2013/11/26(火) - 15:27
11月24日、神奈川県湘南地区の大磯ロングビーチの敷地内をコースとする「大磯クリテリウム」が初開催された。冬季のレーストレーニングに最適な新しいシリーズレースのコンセプトを取材した。
会場となったのは大磯プリンスホテルの敷地内、大磯ロングビーチの駐車場だ。海沿いの駐車場の脇には西湘バイパスがとおり、すぐ隣は海。コースは駐車場内に1周900mの距離で設定された。
スタートゴール地点には協賛メーカーのスペシャライズドのバルーンアーチが設置され、華を添えていた。スペシャライズド・ジャパンは本社を厚木市に置くので、同じ神奈川県内のイベントとしての協賛だ。
レースの企画・主催は株式会社Walk Ride(ウォークライド)。湘南ベルマーレなどで選手として活躍した山根理史(やまね・まさふみ)さんが中心となって自転車レースやトレーニングに関して様々なイベントやスクール、ソフト提供をする新しい会社だ。そして会場敷地内にあるカートコースを運営する湘南シーサイドGPも主催社として大会に全面協力している。
レースは9時より順次スタート。ビギナー、ミドル、一般女子・中学生男子・女子、小学校低学年・高学年、シニア40・50・60代、そしてエリートと、脚力レベルと年齢・性別毎に細かくクラス分けされた。距離は例を挙げると一般で8周、ミドル17周、エリート37周だ。
当日の天候は雲ひとつ無い快晴。太陽を遮るもののない広々とした会場には日光がさんさんと降り注ぎ、湘南独特の温暖な気候がたっぷりと体感できる素晴らしい日和となった。会場からは冠雪の富士山と伊豆半島が見渡せ、観戦していても気持ちが良かった。
初回ながら262人の参加者を集め、レースはプログラム順に順調に続く。レースはスタートから半周がオートバイ先導によるローリングスタート。トレーニングレースとはいえFフォーク装着の計測チップも用意され、順位がつく。しかもJCFの制服に身を包んだ審判が判定するのには驚いた。
主催者の山根さんは言う。「今回はJCF公認審判の方に来ていただいたんですが、お陰でレースがしっかりと行えました。これは予定していなかったことなんです。当初、計測チップだけで行おうと考えていたところ、関係者の方に審判を呼んだほうが良いとアドバイスを受けて協力を仰ぎました。今後については他の大会(東京都ロードなど)ローカル大会との兼ね合いもあるのでいつも審判が来てくれるとは限りませんが、公平なレース運営ができたので初回としてはとても良かったと思っています」。
今回はゲスト選手として小室雅成選手(イナーメ信濃山形所属)と西加南子選手(LUMINARIA)が参加した。エリート女子は今回、西選手のみのエントリーとなってしまったが、二人は一般クラスの選手に走りながらのアドバイスを行うなど、参加者たちのサポートも行っていた。
海沿いながら風もなく、シャツ1枚で居られるほどの暖かな日でレースには易しいコンディション。コースはオーバル形状で難しいコーナーが設定されることもなく、そのぶん走りに集中できたようだ。
「良い天気で風が無くて良かった。今日参加した人たちはこのコースのいい面だけを感じたと思いますが、天気が悪い時は吹きっさらしで風が強くなるはずで、関西でいえば舞洲(まいしま)ようなコースです。風に煽られるディープリムの使用を自粛してもらうこともあり得ます」と山根さん。
上級クラスになるほどスピードが速く、コーナリングのテクニックや集団走行の技術が目に見えて上手くなる。グループをつくって果敢に逃げるシーンも見受けられた。ゴールは集団が長く伸びた状態でのスプリントになることがほとんどで、危険は少なかったが、審判の判断でゴール時の両手放しガッツポーズは禁止になった。
「失格にはしませんが、落車の危険を減らす意味で手放しゴールは控えて欲しいと考えました。ただし一人逃げのゴールではガッツポーズはアリにしたいと思います(検討中)。かっこ良く勝ちたい場合は逃げることですね!」。
山根さんは言う。「主催者としては、トレーニングレースですから”レースは1位でなければ意味が無い”と考えていた一方、ホビーレーサーの皆さんは16位と17位の違いにこだわる面がある。僕はフランスのクリテを走った経験から、本音では”1位以外は何位でも一緒。集団後方では(危険を避ける意味でも)順位争いをしない”という意識で居て欲しいと思っています。今回はまずは大会を成功させるということを意識して内容をスタンダードなものとしましたが、このあたりは今後主催者と参加者が一緒になって意識改革していければ良いことだと思っています。とはいえ底辺拡大のためにはレースの面白さを感じてもらい、喜んでもらうことも大事なので、今後さらに内容を工夫していきたいと思います」。
人数の関係で併せて出走させたクラス、周回数を変更した点などがあったようだが、概ね好評のうちに第1回大磯クリテは終了した。第2戦は12月22日(日)開催で、シリーズとしては5戦を予定している。関東に新しく誕生したオフ季のトレーニングレースとして定着しそうだ。
「安全なコースに設定したので、レース参加を始める前にこそ大磯クリテに出てもらいたいですね。今後は集団走行や先頭交代の練習会も開催していく予定です。大磯クリテで走行技術を学んでから、楽しいレースシーズンを迎えて欲しいですね」と山根さん。
大会ではお手伝いしてくれるボランティアさんたちも募集しているとのことだ。希望する方はウォークライドまで連絡を。
今後の開催予定
第2戦 12月22日(日)
第3戦 1月26日(日)
第4戦 2月23日(日)
第5戦 3月9日(日)
photo&text:Makoto.AYANO
フォトギャラリー(CW FaceBook)
会場となったのは大磯プリンスホテルの敷地内、大磯ロングビーチの駐車場だ。海沿いの駐車場の脇には西湘バイパスがとおり、すぐ隣は海。コースは駐車場内に1周900mの距離で設定された。
スタートゴール地点には協賛メーカーのスペシャライズドのバルーンアーチが設置され、華を添えていた。スペシャライズド・ジャパンは本社を厚木市に置くので、同じ神奈川県内のイベントとしての協賛だ。
レースの企画・主催は株式会社Walk Ride(ウォークライド)。湘南ベルマーレなどで選手として活躍した山根理史(やまね・まさふみ)さんが中心となって自転車レースやトレーニングに関して様々なイベントやスクール、ソフト提供をする新しい会社だ。そして会場敷地内にあるカートコースを運営する湘南シーサイドGPも主催社として大会に全面協力している。
レースは9時より順次スタート。ビギナー、ミドル、一般女子・中学生男子・女子、小学校低学年・高学年、シニア40・50・60代、そしてエリートと、脚力レベルと年齢・性別毎に細かくクラス分けされた。距離は例を挙げると一般で8周、ミドル17周、エリート37周だ。
当日の天候は雲ひとつ無い快晴。太陽を遮るもののない広々とした会場には日光がさんさんと降り注ぎ、湘南独特の温暖な気候がたっぷりと体感できる素晴らしい日和となった。会場からは冠雪の富士山と伊豆半島が見渡せ、観戦していても気持ちが良かった。
初回ながら262人の参加者を集め、レースはプログラム順に順調に続く。レースはスタートから半周がオートバイ先導によるローリングスタート。トレーニングレースとはいえFフォーク装着の計測チップも用意され、順位がつく。しかもJCFの制服に身を包んだ審判が判定するのには驚いた。
主催者の山根さんは言う。「今回はJCF公認審判の方に来ていただいたんですが、お陰でレースがしっかりと行えました。これは予定していなかったことなんです。当初、計測チップだけで行おうと考えていたところ、関係者の方に審判を呼んだほうが良いとアドバイスを受けて協力を仰ぎました。今後については他の大会(東京都ロードなど)ローカル大会との兼ね合いもあるのでいつも審判が来てくれるとは限りませんが、公平なレース運営ができたので初回としてはとても良かったと思っています」。
今回はゲスト選手として小室雅成選手(イナーメ信濃山形所属)と西加南子選手(LUMINARIA)が参加した。エリート女子は今回、西選手のみのエントリーとなってしまったが、二人は一般クラスの選手に走りながらのアドバイスを行うなど、参加者たちのサポートも行っていた。
海沿いながら風もなく、シャツ1枚で居られるほどの暖かな日でレースには易しいコンディション。コースはオーバル形状で難しいコーナーが設定されることもなく、そのぶん走りに集中できたようだ。
「良い天気で風が無くて良かった。今日参加した人たちはこのコースのいい面だけを感じたと思いますが、天気が悪い時は吹きっさらしで風が強くなるはずで、関西でいえば舞洲(まいしま)ようなコースです。風に煽られるディープリムの使用を自粛してもらうこともあり得ます」と山根さん。
上級クラスになるほどスピードが速く、コーナリングのテクニックや集団走行の技術が目に見えて上手くなる。グループをつくって果敢に逃げるシーンも見受けられた。ゴールは集団が長く伸びた状態でのスプリントになることがほとんどで、危険は少なかったが、審判の判断でゴール時の両手放しガッツポーズは禁止になった。
「失格にはしませんが、落車の危険を減らす意味で手放しゴールは控えて欲しいと考えました。ただし一人逃げのゴールではガッツポーズはアリにしたいと思います(検討中)。かっこ良く勝ちたい場合は逃げることですね!」。
山根さんは言う。「主催者としては、トレーニングレースですから”レースは1位でなければ意味が無い”と考えていた一方、ホビーレーサーの皆さんは16位と17位の違いにこだわる面がある。僕はフランスのクリテを走った経験から、本音では”1位以外は何位でも一緒。集団後方では(危険を避ける意味でも)順位争いをしない”という意識で居て欲しいと思っています。今回はまずは大会を成功させるということを意識して内容をスタンダードなものとしましたが、このあたりは今後主催者と参加者が一緒になって意識改革していければ良いことだと思っています。とはいえ底辺拡大のためにはレースの面白さを感じてもらい、喜んでもらうことも大事なので、今後さらに内容を工夫していきたいと思います」。
人数の関係で併せて出走させたクラス、周回数を変更した点などがあったようだが、概ね好評のうちに第1回大磯クリテは終了した。第2戦は12月22日(日)開催で、シリーズとしては5戦を予定している。関東に新しく誕生したオフ季のトレーニングレースとして定着しそうだ。
「安全なコースに設定したので、レース参加を始める前にこそ大磯クリテに出てもらいたいですね。今後は集団走行や先頭交代の練習会も開催していく予定です。大磯クリテで走行技術を学んでから、楽しいレースシーズンを迎えて欲しいですね」と山根さん。
大会ではお手伝いしてくれるボランティアさんたちも募集しているとのことだ。希望する方はウォークライドまで連絡を。
今後の開催予定
第2戦 12月22日(日)
第3戦 1月26日(日)
第4戦 2月23日(日)
第5戦 3月9日(日)
photo&text:Makoto.AYANO
フォトギャラリー(CW FaceBook)