうと思っていました。勝負がかかるまでは、自分が考えていたラインを自分で考えたように走っていた。自分から仕掛けたのではなく、我慢しきれなくなった人が落ちていったんだと思います」。独走に持ち込んだ宮内は、レース後にそう語っている。
後方では與那嶺と坂口が粘りを見せたが、宮内のリードは揺るがない。「與那嶺さんが後半にペースを上げるレースがこれまでにあった。自分もそうですけど、後半に入ると(感覚を掴んで)攻めることが出来るので、一気にペースが上がることがある。だから與那嶺さんに警戒していました」。最終的に宮内は21秒差で逃げ切った。
「今までのマキノのコースとは違って、スピードをガクンと落とすポイントが少なく、踏んでいくコースでした。全日本チャンピオンジャージで勝てていなかったので自信はありませんでした。調整が難しくて、全日本に間に合ってよかったです」。全日本選手権2連覇。宮内がタイトル防衛に成功した。
シクロクロスを始めたばかりの與那嶺が2位、坂口姉妹の長女聖香が3位。豊岡は4位に終わっている。また、後方から追い上げた今井が武田和佳(ARAI MURACA)を振り切って5位に入った。
エリート女子 一直線の高速ダウンヒルをこなす與那嶺恵理(TEAM FORZA!) photo:Kei Tsuji
エリート女子 3番手を走る坂口聖香(パナソニックレディース) photo:Kei Tsuji
エリート女子表彰台 photo:Kei Tsuji
朝の空気を熱くした中井唯晶と竹内遼の接戦
ジュニア 竹内遼(TEAM Pro Ride)を先頭にスタート photo:Kei Tsuji5名出走のジュニアレースで主導権を握ったのは中井唯晶(瀬田工業高校)と竹内遼(TEAM Pro Ride)の2人。もう一人の有力候補である山田将輝(Limited846/DIRT FREAK)がトラブルで遅れを取る中、中井と竹内が先頭でバトルを繰り広げた。
ジュニア 抜きつ抜かれつの闘いを繰り広げる中井唯晶(瀬田工業高校)と竹内遼(TEAM Pro Ride) photo:Kei Tsujiロードやトラックレースを得意とする中井と、MTB出身の竹内。脚質とテクニックの異なる2人がそれぞれ得意なセクションで仕掛けたものの、決定打を欠いた状態が続く。そして残り周回表示が減っていく。
一進一退の攻防を繰り広げながら勝負は最終周回へ。ゴール手前の階段&テクニカルな下り区間で中井がミスした隙を突いて竹内が先行。そのまま竹内が20mほどのリードで最終ストレートに差し掛かる。しかし舗装路の登りスプリントで中井が伸びた。
フィニッシュラインの数メートル手前で竹内に並んだ中井が勝利を確信してガッツポーズ。39分間の攻防は、最後の数秒で決着が付いた。
「競り合う展開だと一回のミスで遅れてしまうと思ったので最初から行きました。でも(竹内を)引き離せなかった。ロード選手の中ではスプリント力が無いほうですが、シクロクロスではスプリントで勝てると思っていた。最後まで踏み切りました。勝ててよかった」。普段から関西シクロクロスでエリートレースに混ざって走り、ジュニアレースで勝利を重ねていた中井が、僅差で全日本タイトルを掴んだ。
ジュニア ゴールスプリントを繰り広げる中井唯晶(瀬田工業高校)と竹内遼(TEAM Pro Ride) photo:Kei Tsuji
ジュニア表彰台 photo:Kei Tsuji
エリート女子
1位 宮内佐季子(CLUB viento) 43'09"(Ave.19.1km/h)
2位 與那嶺恵理(TEAM FORZA!) +21"
3位 坂口聖香(パナソニックレディース) +1'42"
4位 豊岡英子(パナソニックレディース) +2'53"
5位 今井美穂(CycleClub.jp) +4'33"
6位 武田和佳(Team Chainring) +4'43"
7位 相野田静香(clubGROW) +5'56"
8位 坂口楓華(パナソニックレディース) +6'31"
9位 川崎路子(CLUB viento) +8'36"
10位 上田順子(BC.ANELLO JUUYU) +10'18"
ジュニア
1位 中井唯晶(瀬田工業高校) 39'02"(Ave.21.1km/h)
2位 竹内遼(TEAM Pro Ride)
3位 山田将輝(Limited846/DIRT FREAK) +2'32"
4位 早川裕紀(北桑田高校) +4'20"
5位 岡野樹 +6'35"
text&photo:Kei Tsuji
ディフェンディングチャンピオン宮内佐季子の快走
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「最終的に人数が絞られてからの勝負だと予想していたので、そこまで我慢して走ろうと思っていました。勝負がかかるまでは、自分が考えていたラインを自分で考えたように走っていた。自分から仕掛けたのではなく、我慢しきれなくなった人が落ちていったんだと思います」。独走に持ち込んだ宮内は、レース後にそう語っている。
後方では與那嶺と坂口が粘りを見せたが、宮内のリードは揺るがない。「與那嶺さんが後半にペースを上げるレースがこれまでにあった。自分もそうですけど、後半に入ると(感覚を掴んで)攻めることが出来るので、一気にペースが上がることがある。だから與那嶺さんに警戒していました」。最終的に宮内は21秒差で逃げ切った。
「今までのマキノのコースとは違って、スピードをガクンと落とすポイントが少なく、踏んでいくコースでした。全日本チャンピオンジャージで勝てていなかったので自信はありませんでした。調整が難しくて、全日本に間に合ってよかったです」。全日本選手権2連覇。宮内がタイトル防衛に成功した。
シクロクロスを始めたばかりの與那嶺が2位、坂口姉妹の長女聖香が3位。豊岡は4位に終わっている。また、後方から追い上げた今井が武田和佳(ARAI MURACA)を振り切って5位に入った。
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朝の空気を熱くした中井唯晶と竹内遼の接戦
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一進一退の攻防を繰り広げながら勝負は最終周回へ。ゴール手前の階段&テクニカルな下り区間で中井がミスした隙を突いて竹内が先行。そのまま竹内が20mほどのリードで最終ストレートに差し掛かる。しかし舗装路の登りスプリントで中井が伸びた。
フィニッシュラインの数メートル手前で竹内に並んだ中井が勝利を確信してガッツポーズ。39分間の攻防は、最後の数秒で決着が付いた。
「競り合う展開だと一回のミスで遅れてしまうと思ったので最初から行きました。でも(竹内を)引き離せなかった。ロード選手の中ではスプリント力が無いほうですが、シクロクロスではスプリントで勝てると思っていた。最後まで踏み切りました。勝ててよかった」。普段から関西シクロクロスでエリートレースに混ざって走り、ジュニアレースで勝利を重ねていた中井が、僅差で全日本タイトルを掴んだ。
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エリート女子
1位 宮内佐季子(CLUB viento) 43'09"(Ave.19.1km/h)
2位 與那嶺恵理(TEAM FORZA!) +21"
3位 坂口聖香(パナソニックレディース) +1'42"
4位 豊岡英子(パナソニックレディース) +2'53"
5位 今井美穂(CycleClub.jp) +4'33"
6位 武田和佳(Team Chainring) +4'43"
7位 相野田静香(clubGROW) +5'56"
8位 坂口楓華(パナソニックレディース) +6'31"
9位 川崎路子(CLUB viento) +8'36"
10位 上田順子(BC.ANELLO JUUYU) +10'18"
ジュニア
1位 中井唯晶(瀬田工業高校) 39'02"(Ave.21.1km/h)
2位 竹内遼(TEAM Pro Ride)
3位 山田将輝(Limited846/DIRT FREAK) +2'32"
4位 早川裕紀(北桑田高校) +4'20"
5位 岡野樹 +6'35"
text&photo:Kei Tsuji
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