2013/08/23(金) - 12:45
5つのカテゴリー山岳が登場するUSAプロチャレンジ(UCI2.HC)第4ステージで、27歳のコロンビアンクライマー、ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)が優勝。ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)がリーダージャージを手にした。
スティームボートスプリングスからビーバークリークに至る、165.6kmの今大会最難関ステージ。標高は3000m以下だが、レース中盤にかけて4級山岳が3つ連続し、ゴール12km手前で1級山岳バチェラーガルチをクリア。最後は3級山岳ビーバークリークを駆け上がってゴールを迎える。
レース序盤、逃げの展開に持ち込みたい豪華な顔ぶれが攻撃を繰り返す。ここまで淡々と調整の走りを続けていたツール・ド・フランス覇者クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)もアタック合戦に加わった。
やがてカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、スカイプロサイクリング)やマイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)、トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・レオパード)を含む強力な10名が先行。ガーミン・シャープ率いるメイン集団から5分前後のリードで逃げる。
思うようにタイム差を広げることが出来ない逃げグループは、レース中盤、シウトソウのアタックを切っ掛けに分裂する。5名に再編成された逃げグループは、メイン集団とのタイム差を保ったまま、最大の難所である1級山岳バチェラーガルチに差し掛かった。
標高2870m、最大勾配が18%に達するこの1級山岳で先頭はロジャース単独に。後方のメイン集団はガーミン・シャープとBMCレーシングチームのペースアップによって崩壊する。リーダージャージのラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が脱落すると、トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)、マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)、そしてハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)の4名が抜け出した。
ダニエルソンが積極的にペースを上げるメイングループは、先頭を走るロジャースを抜き去り、フランクを引き離して1級山岳の頂上をクリア。すると下りでアセベドとヴァンガーデレンの2人がアタック。下りでリードを広げた2人が、そのまま3級山岳ビーバークリークを駆け上がった。
後続を引き離した2人がフィニッシュラインに到達。総合狙いのヴァンガーデレンはスプリントせず、アセベドがステージ優勝。ヴァンガーデレンは狙い通りリーダージャージを獲得した。
「調子がよく、自信をもっていた」と話す27歳のアセベド。クライマーとして申し分ない登坂力を備えながら、抜群のダウンヒル能力でライバルを引き離す。「最小限のリスクでコーナーを曲がり、出来るだけ下りを攻めないように心がけた。今日はアメイジングな一日だ。素晴らしい勝利を手にすることが出来た」。
アセベドは5月のツアー・オブ・カリフォルニアの第2ステージ頂上ゴールで勝利。リーダージャージを着用し、最終的に総合3位でレースを終えている。8月上旬に行なわれたツアー・オブ・ユタでも総合3位に入っており、このUSAプロチャレンジでも総合3位にジャンプアップ。これまでの成績が決して運によるものではないと証明した。
総合首位に立ったヴァンガーデレンは「今は落ち着いて、戦略に沿ってスマートに走りたい。(総合4位の)ダニエルソンから40秒のリードを得ているので、攻めることなくコンサバティブに走るよ」とコメントする。フランクが1級山岳で遅れながらもステージ3位に入ったため、BMCレーシングチームは総合ワンツー体制を築いている。
選手コメントはチーム公式サイトとレース公式サイトより。
USAプロチャレンジ2013第4ステージ結果
1位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン) 4h09'08"
2位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
3位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +13"
4位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +22"
5位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム) +1'07"
6位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) +1'28"
7位 ジョシュア・エドモンソン(イギリス、スカイプロサイクリング)
8位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
9位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア)
66位 増田成幸(日本、キャノンデールプロサイクリング) +13'36"
109位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム) +20'27"
個人総合成績
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 15h44'59"
2位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +04"
3位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン) +30"
4位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +40"
5位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +1'17"
6位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム) +1'37"
7位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア) +1'52"
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) +1'58"
9位 ロリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)
10位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
マシュー・クック(アメリカ、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)
新人賞
ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
スティームボートスプリングスからビーバークリークに至る、165.6kmの今大会最難関ステージ。標高は3000m以下だが、レース中盤にかけて4級山岳が3つ連続し、ゴール12km手前で1級山岳バチェラーガルチをクリア。最後は3級山岳ビーバークリークを駆け上がってゴールを迎える。
レース序盤、逃げの展開に持ち込みたい豪華な顔ぶれが攻撃を繰り返す。ここまで淡々と調整の走りを続けていたツール・ド・フランス覇者クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)もアタック合戦に加わった。
やがてカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、スカイプロサイクリング)やマイケル・ロジャース(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)、トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・レオパード)を含む強力な10名が先行。ガーミン・シャープ率いるメイン集団から5分前後のリードで逃げる。
思うようにタイム差を広げることが出来ない逃げグループは、レース中盤、シウトソウのアタックを切っ掛けに分裂する。5名に再編成された逃げグループは、メイン集団とのタイム差を保ったまま、最大の難所である1級山岳バチェラーガルチに差し掛かった。
標高2870m、最大勾配が18%に達するこの1級山岳で先頭はロジャース単独に。後方のメイン集団はガーミン・シャープとBMCレーシングチームのペースアップによって崩壊する。リーダージャージのラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が脱落すると、トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)、マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)、そしてハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)の4名が抜け出した。
ダニエルソンが積極的にペースを上げるメイングループは、先頭を走るロジャースを抜き去り、フランクを引き離して1級山岳の頂上をクリア。すると下りでアセベドとヴァンガーデレンの2人がアタック。下りでリードを広げた2人が、そのまま3級山岳ビーバークリークを駆け上がった。
後続を引き離した2人がフィニッシュラインに到達。総合狙いのヴァンガーデレンはスプリントせず、アセベドがステージ優勝。ヴァンガーデレンは狙い通りリーダージャージを獲得した。
「調子がよく、自信をもっていた」と話す27歳のアセベド。クライマーとして申し分ない登坂力を備えながら、抜群のダウンヒル能力でライバルを引き離す。「最小限のリスクでコーナーを曲がり、出来るだけ下りを攻めないように心がけた。今日はアメイジングな一日だ。素晴らしい勝利を手にすることが出来た」。
アセベドは5月のツアー・オブ・カリフォルニアの第2ステージ頂上ゴールで勝利。リーダージャージを着用し、最終的に総合3位でレースを終えている。8月上旬に行なわれたツアー・オブ・ユタでも総合3位に入っており、このUSAプロチャレンジでも総合3位にジャンプアップ。これまでの成績が決して運によるものではないと証明した。
総合首位に立ったヴァンガーデレンは「今は落ち着いて、戦略に沿ってスマートに走りたい。(総合4位の)ダニエルソンから40秒のリードを得ているので、攻めることなくコンサバティブに走るよ」とコメントする。フランクが1級山岳で遅れながらもステージ3位に入ったため、BMCレーシングチームは総合ワンツー体制を築いている。
選手コメントはチーム公式サイトとレース公式サイトより。
USAプロチャレンジ2013第4ステージ結果
1位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン) 4h09'08"
2位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
3位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +13"
4位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +22"
5位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム) +1'07"
6位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) +1'28"
7位 ジョシュア・エドモンソン(イギリス、スカイプロサイクリング)
8位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
9位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア)
66位 増田成幸(日本、キャノンデールプロサイクリング) +13'36"
109位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム) +20'27"
個人総合成績
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 15h44'59"
2位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) +04"
3位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン) +30"
4位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ) +40"
5位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +1'17"
6位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム) +1'37"
7位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、コロンビア) +1'52"
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) +1'58"
9位 ロリー・スザーランド(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)
10位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
マシュー・クック(アメリカ、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)
新人賞
ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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