ジュニア女子ロードレース。レース序盤に集団から飛び出した4名が逃げ切り、アマリー・ディデリクセン(デンマーク)がゴールスプリントで優勝した。中盤まで20番前後で走行していた坂口聖香(パナソニックレディース)は36位でフィニッシュしている。



出走サインの順番を待つ坂口聖香(パナソニックレディース)出走サインの順番を待つ坂口聖香(パナソニックレディース) photo:Kei Tsujiフィレンツェのネルソンマンデラフォーラムを発着する16.57kmの周回コースを5周する、全長82.85kmで行なわれたジュニア女子ロードレース。鍵を握るのは、高低差226mの「フィエーゾレ」と最大勾配16%の「サルヴィアーティ通り」という2つの登りだ。

曇り空の下、フィエーゾレの登りをこなすプロトン曇り空の下、フィエーゾレの登りをこなすプロトン photo:Kei Tsuji低い雲に覆われたフィレンツェをスタートしたのは81名。1周目でアンナ・クナウアー(ドイツ)、アナスタシア・イアコヴェンコ(ロシア)、オレナ・デミドワ(ウクライナ)の3名が飛び出し、遅れてアマリー・ディデリクセン(デンマーク)とジェセニア・メネセスゴンザレス(コロンビア)の2人が先頭にジョイン。3周目でクナウアーが遅れ、先頭4名で逃げ続けた。

集団前方でフィエーゾレの登りをこなす坂口聖香(パナソニックレディース)集団前方でフィエーゾレの登りをこなす坂口聖香(パナソニックレディース) photo:Kei Tsuji2分差で逃げを追うメイン集団は、周回を重ねる毎に人数を減らして行く。3周目まで常に集団前方で走行した坂口は「登りに入るとペースが上がって、平地でペースが落ちる。と思ったらまだ登りでペースが上がる。ペースの強弱が激しくて、脚がつるんじゃないかと思ったぐらい」と振り返る。

逃げを捕まえる徐々にペースを上げるメイン集団から、坂口は4周目のサルヴィアーティ通りで遅れてしまう。「(頂上で)前に集団が見えていたんですが、脚が(動かなかった)。その後、後ろから20人ぐらいの集団が追いついて来て、最終周回でまたセレクションがかかり、自分と似たペースの人とゴールを目指すしかなかった」。

メイン集団を寄せ付けないペースを刻んだ先頭4名は、1分以上のリードを維持して最終周回を駆け抜ける。するとサルヴィアーティ通りでコロンビアのメネセスゴンザレスがメカトラによって脱落。

ラスト5kmに位置する激坂を先頭でクリアしたイアコヴェンコ、デミドワ、ディデリクセンの3名による勝負に持ち込まれ、1996年5月生まれの16歳ディデリクセンが先着した。レース平均スピードは31.621km/h。



先頭でサルヴィアーティ通りを駆け上がるオレナ・デミドワ(ウクライナ)先頭でサルヴィアーティ通りを駆け上がるオレナ・デミドワ(ウクライナ) photo:Kei Tsuji1分30秒遅れでサルヴィアーティ通りに差し掛かるプロトン1分30秒遅れでサルヴィアーティ通りに差し掛かるプロトン photo:Kei Tsuji
ゴールスプリントを制したアマリー・ディデリクセン(デンマーク)ゴールスプリントを制したアマリー・ディデリクセン(デンマーク) photo:TDWsport/Kei Tsuji


4周目のサルヴィアーティ通りで坂口聖香(パナソニックレディース)と集団の距離が開く4周目のサルヴィアーティ通りで坂口聖香(パナソニックレディース)と集団の距離が開く photo:Kei Tsuji3分48秒遅れの36位でフィニッシュした坂口は「世界に対する感覚が変わりました」と語る。「日本のレースだと、心拍が上がった状態でアタックすると決まる場合があるんですが、世界だとそんな人が40人も50人もいる。脚が踏めなくなるぐらい厳しい状態から、どんどん踏んで行く。その後一旦落ち着くのではなく、更に踏んで行く選手ばかり。そのことにびっくりしました」。

1996年2月生まれの坂口は、ジュニア選手の中では比較的若い。坂口は「世界との差が目に見えて分かったのでよかった」という実感を持つと同時に「危機感を持ちました」とも語っている。

レース後のインタビューに答える坂口聖香(パナソニックレディース)レース後のインタビューに答える坂口聖香(パナソニックレディース) photo:Kei Tsujiジュニア女子ロードレース表彰台ジュニア女子ロードレース表彰台 photo:Kei Tsuji



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ロード世界選手権2013ジュニア女子ロードレース結果
1位 アマリー・ディデリクセン(デンマーク)         2h32'23"
2位 アナスタシア・イアコヴェンコ(ロシア)
3位 オレナ・デミドワ(ウクライナ)               +03"
4位 ジェセニア・メネセスゴンザレス(コロンビア)        +18"
5位 ミルダ・ジャンカウスケイト(リトアニア)          +34"
6位 テレサ・メドヴェドワ(スロバキア)
7位 セヴリーヌ・エロー(フランス)
8位 アレクサンドラ・マンリー(オーストラリア)
9位 ケリー・キャトリン(アメリカ)
10位 ジャンネ・コレヴァー(オランダ)
36位 坂口聖香(パナソニックレディース)           +3'48"

text&photo:Kei Tsuji in Firenze, Italy

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