2013/08/14(水) - 09:49
エネコ・ツアー(UCIワールドツアー)第2ステージ。登りスプリント勝負で2011年U23世界チャンピオンが、2012年エリート世界チャンピオンを打破。21歳のアルノー・デマール(フランス、FDJ.fr)がステージ優勝とリーダージャージを同時に手にした。
アルドーイェを発ち、フランドル地方の平野を蛇行しながら首都ブリュッセルへ。全長176.9kmのコースには「クルイスベルグ」を始めとする6つの急坂が設定されている。ワンデークラシックさながらのコースレイアウトで、ブリュッセル市内のボルストに向かう標高差40mほどの登りでフィナーレを迎える。
この日もベルギーのUCIプロコンチネンタルチームが積極的に動く。トップスポートフラーンデレン所属のベルギー人選手ローレンス・デフリースとティム・デクレルクが逃げ、ゲディミナス・バグドナス(リトアニア、アージェードゥーゼル)とマシュー・ヘイマン(オーストラリア、スカイプロサイクリング)が合流した。
最大7分まで広がったタイム差は、ベルキンプロサイクリングやオメガファーマ・クイックステップの集団コントロールによって縮小する。ゴール20km手前の「アルセンベルク」に差し掛かる頃にはタイム差が2分に。メイン集団からはニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)がカウンターアタックが飛び出し、マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソ・ティンコフ)が合流。
やがて先頭は3名に絞られ、ゴール14km手前の「ブルインプット」でヘイマンが先行。飛び出していたテルプストラやブレシェルはメイン集団に引き戻される。
デフリースとデクレルクは先頭ヘイマンに追いつき、3名でメイン集団を1分引き離したまま残り10kmに差し掛かる。メイン集団ではBMCレーシングチーム、ロット・ベリソル、ベルキンプロサイクリング、オリカ・グリーンエッジ、ガーミン・シャープ、アルゴス・シマノが総力を挙げて牽引。猛烈な勢いで追撃するメイン集団に、先頭3名は残り3kmで吸収された。
リーダージャージを着るマーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)は後輪パンクによって残り2kmで脱落。オメガファーマ・クイックステップとヴァカンソレイユ・DCMが先頭に、残り1kmから始まる登りに突入した。
ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム)にリードされて先頭に立ったのは、アルカンシェルを着るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)。今シーズン0勝の世界チャンピオンが得意の登りスプリントに持ち込んだが、その後ろから青いFDJ.frジャージのデマールが勢い良く飛び出す。
ジルベールは「パーフェクトな展開だった。登りの200mスプリントは自分の勝ちパターン。でもデマールの加速に反応出来なかった」と振り返る。アルカンシェルを悠々と抜き去ったデマールが先着した。
2011年のロード世界選手権U23ロードレースで優勝したデマールは、フランス北部ボーヴェ出身の21歳。プロ2年目の今シーズンはダンケルク4日間レースでステージ3勝&総合優勝、ツール・ド・スイスでステージ1勝、ライドロンドン・クラシック制覇など、ビッグレースで成績を残している。登りもこなせるフランス期待のスプリンターだ。
UCIワールドツアーで初めてリーダージャージを着たデマールは「スプリントに向けて準備を整えているジルベールやポッツァートに食らいついた。スプリントでライバルたちを追い抜くことが出来て本当にハッピーだ。僕は登りスプリントが得意で、優勝したコペンハーゲンの世界選手権U23レースも同じようなフィニッシュだった。まさかリーダージャージをゲット出来るとは思っていなかったよ」とコメントしている。
第2ステージを終えてレンショーが3秒差の総合2位、ジルベールが4秒差の総合3位。2日連続でトップ10に入ったテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)がポイント賞ジャージを獲得している。宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)はステージ112位。スプリントに絡んだチームメイトのマルコ・クンプ(スロベニア)がステージ4位に入った。
選手コメントはレース公式サイトならびにBMCレーシングチーム公式サイトより。
エネコ・ツアー2013第2ステージ結果
1位 アルノー・デマール(フランス、FDJ.fr) 4h03'34"
2位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 マルコ・クンプ(スロベニア、サクソ・ティンコフ)
5位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、アクセントジョブス)
7位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
9位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキンプロサイクリング)
10位 マチュー・ラダニュ(フランス、FDJ.fr)
112位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ) +1'03"
個人総合成績
1位 アルノー・デマール(フランス、FDJ.fr) 8h04'40"
2位 マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング) +03"
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) +04"
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +06"
5位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキンプロサイクリング) +07"
6位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +08"
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +09"
8位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ) +10"
9位 マチュー・ラダニュ(フランス、FDJ.fr)
10位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、アクセントジョブス)
108位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ) +1'13"
ポイント賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
コンバティビティ賞
ローレンス・デフリース(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
FDJ.fr
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
アルドーイェを発ち、フランドル地方の平野を蛇行しながら首都ブリュッセルへ。全長176.9kmのコースには「クルイスベルグ」を始めとする6つの急坂が設定されている。ワンデークラシックさながらのコースレイアウトで、ブリュッセル市内のボルストに向かう標高差40mほどの登りでフィナーレを迎える。
この日もベルギーのUCIプロコンチネンタルチームが積極的に動く。トップスポートフラーンデレン所属のベルギー人選手ローレンス・デフリースとティム・デクレルクが逃げ、ゲディミナス・バグドナス(リトアニア、アージェードゥーゼル)とマシュー・ヘイマン(オーストラリア、スカイプロサイクリング)が合流した。
最大7分まで広がったタイム差は、ベルキンプロサイクリングやオメガファーマ・クイックステップの集団コントロールによって縮小する。ゴール20km手前の「アルセンベルク」に差し掛かる頃にはタイム差が2分に。メイン集団からはニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)がカウンターアタックが飛び出し、マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソ・ティンコフ)が合流。
やがて先頭は3名に絞られ、ゴール14km手前の「ブルインプット」でヘイマンが先行。飛び出していたテルプストラやブレシェルはメイン集団に引き戻される。
デフリースとデクレルクは先頭ヘイマンに追いつき、3名でメイン集団を1分引き離したまま残り10kmに差し掛かる。メイン集団ではBMCレーシングチーム、ロット・ベリソル、ベルキンプロサイクリング、オリカ・グリーンエッジ、ガーミン・シャープ、アルゴス・シマノが総力を挙げて牽引。猛烈な勢いで追撃するメイン集団に、先頭3名は残り3kmで吸収された。
リーダージャージを着るマーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング)は後輪パンクによって残り2kmで脱落。オメガファーマ・クイックステップとヴァカンソレイユ・DCMが先頭に、残り1kmから始まる登りに突入した。
ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム)にリードされて先頭に立ったのは、アルカンシェルを着るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)。今シーズン0勝の世界チャンピオンが得意の登りスプリントに持ち込んだが、その後ろから青いFDJ.frジャージのデマールが勢い良く飛び出す。
ジルベールは「パーフェクトな展開だった。登りの200mスプリントは自分の勝ちパターン。でもデマールの加速に反応出来なかった」と振り返る。アルカンシェルを悠々と抜き去ったデマールが先着した。
2011年のロード世界選手権U23ロードレースで優勝したデマールは、フランス北部ボーヴェ出身の21歳。プロ2年目の今シーズンはダンケルク4日間レースでステージ3勝&総合優勝、ツール・ド・スイスでステージ1勝、ライドロンドン・クラシック制覇など、ビッグレースで成績を残している。登りもこなせるフランス期待のスプリンターだ。
UCIワールドツアーで初めてリーダージャージを着たデマールは「スプリントに向けて準備を整えているジルベールやポッツァートに食らいついた。スプリントでライバルたちを追い抜くことが出来て本当にハッピーだ。僕は登りスプリントが得意で、優勝したコペンハーゲンの世界選手権U23レースも同じようなフィニッシュだった。まさかリーダージャージをゲット出来るとは思っていなかったよ」とコメントしている。
第2ステージを終えてレンショーが3秒差の総合2位、ジルベールが4秒差の総合3位。2日連続でトップ10に入ったテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)がポイント賞ジャージを獲得している。宮澤崇史(サクソ・ティンコフ)はステージ112位。スプリントに絡んだチームメイトのマルコ・クンプ(スロベニア)がステージ4位に入った。
選手コメントはレース公式サイトならびにBMCレーシングチーム公式サイトより。
エネコ・ツアー2013第2ステージ結果
1位 アルノー・デマール(フランス、FDJ.fr) 4h03'34"
2位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 マルコ・クンプ(スロベニア、サクソ・ティンコフ)
5位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、アクセントジョブス)
7位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ランプレ・メリダ)
8位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
9位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキンプロサイクリング)
10位 マチュー・ラダニュ(フランス、FDJ.fr)
112位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ) +1'03"
個人総合成績
1位 アルノー・デマール(フランス、FDJ.fr) 8h04'40"
2位 マーク・レンショー(オーストラリア、ベルキンプロサイクリング) +03"
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) +04"
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +06"
5位 ラース・ボーム(オランダ、ベルキンプロサイクリング) +07"
6位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +08"
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +09"
8位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ) +10"
9位 マチュー・ラダニュ(フランス、FDJ.fr)
10位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、アクセントジョブス)
108位 宮澤崇史(日本、サクソ・ティンコフ) +1'13"
ポイント賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
コンバティビティ賞
ローレンス・デフリース(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
チーム総合成績
FDJ.fr
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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